滝法務大臣初登庁後記者会見の概要
平成24年10月24日(水)
皆さん,遅い時間にこうしてお集まりいただきましてありがとうございます。10月1日に退任の記者会見をして以来,24日目にして改めて,再び大臣就任の会見をさせていただくことになりました。田中慶秋前大臣が,大変意欲的に法務行政に取り組んでこられたのに,体調不良ということで,志まだ半ばにも達しない時期に辞任を余儀なくされたことは,誠に私どもとしては残念なことだと思っております。田中前大臣は,労働行政を出発点として,産業経済関係に大変造詣の深い立場で活動してこられました。そういう目で法務行政にも光を当てていきたいという意欲的な取組をなさいました。私も,そういう田中前大臣の問題意識や意欲というものを改めて心に留めながら,法務行政に今までとは違った意識を持って臨んでいきたいと思っています。「世の中,3日見ぬ間の桜かな」と言いますように,確かにこの24日間を見てまいりますと,10月1日以前とは違ったいろいろな事象が表面化しています。それだけに,これまで長年法務行政に取り組んできた私ですけれども,この田中前大臣の意欲的な取組や,この24日間の変化というものを踏まえた取組をしていかなくてはいけないと改めて感じているところです。私も退任の際には,年も年ですからということを申し上げたのですけれども,今回,就任をするに当たっては,年齢を乗り越えていかなくてはいけない,そのように気持ちも新たにさせていただいています。この24日間,いわば私自身の空白を埋める努力を大至急していかなくてはいけないという感じをしていますので,皆さん方からもいろいろな意見を伺いたいと思っています。社会や国民のニーズに目を向けた観点から法務行政に取り組むということが,田中前大臣の考え方のようでしたから,私も改めてそういう考え方を意識的に採っていきたいと思っています。今回,総理からの指示事項の中には,新たな人権救済機関の設置ということも特に意識的に指示をされてますけれども,やはり入国管理の問題も,今,焦点になっていますので,そのようなことも新たな気持ちで取り組んでほしいという指示もありました。いずれにしても,法務行政に空白があったとは思いませんが,この24日間の自分なりの空白期間,自分の意識の中の空白を埋める努力をまずはしていきたいと思っています。ここで改めて皆さん方にそのような気持ちをお伝えさせていただいた次第です。私の方からは,まずは就任に当たっての抱負を申し上げて,後は皆さん方の御意見にお答えしていきたいと思っておりますので,よろしくお願いします。
法務大臣就任に当たっての抱負等に関する質疑
【記者】
9月の会見で,年齢を理由に続投を望まないという発言をされました。今回,再び法相に就任するに当たって,その考えにどう変化があったのかということについて改めてお聞かせください。
【大臣】
今,私自身の意識の中の空白部分をできるだけ早急に取り戻していきたい,こう申しましたけれども,総理が法務行政の停滞を招かないと御判断され,前に法務大臣を務めていた私を指名されたのだろうと思います。それならば私の今までの経験を今後総動員して,お役に立てるのではないかと,このような思いでお受けさせていただきました。それだけによほど気持ちを引き締めて当たっていかなければいけないということも,改めて申し上げておきたいと思います。
【記者】
田中前大臣は,外国人からの献金問題や暴力団関係者との交際が発覚し,参議院決算委員会を欠席したことが「答弁逃れ」などと批判も受けました。この一連の経緯をどう御覧になっていたかお聞かせください。
【大臣】
私は田中前大臣がお辞めになったのは,体調不良ということが理由だと思っていますし,テレビの画面で見た車の中の田中さんの憔悴したような顔立ちからすると,やはりどこか悪かったのだなと思います。恐らく田中さん自身としては国会において,外国人からの献金問題などについて,一再は説明する機会を与えられたということで,ちょうど良い機会ですから,本来は出たかったのだろうと思いますけれども,体調がそれを許さなかったのだろうと思います。そういう意味では,せっかくの機会を逸したなという感じは受けていますし,大変気の毒な体の状態ではなかったのではないかという受け止めをしています。
