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法務大臣記者会見の概要

平成24年1月18日(水)【広島刑務所】

 今回,あってはならない受刑者の脱走事件を生じさせてしまいまして誠に申し訳ございませんでした。地域の方に大変御迷惑をお掛けいたしました。また,逃走犯の拘束にいたる過程におきまして,地域の方,関係各機関の方に,大変な御苦労,御協力をいただきました。そういうことを踏まえまして,今回は,謝罪と犯人拘束の協力への感謝,それから,重要なことはこういったことを繰り返さないという意味で,刑務所職員に対する指導・訓示ということを含めまして広島に来た次第であります。本日,午後から刑務所における職員に対する訓示,それから付近の地域の住民の方,県庁,市役所,それぞれに謝罪と御協力の感謝の挨拶をしてまいりました。今後の取組としては,何よりも絶対に繰り返してはならないということを徹底するために,今現在,法務省当局の方で検証をしているところでございますが,検証の結果を待つまでもなく,できることから先に二度と繰り返さないということの対策を講じたいと思っております。具体的な対策としては,設備的な面で対策をするということもございますが,それと同時に受刑者の心情,精神状態をよく把握する,掌握するということも必要であると思いますので,設備の整備面,それから処遇の面での意思疎通の在り方の改善等を一緒に検討して取り組んでまいりたいと思っております。
 この度は,大変に国民の皆様,とりわけ地域の方には大変な御迷惑をお掛けしましたことを重ねてお詫び申し上げます。

広島刑務所の受刑者逃走事故等に関する質疑について

【記者】
 今日,広島の方でいろいろな方のお話や状況を聞いて思ったことと,今回の脱走事件が発生した一番の原因について教えてください。
【大臣】
 生活に大変な不安を与えてしまった,特に逃走犯が粗暴犯であったこともあって,非常に大きな不安を与えてしまったと,地域の方からは大変な不安を感じたということをお伺いしました。誠にそのとおりだと思って深く感じるところでございます。
 一見すると刑務所は塀が高いし,そう簡単に脱走できるとは思わないのですが,逆に脱走はできないという思いこみ,あるいは油断からこうした事態を招いてしまったのかなと思いまして,反省すべき点が多々あると思います。
【記者】
 設備や職員などの具体的な原因を教えてください。
【大臣】
 詳細は検証チームで検証していることと,もう一つは警察で捜査しているということで,起訴されれば裁判にもなりますので,多少申し上げにくい点もあるのですが,今日私が見て回った範囲におきましても,内塀の近くに内塀を越える足場となるような工作物があったとか,あるいは運動中の監視の態勢において死角があったとかですね。その他,工事の足場の監視が十分でないまま上れる状態にあったとか,屋上に上がるということを予め想定していなかったとか,この辺の対応が不十分であったかなと,このような点を物的な面では感じました。処遇の問題は今日は職員から具体的には聞いておりませんので,その辺も踏まえて検証して,その結果を踏まえて対応したいと思っております。
【記者】
 今のお話を踏まえた上で,具体的な再発防止策はどのようにお考えでしょうか。
【大臣】
 今回の例も踏まえて,やはり塀に上がるような工作物は設置しないとか,屋上も一つの逃走経路となり得るというようなことを想定した対策,あるいは今回は工事という実態もあったのですが,工事があるからといって絶対に起こしてはならないものですから,工事があればその工事を見越した対応をするといったことが必要かなと思います。それから,今回は脱走したのが外国人でありましたので,やはり外国人の被収容者との意思の疎通は,それぞれお国柄が違うということもあって日本人の被収容者よりも難しい面があるのかなと感じるところがありましたので,そうした面からもしっかり取り組んでいきたいと思います。
【記者】
 具体的に検証チームはいつ頃までに検証結果をまとめるのでしょうか。
【大臣】
 一般論からいえば早い時期にまとめるものと思いますが,ただ,検証の内容が刑事事件の捜査と重なり合う部分もございます。それから,逃走犯本人の話もどういうふうに聞くかというところもございますので,具体的に今いつというのは大変に申し上げにくいです。ただ,一般論としては早急に検証して,それに基づいた対応策はしっかりと講じてまいりたいと思っております。
【記者】
 検証チームの結果いかんによっては,例えば職員の増員ですとか,予算の増額を伴うことも想定されているのでしょうか。
【大臣】
