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トップページ > 広報・報道・大臣会見 > 大臣会見等 > 記者会見要旨 > 平成28年 記者会見要旨 > 金田法務大臣初登庁後記者会見の概要

金田法務大臣初登庁後記者会見の概要

平成28年8月3日(水)

 この度,法務大臣に就任しました金田勝年と申します。どうぞよろしくお願いします。
 法務省は,申し上げるまでもなく,基本法制の維持,そして整備,また法秩序の維持,国民の権利擁護などの重要な任務を所管しています。
 これらは,いずれも国民生活の安全・安心の基盤となるものであり,大変重い任務であると思っています。
 その大臣を拝命し,非常に身の引き締まる思いです。
 法務省との御縁ですが,私が公務員生活を21年やっていたその終盤,正に20年目,21年目のときに,大蔵省の主計局で主計官として予算査定の責任者をやっていましたときに,法務省全般の予算を担当させていただきました。今から21,2年前の平成5年から7年のときであります。政治家になる直前に,法務行政全般の重要さを感じる経験をしていたため,この度,大臣という要職を拝命し,非常に懐かしく思い出されました。それと同時に,法務省は,各般にわたる影響の非常に広い大きな分野を所掌していますから,その後の時代の変化,あるいは状況の変化を踏まえて,当時学んだことが今はどうなっているのだろうかとか,あるいはどういう問題を念頭に置いて,いろいろな議論に関わっていかなければいけないのかを,しっかりと事務方の皆さんの御指導をいただきながら一緒に整理,検討をしていきたいと思っています。約20年前ですが,身をもって法務行政を勉強し,実感したことがあったことから,私にとって非常に御縁があったという思いを持って,本日,法務省の責任者である法務大臣を拝命したと自分では受け止めています。そういう意味では,皆様とのいろいろな議論も大事にしていきたいと思っています。
 先ほど,法務行政の課題について,総理から四点の御指示をいただきました。いずれも,国民生活にとって大変に重要な課題で,前大臣の岩城さんも含めて,これまでの歴代大臣においても,しっかりと取り組んで来られたものと思っています。私としても,関係大臣等と連携しながら,その職責をしっかりと果たしていきたいと思っています。さらに,特定秘密の保護に関する制度に関する事務についても担当をするように御指示をいただきました。制度の適切な運用に万全を期していきたいと思っている次第であります。
 以上,私から今の思いを申し上げさせていただきました。
 

法務行政に関する質疑について

【記者】
 法務省の仕事を担っていく上での抱負,そして,力を入れていくべきと考えている重要課題について教えてください。

【大臣】
 国民生活の安全・安心の基盤となる非常に重要な仕事を所管しているということを考えた時に,非常に重い任務であると思っていますので,しっかりと事務方の皆さんと一緒に,いろいろ教えていただきながら,それをベースに整理等判断をして対応していきたいと思います。そして,国民の安全・安心あるいは明るい社会のために必要な法務行政,また国民に身近で頼りがいのある司法の実現に向けて司法制度改革に取り組んでいくという思いを持って,職務を遂行していくことが抱負であります。
 そして,総理の指示にありましたように,今申し上げたことに加えて,やはり我が国の領土・領海・領空の情報収集を行う,警戒警備について,関係大臣と連携して緊張感を持って情報収集を行うこと,事態に応じて我が国の法令に基づいて適切に対処すること,差別や虐待のない社会の実現を目指して個別法によるきめ細かな人権救済を推進していくこと,「世界一安全な国,日本」を示すため,犯罪被害者の支援,刑務所等の出所者の再犯防止,社会復帰の支援,あるいは組織犯罪対策という施策を総合的に推進できるように,関係大臣と協力をしていくことが非常に重要な課題であると認識しています。
 以上が抱負であります。

【記者】
 かつて法務省とも御縁があったということでありますが,その中で法務省や法務行政についてどのような印象を持っていらっしゃったのか,今まで考えられていた率直な御意見を教えてください。

