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トップページ > 広報・報道・大臣会見 > 大臣会見等 > 訓示・挨拶 > 平成30年 訓示・挨拶 > 上川法務大臣年頭所感

上川法務大臣年頭所感

平成30年1月5日(金)

 皆様,新年明けましておめでとうございます。
 年末年始穏やかなお正月いかがお過ごしになりましたでしょうか。御家族おそろいで良いお正月を迎えられたことと存じます。
 本日,皆様と元気な姿で新しい年を迎え,新しい時代を切り開くスタートを切ることができたこと,改めて大変嬉しく思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 昨年末に政府として初めてとなる再犯防止推進計画が閣議決定されました。今年2018年は,正に「推進計画元年」となります。また,国連犯罪防止刑事司法会議いわゆる京都コングレスや東京オリンピック・パラリンピック競技大会が開催される2020年まであと2年に迫った年でもあります。このように,本年は,法務行政にとって,節目ともなる極めて重要な一年であると考えています。
 この重要な一年の年頭に当たり,私の所感を述べさせていただきたいと思います。
 私は,昨年8月3日に法務大臣に再任され,約1年10か月ぶりに,法務省の門をくぐり,懐かしい思いと同時に苦労を共にした法務省の皆さんと再び一緒に仕事ができることの喜びでいっぱいでした。その後,衆議院の解散を経て,昨年11月1日に,節目となる第100代の法務大臣に再任されました。
 私は,安倍総理から「仕事人内閣」の一員として,法務大臣に任命され,二度目の就任でしたので,前回の経験をいかして,託された任期の間に少なからず成果を上げていくことを心に決め,総理から私に課された使命にしっかりと応えてまいりたいという覚悟を持って法務大臣室に入らせていただきました。
 結果を出すには,当然のことながら私一人の思いではかなえることができません。皆さんとよくコミュニケーションを図り,法務行政をより良いものにするために,日々皆さんが現場で,そして職務を通して考えられておられる思いや考え,具体的な課題について皆さんの口から様々な御意見を頂きながら,法務省一丸となって役割を果たしていくべく頑張っていきたいと思っています。組織一丸となった取組の意味するところは何なのかについて,3点ほどお話をさせていただきたいと思います。

 1点目は,重要課題に取り組むに当たり,これまで以上に省内の各局部課が機敏にそして緊密に連携を図りながら,オール法務省として取り組んでいただきたいということです。
 私は,前回の法務大臣就任中,そして再任後の4か月,大臣室を中心として,皆さんから様々なレクチャーやそれぞれの説明を拝聴してまいりました。その中で,所管している業務の性質上,当然のことですが,各局が自己完結的に案件を解決する場面が大変多く,組織そのものが流動性に欠け,他の省庁以上に「縦割り」になりがちであると強く感じることがありました。
 例えば,法教育という一つの分野をとってみても,各部局の中で様々な取組が行われていますが,法教育の対象である生徒さんや学校側から見たならば,法務省の法教育を受けるということであり,どの局という問題ではありません。しかし法教育の説明を受けると,この局はこのような法教育を行っているという形で,それぞれが独立して,少しばらばらになりがちであるように感じます。それは勿体ないし,理解をしていただくため,成果を上げるためには,効果を半減してしまう傾向にあると思いました。もちろん組織の縦割り傾向は,組織全体における局内の結束力を高めるという意味では大変大事です。しかし,せっかく省内に様々な知見が眠っているにもかかわらず,これに気づかずに物事に対応するのは,その局や関係する局部課だけで物事を完結することになり,オール法務省として力を発揮することができず,ひいては国民の皆様に質の高いサービスを受けていただくことができない状況になりかねません。そのため連携をしっかりしていくことを通して,このオール法務省の中で蓄積したものを共有し,日々の情報交換を現場レベルや地方レベルで様々な形で成し遂げていただき,スピード感と柔軟性を持って,日々起こり得る様々な課題を解決していただくことを今年1年の大きな課題として一緒に探っていき,鼓舞していきたいと思っています。昨年末のことですが,省内のあるチームが私のところに説明に来られました。このチームは,中堅から若手まで,元々複数の局部課を経験したメンバーで構成されているチームで,いつも明るく大臣室に入ってきます。元気で,遠慮することなく,とても風通しよく執務をしているということが,職場の雰囲気が手に取るように分かる状況でした。もちろん,仕事の成果はそれぞれお一人お一人の努力の賜物だと思いますが,課題に対して指摘を申し上げると,いつも的確な答えが返ってきます。普段からチーム内で緊密にコミュニケーションをとっている証ではないかと思います。日頃のこうした自由闊達なコミュニケーションと,皆さんそれぞれの知見をいかしながら起こり得る課題に果敢に取り組んでいくことがこれからの時代にとっては大変大事な,法務省としての財産やコアになり得るものであると思っています。是非一つ一つのプロジェクトを推進していく上でも,他部局の知恵が借りられるかどうか,あるいは起こり得る様々な課題に対して持っているものを提供することができるかどうか,絶えずそのことを問題意識に据えていただきながら職務に励んでいただきたいと思っています。

