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トップページ > 広報・報道・大臣会見 > 大臣会見等 > 記者会見要旨 > 平成30年 記者会見要旨 > 法務大臣臨時記者会見の概要

法務大臣臨時記者会見の概要

平成30年7月6日(金)

 本日,7名の死刑を執行しました。
   裁判の確定順で名前を申し上げると,麻原彰晃こと松本智津夫,早川紀代秀,井上嘉浩,新實智光,土谷正実,中川智正,遠藤誠一の7名です。
  犯罪事実の概要等については,別途お配りした資料のとおりです。関わった事件は,それぞれ異なりますが,これらの事件は,「オウム真理教」の教祖であった松本,そして,教団の幹部であった早川,井上,新實,土谷,中川,遠藤が他の教団幹部らとも共謀するなどして,犯行に及んだものです。
  中心的な存在である松本に関する資料を踏まえつつ,事件の概要について申し上げます。
  1 平成元年2月上旬頃,教団からの脱会の意思を表明していた信者を,頸部にロープを巻いて絞め付けるなどして殺害した事件
  2 平成元年11月,教団の被害者の会を支援する弁護士のほか,その弁護士の妻や1歳2か月の子供までをも,頸部を絞め付けるなどして殺害した事件(弁護士一家殺害事件)
  3 平成5年11月頃から平成6年12月下旬頃までの間に,化学兵器であるサリンを生成し,これを発散させて,不特定多数の者を殺害する目的で,教団施設において,サリンプラントをほぼ完成させ,作動させるなどして,サリンの生成を企てた事件
  4 平成6年5月,対策弁護団の一員として教団からの脱会活動等に取り組んでいた弁護士にサリンを吸入させて殺害しようとし,その自動車にサリンを掛けるなどしたが,サリン中毒症の傷害を負わせるにとどまった事件
  5 平成6年6月,敵対視していた裁判官の宿舎を標的としてサリンを発散させ,付近の住民である7名を殺害し,また,4名にサリン中毒症の傷害を負わせた事件(松本サリン事件)
  6 平成6年6月下旬頃から平成7年3月頃までの間に,ロシア製自動小銃を模倣した自動小銃約1000丁を製造しようと企て,部品多数を製作するなどしたほか,平成6年12月下旬頃から平成7年1月までの間に,小銃1丁を製造した事件
  7 平成6年1月,教団から脱走した上,他の信者を教団施設から連れ出そうとした信者を,ロープで頸部を絞めるなどして殺害し,その遺体を焼却して損壊した事件
  8 平成6年7月,信者らの危機意識や国家権力等に対する敵がい心をあおるため,ある信者をそのスパイであるとして拷問を加えた上,頸部をロープで絞め付けるなどして殺害し,その遺体を焼却して損壊した事件
  9 平成6年12月,教団から脱会しようとしていた信者の支援をしていた男性を殺害しようとし,その後頭部付近に化学兵器であるVXを掛けたが,VX中毒症の傷害を負わせるにとどまった事件
 10 平成6年12月,警察のスパイであると一方的に疑った男性に対し,その後頸部付近にVXを掛けて殺害した事件
 11 平成7年1月,教団からの脱会活動等に取り組んでいた被害者の会の代表者を殺害しようとし,その後頸部付近にVXを掛けたが,VX中毒症の傷害を負わせるにとどまった事件
 12 平成7年2月から同年3月までの間に,資産家である信者から多額のお布施を引き出そうとし,その所在を聞き出すため,その信者の兄を拉致監禁した上で,自白を強要するため,全身麻酔薬を注射するなどして死亡するに至らせ,その遺体を焼却して損壊した事件
そして,
 13 平成7年3月,間近に迫った教団に対する強制捜査を阻止するため,東京都心部を大混乱に陥れようと企て,地下鉄電車内等にサリンを発散させ,12名の乗客や駅員を殺害し,また,14名にサリン中毒症の傷害を負わせた事件(地下鉄サリン事件)
です。
これらのほか,松本が直接関与していない事件としても,例えば,
○ 井上と中川が犯行に及んだ事件として,平成7年5月,警察の捜査をかく乱し,松本の逮捕を阻止するため,東京都知事等を殺害しようとして,手製爆発物1個を製造し,これを都知事宛てに送付して,爆発させ,都知事宛ての郵便物の仕分け担当者に傷害を負わせた事件
