法務大臣閣議後記者会見の概要

令和3年1月8日(金)

 新しい年を迎えました。今年初めての記者会見ということで,1年どうぞよろしくお願い申し上げます。
 今朝の閣議において,法務省案件はございませんでした。
 続きまして,私から2件御報告を申し上げます。
 まず1件目は,オウム真理教に対する観察処分の期間更新決定についてです。
 公安審査委員会におきまして,1月6日(水曜日),いわゆるオウム真理教に対する観察処分について,公安調査庁による期間更新請求を受け,同処分の期間を更新する旨の決定を行ったものと承知しております。
 公安審査委員会では,公安調査庁及び被請求団体が提出した各証拠等に基づいて厳正かつ慎重な審査を遂げた結果,公安調査庁の請求を認め,当該団体に対する観察処分の期間更新を決定したものと考えております。
 同決定でも示されたとおり,当該団体は,いわゆる地下鉄サリン事件を始めとする未曾有のテロ事件の首謀者である麻原彰晃こと松本智津夫の絶対的な影響力の下で活動するなど,今もなお,無差別大量殺人行為に及ぶ危険性を有しております。
 一連の事件から25年経った現在でも,被害者とその御家族・御遺族の苦しみが消えることはなく,団体施設の周辺住民の方々も不安な生活を余儀なくされています。
 公安調査庁において,引き続き,観察処分を適正かつ厳格に実施し,当該団体の活動実態の把握に努めることなどを通じて,公共の安全を維持し,国民の皆様方の不安感の解消・緩和に貢献していくものと考えております。
 私といたしましても,改めてこの問題を決して風化させてはならないとの決意を新たにしたところです。
 2点目でありますが,法務省関連の新型コロナウイルス感染症の感染状況について申し上げます。
 昨年12月25日(金曜日)に会見をいたしましたが,その後から昨日までの間に,職員につきましては,22の官署又は施設において,計31名の感染が判明いたしました。
 また,被収容者につきましては,東京拘置所1名,横浜刑務所2名,計3名の感染が判明しております。
 詳細は既に公表されたとおりです。

緊急事態宣言に関する質疑について

【記者】
 首都圏一都三県を対象に緊急事態宣言が発令されました。大臣の受け止めと,法務省としてどのように対応されていくか方針をお聞かせください。

【大臣】
 昨日1月7日,政府対策本部長であります菅総理が,新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づき,一都三県を対象とした緊急事態宣言を発出したところであります。
 今回の宣言は,首都圏を中心に新型コロナウイルス感染症の感染が拡大している状況や,医療提供体制・公衆衛生体制に対する負荷の状況等を総合的に考慮して,これ以上の感染拡大を食い止め,感染を減少傾向に転じさせることを目的として発出されたもので,大変重く受け止めております。
 法務省におきましては,これまでも,基本的対処方針やガイドライン,マニュアル等を策定いたしまして,各種感染対策を実施してきております。
 私が法務大臣に就任したのは昨年9月16日でありますが,その後直ちに,来る秋冬の季節性インフルエンザとの同時流行のリスクも想定して,リスク管理に万全を期するためにその対策を大幅に強化いたしまして,体制の整備,対策方針の具体的なシミュレーションを行うなどの取組を進めてきたところでございます。
 このようにギアアップした準備,取組を進めたことにより,法務行政の各現場におきましては,全国5万4千人の職員がそれぞれの部署で,大変高い緊張感を持って感染対策に取り組んでおります。これまで法務省関連の感染状況については,「見える化」をすることにより,法務省がワンチームで取り組んでいこうということで,私も毎週金曜日の記者会見で報告をさせていただいているところですが,感染拡大につきましてはある程度抑え込んできていると評価しているところです。
 この感染対策のレベルを落とさず,その上で,更に感染拡大状況に応じた工夫を凝らして,職員が一丸となって新型コロナウイルスに立ち向かっていくということが必要であり,緊急事態宣言,この時期をベースに,更にギアアップを図っていく必要があると改めて認識しております。
 まずは,改めて職員一人一人が法務省職員としての自覚の下,公私におきまして,感染症対策を強く意識し,自らの行動を律していくということが基本であると考えております。
 その上で,先ほど御報告いたしましたように,全国的に法務省職員等の感染が増加していることも事実でございますので,全国の法務省の組織に対しまして,改めて基本的対処方針等の内容を周知徹底させるとともに,必要に応じ,体制やシミュレートしていた対応方策の見直しを行わせるなど,一層の緊張感を持って,法務省職員,収容施設の被収容者,庁舎への来庁者等への感染防止対策,法務省職員や被収容者に感染者が発生した場合の感染拡大防止策などに取り組んでまいりたいと思っております。
 また,テレワークや早出遅出勤務の更なる推進などにより,職員の感染リスクを更に低減してまいりたいと考えております。
 既に,こうしたことにつきましては様々な通知をしているところでありますが,昨年12月25日に,年末年始は「静かな年末年始」ということで指示がございましたので,その徹底のために法務省新型コロナウイルス感染症対策本部を緊急に開催いたしました。
 今回の緊急事態宣言を踏まえまして,本日午後に対策本部を緊急開催いたしまして,具体的なオペレーションについて改めて指示をする予定としております。
 法務省は,国民生活の安全・安心を守るための法的基盤の整備,社会正義の実現という重大な使命を担っており,緊急事態宣言下にありましても,国民,そして職員の生命・健康を守りつつ,各業務を適正に継続してまいる所存でございます。
 特に,矯正施設,入管収容施設につきましては,緊急事態宣言下でも休むことは許されません。また,施設内でのクラスターを生じさせないためには,まず職員自身が常に緊張感を持って感染対策を講じる必要があるなど,非常に厳しい中で業務を継続していく必要がございます。
 これからの1か月が正に正念場と考えておりまして,力を尽くしてまいりたいと考えております。

