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法務大臣閣議後記者会見の概要

令和3年7月13日(火)

 今朝の閣議において,法務省案件はございませんでした。

アスリートに対する盗撮罪の創設に関する質疑について

【記者】
 アスリートに対する盗撮罪の創設についてお尋ねします。
 近年,競技会場で女性アスリートの身体の一部分を狙った盗撮被害が問題化しています。現在は,観客席など認められた場所からユニホームを着た状態を撮影したのであれば罪に問うことが難しく,スポーツ界からも盗撮罪の創設を求める声が上がっています。また,5月に法務省の性犯罪に関する刑事法検討会が取りまとめた報告書でも,盗撮行為の規制が必要だとしています。
 東京五輪の開幕が来週に迫ってきました。アスリートに対する盗撮罪の法整備の現状はどうなっているのでしょうか。今後の取組と併せてお聞かせください。

【大臣】
 今御指摘いただきました,アスリートを狙った撮影による被害への対処を求める御意見があるということは承知しているところでございます。
 性犯罪に関する刑事法検討会におきましては,他人の性的な姿態を同意なく撮影する行為等を処罰する規定を設けるべきかについても御議論がなされたところでございまして,取りまとめ報告書におきましては,小括として,被害者の意思に反する性的姿態の撮影行為を処罰する規定を設ける場合には,処罰の必要性のある範囲に限定するとともに,その要件の明確性に留意しつつ,適切な構成要件の在り方について更に検討がなされるべきであるとされたところでございます。
 なお,この御議論の中におきまして,ユニフォーム姿のアスリートに対する撮影行為について取り上げられました。
 赤外線カメラによる透視が行われたり,殊更に胸部や臀部を強調して撮影された写真にわいせつなコメントが付されたりした画像がインターネット上に投稿されている実情があるとの指摘があったものと承知しております。
 その上で,処罰の在り方についてでございますが,周囲の者が視認できる部分を撮影する行為について,違法な行為と適法な行為とを明確に切り分けることは困難であり,その認定には困難を伴うとの意見や,衣服の上からの撮影であっても,衣服を透かして見ることのできる機器を用いる場合には,性的な部位を撮影していることにほかならないので,処罰対象に含めることが考えられるとの意見が述べられたものと承知しているところでございます。
 性的な姿態を同意なく撮影する行為等の処罰規定も含めまして,性犯罪に対する刑事法の整備につきましては,この検討会の取りまとめ結果を踏まえ,鋭意,検討を進めているところでございます。

名古屋出入国在留管理局被収容者死亡事案に関する質疑について

【記者】
 スリランカ人女性の関係でお聞きします。スリランカ人女性の死後,支援団体のSTARTが入管庁からヒアリングを受けています。
 STARTのメンバーによりますと,診療情報提供書に記載されていた「病気になれば仮放免してもらえる。」と伝えたことはないと否定しているにもかかわらず,どのような表現で伝えたのかなど,誘導尋問のように繰り返し聞かれたと言っておりました。
 また,STARTの活動資金がどこから出ているのかといった調査とは関係のない質問を受けたとも指摘されています。
 こういった入管庁の聴取内容への不信などもあり,大学生たちは話し合い,入管庁のこれ以上の聴取要請には応じないと判断したと聞きました。スリランカ人女性の当時の状況を知るための聴取なのに,なぜ入管庁はSTARTの活動資金源を聞く必要があったのか。
 こういった事実について,大臣はもしかしたら御存じないかもしれないですが,入管庁の調査目的に関わる重要な問題だと思います。この点についての受け止めをお聞かせください。

【大臣】
 スリランカ人女性の死亡事案ということでございますけれども,現在,出入国在留管理庁の調査チームが最終報告に向けまして,資料の分析,また外部病院の医師や第三者である医師を含む関係者からの聴取,事実関係の評価などの調査検討を進めている状況でございます。
 出入国在留管理庁に対しましては,十分な内容の最終報告をできる限り速やかに取りまとめるよう指示しているところでございまして,同庁におきまして,今,調査検討に全力を挙げているものと理解しているところでございます。
 そうした状況でございますので,出入国在留管理庁の調査のアウトプットであります最終報告書,これをしっかりと待ちたいと思っております。

【記者】
 今質問に答えていただけていないので繰り返し聞きますけれども,STARTの活動資金源について入管庁側が聞いたということです。このことについて大臣は御存じか,知らない場合はこれについてどう思うかという点をお願いします。

【大臣】
 調査に係る様々な御指摘がございましたが,そのことも含めまして,今チームに任せている状況でございますので,お問い合わせについて私自身が今お答えするということにつきましては,コメントは差し控えさせていただきたいと思っております。

別居等に伴う子の養育の在り方に関する質疑について

【記者】
 先週東京でハンガーストライキを開始したフランス人男性について質問させていただきます。
 この男性は3年前から子供に会えない状況で,いろいろな手続をしたのですけれども,やはりハンガーストライキが最後の方法であるとの結論に達しました。
 離婚していない父親は子どもに会えないだけでなく,子どもが生きているかどうかも分かりません。
 フランスの政府や弁護士などは幾つかの手続をしたにもかかわらず,日本の政府に無視されています。
 日本は子どもの権利条約を批准しましたが,十分に守られていないと思われますが,大臣の御意見を聞かせてください。

【大臣】
 今の御質問の件でございますが,個別事案ということでございまして,法務大臣としてコメントをすることについては適当ではないと考えております。
 その上で一般論として申し上げるところでございますが,離婚や別居に伴う子の養育の在り方につきましては,現在法制審議会で調査審議が行われているところでございまして,法務大臣として,充実した調査審議がなされることを期待しているところでございます。
 個別事案ということでございますので,私自身そのことについてのコメントは差し控えさせていただきたいと思っております。
(以上)