 2点目は,法務省の取組を国民の皆様に身近に感じていただくことが重要であるということです。法務行政は,国民の皆様の生命,身体,財産,そして,安全,安心を預かる国の礎となる職務です。法の支配が徹底され,基本的人権が守られてこそ,国民の安全・安心が守られます。法務行政はその意味で,国民の安全・安心な暮らしの基盤となる大変身近な存在であるはずです。
 しかし実際,法務省のことについて,国民の皆様にお話を聞くと,なかなか遠い存在であるという答えが返ってくるのも事実です。私は,子ども人権SOSミニレターの取組に,前回の大臣の時から大変注目をしておりました。一人一人の手元にお手紙が届く,そして,そこで自分なりの思いを託し,それを郵便として法務省に届けるという関係があるわけですが,もし法務省がそのミニレターを手元に届けなければ,法務省に対して手紙を投函するという行為をするでしょうか。それによって一人の子どもの命が救われるかもしれない大切なミニレターです。法務省が最後のよりどころとして,助けを求めて来る方も含めて,ごく身近な存在として位置づけられていかなければ,国民にとって安全・安心の法務省として位置づけられないと思います。「国民一人一人に寄り添う」という言葉は,その持っている意味について深く考えれば考えるほど,法務省として国民の皆様にしっかりと発信して,御理解と御協力をいただき,誰一人取り残さない覚悟で国民の皆様の安全・安心と生命,身体,財産とを守っていただきたいと思っています。その意味では,法務行政に関する広報の充実強化,更には法教育の充実,これも小さな時から少しずつ段階を踏みながら取り組んでいく必要がありますし,真に必要な政策については,省内のみならず,地方自治体,関係団体,一人一人の国民のところまで,しっかりとネットワークを張って連携し協力をいただく姿勢の中でこそ,法務省が本来の役割を果たすことができると思います。正に法務省の「見える」化です。

 3点目は,社会のグローバル化の進展に伴い,より一層適切に法務省が対応するため,また日本が対応していくためには,国際的な司法課題に戦略的に取り組む必要があると思っています。
 国際案件については,これまでも各局部課中心にそれぞれの所管の範囲で実に質の高い取組を地道に行ってこられたと思っています。また海外からも高い評価を得ていることは,大変自信を持って今までやってこられたことの成果でありますので,これからもその大切なものをしっかりと大きく膨らませていく努力を惜しまずしていく必要があると思っています。ただ,前回法務大臣就任時にも強く感じたこととしては,やはり司令塔機能が不足しており,折角それぞれ一生懸命やっているにもかかわらず,全体としての力が,また相乗効果を発揮するまでに至っていないということです。そして同時に戦略的な視点で考えたときにも,そこに問題がまだまだ存在していると思っていました。前回法務大臣退任後に,自民党の司法制度調査会長に就任することになり,この部分についてもう少ししっかりと提案し,実現していく必要があるという問題意識の下で,国民に頼りがいのある司法の実現に向けて,「法の支配」を国際的に浸透させる新しい日本のソフトパワーとして「司法外交」を国の施策に明確に位置付けることなどの提案をしてきたところです。
 日本企業が国際的に活躍し,社会全体もグローバル化が進んでいく,私どもの日本の司法制度そのものの質の高さは間違いありません。また,運用のノウハウ,指導人材等のソフトパワーについては,これからの世界の平和と安全のためにかけがえのない資産になると思っています。その意味で国際社会で日本がリーダーシップを発揮して,日本のプレゼンスを高めていくために,省内に国際的な司法戦略を担う司令塔機能をつくり,オール法務省で「司法外交」を展開し,国際案件に取り組む必要があると考えています。
 また,一昨年の訪日外国人旅行者数は約2400万人を超えており,過去最高を更新している状況です。国内における国際化の問題についても,同じ土俵の中で考えていかなければならない問題であると思います。そのような国内外の法的課題については,政府一丸となった取組が求められており,法務省としてもスピード感を持って的確に対応していくため,来年度から官房国際課が新設され,国際案件に戦略的に取り組む体制が整いつつあります。皆様には,是非ともオール法務省で「司法外交」に取り組むという意識をしっかりと持っていただきながら,日々の業務に取り組んでいただきたいと思っています。

 以上,私が普段思っていることについてお話をさせていただきましたが,最後に,もう一つだけ皆様に申し上げたいことがあります。是非とも今日ここにいらっしゃる幹部の皆様,お一人お一人から現場で感じていらっしゃることや考えていらっしゃることを率直にお聞かせいただきたいということです。前回就任時及び昨年再任後においても,機会を見つけては視察に行かせていただきました。第一線で働く職員の方々から現場目線でお話を直接お伺いすることは,本当に多くの気づきをいただくことができます。法務省の中では感じ取れないことも現場に行くことによって,そこで活躍をしていらっしゃるお一人お一人の顔,行動,あるいは御意見から多くの施策に結びつく芽が育っていると感じました。職員の皆さんは大変まじめで,優秀な方々ばかりです。しかし,残念ながら,5万3000人の職員の皆さん全員から直接お話を伺うことはなかなか難しいのが現状です。私としてはやりたいところですが,それはなかなか難しいため,どうぞここにいらっしゃるお一人お一人から是非とも一つでも在任中に,こういうことがしたい,あるいはこういうところが問題であるというようなお話や御意見をお寄せいただきたいと思っています。
 特に,これから活躍が期待される若い世代の皆様からみえる世界や日々感じていることを率直にお聞かせいただきたいと思っています。この節目となる一年,幸先よくスタートを切り,未来志向で素晴らしい施策を御一緒に作り上げていきたいと思っています。皆さんに様々なお願いをして,昨年は戸惑う場面も多かったかと思いますが,もっと頑張りますので,しっかりと応えていただくべく私も自分自身を律しながら努力をしてまいりたいと思っています。経済界の諸団体の年賀行事にも出席させていただきました。あらゆるところにサービスを求めている方がいらっしゃると考えれば,あらゆる機会を捉えて一生懸命現場に出てたくさんの声を聞いてまいりたいと思いますし,そういうことをしっかりと受け止めていただきながら,法務省を通して日本の明るい未来を切り開いていくことができるように頑張らせていただきたいと思っています。どうか一年元気で頑張ってまいりましょう。よろしくお願い申し上げまして,年始の私の挨拶と代えさせていただきます。どうぞ一年よろしくお願い申し上げます。ありがとうございます。
(以上)
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