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トップページ > 広報・報道・大臣会見 > 大臣会見等 > 記者会見要旨 > 平成31年・令和元年 記者会見要旨 > 法務大臣閣議後記者会見の概要

法務大臣閣議後記者会見の概要

令和元年9月10日(火)

 本日の閣議においては,法務省案件はありませんでした。

大臣在職期間の振り返りに関する質疑について

【記者】
 明日(11日)に内閣改造が行われますが,一つの区切りとして,これまでの大臣在職期間を振り返っての御所感をお聞かせください。

【大臣】
 まずは,この1年,支えてくださった法務省の職員の皆様,そしてお付き合いくださった法曹記者クラブの皆様に,心から御礼を申し上げます。ほぼ1年近く,大臣,そしてその前は政務官として仕事をしてきたわけですが,おかげ様で,大臣在任中に提出させていただいた法案については,入管法改正法案を含めて9本全て成立させることができました。
 まず,出入国在留管理関係については,入管法のみならず,これをきっかけに外国人との多文化共生社会に政府を挙げて取り組む体制ができたということです。外国人材の受入れ,そして共生のための関係閣僚会議の共同議長も菅長官とさせていただき,そうした中で,しっかりとした総合的対応策も作らせていただき,法律だけを作ったのではなく,政府を挙げて「選んでもらえる日本」を目指して,共生施策に取り組むこととなりました。その意味で,令和という新たな時代において,令和元年が「多文化共生元年」であると自信をもって言えることについて,関係省庁の皆様を含めて,感謝申し上げたいと思っています。
 入管法改正,そして我が国の多文化共生政策については,海外からも大きな期待を寄せられています。政務官時代を含めると,ベトナム,ミャンマー,インド,インドネシアも,先般行きましたフィリピンもそうでしたが,様々な国からとても大きな期待が寄せられていて,その結果が,二国間取決めであると考えており,特定技能については9か国,技能実習については14か国と,迅速に結ぶことができました。
 そうしたことで,我々が選ばれる国になるように,そして,各国の方々に我が国に来ていただいて,お互いに手を携えて,日本と世界の安定に資する土台を築くことができたと考えています。
 また,民事関係については,民事執行法等の法改正もありました。また,特別養子の関係で民法の改正もありました。いずれも大きな改正でしたが,無事成立させることができました。
 また,所有者不明土地問題,これは大きな大きな問題であり,日本の成長のために必要なものであります。そのためには,国土交通省などの関係省庁も含めた協力の上で,民法,あるいは不動産登記法等の大改正を行わなければなりません。そのための道筋というものは作れたのではないかと考えています。
 また,家族をめぐる多様な人間関係の在り方についても,様々な御指摘がありましたし,児童虐待の防止という点でも,臨時の法制審議会を開いて,諮問させていただくということで,法務省として,迅速に,できる限り対応させていただく体制で臨んだと考えています。
 あとは,例えば再犯防止推進法,矯正関係も「誰一人取り残さない」社会を作るという意味で,大事な施策であると思います。
 人権擁護の関係についてもしかりであります。最近ではいじめ,私はいじめというのは基本的には犯罪だと思ってます。いじめられる方が悪いのではないのです。いじめる方が悪いのです。ですから止めてやらなければいけないのです。そういう思いでいました。ただ,ネットを通じた悪質ないじめ,あるいは人権侵害については取り組まなければならないと考えていますし,その道筋も付けてきた部分はあると思います。
 また,刑事関係については,刑事司法の大改革が私の在任中に完全施行になりました。これも実は党派を超えた努力があったわけです。その中で,日本として刑事司法の大改革を成し遂げられた。その時の大臣であったことに大変感謝しているところです。
 また,訟務関係についても,各省庁における予防司法も含め,しっかりと対応させていただいたということです。
 また,ロースクールですが,これは文部科学省の主管で,我々も共管であったわけですが,それについての改正についても成し遂げられました。
 また,司法外交についてもしっかりとやっていきたいということで,私の在任中に,国連のグテーレス事務総長にもお会いし,アメリカのバー司法長官とも十数年ぶりにトップ同士の会談をさせていただきました。また,様々な形で,様々な国の法務大臣と直接語り合うことができました。そしてそれが,来年4月の第14回国連犯罪防止刑事司法会議(京都コングレス)に結び付けるという道筋を付けられたという意味では,大変有難いと思っています。
 まだまだ語り足りないところはありますが,法務大臣としての至らない私を,本当に皆様が支えてくれました。再犯防止推進計画も,先ほど言ったとおり,自分で法案を作ったものですから,思い入れもあります。一日一日全力投球で今日まで来たことに対して,関係してくださった皆様に心から感謝しているというのが今の心境です。