【記者】
滝大臣は2度目ですが,民主党政権で法務大臣が,重複して9人目となります。野田内閣に変わりましてからも5人目ということです。また,滝大臣自身は,退任から1か月経たないうちの再登板ということで,法務大臣があまりにもころころ変わり過ぎている印象を受けると思うのですが,そのことについて大臣の見解を教えてください。
【大臣】
恐らく,いずれの大臣も本人は一生懸命取り組んで意欲的に行動してきたと思うのですけれども,結果的に在任期間が短くなったということは,決していいことではありません。これは止むを得ない問題が後発的に出てきたのだろうと思います。田中さんの場合も,私が記者会見で申し上げたとおり,柔道五段の猛者ですし,一日も鍛錬を怠っていない方ですから,年齢に関係なく体調は万全だというような見方をしていたのですが,結果的にはどうもそうでなかったということです。また,,田中さんの場合には,特に短い期間に終わったということですが,これは人間の体調の問題ですから,止むを得なかったという感じがいたします。私自身も気を付けなければいけないことは,自分では人並み以上に年齢以上に健康ではありますけれども,少なくとも体を害して途中で倒れることのないように気を遣いながら,任務を全うさせてもらいたいと思っています。
【記者】
今の大臣の説明では,田中前大臣は今回,体調が理由で退任になり,止むを得ない問題が後発的に出てきたとおっしゃいましたが,この短期間で大臣が変わってしまう一番の原因というのはどのようにお考えでしょうか。
【大臣】
例えば,政治資金の話で申せば,政治家ですから,例えば自らの政治資金の処理の問題というのは各々気を付けているはずですけれども,古い時代の処理の仕方が意識からはずれていたということは,問題の原因の中にあるのではなかろうかという感じがいたします。私はもともと資金を集められる立場ではなかったものですから,古いも新しいも政治資金を集めるようなことで問題が生じることはないと思っているのですけれども,それは本人が思っているだけで,場合によれば抜けているところがあるかもしれません。少なくとも古い時代のことについては,まあ失念しているということが中にはあったのだろうというふうに思いますから,そういうことも含めて,政治資金の問題は,特に自分で点検をしていかなければいけない。政治家としては,特にそれは大事だろうと思います。
【記者】
田中前大臣についてなのですが,今回体調の問題で辞任ということなのですが,仮に体調の問題ではなく,献金だけの問題であった場合,大臣を辞めるべきだったかどうかについて,大臣はどうお考えになりますでしょうか。
【大臣】
田中さんの政治献金の問題がどういう状況の中で,それを受け取ったかというのがよく分かりませんから,何とも申しようがないのですけれども。恐らく,田中さんが元気で,そこのところはきちんと説明すれば,それなりの理由はあったのだろうと思うのです。推測にしか過ぎませんけれども,外国人といっても名前からではなかなか分かりませんから,理解できないという問題もあったのではないだろうかと思います。そこのところは,もう少し説明していくだけの体力がなかったのが残念だと言えば言えると思いますね。
【記者】
冒頭の発言と重なるかもしれないのですが,24日間の空白の中で,大臣がいったん辞めれらたからこそ分かる,今回はこういう課題に取り組みたいという何か具体的なお考えがありましたらお聞かせください。
【大臣】
この24日間,地元のいろいろな人の意見を聞く機会があったものですから,そういう中で,田中さんが国民のニーズにあった取組ということを掲げたのは,田中さんらしい一つの方針ですから,私もそれは,もう少し法務行政の中でも前面に出した方がいいかなというふうな受け止め方をしました。
【記者】
田中前大臣から,直接なり間接なり何かメッセージとか,今後こうしてほしいとか,聞いていることはありませんか。
【大臣】
