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トップページ > 広報・報道・大臣会見 > 大臣会見等 > 記者会見要旨 > 平成26年 記者会見要旨 > 法務大臣閣議後記者会見の概要

法務大臣閣議後記者会見の概要

平成26年9月30日(火)

 本日の閣議では,法務省の関係はございませんでした。
 私の方から御報告したいことが一つございます。
 かねて,私は性犯罪に対する罰則が強盗罪に比べてバランスを欠く,刑が軽いということを主張してきたのですが,特に官邸での記者会見や法務省での最初の記者会見のときに,これを改めてまいりたいということを申しました。そして,早速,法務省の刑事局に検討を始めるように指示いたしまして,その結果が非常に早く形になってまいります。「性犯罪の罰則に関する検討会」というものをスタートさせます。
 これは12人のメンバーで,なんと12人のうち8人が女性という検討会のメンバーなのですけれども,刑法の専門家でいらっしゃる山口厚早稲田大学教授を座長として12人のメンバーを作って,そして第1回目は10月中に何とか開きたい,そこまでもっていってくれました。
 大臣の指示を9月4日に出して,そして今日9月30日にこの検討会の概要を決めて発表できるということは,昔は刑法はなかなかそれに向けて変えようという動きがなかったのですけれども,この取組の早さということについて私は感動すら覚えています。そして,第1回目の会合を10月中に開くということも,最初はなかなか大変なことだと思うのですが,非常に私は評価しています。
 それで,この検討会でどういうことを議論していくかと申しますと,正に性犯罪の罰則に関することでございますので,一つは刑期であります。強姦罪と強盗罪の法定刑のバランスについては何度かお示ししておりますが,まず,強姦というのが懲役3年以上,強盗が懲役5年以上。これは怪我とか死なせたというものではないのですけれども,強姦が懲役3年以上で,強盗が懲役5年以上です。それで,致死傷になりますと,強姦致死傷が懲役5年以上又は無期懲役。強盗致死の場合は死刑又は無期懲役で非常に厳しい刑になっています。強盗致傷は懲役6年以上又は無期懲役。このように強姦罪は強盗罪に比べて最低刑が短い。明治以来,ずっとそういう状況であったのが,これでも少しずつ差が縮んできたのだと言われるのですけれども,これはおかしいということから,こういうような検討会を開いて作り始めるということになりました。
 なお,この件は,単に私のかねてよりの信念というだけでなくて,第3次男女共同参画基本計画においても平成27年度末までには検討するよう盛り込まれておりまして,そういう観点にも合致したものです。それを先取りしてスタートできたということは,本当に私としては非常に満足なことです。これが順調に審議が進むことを願っております。
 法務省としては,このメンバー12人の皆様の御意見を踏まえながら性犯罪に対して厳正かつ適正に対処できるよう検討を進めていきたいと考えております。
 なお,罰則のことを申し上げましたが,罰則以外にどういうことを検討していただくかと申しますと,罰則というのは強姦罪と強盗罪の法定刑のバランスですが,それ以外に,例えば強姦罪などにおける今の親告罪,被害者が親告して初めて犯罪となるわけですけれども,強姦罪などを非親告罪化することの当否。必ずしも親告しなくても犯罪として捜査したり,要件を構成できるようなことにすることが良いことか悪いことかということについても議論していただく。
 それと,もう一つ,強姦罪の構成要件についても,これを見直すかどうかを含めて議論をしていただく。構成要件と申し上げますのは,暴行脅迫というものがないと構成されないといったことが決められている。それ以外に,例えば,これは第3次男女共同参画基本計画に検討項目として盛り込まれているのですが,性交同意年齢の引き上げということ。性交同意年齢について,現在は女子が13歳以上であれば,ケースバイケースではありますけれども同意したとすることもあり得るわけです。女子が13歳未満だと同意だとか,女子が誘っただとか,そういうことは一切言えないけれども,13歳以上であれば同意したという主張も成り立ち得るということになっています。いろいろな考えがありますけれども,13歳,14歳の女の子にそういう言い方をするのは不適切ではないかという考えも強くあり,性交同意年齢の引き上げということも,この検討事項の中に含まれてくるのではないかと考えております。
 なお,この検討会にどんなメンバーに入っていただいているかというと,これは法曹三者,刑事実務に携わる法曹三者及び警察関係者,そしてまた刑法・刑事訴訟法の研究者,さらに性犯罪被害者の支援に携わる方々,そういった方々をメンバーに含めております。

