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トップページ > 広報・報道・大臣会見 > 大臣会見等 > 記者会見要旨 > 平成27年 > 岩城法務大臣初登庁後記者会見の概要

岩城法務大臣初登庁後記者会見の概要

平成27年10月7日(水)

 この度,法務大臣に就任いたしました岩城光英と申します。どうぞよろしくお願いしたいと存じます。
 法務省は,法秩序の維持,国民の権利の擁護を通して,国民生活の安全・安心を守るための法的基盤を整備するという重要な使命を帯びています。その大臣を拝命し,とても身の引き締まる思いです。
 法務行政の課題について,安倍総理からは四つの指示を頂いています。
 まず,国民に身近で頼りがいのある司法の実現に向けて司法制度改革を進める。二つ目に,差別や虐待のない社会を目指し,個別法によるきめ細かな人権救済を推進する。三つ目に,関係大臣と協力し,「世界一安全な国,日本」を作るため,犯罪被害者の支援,刑務所等出所者の再犯防止や社会復帰支援,組織犯罪対策など,社会を明るくするための施策を総合的に推進する。最後に,我が国の領土,領海,領空の警戒警備について,関係大臣と緊密に連携し,緊張感を持って,情報収集を行うとともに,事態に応じて我が国の法令に基づき適切に対処する,との指示を受けています。
 いずれも,国民生活にとって大変重要な課題です。上川前大臣の下においても,これらを含む様々な課題にしっかりと取り組んで来られたものと承知していますが,私も関係大臣等と連携しながら,その責任を果たしてまいりたいと考えています。
 さらに,安倍総理からは,特定秘密の保護に関する制度に関する事務についても担当するよう御指示を頂きましたので,この制度の適切な運用にも万全を期してまいりたいと考えています。

法務行政を行っていく上での抱負に関する質疑について

【記者】
 法務行政を行っていく上での抱負をお聞かせください。その中で,重要課題として特に力を入れていきたいのはどのようなところでしょうか。

【大臣】
 繰り返しになりますけれども,法秩序の維持,国民の権利擁護を通じて,国民生活の安全・安心を守るための法的基盤を整備するという国家の基礎を成す重大な使命があります。
 法務行政が直面する課題については,いずれも重要なものであり,それぞれ力を入れて取り組んでいかなければいけないと考えています。そうしたことの上に,私とすれば,地方の市長を務めた経験から言いまして,法務省は,地方の隅々にわたるまで多くの現場の組織,機関を持っていますが,それぞれの現場の実情,恐らく地域によっても違いがあるだろうと思いますし,まず私がしっかりと直接伺って,見聞きして把握することが,責任ある大臣として重要なことではないかと考えています。

【記者】
 先ほど,市長を御経験された中で,地方で法務省がしっかり浸透しているかというようなところを見ていきたいという話があったと思うのですけれども,それ以外に,例えば今回法務大臣になられる前から法務行政に関して何か課題などを持っていたこととか,御自身でお考えになる問題点があれば教えてください。

【大臣】
 私もそうなのですが,やはり国民の皆様にとってそれほど身近な存在とは言えないのではないかと感じています。法務省の仕事や司法の関係,裁判などは特にそうですけれども,そういう意味ではやはり分かりやすい裁判の在り方,裁判制度の在り方というか,これまでも裁判員制度などいろいろな取組はしていますけれども,やはり国民の皆様にとってもっと分かりやすい司法制度の在り方,裁判の在り方など,そういったものの実現に努めていきたいと思っています。

【記者】
 今おっしゃった国民に分かりやすい司法や身近な司法ということを実現するためには,どのようなことをしたらよいとお考えでしょうか。

【大臣】
 先ほど申し上げましたとおり,自分自身も身近に感じなければいけない部分もありますし,もっともっと研さんを積まなければいけないと思いますし,そういう意味では,霞が関で物事を考えるのではなくて,現場に行って,関係者や周りの法曹関係者など,そういった方々のお話を直接お伺いすることが一番先にやることではないかと思っています。

