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トップページ > 広報・報道・大臣会見 > 大臣会見等 > 記者会見要旨 > 平成28年 記者会見要旨 > 法務大臣閣議後記者会見の概要

法務大臣閣議後記者会見の概要

平成28年9月2日(金)

 今朝の閣議においては,法務省案件として政令を二件決定しました。続いて私から二件御報告をします。
 まず,入国審査官の緊急増員について,そしてもう一つは,民法の成年年齢の引下げの施行方法に関するパブリックコメントの手続を開始したことの報告です。
 一つ目の入国審査官の緊急増員については,外国人の入国者数増加が継続的に続いています。そういう中で一部の空港,海港においては,想定を超えて入国者数が増加しています。特に空港では関西国際空港,海港では博多港でクルーズ船の入港が急増しています。このような状況の中で,関係機関と連携をしながら,その対応について検討を行ってきたところですが,緊急増員の必要性がこのほど認められ,本日,行政機関職員定員令の一部を改正する政令が閣議決定され,入国審査官62名の増員が認められることになりました。これらの入国審査官は,ただ今申し上げた関西国際空港,博多港といった空港,海港を所管します計八官署に出入国の審査要員として配置することとしています。今回の措置は緊急的な対応として措置されたものですが,「2020年には訪日外国人旅行者4000万人」の目標があり,これに向かって,法務省としては,引き続き入国者数の大幅な増加を踏まえた所要の体制整備を進めていく努力をしていきたいと考えています。
 二つ目に,昨日から,9月30日までの期間で,民法の成年年齢の引下げの施行方法に関するパブリックコメントの手続を開始しましたので,御報告させていただきます。
 民法の成年年齢の引下げについては,平成21年,法務大臣の諮問機関である法制審議会から,民法の成年年齢を18歳に引き下げるのが適当であるが,引下げを行うには一定の環境整備が必要である旨の答申をいただいているところです。
 政府としては,この答申を踏まえて,環境整備という観点からいろいろな施策に取り組んで,一定の成果を挙げてきたものと認識しています。法務省としても,早ければ平成29年の通常国会に改正法案を提出することも一つの選択肢であると考えています。
 民法の成年年齢の引下げは社会的に非常に大きな影響を及ぼすものであると考えられ,今回のパブリックコメント手続は,こうした影響の大きさを踏まえて,施行日をいつにするのかといった具体的な施行方法について,広く国民全般から御意見をいただくために実施するものです。多くの国民の皆様から御意見をいただけることを期待しています。
 

成年年齢に関する質疑について

【記者】
 民法の成年年齢引下げについてですが,昨日,菅官房長官は,来年の通常国会での成立を目指す考えを示し,さらに法務省もパブリックコメントの募集を始めています。通常国会成立に向けた意気込みをお聞かせください。

【大臣】
 昨日の記者会見において,官房長官は,平成29年の通常国会に民法の成年年齢を引き下げる法案を提出し,成立を目指すことも一つの選択肢であるという趣旨の御発言をされたと認識をしています。法務省としては,御指摘のパブリックコメント手続や,民法の成年年齢引下げに向けた具体的な準備作業を現在進めているところです。官房長官が御発言をされたとおり,平成29年の通常国会に法案を提出することも一つの選択肢であると考えています。したがって,今後とも民法の成年年齢を引き下げる法案の提出に向けた具体的な準備作業を進めていきたいと考えています。

【記者】
 提出に向けた意気込みではなく,成立に向けた意気込みを伺っているのですが,そこはいかがでしょうか。

【大臣】
 まずは,国会に提出し,どのような段階でどういうふうに行うことができるかも含めて,ただいま準備作業を進めています。

【記者】
 成年年齢については,民法の成年年齢のほかに,婚姻できる年齢や少年法の保護の対象,飲酒や喫煙の時期,競馬や競輪といったギャンブルができる年齢制限も設けられていますが,これらについて,年齢制限をどうすべきとお考えでしょうか。また,成年年齢引下げとタイミングが異なることによって,混乱を来たすのではないかという指摘もありますが,それぞれの年齢の引下げについての法案の提出や施行時期などについてどのように対応するのが適切だとお考えでしょうか。

