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法務大臣閣議後記者会見の概要

令和3年6月22日(火)

 今朝の閣議におきまして,法務省案件として,主意書に対する答弁書が1件ありました。

元法務大臣に対する実刑判決に関する質疑について

【記者】
 2019年参院選広島選挙区での大規模買収事件についてお尋ねいたします。
 東京地裁は6月18日,河井克行被告に対し懲役3年を言い渡しました。法務大臣経験者が選挙違反で実刑とされるのは前代未聞です。受け止めをお願いします。

【大臣】
 御指摘の事件につきまして,東京地方裁判所は,令和3年6月18日,河井克行元衆議院議員に対し,公職選挙法違反の事実で懲役3年の判決を言い渡したものと承知しております。
 個別事件における裁判所の判断につきまして,法務大臣として所感を述べることは差し控えさせていただきたいと思います。
 その上で申し上げれば,元法務大臣が,刑事裁判において有罪判決を受ける事態に至ったことは遺憾でございまして,国民の政治不信を招いたとの御批判があることは,閣僚の一人として重く受け止める必要があると考えております。
 法務行政は,国民生活の安心,安全を実現することを使命としておりまして,国民の皆様からの信頼なくしては成り立たないと考えております。
 国民の皆様の一層の信頼確保のため,引き続き,全力で職責を果たしてまいりたいと考えております。

国家公務員への新型コロナウイルスワクチンの職域接種に関する質疑について

【記者】
 新型コロナウイルスのワクチン接種についてお聞きします。
 6月21日から成田空港,羽田空港や霞が関で勤務する国家公務員への職域接種が始まりました。河野行政・規制改革担当大臣は,先週金曜日の閣議後記者会見で「閣僚にも希望する方は打っていただきたい。」と発言されました。
 上川大臣は接種の希望や予定はございますでしょうか。

【大臣】
 国家公務員の職域接種につきましては,昨日(6月21日)から開始されたと承知しております。
 私自身の接種について御質問がございましたが,自治体での接種,今回の国家公務員の職域接種のいずれかによることについて検討している状況であります。
 いずれにいたしましても,早期に接種してまいりたいと考えております。

在留カード等読取アプリケーションに関する質疑について

【記者】
 在留等確認アプリに関してお伺いいたします。
 アプリの一般公開によるばらまきが人権侵害を助長しかねないとの批判が,外国人や支援団体等から出ていることに対応して,入管庁の在留支援課が,ホームページ上等で注意喚起を進めることを検討しているとお聞きしましたが,現在ホームページを見る限り,何も変わっておりません。
 この件については先々週から聞いているので対応が遅いと感じますが,まず,いつまでにこれを行うのか。また,注意喚起を行うということは,アプリが人権侵害を誘発しかねず,この開発時に,外国人や支援団体へのヒアリングをしなかった,人権侵害助長の可能性の認識が薄かったないし全くなかったということを,法務省・入管庁として認めるという理解でいいのか,この点をお願いいたします。

【大臣】
 今回のこのアプリの導入に関しまして,外国人に対しての差別偏見の助長や,人権侵害を招く,そうした御指摘については当たらないと考えております。このアプリは,偽造された在留カードに対しての対策として広く使っていただく,そういう趣旨で動いているところでございます。
 運用する中で,必要な広報,また,周知の在り方については検討してまいりたいと思っておりまして,その検討の詳細につきましては,出入国在留管理庁へお問い合わせいただきたいと考えております。

仮放免許可申請における入管職員の対応に関する質疑について

【記者】
 アプリですけれども,これは適用される外国人側から人権侵害だと批判がありますので,とにかくできるだけ早い注意喚起をしてください。
 質問ですが,仮放免許可を与える入管職員の対応に関してお聞きします。
 来月7月10日から,東京や大阪の映画館で上映される映画「東京クルド」の中で,6歳から日本で育ったクルドの青年が,仮放免の更新に際し,入管の担当者から,「早く出ていってくれ。他国に行ってよ。」と言われている様子が報じられております。
 また,別の9歳から親に連れて来られたクルド人の青年も,20歳になった際,職員から,「これからはいつ収容されてもおかしくない。学校に通ってるとか関係ないからね。」と言われたと,一部報道で報じられました。
 日本で長い間生まれ育った子どもたちが,仮放免の申請の場で,職員の心ない言葉に傷つけられております。日本は子どもの権利条約に加盟しており,これは極めて恥ずべき行為・言動だと思いますが,大臣は,こういった状況があるという事実をそもそもきちんと把握されているのか。把握している場合,また,把握されていない場合でも,今後事実関係を確認し,入管職員の研修を行い,マニュアル等を作成し,このような対応を見直す,改善していくつもりはあるのか,お答えください。