 まだそこまで具体的にはなっていません。今の財政状況からみてもなかなか困難なこともあると思いますが,決してないとはいえるわけではございませんけれども,まだ今の段階では,先ほど申し上げましたとおり,処遇の面からこうした面でしっかり認識して取り組む必要があると思いますが,それが,処遇の職員の増員になるどうかはもう少し検討させていただきたいと思います。
【記者】
 職員の処分等はどのようにお考えですか。
【大臣】
 具体的に事実関係がもう少し詳細になってからと思っております。やらないという意味ではありません。
【記者】
 今回は工事中であったことが主な原因かと思われるのですが,工事中の刑務所をどう管理していくのかというマニュアルを作ったりとか,徹底的に行っていくお考えなどあればお聞かせください。
【大臣】
 外塀を越えたところが工事中であって,足場があったことが大きな原因でもありますが,内塀を越えたところは工事中のところとはまた違って,工事とは関係のない工作物で,内塀を越えようと思えば越えられる状態であったということも反省しなくてはならない点であります。そういうことも含めて具体的に全般的に取り組んでいきたいと思います。
【記者】
 工作物というのは,処遇管理棟の建物に設置されているものなのでしょうか。
【大臣】
 内塀の近くに用具棟がありまして,用具棟と壁の間が狭くて,しかもそこに配管があって,配管がなくてもうまい人がやればせり上がられるのでしょうけれども,足場になるような配管もありましたので,それを利用して用具棟の天井にはすぐに上れるような状況であったと。そして,用具棟の上からはジャンプすればすぐに内塀を越えられるような配置になっております。これは工事中とはまた違う状況です。それから,屋上を伝って行ったようですけれども,屋上に行った件そのものは工事中とは関係がありません。ですから最後に外塀を越えられた点は,工事中で足場があったという事情であります。反省すべき点はいろいろといくつもあったということです。
【記者】
 今回工事中ということですが,工事していなくても運動場の監視カメラには死角ができていたということも明らかになっているのですけれども,そういった点を含めて,刑務所の設備の面であったり,マニュアルなどを作っていくということについてどのようにお考えでしょうか。
【大臣】
 今申し上げましたように,塀には上れる足がかりとなるようなものがないような状態にしなければなりませんし,また,処遇管理棟の上ですが,上る人間は上るのだという視点で取り組んでいくということです。
【記者】
 マニュアルを作るということでよろしいのでしょうか。
【大臣】
 今回の一つ一つの検証結果を待って,あるいは検証結果を待たなくても,私が今日見た範囲で分かった点がございますので,そうした反省結果を踏まえて,今,具体的にいえば,塀に上れるような足がかりとなるような物は設けない。それから,建物の屋上にも上るようなことも想定した対策をしっかり取り組んでいきたいとは思いますが,それが全てということではなくて,検証結果を待って総合的に取り組みたいと思います。
【記者】
 もう一つの問題として,脱走が実際に起こってから警察に通報するまでの時間が45分ないし1時間くらいあったと思うのですけれども,この辺の職員の考え方など,性質上すごく問題があったのではないかと思いますが,その辺に対してのお考えをお聞かせください。
【大臣】
 地域の方からも,大変その辺を御指摘いただきました。確かにそのように思います。ですから,そうした脱走を起こさないということと同時に万が一起きたときの通報態勢,関係各機関あるいは地域に対する周知徹底方法等について不十分であったと思いますので,その点もしっかりと反省点を踏まえて今後取り組んでいきたいと思います。このようなことがあってはならないのですけれども,そうした取り組み態勢もしっかりと訓練しておくことが必要であると思います。
【記者】
 市民と法務大臣との意見交換の場でも話があったのですが,脱走された後に提供された脱走した受刑者の写真が古くて人相が大分変わっていたという話があったのですけれども,それについては問題があったという認識でしょうか。
【大臣】
 通報のことも踏まえて,おそらく脱走するということが身近なことではなくて,あまり具体的に想定をしていなかったのではないかと思います。ですから油断といえば油断であったということなのですけれども,もう少し真剣に脱走もあり得るということで取り組んでいって,万が一あった場合の想定した訓練を予めしておけば,写真の問題も対応できたのではないかと思います。ですから,早い通報と正確な情報を提供できる態勢をとっておくということが必要だと思いますので,しっかりと取り組みたいと思います。
【記者】
 ちなみに,事件は午前11時に起きて,記者会見が午後4時からであったということで,情報公開が非常に遅いと思うのですが,その辺はどうですか。