【記者】
 今の件についてお伺いします。検討会の議論の終了時期のめどというのは,現時点で立てていらっしゃるのかということと,仮に刑法の改正が必要だということになった場合には,大臣の方で法制審議会に諮問して法改正の手続きに至るのかということが一点目。
 もう一点が,親告罪について非親告罪化のお話も検討されるということなのですけれども,これについて大臣は現時点でどういう御所感をお持ちなのかお伺いします。

【大臣】
 まず一点目のスケジュール感ですけれども,検討会のスタートは非常に早く,10月ですがこれをいつまでに検討してくれということは,最初の段階では申し上げられません。しかし,私としてはできるだけ早く,私の任期がいつまでかは分かりませんけれども,その間に道筋というか,少なくとも罰則の重さについての検討会の意見はまとめていただきたいなと思っています。同時に,もちろん罰則であれ,それ以外の項目であれ,何かを変更するというような方向性が示されましたら,それはもちろん検討会で終わらせてはいけないわけであって,法制審議会で刑法の改正についての議論をしていただかなければならない。そうした場合に,通常,法制審議会の中にそういった部会を設けなければいけませんので,これがいつになるということは今の段階では申し上げられません。私としては,就任した月にこれを決めて発表できるだけでも大変なことだと思いますし,昔の法務省では考えられないことですから,検討会の出口,そして法制審,またさらにその法制審をいつということは,今お答えすることは難しいと思っております。
 もう一つの親告罪及び非親告罪についてですが,これは本当に極めて難しい問題です。自分が大臣としても,政治家としても,個人の一人の女性としても,やはり分かりません。親告罪に限ることが,今の方が正しいのか,非親告罪にした方がより良いのかということは,それこそもっと詳しい方々,おそらくこの検討会でも,検討会のメンバーが考えるだけではなくていろいろな方に話を聞くとか,そういう場面もあるでしょうから,そうやってやはり意見を聞いていかなくてはいけないのではないかと思っております。

【記者】
 今回のメンバーは女性が多いということですが,様々な分野の方もいらっしゃいますけれども,大臣はどういった視点を重視しているか,どのような議論を望むのかお伺いします。

【大臣】
 一つは,メンバーになっていただいた方は,先ほど申し上げましたように刑法の先生ですとか,それから警察で実際に捜査をされている,この方も女性ですね。刑法の先生にも女性がいらっしゃる。被害者の支援の相談員もいらっしゃる。検事や弁護士ももちろんいらっしゃるわけですけれども,なぜこの強姦罪と強盗罪の刑罰で強姦罪の方が軽いのかというと,それは明治以来の長い,物を盗む方が女性の人生を踏みにじるよりも大変なことのように,女性の心身を傷付けることが軽く見られてきたという,そういう流れがあって,それを少しずつバランス感で修正してきた。少しこっちを短くする,こっちを重くするというふうに,少しずつ変えてきたというような感じのことですから,そういう今までの刑罰を変えるときのやり方がどうだったのかということを真っさらにして,どっちがどうふさわしいのかということを,正しいのかということを議論してもらいたいなと思います。
 そしてもう一つは,これは世論調査をするものかどうかはわかりませんけれども,例えば裁判員裁判などでも世論の動向というのはかなり出ていると思いますから,そういう世論の動向。そしてまた,被害者の方々,被害者団体もいろいろございます。声を上げにくいテーマですけれども,性犯罪の被害者は本当に声を上げにくいテーマですけれども,その中で声を上げてきていただいた方々,あるいはそこに寄り添ってこられたカウンセラーとか,悩みをたくさん聞いてこられた方々の話というのはこの中で大事にしてほしいと思います。私もいずれどこかの折を見て,被害者の方々にお会いしてお話をお聞きしたいと思っています。