まだ,聞く機会がありませんけれども,田中さんの思い残した点は,後継者の私が直接聞いて,活かすべきものは活かしていきたいと思っています。もともと田中さんは福島県浪江町の出身で,浪江町では有名人ということで,かなり期待をされていた人なのです。そんなこともありまして,特に福島県に,日本司法支援センターを作るときにも,田中さんは新しくできた日本司法支援センターの二本松出張所についてもそれなりの考え方を持っていたし,関心も高かったのだろうと思います。そういうことも含めて,もう少し田中さんから直接聞いてみたいという感じはいたします。
【記者】
この3週間はどのようにお過ごしになられたでしょうか。あとは3週間で復帰するということはお考えだったでしょうか。再登板が実施されたことについて,率直な御感想をお聞かせください。
【大臣】
この3週間は,法務副大臣あるいは大臣として過ごしてきた中で,十分に地元の人たちと話ができなかった。それを何とか埋めようとして人に会ってきたというのが,この3週間の主たる行動です。それから,大臣をということで再登板の話があったときに,私の気持ちとしては,言いにくいことではありますけれども,少なくともこの4か月,あるいは昨年の副大臣から数えると1年余りの経験を活かすことによって,空白の期間を相当埋められるということを総理が判断されているならば,それに応えるような格好で仕事をしていけば,何とかこの緊急事態は切り抜けられるかなと,そのような思いでお引き受けしました。
【記者】
政策についてお伺いしたいのですけれども,田中前大臣は,復興予算の使途について,刑務所での職業訓練等について,使途は正当,適正だと判断を下されました。滝大臣は,改めて再検討する考えがあるか否か伺います。
【大臣】
これも私が副大臣のときから関与しています。そのときの感じからしますと,この大震災対策について,法務省はあまり関係がないような省庁ではありますけれども,こういう大災害を見て,法務省があまり関係ないのだというような姿勢はとるべきではない。何とか少しでもお役に立てるならば,そのお役に立つ仕方を考えなければいけないというのが当時の率直な気持ちでした。したがって,そういう観点から付けた予算だというふうに私も理解をしております。これについては,田中前大臣がもう少し具体的に検討しろという指示を事務方にしていますので,その辺の事情も事務方の方から少し聞いてみたい。田中さんの指示がどういうことを中心にして行われてきたかということも含めて事務方のこれまでの検討状況を聞いて自分なりに判断をしていきたいと思っています。
【記者】
先ほどの政策の部分にも重なるのですが,法務省の中では,大臣も積極的にやられたかと思うのですが,交通事故の厳罰化をどうするのか,死刑の問題をどうするのか,また,裁判員制度の見直しの議論も今も続いていると思うのですが,そういった継続的に続いている議論がある中で,ころころと大臣が変わることについてどうお考えなのかということと,そういった法務省が抱えている問題や課題に対してどういうふうにやっていこうという意欲があるのか,大臣のお考えをお聞かせください。
【大臣】
大臣が代わることが全て無用だとは思っていません。大臣が変わるたびにいろいろな意見がそこで示されるということは,それなりに一つの進歩ということもあるのです。例えば交通事故の致死傷罪の問題でも,従来の考え方だったら,なかなかすんなりと事務当局がそれに向かって検討しようという動きにはならなかったと思うのですけれども,やはりその時その時の関係者の意見などを,その時の大臣がどうやって受け止めていくかということによって,事務方の対応が違ってくるという面もあると思います。まさに交通事故の問題はその一つの典型的な例として挙げられるのではないかという感じがあります。それをプラスに活かす努力を大臣がどうやって意識的に行っていくかということじゃないかなと思ってます。
【記者】
再度法務大臣になられたことで,死刑の執行を命じる立場になると思うのですが,大臣は内閣改造の直前に執行なさったりされましたが,今後死刑制度についてどのように臨むのかという点と,今後この問題について何か考えていくお考えがあるかという点をお願いします。
【大臣】
