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トップページ > 広報・報道・大臣会見 > 大臣会見等 > 記者会見要旨 > 平成24年 > 法務大臣閣議後記者会見の概要

法務大臣閣議後記者会見の概要

平成24年9月4日(火)

  本日の閣議では,法務省案件はございませんでした。
 この機会に私の方から,法制審議会の諮問について申し上げたいと思います。
 9月7日に法制審議会を開催する予定であり,皆様方にも御案内をさせていただいていると思いますけれども,今回の法制審議会においては,いろいろな問題を取り上げます。大きな問題の一つは,自動車運転による死傷事犯に関する罰則の整備です。もう一つは,少年法に関連する問題です。刑事関係ではこの二つの問題を今回取り上げているわけです。一部報道もされていますけれども,自動車運転による死傷事犯の罰則の整備は,いわば抽象的な文言で今回諮問をするわけですけれども,中身は大きく分けて三つになろうかと思います。一つ目は,現在,交通事故に関連して危険運転致死傷罪の構成要件として4つのパターンを設けているわけですが,その中に,新たな類型を加えるかどうかということが一つの課題です。二つ目は,それとは別に新たな罪を設けるのかどうかということで,いわば準危険運転致死傷罪のような格好で設けるのかということが二つ目の課題です。三つ目は,量刑の問題です。過失について5年のものを7年にするとか,そういう量刑の細かな検討をするのかどうかということです。こういう大きな分類からいうと,交通事故に関連する問題について,三つの観点から検討してもらうというのが大まかな概要でございます。
 それから少年犯罪の方は,少年事件に関連して検察官関与の対象を拡げるかどうかということと,それに関連して裁判所が認めた場合には,国選の弁護士の付添いをどうするかという二つの問題が従来からの課題となっております。それを少年事件に関連する一つのテーマとして,諮問するというものです。
 以上が本月7日に諮問の予定を考えている刑事関係の問題です。そのほかに,法案の整備の問題として,大震災に関連して,罹災都市借地借家臨時処理法を早急に見直した方が良いのではないかという声があるものですから,民事案件として罹災都市借地借家臨時処理法に関連する検討をしてもらおうと思います。よく言われておりますところの,建物の区分所有権の問題について,災害との関連でそれを実態に即して検討してもらうということが民事案件としてございます。この民事上の問題は,今までも何遍も議論されてきた問題であるため,法案がまとまり次第,なるべく早く国会に提出したいと思います。災害のことですからいつまでも放置しておくわけにはまいりませんので,できるだけ早い結論を得ていきたいということを考えているわけです。
 以上,刑事,民事について法制審議会で諮問をするということの概要を皆様方に申し上げました。詳しくは,改めてそれぞれ民事局,刑事局の方から説明させていただくこととなっていると思いますので,よろしくお願いしたいと思います。

人権擁護委員を人権擁護委員協議会に配備することに関する質疑について

【記者】
 先日,一部の報道で,学校でのいじめ事件への対応について,各地の法務局に人権擁護委員を常駐させる方針を固めたという報道がありましたが,これについて大臣のお考えをお聞かせください。
【大臣】
 人権擁護委員が学校を通じて,いじめの防止のための対策を行ってきているわけです。子ども110番やミニレターとかですね。こういうことを通じて,この秋には,毎年恒例のアクションを起こすわけですけれども,こうしたことを人権擁護委員にやってもらうだけではなくて,法務局に人権擁護委員が常駐してはどうかということを考えているわけです。人権擁護委員の中から,企画担当委員という立場で法務局に常駐してもらう。そして,常時いろいろな問題を実際に扱っている人権擁護委員の中で,企画担当委員が改めて責任を持って法務局と行動をともにしてもらうような仕組みはどうだろうかということです。ただ,一挙に配置するわけにもまいりませんので,全体で317か所くらいあると思いますが,全国の人権擁護委員協議会に3年間くらい掛けて設置をしていきたいというのが,人権擁護局の考え方でございます。

