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法務大臣閣議後記者会見の概要

平成23年5月27日(金)

 今日はまず低潮線に関する海洋関係の会議がございました。その後閣議がございましたが,当省関係のものは特にはございません。
 今日は私から二つ御報告させていただきます。まず刑事収容施設法施行5年後の見直しについて,この法律は平成18年5月に施行されて,その附則で5年以内に施行状況について検討を行い,必要に応じて所要の措置を講じることとなっておりましたが,今回,検討の結果を取りまとめ,これに基づいて刑事施設視察委員会の意見の尊重の明示や,外出・外泊制度の運用促進,こうした法の趣旨を一層適切に実現するための所要の省令,それから訓令等の改正を行いました。本年6月1日から施行の予定でございます。被収容者の人権の尊重,そして状況に応じた適切な処遇,こういう法の目的を更に一層達成できるように,そして同時に国民の皆さんが安心して暮らせる安全な社会の実現に寄与するようにと考えております。検討結果は,本日,法務省ホームページに掲載をし,国民の皆さんにも報告をすることになっております。
 もう一つですが,本日,東日本大震災に起因する民事紛争について,一定の範囲で民事調停の申立手数料を免除する措置を講じるために政令の一部改正政令が閣議決定されました。御承知のとおり,東日本大震災では地震及び津波,そして原子力発電所の事故,こうしたことで多くの方に深刻な被害が生じておりまして,震災に起因する民事紛争についても,今後,顕在化してくるということで,この政令により負担を少なくし,民事紛争で裁判所による民事調停手続の活用が図れるように考えております。被災された方々の復興がこうした方法によって,より円滑に進んでいくことを期待しております。

刑事収容施設法施行5年後の見直しに関する質疑について

【記者】
 外出・外泊制度の運用の促進ということで,GPSを受刑者の方に装着するという外出・外泊の措置をということなのですけれども,一方でそういったものを着けるということには監視社会の強化といったイメージがあるのですけれども,狙いとしてはどういうふうに考えていらっしゃるのでしょうか。
【大臣】
 GPSを一定の人に着けて,そして行動を監視下に置こうという,そんな考えが一部地域にあるということが報道されておりますが,これは今回の措置とは全く関係がありません。GPS装置を持たせることについては,以前から施設内処遇というのは,ただ施設内の処遇だけで良いのかと,施設内処遇というのは,いずれは社会に戻っていくわけだから,社会とのいろんな関係性をより良いものにしていくというのが大切なのではないかと,そういうことで収容施設の壁をなるべく低くしていこう,社会との接点をなるべく多く持っていこうというのが,矯正の一つの方法として考えられていました。しかし,現実には,一泊していらっしゃいとか家族とお茶でも飲んでいらっしゃいとか,そういうことがなかなかできにくかった。施設の外にある農場で農耕に従事するといったことはありましたが,なかなか思うように広がらなかったので,今回なるべく目立たぬように,小型のGPS装置を持たせることによって,行動を把握しながら,同時にちゃんと施設に戻ってくるという意識を受刑者の皆さんに持たせ,更に,ちゃんと戻ってくることで,受刑が円滑に進むと,そういうことを担保するためにこうしたことを活用しようということにしたのであって,これはあくまで受刑中の者に対する社会復帰を促進するための措置でございまして,刑の執行が終わった者を後までずっと監視をして,社会の中での行動に制約を加えるというものとは全く反対の方向を向いた措置だと思っております。