これまでにも申し上げましたが私の基本的な考え方は,死刑の問題は,事務方としても,継続的に調査をしていく案件ですから,大臣が具体的に指示しなくても,こういう記者会見の場で,あるいは部内で考え方を示すことによって,事務方が継続的に調査をしていく。ただし,調査といっても時間が掛かりますから,その結果が出るのは相当後になっていくということです。ですから結果が出たものをその時の大臣がチェックをして,それでいいかどうかということのずれが出るかもしれませんから,既に調査を始めている案件を大臣が取り上げてどういう判断をするかという問題に尽きます。私は死刑の執行面ではそういう観点から考えてきたつもりですし,これからどうするかは具体的な問題としてあがってきた案件をどう考えるかということだと思っております。私は特別に指示するわけではありませんけれども,大臣の日ごろの意見を聞いて,事務方がそれなりに準備をしていく,調査をしていくという面があります。それから死刑制度の問題は,国内だけの問題ではなくて,ヨーロッパ諸国は死刑廃止に,そしてまた国連もできる限り執行停止にするべきという決議をしているわけですから,そういう国際的な流れというものを相当頭に置いてやっていかなければいけない。しかし,国民がそういう動きをどのように判断するかという問題もありますから,ヨーロッパの動き,国連の動きというものを常日頃から折に触れて広報していかなければならない問題だろうと思います。また,日本だけで内向きに判断をするだけでは済まない問題があるとは思っております。
【記者】
滝大臣は,田中前大臣の時代に起きた問題として,パソコンの遠隔操作ウイルスの問題があって,それに対する捜査の問題が警察,検察共に出ていますけれども,それについての対応やお考えがあれば教えていただけますか。
【大臣】
こういう電子問題というのは,もともと警視庁にチームがあって,大体そこが中心的になって専門的にやってきたんです。そのチームでさえもこのからくりについては,判断し切れなかったという問題があると思いますので,検察も警察と同様に新しい問題については,検察当局も技術的な調査というものをもっと広げていかなければならないなと今回の問題からそういう感じを受けました。
【記者】
関連して,取調べの技術的な問題についてはどう検証していくのでしょうか。
【大臣】
これは,あの事件で,警視庁のみならず各県の警察本部もものすごく関心を持って,自分のところではどうするのかということについて取り組もうとしています。私も昨日警備の関係でお世話になった5つの警察署を訪ね,県警本部長にも会って雑談をしている中で,県警本部長の意識もこういうIT関連の難しい問題があるだけに,県警としてもそれなりの意識を持って対応する必要があるということです。まず,警察当局は第一線の捜査機関として取り組んでいく。しかし警察だけではなく,検察もそれをチェックするだけの技術的な能力を高める姿勢も必要なのだろうと思っています。かなり専門的な調査をずっとお金を掛けてやっていかなければ,こういう問題は真相に到着するのが難しい分野だということを私自身も感じてます。
【記者】
確認ですが,大臣は冒頭,退任の際に「年も年ですから」ということをおっしゃっていました。本当に年齢を乗り越えていかなければならないと気持ちを新たにしたということをおっしゃっていましたけれども,それは総理から今回こういう緊急事態を乗り切ってほしいという意を受けたので,年齢の問題もあるけれども,乗り越えていかなければならないという考えに変わったということでよろしいでしょうか。
【大臣】
そうです。やはり自分本位の逃げたいという意識はどこかへ預けて,真正面から,空白を埋める努力をしていかなければならないと,そういう決意です。
9月の会見で,年齢を理由に続投を望まないという発言をされました。今回,再び法相に就任するに当たって,その考えにどう変化があったのかということについて改めてお聞かせください。
【大臣】
今,私自身の意識の中の空白部分をできるだけ早急に取り戻していきたい,こう申しましたけれども,総理が法務行政の停滞を招かないと御判断され,前に法務大臣を務めていた私を指名されたのだろうと思います。それならば私の今までの経験を今後総動員して,お役に立てるのではないかと,このような思いでお受けさせていただきました。それだけによほど気持ちを引き締めて当たっていかなければいけないということも,改めて申し上げておきたいと思います。
【記者】