○ 新實が犯行に及んだ事件として,平成7年3月から4月までの間,逮捕監禁事件で指名手配されていた信者の逮捕を免れる目的で,その信者をかくまうなどした事件
などがあります。
 判決などでも指摘されているところですが,これらの犯行は,松本がオウム真理教を設立して,その勢力を拡大し,更には救済の名の下に日本を支配して自らその王となることまでをも空想して,小銃の製造,サリン・VXの製造といった武装化を進め,その中で,その妨げとなるとみなした者は教団の内外を問わずこれを敵対視し,その悪業をこれ以上積ませないようにポアする,すなわち殺害するという身勝手な教義の解釈の下に,その命を奪ってまでも排斥しようとして,殺人,殺人未遂等に及び,一部の者に対しては,教団で製造した化学兵器であるサリンやVXを用いるまでし,さらには,サリンを用いて,二度にわたり不特定多数の者に対する無差別テロにまで及んだものでした。
 これらの長期間にわたる一連の犯行は,組織的,計画的に敢行されたものであるとともに,過去に例をみない,そして,今後二度と起きてはならない,極めて凶悪・重大なものであり,我が国のみならず諸外国の人々をも極度の恐怖に陥れ,社会を震撼させたものでした。
 特に,これらの犯行にサリン,VXといった化学兵器までもが用いられたこと,また,一般市民を対象とした無差別テロが行われたことは,世界にも衝撃を与えました。
 松本は,長期間にわたって多数の犯罪を繰り返し,ついには無差別大量殺人に至るまで止めどなく暴走を続け,多数の配下の者を統制して組織的・計画的に犯行に及んだものであり,また,宗教団体の装いを隠れ蓑として,宗教の解釈を都合のいいようにねじ曲げ,短絡化させて犯行を正当化しつつ,犯行を凶悪化させていきました。
 また,先ほどの資料にもありますが,早川,井上,新實,土谷,中川,遠藤についても,それぞれ,松本の指示を受けるなどして,様々な事件で重要な役割を果たしました。
○ 早川については,昭和62年に教団に出家して,教団の幹部として全国各地の支部開設などに従事するなどしていたところ,脱会の意思を表明していた信者の殺害行為に及び,弁護士一家殺害事件でも一家の殺害行為に及んだほか,不特定多数の者を殺害するためのサリンプラントを稼働させて,サリンの生成を企てるなどしました。
○ 井上については,高校を卒業して間もなくの昭和63年に教団に出家して,教団の幹部として諜報活動等を担当していたところ,VXを使用した殺害事件などにも関与したほか,地下鉄サリン事件では総合調整ともいうべき重要な役割を果たすなどしました。
○ 新實については,昭和61年に教団に出家し,教団の幹部として,教団の警備関係等の責任者として活動していたところ,脱会の意思を表明していた信者の殺害行為に及び,弁護士一家殺害事件でも一家の殺害行為に及んだほか,松本サリン事件,VXを使用した殺害事件,地下鉄サリン事件などにも関与しました。
○ 土谷については,平成3年に教団に出家し,化学合成の実験等に従事するようになり,化学兵器であるサリン,VX等の製造に成功するなどし,その後,VXを使用した殺害事件や地下鉄サリン事件などに用いられたVXやサリンを生成するなどしました。
○ 中川については,平成元年に教団に出家し,松本の主治医的な役割を務めるなどしていたところ,弁護士一家殺害事件では一家の殺害行為に及んだほか,松本サリン事件,VXを使用した殺害事件,地下鉄サリン事件などにも関与しました。
○ 遠藤については,昭和63年に教団に出家し,炭疽菌の培養等や,薬物の製造等にも携わっていたところ,松本サリン事件などに関与したほか,地下鉄サリン事件に用いられたサリンを生成するなどしました。
 これらの一連の犯行では,27名もの方の尊い命が奪われ,また,一命はとりとめたものの,多くの方々が傷害を負わされ,中には重篤な傷害を負われた方々もいました。
 一連の犯行によって命を奪われた被害者の方々,その御遺族,また,一命はとりとめたものの,傷害を負わされた被害者の方々,その御家族が受けられた恐怖,苦しみ,悲しみは,想像を絶するものがあります。
 そして,いずれの者についても,裁判所における十分な審理を経た上で,最終的に死刑が確定したものです。
 本日の死刑執行については,以上のような事実を踏まえ,慎重にも慎重な検討を重ねた上で,執行を命令した次第です。