【記者】
 そうすると,例えば刑務所や全国にある拘置所,それから更生保護施設などもあります。そういうところを御自身でお回りになって見てみるということでしょうか。

【大臣】
 なるべく時間を作って直接伺いたいと思います。

【記者】
 それ以外に,刑務所などの中にいた人の立ち直りのために協力している人もいます。そういう民間の人たちの話も積極的に聞いていくということでよろしいですか。

【大臣】
 できればそういった方々のお話も聞いていきたいと思っております。

死刑制度に関する質疑について

【記者】
 先ほどの官邸での会見で,大臣は,死刑制度について「確定した裁判の執行が厳正に行われなければならない。」とおっしゃいました。死刑制度そのものの是非について,大臣のお考えをお聞かせください。また,執行方法についての議論もありますが,これに対する大臣のお考えをお聞かせください。

【大臣】
 死刑制度の問題については,我が国の刑事司法制度の根幹に関わる重要な問題です。したがいまして,国民世論に十分配慮しつつ,社会における正義の実現等,種々の観点から慎重に検討すべき問題であると思います。
 現在,国民の世論の多数が,極めて悪質,そして凶悪な犯罪については死刑もやむを得ないと考えており,死刑を廃止することについては適当ではないと私は思っています。その執行方法等について,いろいろ議論があることについても承知はしていますが,この点については,私自身これから様々な御意見をお伺いしながら,対応していきたいと考えています。

成年年齢の引下げに関する質疑について

【記者】
 9月に自民党から成年年齢などに関する提言がありました。これについて,先ほどの官邸での会見では,民法の成年年齢引下げについては,「引下げのための具体的な準備を開始する必要がある。」,少年法の適用対象年齢の引下げについては,「選挙権年齢が引き下げられた趣旨等も踏まえながら,必要な検討をしたい。」とお答えになられました。
 民法の成年年齢だけではなく,少年法の適用対象年齢引下げについても,少し前向きな印象を受けたのですが,どのようにお考えか,改めてお聞かせください。

【大臣】
 民法の成年年齢の引下げについては,先ほど官邸でお答えしたとおりです。
 また,少年法の引下げについては,やはり若年層は成長過程にあるわけで,そういったことも十分に考慮しつつ,公職選挙法の改正といった趣旨も踏まえながら,必要な検討を行っていきたいと,このようにお答えした次第です。

平成27年司法試験における出題内容の漏えいに係るワーキングチームに関する質疑について

【記者】
 司法試験の出題内容の漏えい問題があり,今,法務省の中で検証するワーキングチームで再発防止に向けて検討されていますが,大臣として,どういった方向に検討が進むのが望ましいと思われるのか,御見解があればお願いします。

【大臣】
 決してあってはならないことですので,現在,そのワーキングチームで原因究明の調査及び再発防止策の検討が行われていますので,その状況を見て,またその報告等を受けながら検討をしていきたいと思います。

難民認定制度に関する質疑について

【記者】
 難民の問題について,シリアのことは世界的に問題となっているわけですが,それ以外の様々な国から日本にたどり着いてきたりしても,難民認定するために日本では法解釈を厳格に決めているので,なかなか受け入れてもらえないということがあります。ついこの間も,国連難民高等弁務官であった緒方貞子さんは「難民の受入れを積極的にやらない限り,積極的平和主義とは言えない。」などと言われていたり,また,元外務省に勤めていらした方のお話を聞いても,せっかくたくさんのお金をUNHCRなどに出しても,人を受け入れないことによって日本は評価されないというようなこともありました。
 この難民の問題について,どのように取り組もうと考えておられるのか,教えてください。

【大臣】
 中近東・アフリカの一部諸国の情勢悪化,とりわけシリアにおける国内紛争の長期化に伴い,欧州等においては,大量の避難民流入という大きな問題になっています。
 これは,極めて重要な問題だと思っており,ヨーロッパやシリア周辺国など,難民が流入している地域を始めとする国際社会とよく連携しつつ,政府全体としてしっかりと検討していく課題であると思います。その中で,法務省としても,関係府省ともよく連携しながら適切に対応していく必要があると思います。

【記者】
 もう少し日本が難民を受け入れるというような方向にお考えなのか,それとも今までどおりで良いというお考えなのか,方向性のようなものについてはいかがでしょうか。