【大臣】
 今の御質問でございますけれども,仮放免も含めまして外国人の方々の在留を巡る問題については,様々な角度から検証しながら,しっかりと改善していくべきことだと思っております。
 あらゆる研修も含めまして,また,UNHCRとの積極的な関係も含めまして,共生社会を実現する社会づくりということに十分に努めてまいりたいと思っております。

外国人技能実習生の失踪に関する質疑について

【記者】
 外国人技能実習制度で失踪者の発生が多い送出機関に対し,先日,外国人技能実習機構が初めて停止措置を出しました。
 一方で,技能実習生の失踪には,過大な手数料のほか,実習企業での低賃金だったり,過大な労働だったりという問題もあると思いますが,今後,失踪者を多く発生させている日本側の実習実施者であったり,監理団体にも同様の措置を執るお考えはあるのかというのが1点。
 併せて,今回の送出機関への受入停止措置ですが,外国人技能実習機構によると,停止対象とした送出機関が,例えば新しい会社を立ち上げた場合には,実習生を再び送り込むということを防ぐことがなかなかできないそうです。今回の措置にどれだけの実効性があるとお考えでしょうか。併せて伺います。

【大臣】
 まず,御指摘の技能実習生の失踪の問題につきましては,適正化をしっかり図り,こうした事態が生じないようにしていくということが重要であると思っております。
 根絶のための措置といたしまして,相手国の送出機関への対応,また,国内での監理団体や実習実施者への対応,これらを車の両輪として,着実に実施していかなければならないと思っております。
 国内での対応につきましては,平成29年11月に施行されました技能実習法に基づきまして,不適正事案に対しては,監理団体や実習実施者に許可の取消や改善命令等を行っているところでございます。
 また,平成31年3月に改善方策を取りまとめまして,実習実施者に対し,通常,監理団体が行う3か月に1回の監査や,外国人技能実習機構が定期的に行う実地検査に加えまして,同機構が失踪・死亡事案発生時に臨時の実地検査などを実施しているところでございます。
 さらに,令和元年11月におきましては,失踪技能実習生の減少に向けた更なる改善方策を取りまとめ,監理団体・実習実施者に対する失踪率に着目した検査などの施策を実施しているところでございます。
 法務省といたしましては,これらの措置を引き続き推進するとともに,各取組が効果を上げているかどうかにつきまして,不断に検証を重ねまして,更なる対策を講じることにより,技能実習制度の適正化に尽くしてまいりたいと思っております。
 2点目は,送出機関についての不適切な状況にどう対応するかという御質問でございましたが,正に今申し上げたとおり,両方の観点から対応しなければいけないということでありますので,不断の検証を進めて,そして適正化をしっかりと図っていくということが重要と考えております。
 この問題は非常に重要な問題と考えておりますので,随時の施策をフルに活用して,失踪の根絶に尽くしてまいりたいと思っております。

【記者】
 今回ベトナムの送出機関に受入停止措置を講じられましたけれども,向こうの国では,処分を受けた送出機関が新しい会社を立ち上げて,また送り込むといったこともよく行われているそうです。
 今回の停止措置ですけれども,そういったことはなかなか防げない仕組みになっていると思いますが,その辺りの実効性というのはどう高めていくのか,重ねて伺います。

【大臣】
 先ほど申し上げたように,技能実習生の失踪の問題というのは,相手国の送出機関への対応と,国内での監理団体・実習実施者への対応ということで,両方をしっかりと適正に推進していかなければならないと思っております。
 今おっしゃったような点について,現実がどのようになっているのかということも含めまして,検証をしっかりとして,それに対して,適正にこの問題の根絶に向けた取組ができるようにしていくということでありますので,絶えず検証しながら,これまでの制度もフル活用しながら対応してまいりたいと思っております。
(以上)