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トップページ > 広報・報道・大臣会見 > 大臣会見等 > 記者会見要旨 > 平成30年 記者会見要旨 > 山下法務大臣初登庁後記者会見の概要

山下法務大臣初登庁後記者会見の概要

平成30年10月2日(火)

 この度,第101代目の法務大臣を拝命した山下貴司と申します。どうぞよろしくお願いします。
法務省は,国民に最も身近な民法や刑法を始め,各法令の基礎となる基本法制の維持及び整備,法秩序の維持,国民の権利擁護などを任務としています。
 これらは,いずれも,国民生活の安全・安心を守るための基盤となるものであり,我が国にとって極めて大切な任務であると考えています。
 私は,平成の初めから二十数年にわたり,検事,あるいは法務省国際刑事企画官,法務省刑事局付,国際法に関する業務を担う外交官,また,弁護士として,司法や法務行政等の職務に一貫して関わってまいりました。
 また,平成29年8月からは,上川陽子前大臣というすばらしい法務大臣,そして葉梨法務副大臣の御指導の下,法務大臣政務官を務めてまいりました。それだけに,この法務大臣という任務,職責の重さを痛感しているところであり,この度,法務大臣という大変身に余る重責を担うことについて,とても身の引き締まる思いです。
 今回,法務行政の課題について,総理から六点,御指示がありました。一点目,国民に身近で頼りがいのある司法の実現に向けて,司法制度改革を推進すること,二点目,差別や虐待のない社会の実現を目指し,きめ細かな人権救済を推進すること,三点目,関係大臣と協力し,「世界一安全な国,日本」をつくるため,犯罪被害者の支援,刑務所等出所者の再犯防止や社会復帰支援,組織犯罪対策など,社会を明るくするための施策を総合的に推進すること,四点目,我が国の領土・領海・領空の警戒警備については,関係大臣と緊密に連携し,緊張感を持って,情報収集を行うとともに,事態に応じて我が国の法令に基づき適切に対処すること,五点目,一定の専門性,技能を有する外国人材を幅広く受け入れるための新たな在留資格を創設すること,そして,関係大臣と協力して,在留外国人の増加に的確に対応するため,組織体制を強化し,在留管理を徹底すること,六点目,厚生労働大臣と協力して,外国人による医療保険の利用について,加入要件の確認を厳格に行うなど,正当に加入する資格のない外国人の利用が安易に認められることがないよう,適正な運用を確保すること,以上の六点について,総理から御指示を受けました。
 これらは,いずれも国民生活にとって大変重要な課題であると認識しています。
 これまでも法務大臣政務官として,上川前大臣,葉梨副大臣の御指導の下,これらを含む様々な課題にしっかりと取り組んでまいりましたが,今後は,法務大臣として,国民目線で分かりやすく,そして国民の胸に落ちる法務行政を行うべく,法務省5万3,000人の職員,そして関係閣僚の皆様と連携しながら,その職責を果たしてまいりたいと考えています。
私からは以上です。

外国人材の受入れに関する質疑について

【記者】
 改めて外国人材の受入れについてお伺いします。社会の枠組みを大きく変える法案として注目されていますが,どのような姿勢で臨まれますか。

【大臣】
 今回の新たな受入れ制度は,我が国における深刻な人手不足に対応するため,現行の専門的・技術的分野における外国人材の受入れ制度を拡充し一定の専門性・技能を有し,即戦力となる外国人材を受け入れようとするものです。そのためには出入国管理及び難民認定法を改正し,新たな在留資格を創設するなど,所要の整備を行う必要があります。これについては,来年4月の制度開始を目標に,関係省庁と連携して,速やかに準備を進めてまいりたいと考えています。
 また,こうした体制に対応するために,7月24日,「外国人材の受入れ・共生に関する関係閣僚会議」が開かれ,その際安倍総理から「法務省の組織体制の抜本的な見直し」について御指示がありました。これを受けて,法務省において,入国管理局の組織体制を抜本的に見直し,法務省の外局として,「出入国在留管理庁」(仮称)を設ける方向で概算要求を行い,関連法案の検討を行っているところです。
 今後,こうした庁新設が認められれば,より強力に出入国在留管理行政を推進していくことができると思いますので,そうしたことに御理解を得ながら推進してまいりたいと考えています。

