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法務大臣閣議後記者会見の概要

令和5年9月22日(金)

 今朝の閣議において、法務省案件はありませんでした。

法務省における男性職員の育児休業取得率等に関する質疑について

【記者】
 今週火曜日、9月19日は、19と9で「育休を考える日」でした。少子化対策を進める政府は、男性の育児休業取得率を2030年に85パーセントに引き上げるとともに、特に国家公務員については先行して25年度に85パーセント以上が一週間以上取得するとの目標を掲げています。内閣人事局が昨年12月に公表した統計では、21年度の省庁別の男性育休取得率で法務省は59.1パーセントで、計25の中央省庁のうち9番目でした。大臣は就任に当たっての訓示でも、政策の生産性に触れ、勤務の無駄を省き、家族の時間を持ち、ワークライフバランスの大切さについて言及なさっていました。その上で、法務省の男性育休取得率の受け止めと、男女問わずあるべき働き方についての御所見をお聞かせください。

【大臣】
 着任した後の訓示の中でも、特に強調したい思いで申し上げたのですけれども、法務省職員の皆さんのワークライフバランス、健康、そして仕事にやる気を出してもらう、能力を発揮してもらう。職員の幸せのために、それが国民の幸せにつながっていくという思いが強くありまして、今、人事担当部局からも具体的な取組状況を順次聞いているところであります。そういったものを踏まえて、今御指摘のあった育休の問題ももちろん含めて、様々な関係する課題について、私なりにしっかりと中心になって取り組んでいきたいというふうに思っておりますので、そういう意味では大変有り難い御質問を頂いたというふうに思っています。
 育休について御指摘がありましたので、現状だけ申し上げますと、令和3年度の法務省全体の男性職員の育児休業取得率59.1パーセント。御指摘があったように25中央省庁の中の9番目ですね。まだまだ改善の余地があると思います。各省庁ごとに職員の構成がどうなっているかとか、職種がどうなっているかは同じではありませんから、単純な横並びはできないのですけれども、もっともっと頑張らなければいけないというふうに思っています。これまで、政府が目標値を掲げて以降、育児休業取得については、法務省においても鋭意努力をしてきているところでもあります。そのことは御理解いただきたいと思うのです。育児休業の取得の具体例を職員の方にお伝えして、申請しやすくするということもやっておりますし、管理職員から部下へ育児休業を取得するよう促すということにも努めておりますし、育児に関する制度の勉強会に全ての管理職員が参加するといった各種取組を実施しています。その結果、数字は59.1(パーセント)というのは、令和3年度の政府目標である30パーセントは超えているということは事実ですが、しかしもっと広い問題があり得ますし、これも継続的に努力を重ねていくということが必要だと思いますので、しっかりそういう思いを持って、私自身も含めて取り組んでいきたいと、そういう決意でおります。

保護司の役割等に関する質疑について

【記者】
 再犯防止に重要な役割を担っている保護司の高齢化が問題になっています。(今年の)春には有識者による検討会が立ち上げられて、負担の軽減であるとか、待遇の見直しについての議論が進んでいらっしゃると思いますけれども、大臣は保護司の役割についてどのように捉えていらっしゃるのか、また検討会での議論、こういうような議論に期待したいという思いがありましたらお聞かせください。

【大臣】
 これもまた大変有り難い、また重要な御質問だと思います。9月20日、一昨日ですけれども、開催されました令和5年度保護司等中央研修会において、感謝状の贈呈、表彰を行ったわけです。私も着任して初めてそういう大きい大会に出席させていただいて、私の名前で賞状を差し上げ、また、受賞者からは感謝の言葉もありました。私も御挨拶させていただきました。本当にこれはすばらしい重要な制度だということを改めて感じました。当事者(保護司)の方々、全国から400~500人でしょうか、集まっておられた方々と、もっとこれから接したいですよ。(今回は)壇上と客席で、ちょっと距離がありましたけれど、非常に強い感銘を受けました。世界に冠たる制度ということを我が省も言っていますけれども、本当にそういう方々の存在、そういう方々の御努力、そして我々がそこを一生懸命支えるというこの仕組みは、持続的なものであれば多くの国民の幸せに資する、多くの犯罪に関わった方々の真の意味での更生に資する、そういう制度だと私は思いました。
 3月に閣議決定された第二次再犯防止推進計画に基づいて、5月から「持続可能な保護司制度の確立に向けた検討会」を立ち上げ、有識者の皆さんによって検討を進めています。様々な論点があってそれを漏れなく俎上に載せて、そして末永く続く制度でありたい。長期的な視点も含めて、鋭意検討が進んでおります。簡単にいかない問題もありますよね、高齢化自体は。国全体の問題がやはり影響してくるわけですから、簡単に進まない部分もあります。難しいテーマもありますけれども、是非専門家の方々も英知を絞っていただいて、鋭意精力的な議論をお願いしたい、そういうふうに思っています。一方、私は個々の保護司の方々と、是非地方にも出向いて直接御意見を伺いたいというふうに思っているところであります。大変重要な施策だと思います。