改正入管法の振り返りに関する質疑について

【記者】
 明日の内閣改造を前にして,一つの区切りとして大臣にお伺いします。法務大臣に就任後,重要法案である改正入管法の成立・施行に御尽力されてきました。いろいろな御苦労があったかと思いますが,当時を振り返っての大臣の思いをお聞かせください。また,政府は成立時,「これからは外国人がどの国で働くか選ぶ時代になる。しっかり日本で働いてもらえる環境を作っていく。」と新制度の円滑な始動に意欲を示しておられましたが,施行から半年を迎えようとしている現状の整備状況をどのように受け止めていらっしゃるのか,また,多文化共生の実現に向けて,今後やらなければならないことは何であるとお考えになるかお教えください。

【大臣】
 入管法については,我が国の深刻な人手不足に対応する必要があったことに加えて,引き続き日本で働きたいという外国人の方の思いもあったわけです。これはもちろん,働いている方もそうですし,加えて,送出国の政権幹部の方々とも意見交換させていただいて,そういう思いを持ったわけです。ですから,そのことについてしっかり対応するため,この入管法改正法案をしっかりと御説明しなければならないという思いで取り組ませていただきました。
 ただ,法律を作っただけでは,ある意味,「仏を作って魂入れず」ということにもなりますので,外国人が多文化共生社会を日本で作るための総合的対応策も必要だということで,それについても取り組みました。
 入管法という法律の構成上,法律ではある程度の骨組みを,その他の部分については省令であるとか,特定技能であれば,基本方針等,要するに法律以下のところに委ねられている部分があります。そうしたところで様々な議論もあったわけですが,まず,国会の御理解をいただいて,法案を成立させていただいて,これから日本が選ばれる国になるために,しっかりとやっていくという意味においては,役に立ったのかなとは思います。
 また,技能実習についても,様々な議論があって,これも平成21年から在留資格として始まったわけです。そして,平成28年,新しい技能実習法ができ,平成29年11月から施行されたということです。
 確かに,技能実習について,適当でない取扱いをする受入機関もありました。それについては,我々としては厳正に対処するという方針で臨んできました。そして,審議では,もちろんその負の部分もきちんとやらなければならないということですが,それを強調するのではなくて,客観的に見ると,非常に評価されている制度でもあります。これは私が諸外国からも直接聞いているところでもあります。これをしっかりと新法の意義に照らしてやっていき,それを踏まえて,出入国在留管理基本計画というものを4月に作っていますので,入管庁としてもしっかり見ていくというところです。そうしたことをきっちりしないと,日本は選ばれないと思います。
 今,人手不足というのは日本だけではありません。少子高齢化というのは,中国でも,台湾でも,韓国でも,様々な国で加速度的に進んでいるわけです。そうした中で,日本でしっかりとした技術を身に付けて,日本で働き,そしてまた母国のためにも貢献しようという方々を日本にしっかりと受け入れて,そして一定期間暮らしていただくことが日本のソフトパワーにつながるのだろうと思います。そうした思いでやらせていただいたということで,施行から半年近く経っているわけですが,様々な制度設計を法務省がやっていくには,法務省も精力的に様々な省令改正などをやって,制度設計には万全を期しているというところです。ただ,これはやはり受け入れる個々の地域であるとか,企業であるとか,そういった方々にもしっかりと伝えていくための取組をこれからも進めていかなければならないので,その取組はしっかりと続けていかなければならないと思っているところです。
 そのために,例えば,法務省としてはガイドブックであるとか,そういったものを作ったりもしているわけですが,更に力を入れて外国人の方に選んでいただける日本,そして一緒に日本を,母国を,地域を盛り上げていくために頑張っていきたいと思っています。

技能実習制度に関する質疑について

【記者】
 先ほども外国人の技能実習の問題にも言及されましたが,少し前に日立製作所に対して改善命令というものを出されました。日本を代表する,お手本となるべき企業でこういったことがあったことについての受け止めをお願いします。

【大臣】
 御指摘のとおり,本年9月6日付けで,株式会社日立製作所に対し,技能実習法に基づく改善命令を行いました。これは,一部の技能実習生に対して,実習計画と異なる作業を行わせていたことから,実習体制の見直し等を求める改善命令を行ったものです。
 ただ,詳細については個別の企業の業務,または個別の組織に対することであるため,お答えを差し控えさせていただきたいと思いますが,今後とも我々としては,そういった改善すべき点については,措置を執っていくということです。そこは大企業であろうが,中・小規模企業であろうが変わりはないということです。