【大臣】
 これは政府全体として考えていく必要があると思いますので,他の省庁ともよく打合せ・協議をしながら,政府の方針をまとめていきたい,その中で法務省としても対応していきたいということです。

【記者】
 難民制度の関係ですが,政府全体で考えていかないといけない,裏を返せば法務省だけでこの問題は対応できるものではないということになると思うのですが,では政府としてはどういう方針で進めていくべきだと思われますでしょうか。

【大臣】
 政府全体の話であり,私がこの場でお答えできることではないと思います。

【記者】
 大臣として難民問題についてどういう方向が望ましいと思われていますか。

【大臣】
 重要な課題であるということは先ほどお話をさせていただきました。その上でどういう対応策があるのか,これは先ほど言いましたように,法務省は法務省で考えていきますけれども,最終的に政府全体としての対応の中でどうするかということになろうかと思います。

【記者】
 政府全体で考えていくというところで,それをここで代弁するのは難しいというお話ですが,大臣御自身として,方向性,具体的でなくてもよいのですけれども,どのようにしていきたいかというところがもしあればお聞きしたいのですが。

【大臣】
 様々な御意見をお伺いしながら私自身考えていきたいと思っています。

ヘイトスピーチに関する質疑について

【記者】
 いわゆるヘイトスピーチの問題をお伺いしたいのですけれども,議員立法などの動きもあるようですが,大臣として,これに対して法務省として対応するということはお考えではないでしょうか。

【大臣】
 特定の民族や国籍をお持ちの方々を排斥するような差別的言動はあってはならないと考えています。
 そこで,現行法を適切に適用して対処するとともに,地道な啓発活動にはなりますが,そういったものを通じて社会全体の人権意識を高めていくということが重要であると考えています。

【記者】
 何か新しい制度を作るとか,あるいは法律を作るとか,そういった方向はいかがでしょうか。

【大臣】
 それも,今までのいろいろな議論がありますし,議員立法という形で法案も出されていることは承知していますが,法的な規制については,正当な言論まで不当に萎縮させることにならないかなど,表現の自由との関係を慎重に検討する必要があると思っていますので,総合的に検討してまいりたいと思います。

更生保護に関する質疑について

【記者】
 先ほどのお話で,総理からの御指示の中にもあったとのことなのですが,服役していた人の社会復帰の問題で,一億総活躍ということになると,犯罪を犯した経験のある人もその中におられるでしょうし,社会復帰をしていくということが再犯防止にもなるということだと思うのですけれども,これに関しては,大臣はどのように取り組んでいかれるでしょうか。

【大臣】
 これに関しては,非常に重要なことだと思います。
 私自身も,先般,地元の更生保護施設を視察させていただきましたけれども,そこで,皆さんが社会復帰しようと努力されている様子を施設の関係者からお伺いしました。
 その施設も老朽化しており,余り良い状況での生活環境となっていないものですから,こういったことにもこれから力を入れて,より社会復帰ができるような環境整備に努めていきたいと思っています。

選択的夫婦別姓及び再婚禁止期間に関する質疑について

【記者】
 家族の在り方についての裁判に関連した質問をさせてください。現在,最高裁判所の大法廷に上がっている訴訟の案件で,夫婦別姓に関するものと女性の再婚禁止期間を設けている民法で,それぞれの論点について違憲訴訟があり,早ければ今年中にも最高裁判所が結論を出すと見られています。
 こうした論点は,総理が挙げられている女性の活躍という視点からすれば,性差をなくすべきではないかという議論などもあると思うのですが,その一方で,家族の在り方に深く関わる問題ですので,慎重に検討をしなければいけないという考え方もあると思います。大臣の御所感をお聞きできればと思います。

【大臣】
 選択的夫婦別氏制度の導入や,女性の再婚禁止期間の短縮等を内容とする民法の改正については,平成8年に法制審議会から答申を受けています。ただ,これらの問題については,国民の間に様々な御意見がありますので,それらを踏まえて慎重に検討していく必要があろうかと思います。なお,御質問にありましたとおり,訴訟が最高裁判所に係属しており,最高裁判所がこの問題についてどのような判断をされるのか注視してまいりたいと,現在のところは思っています。