【大臣】
 大蔵省にいて予算の立場から法務省を拝見していました。今年も平成29年度予算の要望や平成28年度補正予算に向けての要望をやっていると思います。そういう観点から法務省を拝見していましたし,多くの法務省の優秀な方々と接して議論をする機会が多く,また矯正施設や入国管理上の非常に重要な施設を実際に現場に行って見て,その職務の本当に重要な側面,更生保護の世界など,いろいろな世界を拝見して,法務省がそれらに真剣に取り組んでいる,一人一人の生活,あるいは生き方にものすごく大きな影響を与える,そういう原点をしっかりと持っている,そういう行政としてどのように対応していくべきかということを考えさせられ,予算の面から非常に多くを体験させていただきました。いろいろな事業官庁があります。事業官庁には,補助金を国費で支出してもらって,こういうことをやりたいとか,毎年毎年の生産的な部分,あるいは将来の礎となる事業の年度分の予算で行う政策というものもあります。法務行政は,それと比べて一見地味に見える部分もあろうかと思いますが,国民に非常に関わりのある重要な部分を担っているという思いを強く持っていたのを意識しています。そういう重要な仕事をさせていただくことは,本当に大事なことではないかと思います。この役所の関わる部分は人間の生活そのものでありますから,その後の状況の変化も踏まえて,しっかり勉強していきたい,そして一緒になって議論に関わらせていただきたいという思いで一杯であります。

【記者】
 先ほど身近で頼りがいのある司法を実現というお話もありましたが,そうした国民との距離の近さを実現していくためには,どういったことが必要でしょうか。大臣のお考えを教えてください。

【大臣】
 具体的にどういう努力が身近で頼りがいのある司法の実現,司法制度の改革につながるかについては,これからもう少し事務方からの説明も受け実態を良く踏まえて,よく勉強して整理検討をしていきます。そしてそれをまた皆さんとお話をする機会が,その場その場で出てくるのではないかと思います。

【記者】
 先ほど,抱負について,大臣,御意見をおっしゃいました。非常に広範囲な指示に基づいた抱負かと思いますが,一政治家金田さんとして,在任中にこれだけは成し遂げたいと,これを私の法務大臣金田勝年として柱に据えたいという政策は,一本通すとすればどういったものがありますでしょうか。

【記者】
 鋭い質問だと思いますが,私も法務大臣を今日,拝命したばかりです。これだけはというものを,この席で申し上げるほどに,大臣の職務を熟知していれば本当はいいのですが,これから,そういう視点をもって,これだけはやりたいというものをできるだけ早く見い出すように,そして御説明ができるようにしていきたいと思っています。

【記者】
 先ほど,大蔵省の主計官をされていたときに,法務省関連施設もいろいろ御自身で見られたということでしたが,改めて大臣として視察などに行く際にどういったところを見てみたいか,そういったお考えがあれば聞かせてください。

【大臣】
 私は昔から,拘置所から刑務所,少年向けの矯正施設等,そういうところも全部見ています。主計官を2年間担当している間に,入国管理局の大村の施設の予算もつけ,あるいは,更生保護で頑張っていらっしゃる一般の皆さんがどういう形で再犯防止のために,本当によく頑張っておられるかとかいろいろなところを見てきています。そういうことを踏まえて,事務方の皆さんと各局の幹部の皆さんとお話をしながら,今は,それから20年たっていますから,時代も変わっている部分で,どういうところを見てくれという話が,これからあるのではないかと思います。その優先順位をつけて,伺っていきたいと思います。かつては査定する側ですが,今度は当事者です。相手は,厳しい財政事情の予算当局ではあるでしょうが,事業官庁が要求する予算とは違って,本当に切実な予算要求であることから,一緒になって考えて,法務省のため,主計局を相手に全力で頑張りたいということも申し上げておきたいと思います。
 

共謀罪に関する質疑について

【記者】
 官邸の会見で共謀罪について慎重な御意見があったかと思います。共謀罪については,国際テロ対策として,重要性を指摘する声もあります。そのような中で,2020年に東京五輪という大きな国際舞台を控えている我が国としては,必要,不要,いろいろな議論があると思いますが,もし法律を作るのであれば,かなりスケジュールとしては切迫しているタイミングになっているかと思います。ということは,共謀罪について,表立ってしっかり必要なのか,不要なのか,議論をすべきときにきているのではないかという気もしているのですが,どうお考えでしょうか。

