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法務大臣閣議後記者会見の概要

令和4年3月29日(火)

 今朝の閣議において、法務省案件として、主意書に対する答弁書が1件ありました。
 続いて、私から3件報告があります。
 1件目は、「家族の法制に関する世論調査」についてです。
 昨年12月から今年1月にかけて、内閣府政府広報室による「家族の法制に関する世論調査」が実施されました。この世論調査は、従前に引き続き、家族の役割や夫婦の氏の在り方などに関する、国民意識を把握するためのものであり、先週3月25日にその結果が公表されました。
 調査結果の一部を説明しますと、夫婦の氏の在り方について問う設問では、「夫婦同姓制度を維持した上で、旧姓の通称使用についての法制度を設けた方がよい」と回答した方が42.2%、「選択的夫婦別姓制度を導入した方がよい」と回答した方が28.9%、「夫婦同姓制度を維持した方がよい」と回答した方が27.0%となりました。
 今回の調査結果は、夫婦の氏に関する制度を含む、家族法制について、国民の間に様々な意見があることを改めて示すものであり、今後の議論の重要な資料となるものと考えています。
 法務省としては、今回の調査結果をホームページ等で紹介するなど、引き続き、国民的な議論が充実したものとなるよう、積極的な情報提供に努めてまいります。
 2件目は、ODRの推進に関する基本方針の策定についてです。
 本日、ODRの推進に関する基本方針を策定しました。
 ODRは、ADRにデジタル技術を活用して、司法アクセスを向上させるものです。
 今回の基本方針は、アクション・プランを定めるものであり、まずは、多くの国民にODRの利便性を実感してもらい、今後5年程度で、最先端技術の調査研究や実証実験を通じて、世界トップレベルのODRが提供される環境整備を目指します。
 ODRの普及により、スマートフォンが1台あれば、いつでも、どこでも、だれでも、紛争解決のための効果的な支援を受けられる社会の実現に向け、積極的に取り組んでまいります。
 3件目は、再犯防止4コマ&1ページ漫画大賞受賞作品の決定についてです。
 この漫画大賞は、再犯防止に関する国民の関心と理解を深められるよう、再犯防止をテーマとした印象的な4コマ漫画や1ページ漫画を広く募集し、優秀作品を表彰させていただくもので、今回が初めての取組です。
 再犯防止啓発月間である7月から募集を開始し、12月までの期間内に43作品の応募がありました。
 いずれも趣向を凝らした、オリジナリティ溢れる作品でしたが、その中から、最優秀賞として、法務大臣賞の作品を私が選びました。こちらに掲示しているペンネームFlintlock(フリントロック)さんの作品です。
 法務大臣賞をはじめとした各受賞作品は、法務省ホームページに掲載するとともに、来年度以降の再犯防止啓発月間のポスターデザインに起用するなど、今後の広報・啓発活動に活用させていただく予定です。
 多くの方々に受賞作品を御覧いただき、再犯防止について、考えるきっかけにしていただければと思います。
 報道機関の皆様におかれては、積極的な周知・広報への御協力をお願いします。

家族の法制に関する世論調査に関する質疑について

【記者】
 内閣府の家族法制の世論調査についてお尋ねします。
 冒頭で結果の一部を御紹介いただきましたが、選択的夫婦別氏制度の導入を求める回答が3割弱となり、前回調査を大幅に下回りました。
 質問や選択肢の変更が影響したという見方もあり、設問が分かりにくいという批判の声も上がっています。大臣の受け止めをお願いします。

【大臣】
 今回の調査は、前回調査までとは調査方法が異なり、また、設問等にも修正を加えたため、個々の設問の回答割合の増加・減少といった観点で、両者を単純に比較して論じることは必ずしも相当ではないと考えています。
 御指摘の夫婦の氏の在り方について問う設問に関しては、前回までの調査においては、設問等の内容が分かりにくいなどの指摘がありました。
 そこで、今回の調査の実施に当たり、より分かりやすいものとするために、調査の実施主体である政府広報室等とも十分な調整を行った上で、これらを見直すこととしたものです。
 今回の調査結果の分析・評価については、様々な立場・観点から行われるものと考えていますが、今回の設問等自体には全く問題がないと考えています。
 その上で、先ほども申し上げたとおり、今回の調査結果は、夫婦の氏に関する制度を含む、家族法制について、国民の間に様々な意見があることを改めて示すものであり、今後の議論の重要な資料になると考えています。
 法務省としては、今回の調査結果をホームページ等で紹介するなど、引き続き、国民的な議論が充実したものとなるよう、積極的な情報提供に努めてまいります。

【記者】
 今の質問に関連してお尋ねいたします。先ほど大臣のお答えの中で、設問自体には全く問題がないと考えているとおっしゃったと思うのですけれども、調査結果の中には、今後結婚して氏を選ばれる若い方たちの意向が反映されていないという指摘もありますが、別氏の導入を巡る今後の議論に、法務省として今回の結果をどのように生かしていくか改めてお聞かせください。

【大臣】
 内閣府の世論調査は、18歳以上の日本人を対象として無作為に抽出する方法により行われており、原則として年齢層を限定せず、全世代の意見を把握できるよう調査を行っているものと承知しています。
 そのため、今回の調査の回答者の年齢構成は、概ね人口構成に沿ったものになっています。
 また、年代別で意見の分布も明らかにされており、今後、様々な観点から議論をする上でも、重要な資料になると考えています。
 先ほども申し上げましたが、今回の調査結果では、夫婦の氏に関する制度を含む、家族法制について、国民の間に様々な意見があることを改めて示すものであると受け止めています。
 法務省としては、今回の調査結果をホームページ等で紹介するなど、引き続き、国民的な議論が充実したものとなるよう、積極的な情報提供に努めてまいります。

ウクライナからの避難民への対応に関する質疑について

【記者】
 大臣のポーランド派遣をめぐり、4月1日にも政府特使として現地に派遣し、政府専用機で避難民らを日本に輸送すると一部報道がありました。この点について、日程や避難民の輸送等の事実関係と、現時点で政府が把握しているウクライナから入国した避難民の数について回答をお願いします。
 また、この避難民の入国者数について、大臣の受け止めを教えていただければ幸いです。

【大臣】
 今般、岸田総理大臣から、ウクライナ避難民の受入れに向け、政府の「ウクライナ避難民対策連絡調整会議」共同副議長であり、法務大臣である私が、総理特使として、ポーランドに出張するよう御指示があったところです。
 日本時間4月1日金曜日夜に、政府専用機で東京・羽田空港を発ち、週明けに帰国する予定で調整を進めています。
 ポーランドにおける避難民受入れの状況や課題を直接見聞し、ポーランド政府要人と会談するなどして、現地のニーズを的確に把握してまいりたいと考えています。
 ウクライナからの避難を目的として本邦に入国された方は、総理が避難民受入れを表明された3月2日以降、3月27日までで288人(速報値)となっています。
 ウクライナ避難民の方々の受入れについては、何よりも避難民自身の希望が尊重されるべきであり、我が国への受入れの多寡について、一概に申し上げることはできません。
 いずれにしても、困難に直面したウクライナの方々への強い連帯を示すためにも、避難民の方々にしっかりと寄り添った支援をしてまいりたいと考えています。
(以上)