死刑制度に関する質疑について

【記者】
 死刑の執行についてお尋ねします。今年7月にオウム真理教事件の執行があったところですが,大臣の死刑執行に臨む姿勢について教えてください。

【大臣】
 死刑制度の存廃は,我が国の刑事司法制度の根幹に関わる重要な問題であると承知しています。国民世論に十分配慮しながら,社会における正義の実現等種々の観点から慎重に検討すべき問題であるということ,これが基本的なスタンスです。
 国民世論の多数が極めて悪質,凶悪な犯罪については死刑もやむを得ないと考えており,そして,多数の者に対する殺人や強盗殺人等の凶悪犯罪がいまだ後を絶たない状況等に鑑みると,その罪責が著しく重大な凶悪犯罪を犯した者に対しては,死刑を科することもやむを得ず,死刑を廃止することは適当でないと考えています。
 

今回の入閣に関する質疑について

【記者】
 当選3回での初入閣ということになりました。大抜擢との評価もありますが,大臣の受け止めをお願いします。

【大臣】
 政治家としてはまだ3回生で,未熟ではないかという自覚があり,法務大臣の職は身に余る重責です。一方で,平成の初めから二十数年にわたり,検事,法務省刑事局付,国際刑事企画官,そして,法務アタッシェなど外交官,あるいは弁護士として,司法や法務行政等の職務に一貫して関わってまいりました。こうした法曹実務家としての経験を踏まえつつ,議員になった後も,先輩議員や同僚議員の御指導を賜りながら,例えば,議員立法として,再犯防止推進法,ストーカー規制法改正法など,8本の議員立法に携わり,また,法務大臣政務官としての職務を遂行してきたところです。
 こうした経験を踏まえていただき,今回,法務大臣という大変身に余る重責を担うことになったものと考えています。総理を始め閣僚の皆様,そして,何よりも国民の皆様の期待に応えられるよう,法務大臣として,国民目線で分かりやすく,国民の胸に落ちる法務行政を行うべく,法務省の皆様と,そして,関係閣僚の皆様と連携しながら,その職責を果たしていきたいと思います。

【記者】
 大臣は石破派から唯一の入閣となりました。改めて受け止めをお伺いします。

【大臣】
 総理は,今回の組閣に当たって,「適材適所」とおっしゃいました。私も適材の一人にならんと,とにかく全力を挙げてその期待に応えようと考えているところです。
 自民党の良さというのは,部会や党本部での議論も同じですが,総裁選では,多様な意見を戦わせ,そして結論が出れば,その出てきた多様な意見については十分配慮しながら,国民や党員の皆様の声もしっかり汲みながら一致結束してやるということであり我々自民党に所属する議員の一致した認識です。
 また,総理からは,新しい国づくりに向けて一緒に頑張ろうとおっしゃっていただきました。それを聞いて「人生意気に感ず,功名誰かまた論ぜん」,つまり,手柄であるとか功名であるとか,そうしたものを考えずに,人生意気に感じて,この一身を,期待に沿うべく,国民のために法務行政に捧げようと思った次第です。そして,石破会長からは,国民のために一心にやってこいと言われました。そうした我々の姿を,是非,国民の皆様にお見せしたいと考えています。
 

検察指揮権に関する質疑について

【記者】
 大臣は特捜部を含め検事の職務も長くやっておられますが,改めて法務大臣になられて,大臣の検察へのいわゆる指揮権についてどのようにお考えでしょうか。

【大臣】
 指揮権に関しては,検察権が行政権に属することから,法務大臣の責任としてやるという要請がある一方で,検察は準司法機関ということで中立性その他様々な要請があり,そうした趣旨を踏まえて,検察庁法14条が定められているところです。私としては検察権の不当な制約とならないよう,極めて慎重の上にも慎重に対応する必要があると考えています。

合意制度に関する質疑について

【記者】
 合意制度を導入する改正刑訴法がこの6月から導入されました。今後の運用に関して大臣の御所感をお願いします。

【大臣】
 合意制度は,一定の財政経済犯罪等を対象として,本年6月1日から施行された新たな制度です。
 一般論として申し上げますが,検察当局においてこれまでの刑事司法の在り方と調和させながら,運用実績を積み重ねてこの制度を定着させていくものと承知しています。合意制度の趣旨等を踏まえつつ,慎重かつ適切に運用がなされていくものと考えています。
 そのために,例えば検察庁においては通達の発出などもしていると承知しています。

家族法制の検討に関する質疑について

【記者】
 上川前大臣は,嫡出推定など親子法制の見直しを掲げられていました。家族法制に関しては夫婦別氏など,いろいろな議論がありますが,現状の認識と今後どのように検討を進めていくか,その辺りの認識をお聞かせください。

【大臣】
 家族法制に関しては,いずれも家族の在り方に関する非常に深い論点を含むものであり,国民の皆様の御理解,御支持なしには進めていくことは出来ないということです。具体的には事務方に聞いていただきたいと思いますが,既に法制審での検討,あるいは法制審の前段階の研究会等で検討を始めているものや実態調査を進めているものもあると承知しています。
 いずれにせよ,こうした幅広い家族の在り方については,国民の皆様のお考えを真摯に受け止めながら,考えてまいりたいと思っています。
 