通信傍受法に関する質疑について

【記者】
 盗聴法に関してお聞きします。刑事訴訟法等一部改正法案が継続審議になりましたが,この法案の中には盗聴法の改正が含まれています。
 盗聴の対象犯罪が四つだったのに対し,改正案はこの範囲を大幅に拡大します。さらに従来,盗聴時には通信事業者の立ち会いが必要とされ,盗聴場所も事業者の施設内とされていましたが,改正案では,事業者の立ち会いを不要とし,将来的には警察施設内での盗聴も想定しています。これは通信の秘密を保障した憲法に違反すると思うのですがいかがでしょうか。また,不法な盗聴をしないという担保がどこにあるとお考えか,今後この法を運用していく立場である大臣の御見解をお聞かせください。

【大臣】
 刑事訴訟法等の一部を改正する法律案ですが,現在の捜査・公判が取調べ及び供述調書に過度に依存した状況にあるとの認識の下,このような状況を改め,より適正で機能的な刑事司法制度を構築するためのものです。
 そこで,今御質問がありましたけれども,この件については私も十分に承知していない部分がありますので,よく担当者から説明を聞き,ヒアリングをした上で,しっかりと考えていきたいと思っています。

【記者】
 不法に盗聴をしないという担保がどこにあるとお考えかの見解はいかがでしょうか。

【大臣】
 その辺りもこれからよく話を聞いて検討していきたいと思っています。

終身刑の導入に関する質疑について

【記者】
 死刑の執行に関連しまして,昨年の世論調査で,終身刑を導入した場合にはどう考えるかという設問で,死刑の執行はやむを得ないという人の数はかなり減りました。それを踏まえた上で,大臣として終身刑の導入も踏まえた議論についてはどのようにお考えでしょうか。

【大臣】
 このことについては,私自身,十二分に承知をしていない部分もありますので,事務担当者の方から説明をしっかりと聞いた上で考えてまいりたいと考えています。
 

特定秘密保護法に関する質疑について

【記者】
 特定秘密保護法に関する事務についても御担当ということでお伺いします。特定秘密保護法については,様々な積み残しの課題が指摘されています。様々な指摘がされているのですが,例えば違法な秘密を指定した公務員に対して罰則を設けるべきだという意見も出ています。こうしたことについて,どのようにお考えになられますでしょうか。


【大臣】
 いろいろな御意見が出ていることについては承知していますけれども,特定秘密保護法ですが,御承知のように,一昨年の12月に法が成立して以降,政府の方で例えば有識者会議とか,あるいは国民の皆様からの御意見を踏まえつつ,慎重かつ丁寧に説明した上で施行されたものと,そのように考えています。そこで,今のところ様々な意見があることは承知していますけれども,実効的かつ適正な運用,これを積み重ねることによって,より理解が深まるよう努めていきたいと思いますが,そのような中で今の御指摘の話等も意見を聞いて考えていきたいと思います。

検察権の行使に関する法務大臣の指揮監督権に関する質疑について

【記者】
 法務大臣には,検察に対する指揮権が与えられていますが,その指揮権の発動についてはどのようにお考えでしょうか。

【大臣】
 検察庁法が,検察権が行政権に属することによる法務大臣の責任と,検察権の独立性確保の要請との調和を図っていることに鑑み,検察権の不当な制約とならないように慎重に対応する必要があるものと考えています。

拘置所での処遇に関する質疑について

【記者】
 拘置所に入っている者へ弁護士が接見に行くと,例えば取調べの際に暴力を受けたという訴えがあって体の状況などを写真に撮ったり,あるいはタブレットなどを持ち込んで中にいろいろ関係する証拠を入れて打合せをしようとするとそれに制約を受けるなどと聞きます。
 そういう拘置所の在り方,あるいは弁護士がそういうケースで写真を撮ったりすることを制約するのは弁護士の活動を著しく制約するものではないかという話を最近弁護士たちから聞くのですが,そういった問題について,これからいろいろなところを御覧になってということもあるのかもしれませんけれども,今の時点でどのようにお考えでしょうか。

【大臣】
 現在,十二分に承知していない話を御質問いただいたものですから,よく現場を含めてその状況等をお伺いしてから考えていきたいと思います。


(以上)
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