民法の一部改正に関する質疑について

【記者】
 今日,参議院本会議の方で,かねてからの懸案の親権の件で,法案が成立する見込みですが,改めて所感をお願いします。
【大臣】
 これは民法等の改正案で,これから開かれる参議院の本会議で採決をしていただけるものと思っておりますが,児童虐待が重大な社会問題として,ずっと存在し続けておりまして,児童虐待防止法も二度,三度議員提案で改正をし,いろんな手立てを講じてきましたが,やっぱり,いや私が親権者なんだ,私の子どもだから世間の者は口を出すなというような事例が後を絶たない。しかし,親権の行使というのは子の利益のために行われるのであって,親の勝手じゃだめなんだということを何とか法律の形にしたいと,こういうことで皆さんの英知を集めて今回親権の一時停止とか,あるいは未成年後見制度の一層の活用とか,そうしたことを民法の改正ということで取り上げました。児童福祉法の方も入っておりますが,それがやっと間もなくできあがるということになりまして,児童虐待防止,そして親の子育て意識の涵養,そうしたことに役立てるように,これからこの法の施行に向けて,いろんな準備をしていきたいと思っているところです。やっとここまで来た,さらに,一層国民の皆さんにも子どもの福祉というのが親の務めなのですよという意識をしっかりと持っていただきたいと思います。
【記者】
 民法の一部改正が今日成立した場合の今後の施行に向けたスケジュールが今ありましたらお願います。
【大臣】
 若干時間がかかると思いますが,施行に向けては着実に準備を進めています。周知方もしっかりしないといけないと思っています。
【記者】
 衆参の法務委員会で政府に全面的な検討を求める内容の附帯決議が決議されました。今後の親権の在り方の検討についてのお考えをお聞かせください。
【大臣】
 今回の改正は衆参の委員会の際にもルールを申し上げましたが,児童虐待の防止の観点で親権というものに一定の制約を加えようと,これが中心で,そのために例えば懲戒という言葉をどうするのだと,まだ懲戒という言葉自体を外すところまで社会の理解を得られていないんじゃないかということもあって,懲戒という言葉が残ったり,あるいは離婚の場合は,我々はこれまで単独親権でやってきましたが,世界的に見ると共同親権ということもあって,こうした検討も,今回は今までのものを変えるところまでいかないから,これまでの単独親権を踏襲しようということになっていましたが,社会の変化,家族の在り方の変化などを考えて,あるいは懲戒という言葉もちょっと古いというようなこともあって,そうしたことを全体として検討すべしというのが,衆参の附帯決議にも出ていますし,その問題提起をしっかり受け止めたいと思います。具体的にどういう検討のスケジュールなのかというところまで煮詰まっているわけではありません。

福島第一原発に関する質疑について

【記者】
 福島第一原発事故の対応をめぐって,政府・東電が最初は注水を一時停止していたと公式に発表していたのですが,実は所長の判断で注水が続いていたという,違うような話も出てきていますけれども,こういう情報発信がめちゃくちゃでして,国民は何を信じていいか分からないという状況に陥っていますけれども,政府の一員としてこういう状況をどういうふうに捉えていらっしゃいますか。
【大臣】
 情報が混乱しているということは,大変残念なことだと思います。今この事故全体についてしっかりした調査と検証を行って,そしてそれをしっかりしたものにまとめて,国際社会の共通の共有の財産にして,これからの原発と人間との関わり方について過ちなきを期していきたいと,政府として思っているところですが,菅首相も今サミットでそういう活動をしている,その最中にこうしたことが起きたことは大変残念でございます。ただ,全体として見ると,まだちゃんと検証してみないと,注水は続けていたことが嘘かなんてことになったらまた大変ですからね。しかし,事実としては今のところ分かる限りで言えば,真水の注水が止まったと,真水がなくなって,その後直ちに海水の注水を続けて,ずっと中断せず続いていたというのが事実で,その事実と異なる一時中断という情報があり,それが政治問題化したと。どういう根拠で一時中断したという情報が出て,どういう経過でそれが政治問題化したかということについては,私は与野党のどちらかというよりも,むしろ今の政治の足の引っ張り合いをしようという中から出てきた異常な現象じゃないかと思うんですね。もっとこの事故をしっかりと収束させて,そして国民の安全・安心にちゃんとつなげていく,それが,与野党問わず,みんなの責任ではないかと思うので,個々の事象で,願わくば政府や東電の取組の足を引っ張るという形にならないように願っております。

内閣不信任案に関する質疑について

【記者】
 野党が検討している内閣不信任案の提出に対して,民主党内の一部から同調するような動きですとか,提出すべきだという声が出ておりますけど,この件に関して大臣はどのようにお考えですか。
【大臣】
 私も内閣の一員で,内閣としては与党としっかり連携を取りながら,与党の皆さんのしっかりとした支えをいただいて政権運営を行っていると思っておりまして,与党からそうしたような動きが現実化することはないと確信しています。

再審事件の判決に関する質疑について

【記者】
 今週火曜日に布川事件で無罪判決が出たのですが,所感をお願いします。
【大臣】
 これは個別の事件で,個人的な思いはありますが,しかし今,ああいう再審判決が出たところですから,しっかりと検討していくと,無罪ということなので,そのこと自体は重く受け止めなくてはなりませんが,個別の事件ですので,あれがこうだとかこれがああだということまでは申し上げない方が良いと思います。
【記者】
 今回証拠開示,証拠隠しなどが問題となったのですが,これからの法制度の改革で,証拠開示を進めるかとか,証拠を隠した捜査機関などに罰則を求めるかとかその2点についてお願いします。
【大臣】
 これからのことですが,証拠開示については,この事件はかなり以前の事件ですから,当時の証拠開示の水準と今の証拠開示の水準は随分変わってきているので,ここで言われたから今の証拠開示の在り方について何か検討しなきゃいかんということにはなっていないと思いますが,いずれにしてもしっかり対応していきたいと思います。

(以上)
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