法務省

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大臣就任に当たっての滝法務大臣訓示

平成24年6月5日(火)

 この度の野田改造内閣で法務大臣を拝命いたしました。思えばこの法務省とは,ずっと縁続きで今日までやってまいりました。その間,もう年も年ですから今年4月には次期衆議院選挙には出馬しませんと,早々と宣言までしまして,自分のいわば進む前路といいますか,進む先を切ったところです。普通は退路を切るといいますけど,そうではなく進む先を切ることにいたしまして,専ら今は法務行政一筋という人生に重きをおいた政治活動をさせていただいていることを心から感謝をいたしたいと思います。
 今朝も閣議後の記者会見で,一夜明けて改めて法務大臣に就任した感想は何かと質問をされたものですから,知る人ぞ知るかもしれませんけど,女流俳人の鈴木真砂女の一句を思い出したことを記者の皆様方に申しました。どういう句かというと「あるときは船よりも高い卯波かな」こういう句です。大変意味深長な句のように思います。「あるときは船よりも高い卯波かな」,俳句をやる世界では,鈴木真砂女のこの句が一番優れていると言われていると私は思っています。卯波というのは,4月,5月の卯の花の咲く頃に海に見られる波です。大きなうねりを伴ったゆったりとした波,それでも小さな小舟よりも高く波頭が上に立つという風景を自分の人生観を込めて俳句に表現した句であろうと思います。今私たちが遭遇しているのは,そのような状態がたまたま多く現れているということではないかと思います。そういう情勢を踏まえて,私の今後を噛みしめているところでございます。ばたばたすると自分よりも船より高いところに波が来るので,恐ろしくなって海に飛び込むことになるかもしれない。あるいは運が悪ければ波にさらわれてしまうかもしれない。しかし,いくら自分の船よりも高い波があったとしても,ゆったりとした大らかな気持ちで乗り越えれば,そんな船より高い波だってそう逆らわずに切り抜けることができるかと,そんな人生も可能ではないかと思います。そんなことを昨晩から今朝にかけて思い出して皆様方に紹介をいたしました。
 法務行政の向かうところも例えてみれば大変難しい局面であるし,自分たちの能力を超えるところでとんでもない波が押し寄せてくるかもしれません。しかし,そういうことを乗り越えて,いわば難しい言葉でいえば,パラダイムの転換などと学者の人たちが好んで言いますけれど,要するに発想方法をまるっきり変えていかなければいけないこの日本の状況の中で,心して法務行政に取り組んできただけに,今この転換期をふわっと乗り越えるか,あまり慌てず騒がず実際に今置かれた立場をじっくりと観察しながら高い波を恐れずに乗り切っていきたい。そんな願いを込めて今朝の記者会見で御披露させていただきました。どうぞ皆様方も思いつくままで結構ですから,折りにふれて,今の直面する問題を思い切り乗り切る知恵を何かの格好でお互いに出していただきたい。そしてそれを寄せ集めれば,法務省として力を発揮できる大きな出発点,スタートラインに立てると思いますので,よろしくお願い申し上げます。後は,長い間,法務省に尽くされてきた皆様方のいろいろな経験を総動員して,この高い波のうねりを静かに乗り切ることができるようにしていただきたいと思います。法務大臣の就任に当たって改めて皆様方の日常の検討に御期待を申し上げまして御挨拶にさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
(以上)
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