いわゆるテロ等準備罪の運用に関する質疑について

【記者】
 テロ等準備罪の新設から1年が経過しました。今後の運用についてのお考えをお聞かせください。

【大臣】
 まず大前提としてお伝えしたいのは,いわゆるテロ等準備罪処罰法は,国連加盟国の内186カ国が加盟するTOC条約(国際組織犯罪防止条約)の国内担保法という位置付けであり,これがあって初めてTOC条約に加盟できるため,平成29年7月に施行になったということです。
 テロを含む組織犯罪による重大な被害の発生は,起ってしまってからでは遅く,それを未然に防ぐということが極めて大事ということが,国際的に共通した認識であるからこそTOC条約は国連加盟国・地域のほとんどが加盟している条約だということです。そして,我が国がこの条約の担保法としての,いわゆるテロ等準備罪処罰法を作ることによってTOC条約を締結できたことにより,国際的な逃亡犯罪人引渡しや捜査共助情報収集によって,国際社会と緊密な連携をすることが可能になったということです。
 他方で,適正な運用を確保するための取組は絶対必要であり,法務省としては改正法の適正な運用を図るため,関係機関等へのその内容の周知に努めてまいりました。また,今後とも改正法の正確な内容と適切な運用について,国民の皆様の御理解が絶対に必要であり,その御理解が得られるように努めてまいりたいと思っています。付言しますと,TOC条約の締結によって,条約前置であるとか有効な条約がないために協力が得られなかった,認められなかった,あるいは国際礼譲といった形でしか協力を求められなかった多数の国や地域との間でテロを含む国際組織犯罪について,条約に基づく捜査共助や犯罪人引渡しを相互に求められるということになり,国際協力の枠組みが一層強化されたと考えています。こうした犯罪の対処について,国際協力も推進してまいりたいと考えています。
 

これまでの経歴に関する質疑について

【記者】
 検察官としての経験を今後の法務行政にどのような形で役に立てていくのかお尋ねします。

【大臣】
 検察官として,公益の代表者として,厳正公平に行うということを学びましたし,また,私が検事の時代に,被害者とともに泣く検察,あるいは,広く国民の胸に落ちる検察といったこと,すなわち弱者に寄り添うこと,国民目線で分かりやすく,国民の胸に落ちる説明を行うことの重要性を教えていただいたと考えています。
 私は故あって検事を退官したわけですが,その後も,こうした精神を胸に刻みつつ,職務に当たってまいりました。議員になっても同じです。
今後も,こうした精神を忘れず,法務大臣として,弱者に寄り添い,そして,国民目線で分かりやすく,国民の胸に落ちる法務行政を行ってまいりたいと考えています。

【記者】
 大臣は上川前大臣の下,政務官を務めておられました。その経験を今後どのように生かしていくお考えかをお聞かせください。

【大臣】
 上川陽子前大臣は,国連で採択された持続可能な開発目標「SDGs」(Sustainable Development Goals)においてうたわれている,「誰一人取り残さない社会」を実現するため,ひとつひとつの課題に正面から向かい合っておられました。国民に寄り添い,命と向き合う法務行政,そして国民に分かりやすい国会答弁を誠心誠意努めておられました。そうした素晴らしい上川前大臣,そして,葉梨法務副大臣の御指導,その姿を見ながら法務大臣政務官を務めることができたのは非常に幸福であったと考えています。今後は,上川前大臣,葉梨副大臣に有形無形に教えていただいたことを胸に刻みつつ,総理を始め,閣僚の皆様,そして先輩や同僚議員の御指導,そして国民の皆様のお話を伺いながら,法務省の5万3,000人の素晴らしい職員と一丸となって,法務大臣としての職責を果たしてまいりたいと考えています。

【記者】
 検察官時代の思い出というか,印象に残ったことがあれば教えていただけますか。

【大臣】
 検事時代の事件については,プライバシーに関わる部分もあるので話さないようにしているのですが,被害者,加害者,そして加害者の家族,一人一人の人生の大切さ,そしてそれが犯罪によって,あるいは他の違法行為によって壊されてしまったときの悲しさ,そうしたものを人間として学ぶことが出来ました。そしてそれに対していかに寄り添っていけるのか,そうしたことを考えさせられました。また,検事,あるいは法務省にはそういった方々に対して寄り添って職務を遂行しようという仲間が多くいました。それが私の人生の宝物となっていると考えています。
 
(以上)
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