【記者】
 今の関係ですけれども,そうしますと検討会では,有識者の方による意見交換に加えて,現場で実際に被害に遭われた方ですとか,捜査に関わっている人からヒアリングを行うこともあるということでしょうか。

【大臣】
 捜査に関わってきた関係者などから話を聞くこともあると思うのですけれども,このメンバーがどういう人から話を聞いて,どういうふうに検討を進めていくかというのは,やはりメンバーにある程度お任せしたいと思います。先ほど申しましたのは,こういうことをしてもらいたいなという,おそらくするだろうということであって,せっかくこれから発足する,第1回目もまだやっておりませんから,私が予断を与えることではありません。被害者のことが分かっている方とか,カウンセラーの方とか,それから弁護士や検事といった方もいらっしゃいますので,そういった方の経験を基にどういう人にどういう話を聞けばよいだろうということは,私以上にお分かりになる方々だと思いますからお任せしたいということです。

【記者】
 確認なのですけれども,法定刑の部分なのですけれども,強姦致死傷が懲役5年以上又は無期懲役,強盗致死が死刑又は無期懲役,強盗致傷が懲役6年以上又は無期懲役であるということで,下限と上限があると思うのですけれども,大臣はこの下限を引き上げるべきだというふうなお考えなのか,それとも最高刑が死刑ということで強盗致死ではこれがあり得るわけですけれども,上限を引き上げるべきだというお考えなのか,その辺りはいかがでしょうか。

【大臣】
 少なくとも強盗罪に関することよりも強姦罪に関することが低いということがあってはならないと思っています。それが同じが良いのか,法定刑の下の刑がどうするのか,上の刑がどうするのかということは少し別に置いて,このバランスだと思います。
 それと,バランスと言いましたが,これは強姦罪と強盗罪のバランスであって,過去の経緯のバランスとかは無視してほしいという,そういう意味です。

臨時国会に関する質疑について

【記者】
 昨日ですけれども臨時国会が召集されました。閣僚として初めての国会になるわけですけれども,法務大臣としてどのような姿勢で臨まれるのかをお聞かせください。

【大臣】
 この国会,もちろんいろいろな問題が山積しておりますが,昨日の総理の所信表明の中でも,観光立国のところで「更なる高みを目指し,ビザの緩和,免税店の拡大などに戦略的に取り組んでまいります。」とありました。このうち,ビザの緩和は我が省に関することですが,この「戦略的に」というのはどこでも何でも緩和すれば良いというものではなくて,観光立国が成り立つというのはお客様に来てもらう,外国人観光客の数を増やすことと同時に安全な日本を守ることによって,「日本へ行きたい」という観光立国としての大国たりえるわけですから,そのバランスを見るということも,この「戦略的に」に入っています。こういう姿勢で臨んでいくということ。
 また,同じく所信表明の中で,これも入国管理局に関係してまいりますけれども,国家戦略特区のところで「創業や家事支援に携わる能力あふれる外国人の皆さんに,日本で活躍してもらえる環境を整備します。」という項目が入っております。国家戦略特区という特定のところではありますが,こういったことに対しては創業や家事支援に携わる能力あふれる外国人の皆さんに,日本で活躍してもらえる環境,これは今ない枠組みですから,これはやはり入国管理局としても対応していかなければいけない。
 昨日の総理の所信表明の中では,日本の観光立国,あるいはイノベーションといった中でこういったテーマが出てまいりましたので,それは私どもとしてしっかりと対応していきたいと思います。
 ただ,先般の国会で決まった技能実習制度の拡大もそうですけれども,こういったことをやるときに入国管理で人を迎え入れる面だけが強調されますが,それと同時に安全を守るための体制も重要です。人を迎え入れる一方で,治安を守るためにどういう人に入ってもらうかということ。そして日本の活力を増すための観光客も,そして日本で働く人も含めて増やし,拡大して,それをにらみながら正にこれは入国管理の面だけではないかもしれませんけれども,非常に重要な課題を抱えていると思っております。

(以上)
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