大臣就任に当たっての平岡法務大臣訓示
平成23年9月5日(月)
この度,法務大臣に就任いたしました平岡秀夫です。どうか,皆さん,よろしくお願いいたします。
歴史的な政権交代があってから大体2年が経ったわけであります。この間,本当にいろんなことがありましたが,特筆すべきは,本年3月11日の東日本大震災,あるいはその際に起こりました福島第一原子力発電所事故などであると思います。そうした中で感じられたことの一つには,多くの国民の皆さんが,やはり,政治,あるいは行政,あるいは公的部門というものが,いざというときには,本当に大事だということを感じたのだろうと思います。我々法務行政に携わっているものとしても,国民の皆さんが期待される仕事をしっかりしていかなければならないと思いますし,その期待されている仕事,ミッションというのが一体何なのか,常にこのことを考えていっていただきたいと思います。法務行政の目指すもの,これも先日来,いろいろ聞いていますけれども,法秩序の維持や,国民の権利擁護を通じて,国民が安心して生活できる社会の法的基盤を作っていくことであると,こういうふうに説明を受けています。確かに総論はそのとおりだと思います。そして,9月2日の日に,野田総理から私が法務大臣を任命されたときに,6つの指示事項というものをいただきました。この指示事項というのも,やはり社会の法的基盤をしっかりと築いていくことの具体的な事項であると思います。改めて申し上げますれば,第1は,国民に身近な司法を目指す,司法制度改革の推進。第2は,検察改革,あるいは取調べの可視化を始めとする新しい刑事司法制度の構築。第3は,新たな人権救済機関の設置。第4は,ハーグ条約加盟に向けた検討。第5は,行政事件訴訟法についての検討。第6は,会社法の整備といったような,これからの日本の経済成長においても大変重要なものであるこうした社会の法的基盤を整備していくことが求められておりますけれども,私なりに法務省の行政について大事だと思っている3つの分野について,お話ししてみたいと思います。私自身,この3つの分野についてしっかりと取り組んでいきたいと思っております。
まず一つは,法務行政の信頼を取り戻していくこと,これが第一点であります。このことについては,私が申し上げるまでもなく,いろんなことがあったと思います。法務省だけではありません。実は民主党政権そのものが信頼を失ってきている。さらには,原発事故のときにもありましたように,政府全体の,これまでの行政の中でも,信頼が失われてきているものがある。その中で,例えば,検察改革ということが行われておりますけれども,法務省の様々な行政の分野で,やはり信頼が失われてきているものがある,それについて,国民の皆さんから本当に信頼できる組織であるということを,もう一度確認をしてもらわなければいけないと思っています。
二つ目は,人権が尊重される社会を築いていくことであります。私も政治家になって少年法改正であるとか,あるいは心神喪失者等医療観察法の制定であるとか,犯罪被害者の救済の基本法の制定であるとか,あるいは犯罪をした方々の更生の問題であるとか,いろんな課題に取り組んでまいりました。正に社会の中で,もしかすると日陰になっているようなところがあるとするならば,そこに法務省の行政としてもしっかりと取り組んでいくことをお願い申し上げたいと思います。人権擁護機関,人権救済機関というのも私はその一つの大きな表れだと思いますので,私なりにしっかりと取り組んでまいりたいと思っております。
三つ目は,安心と発展の社会のための法的基盤の整備であります。これについては野田新総理も具体的にいろいろなことを言っておられます。そうしたことをしっかりと受け止めて必要な法的基盤の整備について,皆さんと一緒に取り組んでまいりたいと思っております。
我々法務省は,ともすれば,法律に従順であることから,あまりにも融通が利かないというふうに言われることもあろうかと思います。法をしっかりと守っていくことも大変大事なことだというふうに思いますが,さらに,その法の執行に当たっても,国民の常識とか,あるいは感覚に沿ったものでなければいけないと思いますし,更に言えば,我々の目指しているものが何かを考えたときには,私は,先ほど申し上げました東日本大震災のときに,多くの国民の皆さんが感じられた地域社会の絆というものをしっかりと我々は守っていかなければいけない,お互いに思いやりの心を持てるような社会にしていかなければいけない,このように思っています。是非優秀な皆さんと共に,そうした社会が築けるように頑張ってまいりたいと思いますので,皆さんの御協力・御支援賜りますようお願い申し上げまして,私の訓示とさせていただきます。共に頑張りましょう。