田中前大臣は,外国人からの献金問題や暴力団関係者との交際が発覚し,参議院決算委員会を欠席したことが「答弁逃れ」などと批判も受けました。この一連の経緯をどう御覧になっていたかお聞かせください。
【大臣】
私は田中前大臣がお辞めになったのは,体調不良ということが理由だと思っていますし,テレビの画面で見た車の中の田中さんの憔悴したような顔立ちからすると,やはりどこか悪かったのだなと思います。恐らく田中さん自身としては国会において,外国人からの献金問題などについて,一再は説明する機会を与えられたということで,ちょうど良い機会ですから,本来は出たかったのだろうと思いますけれども,体調がそれを許さなかったのだろうと思います。そういう意味では,せっかくの機会を逸したなという感じは受けていますし,大変気の毒な体の状態ではなかったのではないかという受け止めをしています。
【記者】
滝大臣は2度目ですが,民主党政権で法務大臣が,重複して9人目となります。野田内閣に変わりましてからも5人目ということです。また,滝大臣自身は,退任から1か月経たないうちの再登板ということで,法務大臣があまりにもころころ変わり過ぎている印象を受けると思うのですが,そのことについて大臣の見解を教えてください。
【大臣】
恐らく,いずれの大臣も本人は一生懸命取り組んで意欲的に行動してきたと思うのですけれども,結果的に在任期間が短くなったということは,決していいことではありません。これは止むを得ない問題が後発的に出てきたのだろうと思います。田中さんの場合も,私が記者会見で申し上げたとおり,柔道五段の猛者ですし,一日も鍛錬を怠っていない方ですから,年齢に関係なく体調は万全だというような見方をしていたのですが,結果的にはどうもそうでなかったということです。また,,田中さんの場合には,特に短い期間に終わったということですが,これは人間の体調の問題ですから,止むを得なかったという感じがいたします。私自身も気を付けなければいけないことは,自分では人並み以上に年齢以上に健康ではありますけれども,少なくとも体を害して途中で倒れることのないように気を遣いながら,任務を全うさせてもらいたいと思っています。
【記者】
今の大臣の説明では,田中前大臣は今回,体調が理由で退任になり,止むを得ない問題が後発的に出てきたとおっしゃいましたが,この短期間で大臣が変わってしまう一番の原因というのはどのようにお考えでしょうか。
【大臣】
例えば,政治資金の話で申せば,政治家ですから,例えば自らの政治資金の処理の問題というのは各々気を付けているはずですけれども,古い時代の処理の仕方が意識からはずれていたということは,問題の原因の中にあるのではなかろうかという感じがいたします。私はもともと資金を集められる立場ではなかったものですから,古いも新しいも政治資金を集めるようなことで問題が生じることはないと思っているのですけれども,それは本人が思っているだけで,場合によれば抜けているところがあるかもしれません。少なくとも古い時代のことについては,まあ失念しているということが中にはあったのだろうというふうに思いますから,そういうことも含めて,政治資金の問題は,特に自分で点検をしていかなければいけない。政治家としては,特にそれは大事だろうと思います。
【記者】
田中前大臣についてなのですが,今回体調の問題で辞任ということなのですが,仮に体調の問題ではなく,献金だけの問題であった場合,大臣を辞めるべきだったかどうかについて,大臣はどうお考えになりますでしょうか。
【大臣】
田中さんの政治献金の問題がどういう状況の中で,それを受け取ったかというのがよく分かりませんから,何とも申しようがないのですけれども。恐らく,田中さんが元気で,そこのところはきちんと説明すれば,それなりの理由はあったのだろうと思うのです。推測にしか過ぎませんけれども,外国人といっても名前からではなかなか分かりませんから,理解できないという問題もあったのではないだろうかと思います。そこのところは,もう少し説明していくだけの体力がなかったのが残念だと言えば言えると思いますね。
【記者】
冒頭の発言と重なるかもしれないのですが,24日間の空白の中で,大臣がいったん辞めれらたからこそ分かる,今回はこういう課題に取り組みたいという何か具体的なお考えがありましたらお聞かせください。