人権救済機関設置法案に関する質疑について

【記者】
 人権救済機関設置法案についてお聞きしますが,先日8月末に民主党の法務部門会議で了承されまして,今国会中の閣議決定あるいは国会提出を目指しているということでよろしいでしょうか。
【大臣】
 目指してまいりましたけれども,もう9月4日になりますと限界ですので,今国会中は断念せざるを得ないと思います。目指したことは目指したのですが,なかなかいろいろな調整ができませんので,今国会明けになると思いますけれど,次の臨時国会に備えた閣議決定を考えていきたいと思います。
【記者】
 そうすると今週金曜日の閣議決定についてはどうなりますか。
【大臣】
 次の国会の方がよろしいのではないかという意見が大勢です。
【記者】
 閣議決定を今週末に行うということはないということですか。
【大臣】
 今のところそういう意見にはなっていません。
【記者】
 大臣は昨日総理と官邸でお会いになったと思います。これまで人権救済機関設置法案については,法務省並びに大臣が今国会に提出するよう全力を尽くしてきたと思うのですが,最終的に今国会の閣議決定を見送ったのは総理判断なのかどうかということをお聞かせください。また,昨日の総理とのやり取りについて披れきしていただければと思います。
【大臣】
 総理も予算委員会で今国会中の提出を目指すというふうに発言をされてきたものですから,法務省も当然その総理発言をフォローするよう努力をしてきました。しかし,今国会に提出というのは,針の穴にラクダを通すような,非常に厳しい話です。やはり衆議院・参議院の法務委員会で,先行する法案の採決まで見通さないと,賛否両論のある法案を国会に提出するというのは難しいですし,出すだけに終わってしまうと,次の国会につながらないということもありますので,そういう意味で,今回総理に最終的な報告をして,総理の確認をもらったということです。

危険運転致死傷罪等に関する質疑について

【記者】
 先ほど自動車運転による死傷事犯の罰則の整備のお話が出ましたけれども,大臣のお話だと,危険運転致死傷罪の要件について,新たに変更を加えるということもまだ検討材料の一つなのかということと,もう一点は,準危険運転致死傷罪という発言がありましたが,名称としては準危険運転致死傷罪ということで諮問する形なのか,名称は法務省としての考えなのか,お聞かせ願います。
【大臣】
 今,準危険運転致死傷罪のようなものと申し上げましたけども,準危険運転致死傷罪という名称を決めているわけではありません。新たな犯罪類型を作るかどうかということであって,準危険運転致死傷罪という項目を刑法上立てるということではありません。そういうことも含めて検討してもらうということです。
【記者】
 もう一つ伺いますけれど,危険運転致死傷罪の要件の変更,例えば飲酒運転を加えるといった,今までと違った要件にするということも検討材料ということでしょうか。
【大臣】
 基本的には,以前も申し上げたと思いますけれども,危険運転致死傷罪は4つのパターンがあります。今,いろいろなところで起きている問題というのは,4つに少しは関わるけれども,完全にどれか一つに合致しないということが,いわば法文の隙間として危険運転致死傷罪に該当せずに,単なる過失罪という類型になってしまうということです。そういう法律の隙間はきちんと埋めていかなければならないのではないかということを,遺族の方々も思っていらっしゃいますし,我々もその辺はきちんと認識をして対応したいというのが今度の問題です。そういうことを踏まえての諮問ですから,どういうふうにするのかという方向は,あらかじめ設定するというわけにはいきませんので,諮問としては抽象的な文言にならざるを得なかったということです。
【記者】
 自動車運転による死傷事犯の罰則の整備に関連して,5年前に過失罪の量刑を上げたばかりであり,今上げるべきかという慎重な意見もあったと思いますが,最終的に強化する方向になった経緯を改めて御説明願いたいのと,準危険運転致死傷罪とは,これは大臣が使っている言葉なのか,それとも法務省内でそういう言葉として使っているものなのかを教えてください。
【大臣】
 法務省内で使っているわけではありません。危険運転致死傷罪に準ずるという意味でそういう文言を言ったわけです。それから,過失罪の量刑の話ですが,量刑を引き上げたらどうかという意見があるものですから,それを無視して過失罪の量刑について何も議論しないというわけではなくて,この際,法制審議会でも議論してもらおうということです。必ずしも過失罪の量刑を引き上げるという問題ではありません。引き上げるといっても,バランスがなかなか取りにくいという問題をどう考えるかという意味での諮問になろうかと思います。
【記者】
 今回,罰則強化を決めたのは,やはり悲惨な事故が相次いで起きていることを受けてという理解でよろしいでしょうか。
【大臣】
 まあ,そういう意見が多いものですから。しかし,罰則を強化できるかといったら,そこのところが難しいわけです。過失罪をそんなに重い量刑で設定してしまうと,いわゆる過失ですから,それで良いのかという根本的な意見があります。だから,簡単に過失罪の量刑は,5年や7年が悪くて,10年だと良いということにはならないのではないかと思いますので,そこのところをどう考えるかという,むしろそういう議論になろうかと思います。あらかじめ過失罪の量刑を上げるという前提で議論をするのではなくて,そういう意見についてどう考えていくかということです。
【記者】
 諮問に至った経緯としては,遺族の関心が高くて,しかも,民主党内でも求める声が高いからということでしょうか。
【大臣】
 民主党内でも意見があったということです。ただ,民主党の中では,問題意識としてあるけれども,それをそのまま条文改正につなげることについては,やや消極的な意見があるはずなんですよね。
【記者】
 来年の通常国会に,危険運転致死傷罪について何らかの改正案を提出したいというお話があったと思うのですが。
【大臣】
 そうです。できれば,速やかにやりたいということです。

