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法務大臣閣議後記者会見の概要

令和4年7月12日(火)

 今朝の閣議において、法務省案件はありませんでした。
 安倍元総理大臣が亡くなられたことについて、私の思いを申し述べます。
 7月8日(金)、奈良市内で街頭演説中の安倍元総理大臣が銃撃され、亡くなりました。
 いかなる理由であれ、暴力で言論を封じる行為は断じて許されるものではなく、卑劣非道な犯行を厳しく非難します。
 安倍元総理は、長きにわたり我が国の国政を主導した極めて有力な政治家でした。
 個人的にも、親しく御指導をいただいたことなど、たくさんの思い出があります。
 あまりに衝撃的な出来事に、うまく言葉も見つかりませんが、この場をお借りして、改めて安倍元総理の御冥福を心よりお祈りするとともに、哀悼の誠を捧げます。

参議院議員選挙の結果に関する質疑について

【記者】
 参議院議員選挙の投開票が行われ、自民党が単独過半数を得ました。選挙の結果について、古川大臣の所感をお聞かせください。

【大臣】
 岸田政権が、国民の皆様から幅広い御支持をいただけたものと受け止めています。その意味では、責任の重さを改めて痛感しているところです。
 岸田総理は、「聞く耳を持つ政治」ということを掲げていますが、法務行政においても、これをしっかりと腹に置き、諸般の課題に向き合っていきたい、改めて緊張感持って臨みたいという気持ちを新たにしているところです。

安倍元総理大臣銃撃事件に関する質疑について

【記者】
 安倍元総理の事件について関連してお伺いします。一部報道では、容疑者が銃火器についてインターネットで情報を得たり、ネットで火薬を購入したりしたというような報道もありますが、現状、銃火器を製造する法律を制定したときの状況とは、今はかなり素材の入手のしやすさなど、変わってきている状況もあるかと思います。今回の事件を受けて、銃火器の製造などの規制を強めていくというようなお考えはありますでしょうか。

【大臣】
 今回の事件を受けての銃火器の製造についてお尋ねでしたが、まず、個別の事件の捜査や証拠の具体的内容に関わる事柄については、コメントを控えさせていただきます。
 その上で、今後どのような対策を打つ考えかということですが、御指摘のような意見があるということについては承知しています。ただ、今申し上げましたように、事件についてはまだ捜査中ですから、まずは捜査の推移を見てから、その上で検討がなされるべきことであると受け止めています。

【記者】
 安倍元総理の事件に関連してお尋ねします。被疑者の供述で、特定の宗教団体に対して恨みがあったという旨の話が出ていますが、そのことに関連して、公安調査庁に何か調査だったりとか、御指示なさったり、大臣からされたことはありますでしょうか。

【大臣】
 お尋ねは、個別の事件の捜査に関わることです。個別の捜査の内容や証拠の具体的内容については、お答えは差し控えます。
 いずれにしても、検察当局においては、関係機関と連携し、事案の真相解明に努めるものと承知しています。

【記者】
 関連で、今回の事件を受けて、インターネットへの書き込みも含めて、様々な投稿がなされていますが、そうした問題も含めて法務省としての対応、既に取ったものとこれから取るものを教えていただけますでしょうか。

【大臣】
 今回の事件に関する書き込みを受けて、特段の対応というものは、現時点で考えていません。

【記者】
 関連ですが、これまでの容疑者の供述では、お母さんが破産したことで統一教会に恨みを持ったと。統一教会の政治団体の受入れ窓口といわれるUPFへの祝電及び応援メッセージの演説を昨年9月12日に安倍さんが送られています。その前年も、「そういったものを送ると、旧統一教会のような、様々な霊感商法で被害が出ている団体に対する政治家のお墨付きという形になるので、メッセージとかイベントへの参加はやめてほしい。」というお願いを、一昨年の段階でも弁護団体が出し、そのときはメッセージ等は出していなかったらしいのですが、昨年9月には動画が出てしまったと。その動画を見たことで、安倍さんと団体とのつながりを非常に強く意識するようになって、殺害を考えるようになったとお話をされています。その直後に、メッセージを出したことに対して非常に強い抗議声明というのを、霊感商法の弁護団体が出し、「こういったことをするのはやめてほしい。」と言ったにもかかわらず、よくよく調べたら、今年もその団体に対する祝電を送っていました。また、安倍さんの元秘書官等々の後援会の場には、UPFの事務総長が招かれるなど、やはり安倍さん、そして菅さんも含めて、官邸にこの関係のトップや幹部を呼んでいたというお話も出てきています。いわゆるこういった霊感商法といわれる、被害が出ている団体と政治家の結びつき、安倍さんと菅さんだけでなく、多くの自民党や民主党の国会議員の名前も結構出てきています。こういったものに対して、今後適切だと思うか、同じ政治家の立場として、宗教と政治といった意味で、どういった形で被害が出ている団体が関わっているような、政治力の強いような団体と距離を置くべきか置かないべきかということ含めて、大臣の考えを聞かせていただきたいです。

【大臣】
 記者が今言及された内容は、飽くまでも記者の受け止め方、認識だと受け止めさせていただきます。
 その上で申し上げますと、今回の事件の具体的な捜査又は証拠に関することについては、言及は差し控えたいと思います。
 それから、政治家の活動の在り方というものについて、今ここで法務大臣としてお答えをする立場にはありません。お答えは控えたいと思います。