【大臣】
この24日間,地元のいろいろな人の意見を聞く機会があったものですから,そういう中で,田中さんが国民のニーズにあった取組ということを掲げたのは,田中さんらしい一つの方針ですから,私もそれは,もう少し法務行政の中でも前面に出した方がいいかなというふうな受け止め方をしました。
【記者】
田中前大臣から,直接なり間接なり何かメッセージとか,今後こうしてほしいとか,聞いていることはありませんか。
【大臣】
まだ,聞く機会がありませんけれども,田中さんの思い残した点は,後継者の私が直接聞いて,活かすべきものは活かしていきたいと思っています。もともと田中さんは福島県浪江町の出身で,浪江町では有名人ということで,かなり期待をされていた人なのです。そんなこともありまして,特に福島県に,日本司法支援センターを作るときにも,田中さんは新しくできた日本司法支援センターの二本松出張所についてもそれなりの考え方を持っていたし,関心も高かったのだろうと思います。そういうことも含めて,もう少し田中さんから直接聞いてみたいという感じはいたします。
【記者】
この3週間はどのようにお過ごしになられたでしょうか。あとは3週間で復帰するということはお考えだったでしょうか。再登板が実施されたことについて,率直な御感想をお聞かせください。
【大臣】
この3週間は,法務副大臣あるいは大臣として過ごしてきた中で,十分に地元の人たちと話ができなかった。それを何とか埋めようとして人に会ってきたというのが,この3週間の主たる行動です。それから,大臣をということで再登板の話があったときに,私の気持ちとしては,言いにくいことではありますけれども,少なくともこの4か月,あるいは昨年の副大臣から数えると1年余りの経験を活かすことによって,空白の期間を相当埋められるということを総理が判断されているならば,それに応えるような格好で仕事をしていけば,何とかこの緊急事態は切り抜けられるかなと,そのような思いでお引き受けしました。
【記者】
政策についてお伺いしたいのですけれども,田中前大臣は,復興予算の使途について,刑務所での職業訓練等について,使途は正当,適正だと判断を下されました。滝大臣は,改めて再検討する考えがあるか否か伺います。
【大臣】
これも私が副大臣のときから関与しています。そのときの感じからしますと,この大震災対策について,法務省はあまり関係がないような省庁ではありますけれども,こういう大災害を見て,法務省があまり関係ないのだというような姿勢はとるべきではない。何とか少しでもお役に立てるならば,そのお役に立つ仕方を考えなければいけないというのが当時の率直な気持ちでした。したがって,そういう観点から付けた予算だというふうに私も理解をしております。これについては,田中前大臣がもう少し具体的に検討しろという指示を事務方にしていますので,その辺の事情も事務方の方から少し聞いてみたい。田中さんの指示がどういうことを中心にして行われてきたかということも含めて事務方のこれまでの検討状況を聞いて自分なりに判断をしていきたいと思っています。
【記者】
先ほどの政策の部分にも重なるのですが,法務省の中では,大臣も積極的にやられたかと思うのですが,交通事故の厳罰化をどうするのか,死刑の問題をどうするのか,また,裁判員制度の見直しの議論も今も続いていると思うのですが,そういった継続的に続いている議論がある中で,ころころと大臣が変わることについてどうお考えなのかということと,そういった法務省が抱えている問題や課題に対してどういうふうにやっていこうという意欲があるのか,大臣のお考えをお聞かせください。
【大臣】
大臣が代わることが全て無用だとは思っていません。大臣が変わるたびにいろいろな意見がそこで示されるということは,それなりに一つの進歩ということもあるのです。例えば交通事故の致死傷罪の問題でも,従来の考え方だったら,なかなかすんなりと事務当局がそれに向かって検討しようという動きにはならなかったと思うのですけれども,やはりその時その時の関係者の意見などを,その時の大臣がどうやって受け止めていくかということによって,事務方の対応が違ってくるという面もあると思います。まさに交通事故の問題はその一つの典型的な例として挙げられるのではないかという感じがあります。それをプラスに活かす努力を大臣がどうやって意識的に行っていくかということじゃないかなと思ってます。