少年法に関する質疑について

【記者】
 少年法の不定期刑の引き上げ幅についてですけれども,現行だと15年以下ということですが,そこからどのくらい増やすイメージで考えていますか。
【大臣】
 それは特段のイメージを持って諮問をしているわけではありません。当然いろんな考え方があると思いますけれど,具体的にこれというふうに決めているわけではありません。

入国管理局の収容施設における被収容者の給食の摂食拒否に関する質疑について

【記者】
 今,入国管理局の収容施設で起きているハンガーストライキについて伺いたいのですが,8月20日に牛久にある東日本入国管理センターで難民認定を求めている方々など90名弱がハンガーストライキを始めたと報道されています。400名の収容者の内90名ということで,人数もこの数年来では最大規模となりまして,現在も確認したところ,同センターから出されている給食を拒否している人たちがまだ70名程いるということでして,まだ続いている状況です。これに関して法務省は,今年の2月10日になんみんフォーラムと,日弁連と三者で共同の覚書を締結していて,入国管理局の難民申請の件もトピックに入っているのですが,そこから半年以上経ってもなかなか進んでいません。実際の中の状況は,毎年ハンガーストライキが定期的に出ている状態で,むしろ人数が増えています。また,施設の医療体制も厳しい部分が出ていると市民団体から要望書も出ているのですけれども,このような入国管理局の収容施設のことに対して,大臣はどのようにお考えですか。
【大臣】
 難民認定は一つの基準によって行っているわけですから,そういう給食の摂食拒否があって,それを避けるために難民認定を増やしていくというのは筋が違うと思うのです。医療の問題もあるでしょうけれども,そこはそれなりに対応していかなければならない。給食を拒否しただけで動くということでは,本末転倒であると思います。御本人たちは,自分で費用負担して食事をしてるようであり,あまり長く続いて,そのような個人の負担が掛かるのはどうかと思いますが,これは法務省側としては止むを得ないのではないかと感じております。
【記者】
 難民認定のこととは別に,入国管理局の収容施設の中の環境について,ここ数年言われていると思うのですが,その辺りはどうでしょうか。
【大臣】
 結局,難民の認定に当たって一人一人の今までの実状や経歴などを調べるのは手間が掛かるのです。それも一人二人でありませんから,相当数抱え込むとその処理に大変追われることになります。難民認定申請の処理の流れを見ると,大体,簡単に認定できない人たちの最初の申請は差し戻しとなるわけです。改めて本人が実状について詳しい資料を出してくれれば,それで改めて検討し直すということの繰り返しですから,どうしても時間が掛かってしまいます。自分で難民だといっても,そのまま認定するわけにはいきませんからね。やはり,出身国に問い合わせたり,あるいはその他の情報を本人がどこまできちんと整えるかということは,時間が掛かると思います。
【記者】
 時間は掛かると思うのですけれど,法務省としては今の状況よりかは改善しなければいけないということで取り組んでいるのでしょうか。
【大臣】
 それは,難民認定申請処理のスピードを上げてやっているのですが,なかなか思うようにはいかないというのが実状です。まず言葉の問題がありますから,通訳もきちんとそろえないといけませんし,そういうことから難民認定申請処理終了までにはどうしても時間が掛かるのです。
【記者】
 仮放免について求めている方たちも多くて,それが一つ大きな動きになっていますけれど,仮放免についてはどのように思われていますか。
【大臣】
 仮放免したあげく,どこかに行ってしまうということがやはり懸念材料です。ですから,ある程度きちんと事情を調べないと仮放免もできません。後で捜すのは,容易なことではありませんので。
(以上)
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