(以上)
歴史的な政権交代があってから大体2年が経ったわけであります。この間,本当にいろんなことがありましたが,特筆すべきは,本年3月11日の東日本大震災,あるいはその際に起こりました福島第一原子力発電所事故などであると思います。そうした中で感じられたことの一つには,多くの国民の皆さんが,やはり,政治,あるいは行政,あるいは公的部門というものが,いざというときには,本当に大事だということを感じたのだろうと思います。我々法務行政に携わっているものとしても,国民の皆さんが期待される仕事をしっかりしていかなければならないと思いますし,その期待されている仕事,ミッションというのが一体何なのか,常にこのことを考えていっていただきたいと思います。法務行政の目指すもの,これも先日来,いろいろ聞いていますけれども,法秩序の維持や,国民の権利擁護を通じて,国民が安心して生活できる社会の法的基盤を作っていくことであると,こういうふうに説明を受けています。確かに総論はそのとおりだと思います。そして,9月2日の日に,野田総理から私が法務大臣を任命されたときに,6つの指示事項というものをいただきました。この指示事項というのも,やはり社会の法的基盤をしっかりと築いていくことの具体的な事項であると思います。改めて申し上げますれば,第1は,国民に身近な司法を目指す,司法制度改革の推進。第2は,検察改革,あるいは取調べの可視化を始めとする新しい刑事司法制度の構築。第3は,新たな人権救済機関の設置。第4は,ハーグ条約加盟に向けた検討。第5は,行政事件訴訟法についての検討。第6は,会社法の整備といったような,これからの日本の経済成長においても大変重要なものであるこうした社会の法的基盤を整備していくことが求められておりますけれども,私なりに法務省の行政について大事だと思っている3つの分野について,お話ししてみたいと思います。私自身,この3つの分野についてしっかりと取り組んでいきたいと思っております。
まず一つは,法務行政の信頼を取り戻していくこと,これが第一点であります。このことについては,私が申し上げるまでもなく,いろんなことがあったと思います。法務省だけではありません。実は民主党政権そのものが信頼を失ってきている。さらには,原発事故のときにもありましたように,政府全体の,これまでの行政の中でも,信頼が失われてきているものがある。その中で,例えば,検察改革ということが行われておりますけれども,法務省の様々な行政の分野で,やはり信頼が失われてきているものがある,それについて,国民の皆さんから本当に信頼できる組織であるということを,もう一度確認をしてもらわなければいけないと思っています。
二つ目は,人権が尊重される社会を築いていくことであります。私も政治家になって少年法改正であるとか,あるいは心神喪失者等医療観察法の制定であるとか,犯罪被害者の救済の基本法の制定であるとか,あるいは犯罪をした方々の更生の問題であるとか,いろんな課題に取り組んでまいりました。正に社会の中で,もしかすると日陰になっているようなところがあるとするならば,そこに法務省の行政としてもしっかりと取り組んでいくことをお願い申し上げたいと思います。人権擁護機関,人権救済機関というのも私はその一つの大きな表れだと思いますので,私なりにしっかりと取り組んでまいりたいと思っております。
三つ目は,安心と発展の社会のための法的基盤の整備であります。これについては野田新総理も具体的にいろいろなことを言っておられます。そうしたことをしっかりと受け止めて必要な法的基盤の整備について,皆さんと一緒に取り組んでまいりたいと思っております。
我々法務省は,ともすれば,法律に従順であることから,あまりにも融通が利かないというふうに言われることもあろうかと思います。法をしっかりと守っていくことも大変大事なことだというふうに思いますが,さらに,その法の執行に当たっても,国民の常識とか,あるいは感覚に沿ったものでなければいけないと思いますし,更に言えば,我々の目指しているものが何かを考えたときには,私は,先ほど申し上げました東日本大震災のときに,多くの国民の皆さんが感じられた地域社会の絆というものをしっかりと我々は守っていかなければいけない,お互いに思いやりの心を持てるような社会にしていかなければいけない,このように思っています。是非優秀な皆さんと共に,そうした社会が築けるように頑張ってまいりたいと思いますので,皆さんの御協力・御支援賜りますようお願い申し上げまして,私の訓示とさせていただきます。共に頑張りましょう。
(以上)