刑務所収容中にHIV検査を受けた男性と和解したとの報道に関する質疑について

【記者】
 昨日、刑務所の中でHIV検査を受けて1年間結果が報告されなかった男性との和解が成立したと思うんですけれども、こういう事態が起きてしまったことというのと今回の結果の受け止め、今後の対策をどうされていくのかというところを伺えますでしょうか。

【大臣】
 お尋ねの報道があったことは承知しております。個別事案でありますので、本件和解の詳細については、お答えを差し控えたいと思いますけれども、被収容者の方々の健康管理、そのための様々な施策、これはもうずっと継続を今、進めているところでありまして、適切な医療、ケアが受けられるように努めていきたい。努力をしていきたい。より深めていきたい。そんなふうに思っております。

札幌法務局における人権侵犯事件処理に係る報道に関する質疑について

【記者】
 自民党の杉田水脈衆議院議員がブログなどでアイヌ民族を侮辱的に表現した件をめぐり、法務省札幌法務局が今月7日に人権侵犯を認定しました。規定に基づき、杉田議員にアイヌ文化を学び発言に注意することを求め、人権尊重を働きかける啓発を行っています。差別や権利侵害を禁じるアイヌ施策推進法がある中、個別事案の質問になるかと思いますが、現職の国会議員がこうした処分を受けたことへの受け止めを伺えますでしょうか。

【大臣】
 報道内容については承知しておりますが、お尋ねの中にもありましたけれども、個別事案に関するものでありますので、広く関係者が存在する可能性がありますので、そういった関係者のプライバシーに関わる事柄でありますので、お答えは差し控えたいと思います。
 だけど、やはりアイヌの方々に対する差別というのは、絶対あってはならないわけでありまして、飽くまで一般論として申し上げれば、アイヌであることを理由として差別する、そういったことはもう決してあってはならない。そういうふうに認識しております。我が省の人権擁護機関では、アイヌの方々に対する偏見や差別をなくそうというものを大きな強調事項として掲げまして、アイヌの人々に対する国民の理解を促し、啓発動画を配信するなど、様々な人権啓発活動を行っております。多様性というものが尊重され、全ての人々がお互いの人権や尊厳を大切にし、生き生きとした人生を享受できる共生社会の実現を目指し、この人権擁護活動が非常に重要だと思います。しっかりとこれからも取り組んでいきたいというふうに思っております。

【記者】
 先ほど(質問が)出た札幌法務局の人権侵犯の認定のことで伺います。昨日、札幌法務局のほうに電話で確認したんですけれども、申立てがあったこと自体をプライバシーに関わるのでお答えできないというお話でした。ただ、何がどう人権侵犯に当たるのかということについて、これは申し立てた御本人ですとか、それから杉田議員事務所、報告そのものはあったというふうな報道があるんですけれども、この事実認定の内容については、きちんと報告されたんでしょうか。人権侵犯の内容そのものをきちんと説明されたのかどうかということが一点。
 それから、これと同時に、アイヌの人たちだけではなく在日朝鮮人の女性も申立てをしていると思うんですが、法務局が大阪法務局だったと思うんですが、この件についてはちゃんと事実認定というのはしたのかどうか。もちろんプライバシーに配慮した上でではありますが、こういった認定をしましたということについて、特に杉田議員が国会議員ということもありますし、何らかの形で法務省として公表するようなことは考えていらっしゃるのかどうか。この件についてお伺いします。

【大臣】
 申告者の方、また相手方の方のほか、事件に関係する方々がいらっしゃる。そういうことも視野に置かなければならない。そういう方々にやはり大きな影響が及びますので、プライバシーに関わる、まさにそういう方々も含めた当事者の方々のプライバシーに関わる事柄でありますので、法務大臣としてこうだと、今こういうことだということをお答えするのは適切ではないというふうに考えておりますので、是非その点は御理解いただきたいと思います。

【記者】
 御本人たちにはどういうふうな認定をしたのかということについて、説明というのはちゃんとされたのでしょうか。何が人権侵犯なのか分からなければ、啓発したと言っても啓発の意味が全くないと思うんですけれども、そこをお願いします。それと在日朝鮮人についての認定というのはどうなったのでしょうか。

【大臣】
 その点も含めて、関係者もいる個別事案でありますので、私からお答えすることが適切ではないと思っています。御理解ください。
(以上)