【大臣】
 最初に婚姻の適齢については,平成8年の法制審議会から,男女とも18歳とすべきであるという答申を得ています。平成21年の民法の成年年齢に関する法制審議会においても,民法の成年年齢を引き下げる場合には,婚姻適齢については,男女とも18歳とすべきであるとされたところであります。法制審議会に対して諮問をした立場にある者としては,法制審議会の答申は,尊重すべきものと考えており,これらの経緯を踏まえると,婚姻適齢の問題についても,民法の成年年齢の引下げと併せて検討をしていく必要があるものと認識しています。
 二つ目の少年法の考え方については,少年法の適用対象年齢の在り方は,刑事司法全般において,成長過程にある若年者をいかに取り扱うべきかという大きな問題に関わるものであります。現在,「若年者に対する刑事法制の在り方に関する勉強会」を設けて,研究を行っているところであり,その成果も踏まえながら,検討を進めていく必要がありますが,一方で,民法の成年年齢との関係は,検討を行う際の重要な要素の一つになるとも考えられ,現在,検討を進めております。
 三つ目の飲酒・喫煙,それから四つ目のギャンブル,公営競技についての御指摘ですが,年齢の在り方については,それぞれの法律の趣旨に従って検討されるべきものであり,法務大臣としては,他省庁の所管法令の在り方にも関わることであるので,コメントすることは差し控えたいと思います。現在の各種の年齢の在り方については,飲酒・喫煙は警察庁,競馬は農林水産省,競艇は国土交通省,競輪は経済産業省という,それぞれの法律を所管する省庁において,適切に検討されているものと承知している次第であります。

【記者】
 大臣は,環境整備が一定の成果を挙げてきたと言及されましたが,具体的にどういったところで成果があると認識されていますでしょうか。

【大臣】
 パブリックコメント手続を開始する,この状況に至るまでに様々な環境整備のための施策に取り組んでまいりました。法制審議会が取りまとめた民法の成年年齢の引下げについての最終報告書に言及されている施策を申し上げますと,消費者被害が拡大しないための施策の充実として,例えば,消費者庁の行政の一元化や充実,あるいは,消費者関係教育の充実として,例えば,学習指導要領,こういったものを改訂して,消費者教育,法教育,金融経済教育の充実を図ってきた側面もあります。それから,若年者の自立を援助するための施策,例えば,新しい青少年育成施策大綱,子ども・若者育成支援推進法等の内容を踏まえた若年者の総合的な支援に向けた取組をしてきたということ,そういった諸々のことが,やはり年齢の引下げに伴う一定の環境の整備という面では,成果というべきものに入るのではないかと思っています。
 

共謀罪に関する質疑について

【記者】
 過去3回にわたって廃案となった共謀罪の新設などに向けた法整備についてお尋ねします。共謀罪という名称を「テロ等組織犯罪準備罪」と変えた上で,早ければ秋の臨時国会にも提出するという見方があります。名称の変更を含めた省内の検討状況について説明いただきたいのと,秋の臨時国会への対応について,どういった環境作りが必要だとお考えでしょうか。

【大臣】
 国際組織犯罪防止条約,いわゆるTOC条約を締結して,国際社会と協調連携して,組織犯罪と闘うことは,重要な課題であると考えます。その条約の締結に伴う法整備は,進めていく必要があると考えています。その条約の締結のための法案については,これまで国会審議の場で,組織的な犯罪の共謀罪に関しては,不安や懸念という観点からの議論も行われてきたと承知しています。例えば,合意が処罰の対象とされるというならば,思想まで処罰されるのではないか,そして,会社やNGOなど通常の活動を行っている団体も対象となるのではないかといった不安や懸念があったことを踏まえながら,その在り方を慎重に検討している状況であります。そして,法案提出のための環境作りとしては,この法案をいつ国会に提出するかについては未定でありますが,法整備の必要性等については,国民の皆様の十分な御理解が得られるように努めていく必要があると考えています。
 
(以上)
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