【大臣】
 おっしゃるように,国際組織犯罪防止条約を締結して,国際社会と協調してテロなどの組織犯罪と闘っていくということは非常に重要な課題だと思います。同時に,その条約の締結に伴う法整備も必要になってきますが,やはり,組織的な犯罪を扱う際のその在り方を慎重に検討していく必要があると思っています。これまでの議論,あるいは事務方の皆さんの考え方もしっかり受け止めて,今後,いろいろと慎重に検討していく必要があるのだろうと思います。法案の話も出ましたが,具体的には,これからいつまでにということについては,全く未定の段階だと認識をしています。
 

ヘイトスピーチと相模原無差別殺傷事件に関する質疑について

【記者】
 神奈川県の川崎市で行われたヘイトスピーチデモに対して,それが人権侵害に当たると昨日法務省が認定されて,主催した男性に同様の行為を行わないよう勧告されたことを発表されましたが,これは大変重要な判断だと思うのですけれども,金田大臣は日本国内で行われているヘイトスピーチについて,どのようなお考えをお持ちなのでしょうか。また今後どのように取り組んでいかれる方針なのかということをお聞かせいただきたいと思います。
 また,ヘイトスピーチに関連して,先日,相模原で起きた障害者の無差別殺傷事件についてお聞きします。この事件の犯人が,障害者が社会から排除されて当然であるという,差別的な思想を背景に事件を起こしたような発言をしているのですが,犯人が持つ障害者への差別的思想が引き金となったヘイトクライムであるとこの事件は考えられます。金田大臣はどういうふうに受け止めていらっしゃいますでしょうか。日本社会がヘイトスピーチを放置してきたことも事件の大きな原因になっているのではないかというふうには考えられないか,その点についてもお考えをお聞きしたいと思います。

【大臣】
 まず始めの質問ですが,いわゆるヘイトスピーチに対する私の認識について申し上げますと,やはり特定の民族とか国籍の人々を排斥するような差別的言動はあってはならないと認識しています。そういう中で,あってはならないことであるというふうにもちろん思っていますから,今後もヘイトスピーチの解消に向けて,対外的な発信をする啓発活動を強化したり,あるいは人権侵害事案に対する適切な措置や勧告を行ったりして,しっかりと取り組んでいくことが重要であると考えています。いずれにしても,こうした言動が許されないという認識を,いかに醸成していくかということを考える必要があるのではないかと思っています。
 相模原の障害者施設の殺傷事件が,7月の下旬にありました。これについての御質問ですが,私も非常に強い衝撃を受けています。あの事件については,亡くなられた方や御遺族の無念さを本当にお察し申し上げる次第であります。怪我をされた皆様の一日も早い回復もお祈り申し上げたい。あの事件については,現在捜査当局で事案の解明に向けて鋭意捜査中であると承知しています。捜査中の事件ですから,これを前提として私の立場で申し上げることは限られる部分もあります。いずれにしても,二度とこうした事件が起こらないようにするために何ができるのか,どのようなことができるのかを検討していくことが必要だと思っています。
 

通信傍受法に関する質疑について

【記者】
 今日,大分県で民進党などの支援団体が入居する建物の敷地内に,大分県警の別府署員が選挙期間中に隠しカメラを設置して人の出入りなどを録画していたことが判明したのですが,建造物侵入罪などに該当する可能性があるということも指摘されています。これが警察による不当な市民監視であれば,盗聴法とも呼ばれる通信傍受法の濫用もやはり懸念されると思います。
 先の国会で刑事訴訟法の改正によって,警察が通信事業者の立会いなしで通信傍受ができるようになりましたが,これで警察による不当な盗聴がないか,どのように担保されるとお考えでしょうか。

【大臣】
 ただいま御指摘の件については,私は今日この立場に就いたばかりであり,まだお聞きしておらず,承知していません。また,個別の事件について,私の立場で意見を申し上げるのは差し控えざるを得ないと考えています。
 

