法務大臣閣議後記者会見の概要

令和3年1月29日(金)

 今朝の閣議において,法務省案件はございませんでした。
 続いて,私から4件御報告をいたします。
 1件目は,共生社会の実現のための有識者会議についてです。
 本日,外国人材の受入れ・共生に関する関係閣僚会議において,関係閣僚会議の下,外国人との共生社会の実現のための有識者会議を開催することが決定されました。
 共生社会の実現のため,政府としては,これまで,「外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策」を策定し,その施策を着実に実施してきたところです。
 昨年来の新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響等も踏まえますと,我が国に適法に在留する外国人を孤立させることなく,社会を構成する一員として受け入れていくという視点に立ち,これまで以上に共生社会の実現に向け取り組んでいく必要があると考えております。
 そのため,共生社会の在り方,その実現に向けて取り組むべき中長期的な課題について調査し,関係閣僚会議に意見を述べていただくため,本有識者会議を開催することとしたものであります。
 法務省としては,今後,有識者会議の御意見等から中長期的な課題を把握し,それに対する方策を示すことにより,共生社会の実現を推進してまいりたいと考えています。
 2件目は,行政評価監視関係についてです。
 保護司は,社会奉仕の精神から,無償で自発的に,犯罪や非行をした人の立ち直りを支援するという役割を担われ,長年にわたりまして地域の安全・安心を支え続けてこられました。我が国の刑事政策になくてはならない存在です。
 法務省としましても,保護司の活動環境の整備や,保護司の適任者確保につきましては,従来から重要な課題と認識し,取組に努めてまいりました。
 こうした中,本日の閣議におきまして,総務大臣から「更生保護ボランティアに関する実態調査」の結果に基づき,保護司の活動及び担い手の確保について,これをより一層推進するための必要な措置を講ずるよう勧告する旨の発言がありました。
 今回総務省から客観的な評価をいただいたことを踏まえ,保護司が自宅以外で面接することのできる環境の整備や保護司活動のICT化など,より一層実効性のある施策の推進に取り組んでまいりたいと考えております。
 3件目は,会社法施行規則等の改正についてです。
新型コロナウイルス感染症の影響により,株式会社の決算,監査業務に遅延が生じることが懸念されていることを踏まえ,時限的な措置として,本日,会社法施行規則及び会社計算規則の一部を改正する省令を公布・施行いたしました。
 具体的には,会社法上,定時株主総会の招集の通知に際して書面により株主に提供することが求められている貸借対照表や損益計算書などについても,一定の条件の下,所定の期間,継続してインターネット上のウェブサイトに掲載し,そのURLを株主に通知すれば,株主に提供されたものとみなすこととするものであります。
 昨年5月にも同様の時限的な改正を行いましたが,本年の株主総会につきましても新型コロナウイルス感染症の影響が懸念されることから,同様の措置を講ずるものです。
 この改正により,企業において,株主総会の招集の通知に際して,決算,監査業務やそれに伴う業務の負担が軽減されることが期待されます。
 他方で,この改正は,新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた時限的なものでありますので,企業におきましては,その趣旨を踏まえ,株主の利益にも配慮しつつ,運用していただきたいと考えております。
 4件目は,法務省関連の新型コロナウイルス感染症の感染状況についてです。
 1月22日(金曜日)の会見後から昨日までの間に,職員については,10の官署・施設において,計14名の感染が判明しました。
 また,被収容者については,横浜刑務所11名,千葉刑務所41名,函館少年刑務所5名の感染が判明しております。
 詳細は既に公表されたとおりです。
 特に収容施設におきましては,懸命に感染防止対策を講じているところでありますが,より一層,リスク管理の意識を高め,感染拡大を最小限に食い止めるために全力を尽くしてまいります。

保護司の活動等についての勧告に関する質疑について

【記者】
 保護司活動について,実態調査に基づいて総務省より勧告がなされました。先ほど大臣から今後の取組の方針について御発言がありましたが,特に重点的に取り組まれていく点など,お考えをお聞かせください。

【大臣】
 保護司につきましては,長い間,担い手の確保が大変困難となっているということで,重要な課題の一つとして位置付けてまいりました。
 将来に向かいましても,保護司を安定的に確保していくことは極めて重要な課題であると思っております。
 今回の総務省の勧告を踏まえ,法務省といたしましては,保護司の方々の御意見について更にお伺いするなどしつつ,これまで御提示いただいてきた御意見を踏まえ,例えば,保護司が自宅以外で面接することができる場所の確保,保護司活動のICT化の推進,保護観察事件等における保護司複数指名の積極化の更なる推進,保護司候補者検討協議会の効果的な開催に関する情報提供,地方公共団体を始めとした関係機関との更なる連携強化などの取組につきましては,より一層積極的に推進してまいりたいと考えております。
 正に,京都コングレスにおいて世界保護司会議も開催されるということでありますので,この課題につきましては,今回の勧告を受けまして,しっかりと更に充実した施策ができるように対応してまいりたいと思っております。

外国人との共生社会の実現のための有識者会議に関する質疑について

【記者】
 外国人との共生社会の実現のための有識者会議についてお伺いしたいのですが,有識者会議においてはどのような議論がなされるのでしょうか。

【大臣】
 有識者会議におきましては,外国人との共生社会の在り方や共生社会の実現に向けて取り組むべき重要な事項につきまして御議論をいただくこととしております。
 法務省としては,コロナ禍により生じた外国人の方々の困難な状況等も踏まえますと,外国人を日本社会の一員として受け入れ,共生社会を実現するためには,外国人が円滑に我が国社会と関係を構築するために必要な,日常生活上必要な知識や,意思疎通のための日本語の習得等の問題のみならず,生活困窮や医療的な配慮を含む,生活を共にする中で生じる様々な問題への対応の在り方も重要であると考えております。こうした点につきまして,積極的な御議論をいただく予定であります。
(以上)