【記者】
 安倍さんの関係ですが、2005年から2010年にかけて、警察の捜査で13件、旧統一教会系の人たちが摘発を受け、三十数名が特定商取引法違反で逮捕されたということがありましたが、それ以降、ほとんど警察、検察の捜査がなくなっているということです。結果として、2009年に「もうこういうことをしません。」という声明が出されていますが、2009年以降も、元信者若しくは元信者の家族たちから霊感商法に対する被害、民事提訴が起きていて、被害実態が続いている状況のようです。今回の事件を受けて旧統一教会だけでなく、霊感商法に対する捜査、摘発をもう一度見直すおつもりは法務省としてあるのかという点と、それから先ほど政治家がなぜこんなに統一教会のバック、資金援助を受けているのかという背景としては、この間の銃撃された現場でもそうですが、統一教会の信者の方たちが大量に選挙活動に動員されていると聞いています。それから信者の方たちは、熱心な勧誘活動、はがきや電話といった選挙活動の部分で、自民党の議員の方たちが期待しているところがあるのではないかというお話を聞きました。この点において、大臣自身も、こういった旧統一教会系の友好団体等から、選挙において動員を含めて助けてもらっているという点があるかどうかと、この点は2点目ですが、お答えいただきたいです。

【大臣】
 2点目から先にお答えしますと、私はありません。
 そして、個別事件の捜査に関することについては、お答えできないということと、政治活動の在り方については、一般論になりますが、政治家というものは、国会議員であれば国民を代表して議員としての地位を与えられていますから、やはり襟を正して、自らの行動を律するべきものであると考えています。

アフガニスタンからの退避者に関する質疑について

【記者】
 日本政府が受け入れているアフガニスタンの避難民の状況について、質問させていただきます。
 現在JICAのセンターに在アフガニスタン日本大使館の現地職員とその家族が二十数世帯ほどいらっしゃいます。複数世帯が、先週末から今週にかけて、実際に帰国したり帰国準備を進めています。
 この1年近く、大使館の職員として給与が支払われていたり、半年の「特定活動」の在留資格を更新したりということはありましたが、中長期的に日本で生活するために、身元保証人、住居の確保、就労支援、日本語教育、家族の呼び寄せ、難民申請手続の仕方などについて、きちんとした説明や対応が、外務省からも法務省からもなかったと聞いています。御家族の中には、「このまま日本にいても何の希望もないから、帰国して殺されたほうがましだ。」とおっしゃっている御家族もいます。家族の中でも考えは違います。
 本来であれば、支援団体や弁護士も立ち会った上で、今言ったことについて、御家族一人一人に対して丁寧な説明を行うべきだったと思いますが、在留資格や難民申請手続を所轄する法務省の入管行政として、外務省の担当部署と、きちんと情報交換しながら、避難当事者に今まで丁寧に説明されてきたのでしょうか。
 アフガニスタンでは依然として少数民族やハザラ人を狙った爆弾テロや、大使館関係者や女性とか子供に対する深刻な人権侵害が続いていますが、既に7月8日と9日に3家族が帰国され、15日にも数家族が帰国予定だと聞いています。15日に帰国予定なのは何世帯、何人いるのか、また今後、帰国予定が決まっている日にち、世帯、人数などについて、法務省では確認されているのでしょうか。
 また、帰国された御家族の安否確認や、再び日本に戻りたいと希望された場合の対応や相談体制などについて、外務省と打合せしているのかどうか、帰国直前であっても日本で難民申請をしたいという御家族もいらっしゃると思いますが、そういうことを法務省として想定していらっしゃるかどうか、この3点について伺います。

【大臣】
 アフガニスタンからの退避者について、記者からるる言及がありましたが、その内容については、飽くまでも記者の見解として受け止めさせていただきます。
 御質問の在アフガニスタン大使館現地職員等の受入れ等については、外務省において対応しており、政府部内でのやりとりを含め、私から言及することは差し控えます。
 また、個別の外国人の出国予定等についてのお答えも差し控えさせていただきます。
 その上で、一般論として申し上げますと、我が国において難民認定を希望する外国人については、入管庁において申請を受け付け、申請者ごとに申請内容を審査した上で、難民条約の定義に基づき、難民に該当するか否かを適切に判断することになります。
 難民と認められない場合であっても、本国情勢等を踏まえ、人道上の配慮が必要と認められる方については、我が国への在留を認めるなど適切に対応しているところです。
 また、本国の情勢不安を理由に就労可能な「特定活動」の在留資格への変更は、これまでもアフガニスタンの方々にも認めてきたところです。
 こうした取組のほか、法務省では、難民条約上の難民に該当しないものの、同様に人道的な配慮を要する方々などをより確実に保護するために、「補完的保護対象者」の認定制度の導入も検討してきたところです。
 法務省としては、日本人と外国人が互いを尊重し、安全・安心に暮らせる共生社会を実現するためには、外国人の人権に十分配慮しつつ、ルールにのっとって外国人を受け入れるとともに、ルールに違反する者には厳正に対処することが重要であると認識しています。
 当該外国人の母国の状況も踏まえつつ、個々の外国人の置かれた状況等にも配慮しながら、関係省庁とも連携の上、引き続き適切に対応してまいります。
(以上)