【記者】
再度法務大臣になられたことで,死刑の執行を命じる立場になると思うのですが,大臣は内閣改造の直前に執行なさったりされましたが,今後死刑制度についてどのように臨むのかという点と,今後この問題について何か考えていくお考えがあるかという点をお願いします。
【大臣】
これまでにも申し上げましたが私の基本的な考え方は,死刑の問題は,事務方としても,継続的に調査をしていく案件ですから,大臣が具体的に指示しなくても,こういう記者会見の場で,あるいは部内で考え方を示すことによって,事務方が継続的に調査をしていく。ただし,調査といっても時間が掛かりますから,その結果が出るのは相当後になっていくということです。ですから結果が出たものをその時の大臣がチェックをして,それでいいかどうかということのずれが出るかもしれませんから,既に調査を始めている案件を大臣が取り上げてどういう判断をするかという問題に尽きます。私は死刑の執行面ではそういう観点から考えてきたつもりですし,これからどうするかは具体的な問題としてあがってきた案件をどう考えるかということだと思っております。私は特別に指示するわけではありませんけれども,大臣の日ごろの意見を聞いて,事務方がそれなりに準備をしていく,調査をしていくという面があります。それから死刑制度の問題は,国内だけの問題ではなくて,ヨーロッパ諸国は死刑廃止に,そしてまた国連もできる限り執行停止にするべきという決議をしているわけですから,そういう国際的な流れというものを相当頭に置いてやっていかなければいけない。しかし,国民がそういう動きをどのように判断するかという問題もありますから,ヨーロッパの動き,国連の動きというものを常日頃から折に触れて広報していかなければならない問題だろうと思います。また,日本だけで内向きに判断をするだけでは済まない問題があるとは思っております。
【記者】
滝大臣は,田中前大臣の時代に起きた問題として,パソコンの遠隔操作ウイルスの問題があって,それに対する捜査の問題が警察,検察共に出ていますけれども,それについての対応やお考えがあれば教えていただけますか。
【大臣】
こういう電子問題というのは,もともと警視庁にチームがあって,大体そこが中心的になって専門的にやってきたんです。そのチームでさえもこのからくりについては,判断し切れなかったという問題があると思いますので,検察も警察と同様に新しい問題については,検察当局も技術的な調査というものをもっと広げていかなければならないなと今回の問題からそういう感じを受けました。
【記者】
関連して,取調べの技術的な問題についてはどう検証していくのでしょうか。
【大臣】
これは,あの事件で,警視庁のみならず各県の警察本部もものすごく関心を持って,自分のところではどうするのかということについて取り組もうとしています。私も昨日警備の関係でお世話になった5つの警察署を訪ね,県警本部長にも会って雑談をしている中で,県警本部長の意識もこういうIT関連の難しい問題があるだけに,県警としてもそれなりの意識を持って対応する必要があるということです。まず,警察当局は第一線の捜査機関として取り組んでいく。しかし警察だけではなく,検察もそれをチェックするだけの技術的な能力を高める姿勢も必要なのだろうと思っています。かなり専門的な調査をずっとお金を掛けてやっていかなければ,こういう問題は真相に到着するのが難しい分野だということを私自身も感じてます。
【記者】
確認ですが,大臣は冒頭,退任の際に「年も年ですから」ということをおっしゃっていました。本当に年齢を乗り越えていかなければならないと気持ちを新たにしたということをおっしゃっていましたけれども,それは総理から今回こういう緊急事態を乗り切ってほしいという意を受けたので,年齢の問題もあるけれども,乗り越えていかなければならないという考えに変わったということでよろしいでしょうか。
【大臣】
そうです。やはり自分本位の逃げたいという意識はどこかへ預けて,真正面から,空白を埋める努力をしていかなければならないと,そういう決意です。
(以上)