【大臣】
 はい。遅かったと思って反省をしております。今後そういうことがないようにしたいと思います。
【記者】
 何でそんなに遅くなるのですか。
【大臣】
 どうして遅くなったかはしっかりと検証して,どういう状況であったのかを把握したいと思います。ただ今の段階では遅かったなと私も思っております。
【記者】
 なぜ遅かったかという報告は刑務所から大臣にあったのですか。
【大臣】
 具体的な日時を聞くような状況はありましたが,遅いかどうかの判断は私がするわけですが,やはり時間的には遅かったなと,もっと早く警察等の関係当局への通報,地域への周知徹底が早かった方が良かったなと思っております。反省すべき点だと思っています。
【記者】
 脱走したことが分かってから,大臣へはどのような報告が上がっていたのでしょうか。
【大臣】
 大変申し訳ないのですけれども,私が大臣になったのは1月13日で,事件が起きたときはまだ大臣ではありませんでした。
【記者】
 検証チームが立ち上がっていると思うのですけれども,今現在,どういうような説明が入っていらっしゃるのでしょうか。
【大臣】
 概況的なことです。
【記者】
 職員からの聴き取り状況も既に入っていらっしゃるのでしょうか。
【大臣】
 これはまだ検証チームの方にあると思います。検証チームからまとまった報告というのはまだいただいていません。
【記者】
 全国の刑事施設で収容者が居ながら工事中というのが,14施設あると伺いました。脱走があったときに矯正局長名で,施設に不備があるかどうか点検してくださいというような通知が全施設に出ているのですけれども,それを受けての報告というのは今のところまだないですか。
【大臣】
 ないです。また逆に私から改めて指示したいと思います。
【記者】
 今回,単純逃走罪の最高刑が懲役1年ということで一般の方の感覚からすると軽いというイメージがあるのですけれども,法定刑の改正等検討するお考えはありますか。
【大臣】
 率直にいって,そこまでのことを考えておりませんでしたが,御指摘いただいたので検討してみたいと思います。
【記者】
 大臣御自身として,個人的なお考えで重い軽いというのがありますか。
【大臣】
 普通は脱走ですと単純逃走ではないケースが多いのですけれども,今回単純逃走で,しかし近隣に与えた影響の大きさというのを考えると検討する必要があるかなと思います。
【記者】
 広島の事件もそうなんですけれども,昨日鹿児島の刑務所の方では業者が無断で動画を撮影し,それをインターネットで流しているというのがありましたが,矯正施設における不祥事というようなことが続いて起きているのですけれども,その現状に対する受け止めと,それを直していく大臣の意気込みを教えてください。
【大臣】
 今回の広島の件はあってはならないということで,絶対に繰り返さないという決意で臨みたいと思います。また鹿児島の件は,業者に対する監督,指導が不十分だったのかなということで,これもしっかり徹底させたいと思います。こういう一つ一つのことをきちんとやりませんと,脱走の手助けをしてしまうこともありますでしょうし,受刑者の人権,プライバシーという問題もございますから,鹿児島の件も軽い事件とは思わずにしっかりと取り組んでいきたいと思います。
【記者】
 処遇管理棟の屋上仮設塀を設置したり,運動場にカメラを増設されたりと,施設面で改善されていると思うのですけれども,報道陣に対して公開していただける予定とかありますでしょうか。どのように改善されているのかというのを市民の方も知りたいと思いますので,難しい点もあると思うのですけれども,これだけの前代未聞の事件が起こったので,特別に公開していただけないかなと思うのですが,いかがでしょうか。
【大臣】
 仮塀を作る前の状態は見ていないのですけれども,確かに仮塀を見れば,これは全然上れないなという一つの安心感になりますし,地域の方に目で見ていただき安心していただくということも必要だと思います。また外塀の内側の足場も外しましたので,そうした目で見ていただける安心感を持っていただくことを必要だと思いますので,検討してみたいと思います。業務に支障がない範囲でできるだけ応じる努力をするようにしたいと思います。
【記者】
 今回言われている一つに李受刑者が事件の前にも岡山で警察の車両を奪うという粗暴犯であったにもかかわらず,刑務所内で要注意人物だという認識があまりなかったということも言われているのですけれども,全国でもいえることだと思うのですけれども,要注意人物というのを改めて洗い直すというような作業はする予定はあるのですか。
【大臣】