死刑制度に関する質疑について

【記者】
 死刑執行と死刑制度について質問させてください。裁判員裁判が導入されて,一般市民が死刑の判断に携わるようにもなりました。その後,裁判員裁判で死刑が言い渡された受刑者の死刑の執行もありました。裁判員経験者からは,情報公開が足りず,死刑の実情や死刑囚の状況があまりよく分からないと,心理的負担が大きいという声もあります。死刑制度と情報公開について,何かお考えがありましたらお聞かせください。

【大臣】
 死刑の執行については,人の命を断つ極めて重大な刑罰だという側面があると思いますので,慎重な態度で臨む必要があると思いますが,法務大臣として,やはり裁判所の判断を尊重しながら,法の定めるところに従って,慎重かつ厳正に対処すべきだと考えています。制度面については,多数の者に対する殺人とか,強盗殺人のような凶悪犯罪がいまだ跡を絶たないという状況もありますから,その罪責が著しく凶悪な犯罪を犯した者については,死刑を科することはやむを得ないのではないかと,だから私は死刑を廃止することは適当ではない,そのように考えています。また,情報公開の話については,平成19年12月の執行から,死刑を執行した日に,執行を受けた者の氏名,生年月日,犯罪事実,執行場所を公表しているということであります。死刑執行が適正に行われていることの国民の理解を得るという点では,可能な範囲で情報の公開の必要はあるのではないかと思います。
 

辺野古訴訟に関する質疑について

【記者】
 沖縄県の普天間基地の辺野古への移設をめぐって,現在,沖縄県の翁長知事を相手取って訴訟を起こしています。訟務を担当する法務省として,今後の裁判にどういうふうに臨んでいくお考えでしょうか。

【大臣】
 個別の案件ですし,私の立場でなかなか答えるのは難しいという感じがします。
 

TPPに関する質疑について

【記者】
 大臣は,農業県の御出身ということもあって,TPPに反対の立場で主張されていたと記憶しています。そうしたお立場の政治家が,TPPに一歩足を踏み入れた内閣の閣内におられるというのはどういう思いなのかということと,実は法務省訟務局は,TPPに当たっては,国際的な法律の争いですごく重要な立場を占めることになるわけですが,そうしたことも踏まえて,お答えを頂ければと思います。

【大臣】
 TPPについて検討していくと,やはりいろいろなプラス面と,プラス面だけではないマイナス面,しかし,マイナス面だけではないプラス面というのがあろうかと思います。それについて,私は一個人として,議員の一人として,こういう面はプラスで,こういう面はマイナスだということを指摘したり,話すのは,非常に大事なことだと思います。例えば,去年の11月にTPP関連政策大綱というのを作っていますが,そういう視点を生かして,TPPを締結するには,こういう対策を,この点はこうした方がよいとか,そういう議論をしていくことは非常に重要だと思います。でも,これについて,一議員として議論していくという立場もあれば,内閣の一員として,責任を果たしていく立場というのもあろうかと思います。だから,去年の11月,私は,TPPに賛成か,全体として反対かという議論ではなく,より良い形で,日本の国益に資するためには,この点の関連政策をしっかりやるべきだと,議論しました。私は,TPPが反対だと言った覚えはあまりなく,要するにこういう点は,配慮してやらなければ,例えばこういう方たちが困ると,あるいはこういう点は絶対とるべきだと,議員個人として,こういう議論には加わっています。今申し上げた点も御理解いただいたと思うのですが,さらに加えて,今は私は法務大臣として,内閣の一員となったというその責任もあります。そういうものを総合的に勘案して,私は今後とも対応していくしかないと思っています。
 

靖国神社参拝に関する質疑について

【記者】
 8月15日が終戦記念日ですが,今後,靖国神社に参拝するというお考えはありますでしょうか。

【大臣】
 個人として適切に対応していきたいと思う次第であります。

 ひとつだけ最後に言わせてください。皆さんは,絶対に法務省の法務行政を良くしたいと,愛していると,好きだと思います。だから,これを深めるために,いろいろ私にも御指導を賜りたいと思っています。一緒に日本の法務行政をより良くしていきたい,そういう私たちの力を合わせる部分がものすごく大事なのではないかと思っています。どうかひとつ,これからも一生懸命,私も頑張ってまいりますので,皆様の御助力と,一緒に大きな結果を出せるようによろしくお願いしたいと思います。本日は本当にありがとうございました。

          
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