死刑執行に関する質疑について

【記者】
 5点質問させていただきます。まず1点目ですが,なぜこの人選になったのか。2点目として,刑の執行なのですがなぜこの時期になったのか。3点目として,今回執行された死刑囚のうち,再審請求中の者はいたのか,いたら誰だったのか。4点目,現在収容中の確定死刑囚の人数と,再審請求中の死刑囚の人数は何人いるのか。それから5点目なのですが,今回7人の執行ということだったのですが,一日の執行の人数としては過去最高になるのか,お答え願います。

【大臣】
 御質問を5点いただきました。まず1点目の人選についての御質問に対しては,個々の死刑執行に対する判断に関わる事柄であり,お答えは差し控えさせていただきます。
 2点目の,なぜこの時期にという御質問についても,個々の死刑執行に対する判断に関わる事柄であり,お答えは差し控えさせていただきたいと思います。一般論として申し上げると,死刑執行に関しては,個々の事案について,関係記録を十分に精査し,刑の執行停止,また,再審事由の有無について,慎重に検討し,これらの事由等がないと認めた場合に初めて死刑執行命令を発することとしています。今回も同様の慎重な検討を経て,死刑執行命令を発したところです。
 3点目ですが,今回死刑が執行された者による再審請求の有無については,法務大臣である私からお答えすることは差し控えさせていただきます。
 4点目ですが,本日現在,法務省において把握している死刑判決の確定者は,117名です。117名の中で収容しているのは116名になります。現在,法務省で把握をしている再審請求中の者はこのうち92名です。
 5点目の,1回の執行人数という質問については,平成10年の11月以降,執行の事実及び人数を公表するようになったところですが,それ以降で申し上げると,1日で4名執行したことがあります。これは3回ありました。

【記者】
 大臣が死刑執行命令書に判子を押した日付を教えてください。

【大臣】
 平成30年7月3日です。

【記者】
 今の質問に関連するんですけれども,具体的にいつ頃から検討を始められたのかについて教えてください。

【大臣】
 いつ頃から検討してきたかについては,個々の死刑執行の内部手続に関する事項ですので,お答えは差し控えさせていただきます。その上で,一般的なことを申し上げると,死刑の執行に当たっては,まず法務省内の関係部局において専門的な立場から関係記録を精査させた上で,その報告を受け,必要な資料等を慎重に検討した上で最終的な判断をすることになります。

【記者】
 松本死刑囚については,精神状態に疑問の声もあがっていたと思います。法務省としては,精神状態に問題がないものと判断されたということでしょうか。

【大臣】
 ただ今の御質問については,個々の死刑執行の判断に関わる事項ですので,お答えを差し控えさせていただきます。その上で,一般論として申し上げれば,死刑確定者の精神状態については,法務省の関係部局において常に注意が払われており,医師の専門的見地からの診療等を受けさせるなど慎重な配慮がなされています。このような専門的見地からの判断をも踏まえ,心神喪失の状態にあることなどの執行停止の事由の有無について判断しています。

【記者】
 今回は,司法のプロセスにのっとって粛々と刑が執行されたということは理解したんですが,裁判の目的の中には単なる法の執行だけではなく,真実の究明も重要な要素としてあると思うのですが,大臣は,今回の事件の全貌が究明されたとお考えでしょうか。特に松本死刑囚に関しては一審で事実上,精神的なトラブルも含めて事件の全貌が明らかになったとお考えでしょうか。