 先ほど,抽象的に述べましたが,被収容者の心情把握,精神状態が落ち着かないという状況であれば把握しなければいけませんし,刑務所としてはしっかりと刑を務めて仮出所で出て社会復帰できるようにするということが目的ですので,やはり受刑者の個々の状態を把握することが必要だと思います。ですから,要注意人物については当然ですが,それに限らず受刑者の心情把握と教育指導ということを徹底指導することが重要だと感じております。
【記者】
 屋根の対策とか足場の対策とか,マニュアルみたいなものを考えているというのは,全国統一したものをというお考えでしょうか。
【大臣】
 まだどういう指示をするかというところまではありませんが,今私が感じていることでいえば,塀を乗り越えれば出やすくなる設備があったのではいかんだろうと,それから屋上に上るということも想定する対応が必要であるだろうと,工事中であれば,工事中であることに備えた対応をすべきであろうと,一般的な内容になりますが,そうした点を考えています。更に具体化するかについては,技術的に内部で検討してみたいと思います。
【記者】
 今日,県庁や市役所の方には謝罪に行かれたのですけれども,県警の方に行かれることはありますか。
【大臣】
 私どもの方は県警に御努力いただいた感謝の気持ちを伝えさせていただくつもりでおったのですが,県が窓口となって,県警への対応についても,合わせて副知事の方でお受けするということでしたので,副知事にお会いした件が県警に対する謝罪と感謝を含んでいるということでございます。
【記者】
 広島刑務所が市街地から近いところにあるということで,やはりこういった脱走が起きたときにリスクは他の場所より高いわけでありますが,その辺りはどうお考えでしょうか。
【大臣】
 広島刑務所,大変長い歴史があって,地域の方に,受け入れていただいた人に大変感謝しております。今回の件は,そうした長い努力も本当に気泡に帰してしまうとような大きな事件であると認識しております。こうしたことは繰り返さないということで信頼関係をまたしっかりと構築していきたいと思います。
【記者】
 広島刑務所の移転などを検討することは今のところないということでしょうか。
【大臣】
 今は考えておりません。
【記者】
 刑務所の設備に関する全国統一的なものを作られるというお話だったのですけれども,今回のようなこういう脱走がまた起こり得るかもしれないので,通報や市民への告知とか,広報に関するマニュアルとかを作られる御予定というのはいかがでしょうか。
【大臣】
 具体的にどういうマニュアルかというのはまだここではお話しできませんけれども,とにかく早急に警察に連絡して,拘束の御協力をいただく,それから市民の方に連絡して,被害に遭わないような努力をしていただくということの広報の必要性というのは非常に重要だということを再確認というか認識しましたので,そうした指導をしたいと思います。
【記者】
 県庁や市役所で謝罪をされたということなのですけれども,私も子どもを持つ親として,毎朝登下校の付き添いをしたのですけれども,そういう方々に対しても謝罪の念というのはありますでしょうか。
【大臣】
 それはもう学校関係の方には大変申し訳なく思っております。できることなら全ての方にお会いして謝罪しなければならないと思っておりますが,いろいろな制約もありますので,今日は地元の町内会の方,それから市民を代表するということで市長にお会いしたということでございます。
【記者】
 テレビを通じてでも良いのですけれども,謝罪ということはされますでしょうか。
【大臣】
 学校の方,子どもをお持ちの方,全ての方に大変な御不安を与えてしまったことを本当に深く反省しております。大変申し訳なく思っております。
【記者】
 謝罪の件で市役所で取材をさせてもらったのですが,大臣が謝罪されて,それに対して市長がコメントされたのですが,それを私個人も知りたいし,市民も市長がどういうコメントをしたかというのを知りたがっていると思うのですけれども,それを取材中に途中で退室させられまして,あれはおかしいのではないかと思いまして,一般市民から選ばれた市のトップがまだコメントをしているところで,大臣に何をもの申すのか市民は知りたいのに,それを途中で打ち切られたというのは,ちょっと対応として失礼であったと思います。市長に対しても失礼であったし,市民に対しても失礼ではないかと思うのですが,どうお考えでしょうか。
【大臣】
 確かに市長が発言中というのはいい状況ではなかったように思いますけれども,申し訳ございませんでした。
【記者】
 今後それに対応して,改めていただけたらと思います。
【大臣】
 はい。
【大臣】
 この度は,受刑者の脱走事件を生じさせてしまったことについて,大変な御迷惑をお掛けして誠に申し訳ございませんでした。
(以上)
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