仮放免等に関する質疑について

【記者】
 緊急事態宣言に関する質問ですが,昨年4月の緊急事態宣言下では,特別定額給付金の一律10万円の給付など公的な生活支援対策は住民基本台帳に登録されている住民に限定されていて,仮放免中で帰国できない理由がある難民申請者ですとか,在留特別許可を求めている定住性の高い非正規滞在者や,在留期限が切れてしまった技能実習生,留学生などは支給対象外になっていました。結果,仮放免者の生活困窮や医療問題が深刻化しているというのは御承知だと思います。
 先月23日にも埼玉県の川口市長から仮放免中の外国籍住民が公的な行政サービスを受けられるようにということで法務省の入管行政としてできる緊急対策の要請があったわけですが,今回の緊急事態宣言は昨年4月の状況と比べてもはるかに深刻な状況だと思います。
 これ以上,仮放免者の生活や健康状態を悪化させないために様々なこと,在留特別許可のことですとか,仮放免でも公的な行政サービスを受けられるとか,地方自治体として対応できるように通知を出すとか,何らかの対策を法務省でも検討することが必要だと思うのですが,そういったことは考えていらっしゃるのかどうかということが1点。
 それから今,入管収容施設の問題もありましたが,仮放免されず長期収容されている方も結構多いですし,これを地方入管任せにせずに,昨年の場合は森前法務大臣が中心になって,法務省本省の方で対策本部がということだと思うのですが,クラスター感染対策として仮放免の積極的な運用を指示されたと思うのですが,そういった仮放免の積極的な運用について,今後対策本部の方で検討されるということを大臣は考えていらっしゃるのでしょうか。仮放免中の生活支援のことと,今収容中の方の仮放免許可の運用について,この2点をお伺いします。

【大臣】
 緊急事態宣言が発出されまして,国民のみならず,様々な方々の健康そして生命ということについては,等しく大切にしていかなければならないと認識をしております。仮放免中の方を含めまして,外国人の方々が新型コロナウイルス関連の情報につきまして,適切にアクセスすることができるというのがまず第一でありますので,孤立化させないということについての尽力については,私自身しっかりと取り組んでまいりたいと思っております。
 以前にもいろいろな形でお答えをさせていただいているところでありますが,仮放免中の外国人の方々につきましては,本人が希望する場合は,居住地などを当該市町村に通知している状況であります。そして,各所管の省庁,また市町村におきまして,提供可能な行政サービスについては適切に対応するというルールになっておりますので,そういったところについては徹底していく必要があると思っております。
 出入国在留管理庁といたしましても,外国人御本人からの希望の聴取,市区町村への通知につきましては,更に徹底してまいりたいと思っております。
 また,出入国在留管理庁におきましては,仮放免中の外国人の方々が生活に困窮している場合につきましては,所轄の地方出入国在留管理局等に御連絡・御相談をいただき,帰国の支援も含めまして,個別にきめ細やかな対応を行うということであり,一人一人に寄り添って対応していくということを基本としているところでございますので,是非そういった意味で,御相談いただきたいと,重ねてお願いしたいと思っております。
 さらに,在留特別許可を行うか否かにつきましては,従来から,在留を希望する理由,素行,人道的な配慮の必要性などの事情をそれぞれ総合的に勘案しながら判断をしている状況でございまして,現在の状況下におきましても,個別の事案ごとに適切に判断を行い,制度を適正に運用していくということに努めてまいるということでございます。
 また,御指摘の入管収容施設の感染防止対策ということでございますが,昨年5月に感染防止マニュアルを策定いたしました。これに基づき,仮放免の活用を含めまして,様々な措置を講じてきたところでございます。
 仮放免を許可するか否かということでありますが,我が国における在留状況,健康状態,逃亡するおそれの程度などの事情につきまして,総合的に判断しておりまして,現在の状況下におきましても,個別の事案ごとに適切に判断を行い,制度を適切に運用するということに努めているところでございます。
 なお,仮放免制度に関する様々な御指摘・御意見は,かねてから申し上げているとおり,非常に重要な問題と受け止めております。現在,入管法改正案の検討をしている状況でありますが,この仮放免の状態が特に長期化することがないように,そうしたことの解消を優先課題の一つとして位置付け,速やかに立案作業を進めてまいりたいと思っております。
 新型コロナウイルス感染拡大の折でございますので,これまでこうしてきたからというだけにとどまらず,あらゆる側面から情報を入手しながら,適切にこの1か月,感染拡大にならないように努めてまいりたいと思っております。

(以上)