【大臣】
 死刑は,人の命を絶つ極めて重大な刑罰です。その執行には慎重にも慎重な態度で臨むべきであると考えています。同時に法治国家においては,確定した裁判の執行が厳正に行われなければならないことも言うまでもありません。特に死刑の判決については,極めて凶悪かつ重大な罪を犯した者に対して,裁判所が審理を尽くした上で言い渡すものですので,法務大臣としては,そうした裁判所の判断を尊重しつつ,法の定めるところに従い,慎重かつ厳正に対処すべきものと考えています。本日の死刑執行についても,このような観点に立ち,慎重な検討を重ねた上で,死刑執行命令を発したものです。

【記者】
 国際的に死刑の執行に対して大きな批判が高まっており,日弁連も死刑については反対する声明を出している中でのこのような大量の死刑執行について,所感があればお願いします。

【大臣】
 死刑の存廃については,ただいま御指摘がありましたとおり,国際機関における議論の状況,諸外国における動向等を参考にしつつ,いろいろな御意見があるものと承知しています。基本的には,各国における国民の皆様の感情,あるいは犯罪の情勢,また,刑事政策の在り方,こういったことを踏まえ,それぞれの国が独自に決定すべきものであると考えています。そして,国民,世論の多数が,極めて悪質凶悪な犯罪については,死刑もやむを得ないと考えている中,多数の者に対する殺人や強盗殺人等の凶悪犯罪がいまだに後を絶たない状況にあり,その意味で罪責が著しく重大な凶悪犯罪を犯した者に対して死刑を科すこともやむを得ないと思っているところです。また,平成28年,日本弁護士連合会が人権擁護大会において,死刑制度の廃止を含む刑罰制度全体の改革を求める宣言を採択されたことについては承知しています。死刑制度の存廃等については,様々な御意見があると承知しており,日本弁護士連合会の宣言における御主張については,大変大きな御意見の一つとして認識しているところです。

【記者】
 今回の執行時において,松本死刑囚含め7人がどのような様子であったか,把握されていれば教えてください。

【大臣】
 個々の死刑確定者の健康状態,また,処遇状況に関わり,また,プライバシーに関わる事項ですので,私から詳細に申し上げることは差し控えさせていただきたいと思います。

【記者】
 今回の一連の死刑執行によって,観察処分が出ているアレフなど,こうした教団の関連施設の周辺の住民には不安の声もありますが,こうした団体への対応や今後のテロ対策についてはどのようにお考えでしょうか。

【大臣】
 ただ今の御質問ですが,関係機関とも緊密に連携しつつ,必要な警戒等を行っているところです。関係者による危険な行為等の未然防止には万全を期してまいりたいと思っています。それぞれの施設において,これまでも周辺住民の皆様が様々な不安や御懸念を表明され,また,そうした御意見を直接お伝えに来ていただいたこともありました。そうしたことを考えると,今回についても大変御心配いただいていると思っています。その意味でも万全を期すべく対応しています。

【記者】
 先日,上川大臣が加盟されている「赤坂自民亭」で,総理も出席した会合がありましたが,そこに大臣も出席されていましたか。また,もし出席されていたら,その際死刑執行について総理とお話されていたかどうか,お願いします。

【大臣】
 ただ今の件については,私の個人的な活動ですので,この場において答弁することについては差し控えさせていただきたいと思います。

【記者】
 同じ事件で死刑が確定した共犯者の死刑執行を同じ日に執行するという前例は多いかと思いますが,7名の執行にとどまったというのは,執行する施設の物理的な限界というのが理由でしょうか。

【大臣】
 ただ今の御質問については,個々の死刑執行の判断に関わる事柄であり,お答えについては差し控えさせていただきたいと思います。

【記者】
 死刑の執行に関して,現在の制度,例えば情報公開の在り方ですとか,執行方法等について,見直しのお考えはありますでしょうか。具体的に申しますと,刑場を公開するようなお考えはありますでしょうか。

【大臣】
 情報公開についての御質問で,特に,刑場の公開ということですが,死刑という最も重い刑を執行する厳粛な場であり,その性質上一般の公開にはなじまないと考えています。その意味で,非公開とするのが基本であると考えています。現時点でも,刑場の公開を行うということは考えていません。
 それから,執行方法の見直しの有無について御質問がありました。死刑の執行方法については,現段階で具体的に見直しを行うという考えはありません。

