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トップページ > 広報・報道・大臣会見 > 大臣会見等 > 訓示・挨拶 > 平成29年 訓示・挨拶 > 大臣就任に当たっての上川法務大臣訓示

大臣就任に当たっての上川法務大臣訓示

平成29年8月4日(金)

 この度,法務大臣に就任いたしました上川陽子です。私は,平成26年10月21日から平成27年10月7日まで法務大臣を務めており,再度法務大臣に就任いたしました。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 私は,前回法務大臣を務めた後,自民党の司法制度調査会長として,国民に頼りがいのある司法の実現に向けて,「法の支配」を国際的に浸透させる新しい日本のソフトパワーとして,「司法外交」を国の施策に明確に位置付けることなど様々な問題提起をしてまいりました。
 政治と行政とで立場は異なりますが,自民党の伝統ある司法制度調査会は,国民にとって身近な司法を実現するための様々な基盤構築を提案してまいりました。その司法制度調査会と法務省は,いわば車の両輪とも言えるのであって,私は,前回法務大臣を務めた後も,法務省とは切っても切れない関係にあったものと思っています。
 これまで私が常に意識してきたことは,法治国家である我が国において,憲法を始めとする法体系の下,法の支配を貫徹し,国民生活はもとより,経済的活動や社会的活動,さらには国際的分野に至るあらゆる活動に法が適用され,浸透されることが重要であるということです。
 私は,これを基本に,法務大臣として,国民目線に立つことを重視して法務行政に臨みたいと考えています。
 また,私は,2015年9月,国連で採択された持続可能な開発目標(SDGs)においてうたわれている「誰一人取り残さない」(No one will be left behind)社会の視点を大切にしており,一人ひとりに焦点を当て,多様性(Diversity)と包摂性(Inclusion)に富んだ社会の実現が大切であると考えています。
 私は,こうした視点や理念を取り入れて,法務省の所掌事務の遂行に当たり,公平・公正に対処し,国民の権利・利益の擁護に努めてまいりたいと考えています。
 今般,安倍総理からは,4つの課題について取り組むよう御指示をいただきました。第一に,国民に身近で頼りがいのある司法の実現に向けた司法制度改革の推進,第二に,差別や虐待のない社会の実現を目指し,個別法によるきめ細やかな人権救済の推進,第三に,関係大臣と協力し,「世界一安全な国,日本」をつくるための犯罪被害者の支援,刑務所等出所者の再犯防止や社会復帰支援,組織犯罪対策など,社会を明るくするための施策の総合的な推進,第四に,我が国の領土・領海・領空の警戒警備に関する情報収集と適切な対処にしっかりと取り組むよう御指示をいただきました。
 これら4つの課題を解決するためには,これから法務省職員の皆さんから十分話を聞いた上で,丁寧にしっかりと対応することが必要ですが,現在の私の考え方を少し述べさせていただきたいと思います。
 一つ目は,私も議員として携わりました司法制度改革についてですが,国民参加を大きなテーマとした司法制度改革の進展は,国民の皆様の御理解と御協力のたまものです。
 裁判員制度,法曹養成制度,法テラス等について,更なる成熟に向けて努力する一方,これまでの運用状況等を謙虚に受け止め,時代の要請に応え,絶えず革新していく,正に法制度のイノベーションが重要であると考えています。
 二つ目のきめ細かな人権救済については,児童虐待,あるいは,性暴力,ヘイトスピーチも含めた人権侵害の実態を的確に捉え,内在する問題・課題に真摯に向き合う必要があります。
 そのためには,子供や若者に対する幅広い法教育やそれに向けた基盤整備が大変重要ですので,政策的にもしっかりとバックアップしていきたいと思います。
 三つ目の「世界一安全な国,日本」の実現については,2020年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けたテロ対策・治安対策が極めて重要です。この点は,我が国の施策の柱であり,国を挙げての体制整備が急務となります。
 また,この2020年においては,国際連合犯罪防止刑事司法会議(コングレス)が我が国で開催されます。
 この国連会議は,正に我が国がこれまで展開してきた「法の支配」を中心とした「司法外交」を日本国内でアピールし,世界の方々に,安全・安心な日本社会を体感をしていただく絶好の機会です。
 四つ目の我が国の領土・領海・領空の警戒警備については,訪日外国人旅行者数が急増し,インバウンド6,000万人時代が迫っている一方,我が国を取り巻くテロ情勢が非常に厳しい状況であり,サイバーテロの脅威にもさらされている中,これにふさわしい安全・安心の基盤強化が求められています。
 そのためには,テロの未然防止を含む厳格な入国管理と同時に観光立国推進に向けた円滑な入国審査を高度な次元で両立をさせる必要があります。
 また,先の通常国会で成立した,いわゆるテロ等準備罪処罰法は,本年7月11日に施行されましたので,今後,改正法を適切に運用していくことが極めて重要です。改正法については,研修等様々な機会を捉えて,関係機関に趣旨や内容等を周知徹底し,適正な運用に引き続き努めるとともに,正確な内容と運用について国民の皆様の御理解と御協力を得られるよう,広報の充実を図ることが必要と考えます。
 私としては,これまでの経験を生かしながら,こうした諸課題に,しっかりと取り組み,副大臣,法務大臣政務官と法務省職員の皆さんとともに職責を果たしてまいりたいと思っていますので,どうぞよろしくお願いを申し上げ,私の訓示といたします。             
(以上)
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