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法務大臣閣議後記者会見の概要

令和4年3月4日(金)

 今朝の閣議において、法務省案件はありませんでした。
 続いて、私から2件報告があります。
 昨年3月6日に、名古屋入管に収容されていたウィシュマさんの尊い命が失われ、間もなく1年となります。
 被収容者の命を預かる収容施設において、あってはならない出来事であり、改めて、深く哀悼の意を表します。
 入管庁では、昨年8月以降、調査報告書で示された12項目の改善策を中心に、組織・業務の改革を推進し、10項目につき実施済となりました。いずれも重要な改善策ではありますが、取り分け、入管庁の意識改革・組織改革を進めるため、「出入国在留管理庁職員の使命と心得」を策定したこと、また、収容施設の医療体制を強化するため、有識者会議の提言が取りまとめられたことは、入管行政の改善に向けた大きな一歩と感じています。
 残る2項目についても、早期の実施に向けて検討を進めているところです。
 また、この機会に、これまで私からお伝えしてこなかったその他の取組についても御紹介します。入管庁では、12項目の改善策にとどまらず、被収容者の健康状態の適切な把握、医療的対応の適正化等に向けて、例えば、全被収容者を対象とした入所後原則10日以内の健康診断、処方薬の留意点など外部医療機関受診時の確認事項の統一化、DV事案に精通した弁護士等の意見も踏まえた「DV事案に係る措置要領」の改正などの取組も進めています。
 入管庁とともに、名古屋事案の反省を深く胸に刻み、こうした出来事を二度と繰り返さないという固い決意の下、足らざるところは改め、より良い、あるべき入管行政を目指し、不断の努力を積み上げてまいります。
 2件目は、東京イミグレーション・フォーラムの開催についてです。
 3月2日、3日の2日間の日程で第1回東京イミグレーション・フォーラムを開催しました。
 本フォーラムは、関係各国の入管当局間の連携・協力の国際的なプラットフォームとして、我が国が新たに立ち上げを提唱したものです。
 私も、開会に当たり、ビデオでメッセージを送りました。
 その中で強調したのは、新型コロナウイルスやテロリズムといった様々な脅威の拡散を水際で未然に防ぎ、自国民と外国人が尊重し合いながら生きていく共生社会を実現するために、各国の入管当局が果たす役割がますます重要になってきていることです。
 本年度は、コロナ禍の影響で、海外からはオンラインでの参加となりましたが、アジア、欧州、北米等18の国・地域から御参加をいただき、活発な議論が行われました。
 本フォーラムの開催は、入管当局間の連携・協力の新たなプラットフォームとして、大変有意義なものであったと受け止めており、今後の定期的な開催について、参加国からも賛意が示されたとの報告を受けています。
 本フォーラムにおける議論を通じて、各国において、調和のとれた共生社会、ポストコロナの世界にふさわしい入管行政が実現していくことを期待しています。

ウクライナからの避難民の受入れに関する質疑について

【記者】
 ロシアの侵攻を受けているウクライナからの避難民の受入れについてお尋ねします。
 この点、大臣から、また岸田総理からも、人道的観点に基づき前向きに対応する旨の発言があったと承知しています。改めて大臣のお考えをお聞かせください。
 また、受入れの対象や仕組みなど、現時点での検討状況についてもお伺いします。

【大臣】
 我が国では、困難に直面するウクライナの人々のための支援に力を尽くし、我が国への避難民の受入れを進めてまいります。
 まずは、我が国に親族や知人がいる方の受入れを想定していますが、それにとどまらず、人道的な観点から対応してまいります。
 これについては、関係省庁と連携の上、早急に検討し、積極的かつ適切に対応すべきと考えており、入管庁に対して必要な指示をしたところです。
 今後、政府全体での検討を踏まえ、政府全体として進めていけるように適切に対応してまいりたいと思っています。

名古屋出入国在留管理局被収容者死亡事案に関する質疑について

【記者】
 間もなくスリランカ人のウィシュマさんが亡くなられてから1年が経ちます。
 本日、弁護団が名古屋地裁に国賠訴訟を提起しようとしており、今回、命の重さと国の責任を問うとしているのですが、それに対して、どのように御対応される予定かお聞かせください。

【大臣】
 ウィシュマさんが亡くなられて3月6日で1年になりますが、改めて、哀悼の意を表したいと思います。
 そして、このようなことが二度と起きないように、私どもは最善の努力をする、改善をするということを固く決意しています。
 お尋ねの国賠訴訟については、報告を受けていませんので、コメントはいたしません。
(以上)