【記者】
 執行後の遺体に関してなのですが,家族への引取りの連絡は既にされているのか,法務省として遺体をどのように対応するのか,お聞かせ願います。

【大臣】
 死刑確定者及びその遺族のプライバシーに関わる事項でして,お答えについては差し控えさせていただきたいと思います。いずれにしても,関係部局において適切に対応するものと承知をしています。

【記者】
 この一連のオウムの事件ですが,社会を震撼させたということで時代を象徴する,平成を象徴するような事件だったと思うのですが,これについて,大臣の振り返っての所感や命令書にサインするときの心境等を教えていただければと思います。

【大臣】
 申し上げるまでもありませんが,死刑という刑罰は人の命を絶つという極めて重大な刑罰です。執行に際しては慎重な上にも慎重な態度で望む必要があると考えています。同時に日本は法治国家であり,確定した裁判の執行が厳正に行われなくてはならないということも言うまでもないことです。特に死刑の判決については,極めて凶悪かつ重大な罪を犯したものに対して裁判所が慎重な審理を尽くした上で言い渡すものですので,法務大臣としては,その裁判所の判断を尊重しつつ法の定めるところに従い,慎重に,また厳正に対処すべきものであると思っています。今回,一連の犯行については,27名にも及ぶ貴い命が奪われたものです。
 また命を取り留めた方も多くの方々が傷害を負わされ,中には重篤な傷害を負われた方々もおられます。命を奪われた方々,その御遺族,また,命は取り留めたものの傷害を負わされた方々,そしてその御家族の受けられた恐怖,苦しみ,悲しみは想像を絶するものがあります。本日の死刑執行についても,こうしたことを踏まえつつ,私としても鏡を磨いて磨いて磨いて,そういう心構えで慎重にも慎重な検討を重ねた上で死刑執行命令を発したものです。時代の変化の中でどのように思って執行を決断したかということですが,死刑を判断するという上では,様々な時代の中のことを考えながら,またこれからのことを考えながら,一つずつの事件について,慎重の上にも慎重に,先ほども申し上げましたが,鏡を磨いて磨いて磨ききるという気持ちで判断しました。

【記者】
 今回の執行に関しては,警察や公安調査庁も含め多くの関係機関が動くような重大な執行であったと思いますが,そうした関係も含めて関連機関への連絡というのはどのような形で,いつ伝えましたか。

【大臣】
 今の御質問ですが,死刑執行の手続あるいはその内部的な問題に関わる事柄であり,私からの答弁は差し控えさせていただきます。
 今回は大変大きな決断,判断であり,影響も大変大きなものですので,警備強化については関連したところとしっかりと緊密に連携しながら,必要な警戒を行うということについては極めて丁寧に行って行くべき事柄です。
 詳細については,冒頭で申し上げたとおり,具体的な内容にかかることですので,答弁は差し控えさせていただきます。

【記者】
 今回の執行に上川大臣が執行の現場に立ち会ったのか立ち会われなかったのか,またその理由についても教えてください。

【大臣】
 私は今回の死刑の執行には立ち会っておりません。また,立ち会うということをそもそも考えておりません。

【記者】
 これまで複数回,同じような理由で再審請求を行っている死刑囚について執行があったかと思いますが,こちらで調べたかぎり,井上死刑囚は1回目の再審請求中で裁判所の判断が出ていないと思われます。そのあたりの判断について教えて下さい。

【大臣】
 今回死刑が執行された者による再審請求の有無については,法務大臣である私からの回答は差し控えさせていただきます。
一般論で申し上げると,死刑執行については個々の事案について関係記録を十分に精査し,死刑執行の停止,再審事由の有無等について慎重に検討し,これらの事由等がないと認めた場合に初めて死刑執行命令を発することとしています。再審請求に関しては,再審請求をしているから死刑を執行しないという考えはとっていません。

【記者】
 今回の執行では,残り6名の死刑囚がまだ執行されていない状態になりますが,共犯者が執行され,残された死刑囚の精神的不安,いつ自分の番が来るんだろうか,ということも大きいと思いますが,今後の執行に関しては,こうした残された死刑囚の心理的不安というものも考慮した上で検討したのでしょうか。

【大臣】
 死刑執行の判断に関わる大変重要な事柄であり,お答えについては差し控えたいと思います。

【記者】
 先ほど,全容解明について,大臣から,審理は尽くされたとの回答があったと思いますが,法的な手続に則って審理を尽くされたかということは十分に分かるんですが,実際に事件そのものの全容が解明されたかという問題と,実際にプロセスとして審理がきちんと尽くされたかどうかという問題は,必ずしも一緒ではないと思います。そこで,まず今回,本当に全容の解明ができたのかどうか,もう一度改めて,審理が尽くされたことを前提で結構ですのでお伺いしたいのと,仮に,なんらかの課題がもしあったのだとしたら,今後,課題として,この事件についておっしゃりにくいのであれば,このような形で裁判があったんだけど,このような形でいろいろなことが起きてしまったというような事件があったとしたら,世の中が全容が分かったというふうに思えるようになることが裁判の重要な機能だと思いますので,もしお考えがあれば,お願いします。

【大臣】
 今回の死刑執行に関しての私の基本的な考え方は,先ほどの御質問のときに述べたことに尽きるということです。私の仕事はそういう仕事ですので,その中でしっかりと対応していくということを心掛けながら,重ねて申し上げますが,慎重にも慎重の上で対応してきたということです。
 それ以外のことについては,様々な御意見があろうかと思いますが,御意見については真摯に承らせていただきます。

【記者】
 上川法務大臣は,本日,立ち会っていないということでしたが,執行の終了の一報はどこでどのような形で受けたのか,またそのときの所感,どういうような率直な思いだったのか,というのを教えていただきたいと思います。

【大臣】
 執行についての具体的内容に関わる質問であり,私の方から答弁することは差し控えたいと思います。

【記者】
 死刑制度の存廃について,法制審議会なのか,場所は分かりませんが,議論を投げかけるなりするお考えが大臣にあるかどうか,また,議論の必要性が,今この時期にあるかどうか,どのようにお考えでしょうか。その理由も併せてお聞かせください。

【大臣】
 死刑制度の存廃に関して具体的な検討をしていくのかという御質問だったと思いますが,死刑制度の存廃については,我が国の刑事司法の根幹に関わる大変重要な課題であり,国民世論に十分配慮しつつ社会においての正義の実現等,種々の観点から慎重に検討すべきものであると思っています。ただ今,国民の世論の多数が極めて悪質凶悪な犯罪については,死刑もやむを得ないと考えている状況です。また,多数の者に対する殺人や強盗殺人等の凶悪犯罪が,未だ後を絶たないという状況もあり,罪責が著しく重大な凶悪犯罪を犯した者に対して,死刑を科すことについては,やむを得ないことであると考えています。死刑の廃止・存廃をめぐり,そうした組織を作って検討するということは考えていません。

【記者】
 大臣は前回の死刑執行の際にも,今日の会見の際にも「鏡を磨いて」という言葉で説明されましたけれども,その鏡に一点の曇りも残っていませんでしたか。

【大臣】
 私がそのような表現をした所について,曇りがあるのかどうかという御質問ですが,私は鏡を磨いて磨いて,そして判断をさせていただきました。それ以上でもそれ以下でもありません。

【記者】
 今いろいろな質問があったのですが,個々の執行については答えられないというお答えが非常に多く,「なぜこの人たちが今」というのが全然分からないのですが,その辺をもう少し情報を公開して個々の事情を出してバランスをとることが必要と思うのですが,情報公開は十分にされているとお思いですか。

【大臣】
 個々の死刑執行の様々な判断あるいはその対応について,私が答弁を差し控えることに対して,もっと情報公開すべきではないかという趣旨の御質問だと思います。死刑については,人の命を絶つ極めて重大な刑罰です。死刑執行の判断に関わることについて,大臣である私からその発言をすること,そのこと自体が死刑の執行を待つ立場にある死刑確定者の心情の安定を害するおそれがあると考えています。従って,個々の死刑執行の判断に関わる事柄については,お答えを差し控えるということが必要ではないでしょうか。
(以上)
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