【記者】
 地元の声としては,三菱自動車等に対しては厳しい認定取消し等をしているのに,なぜ日立は改善命令,軽い方の処分なのかということに対して疑問の声が上がっているのですが,その辺りについて忖度や配慮があったのではないかという声もあります。専門家からの声もあります。それについての受け止めをお願いします。

【大臣】
 個別の処分についてはそれぞれの中身,内容に則して行うわけです。それは中身の違いということになるのだと思います。他の省庁もそうだと思いますし,私も法務省あるいはそういったところに勤めて長いので,経験として申し上げさせていただきますと,法務省に忖度とかそういったものはありません。個別の中身についてしっかりと検討した結果なのだろうということです。

【記者】
 最後に1つ,先ほども企業に対してしっかりと守っていくと伝えるとおっしゃっていましたが,これが大手企業で相次いでいるということになりますが,技能実習制度自体が労働力の確保に利用されていて,この制度自体を止めた方がいい,見直した方がいいとの声もあるのですが,見直す予定などはありますか。

【大臣】
 まず,先ほど言ったように,平成29年11月から施行された技能実習法を適切に運用していくことが大事なのだろうと思います。新制度をしっかりと定着させていき,そしてまた,批判があれば適正に対処していくということ,その姿勢を見せることが大事だと思います。「大企業が不適正な行為に及んだから制度ごと止めてしまえ。」というのは私は乱暴な議論だと思います。一方で技能実習というのは,高く評価されている部分があります。私は諸外国に行くと,本当に,日本の技術を身につけて戻ってきて,それで成功している若者の例であったり,まだまだ技術を身につけたいんだという方が結構おられるという話をハイレベルから聞いていますので,そこは貢献していく必要があると思います。例えば,道路などでも日本の道路の技能は全然違いますから。
 ただ,他方でそういった法令に沿わないものがあればしっかりと直していくという意味においては,実地検査もしっかりとやる必要があり,昨年末現在で7,000回以上の実地検査を行っています。母国語相談については少し時期がずれますが,本年6月末までに3,800件あります。実習先の変更支援も70件ほど行っているということで,そういったことも通じてしっかりとこの制度を正しいものとして運用していくということであろうと思います。

ハンセン病家族訴訟原告団の申入れに関する質疑について

【記者】
 先日大臣は,ハンセン病の訴訟の御家族の方々,原告の方々と面会をされました。それについての所見と,御家族が切に望んでいらっしゃる差別・偏見の撲滅に向けて,どのような施策が望ましいと考えておられるのか,それについてお願いします。

【大臣】
 ハンセン病家族訴訟の原告団の皆様に,先日お会いしました。私も原告団の方々がつづられた,「思いよ届け」という資料は前から目を通していたのですが,ただやはり,直接伺うことで,もちろんハンセン病の元患者の皆様も筆舌に尽くしがたい思いをされたと思います。でも,その御家族の方の御苦労について,私は不覚にも涙を流してしまったものです。同じ家族を持つ,あるいは親の名前を匿名にせざるを得なかったその思いは胸に迫るものがありますし,こういうことは二度と絶対に行われてはならないと思っています。そこはこの差別・偏見をいかになくしていくのかというのが我々法務省の使命です。
 そこにおいて,例えば,人権擁護局においてしっかりとやっていくというのもありますし,私も8月末に静岡で開かれた,「親と子のハンセン病についてのシンポジウム」にも出席させていただいたわけです。差別あるいは偏見というのは人の心に根付くもので,そこに働きかけるというのは容易ではありませんが,差別・偏見を受けた側の,本当に胸が張り裂けるような思いであるとか,取り返しのつかない日々であるとか,そういうことに思いをいたすときには,それが困難であるということで逃げるわけにはいかないし,正面から,全力を尽くして,法務省としてはやっていかなければならないと思っています。
 こうした教育についても,文部科学省と一緒になってやっていきたいと思いますし,関係省庁と連携しながらいわれのない差別・偏見というものをなくしていきたいと思っています。

共同親権に関する海外調査に関する質疑及び上野厚労政務官の辞任に関する質疑について

【記者】
 先ほどのこれまでを振り返った所感として,家族をめぐる在り方について話されていたと思いますが,法務省から外務省に依頼する形で,共同親権の海外の事例について調査をされていたと思うのですが,それの結果について,7月末までには回答されるということで進んでいたと思います。その辺りはどうなっているのかということと,今後の親権問題について,現在どんな進捗があるのかということをお伺いしたいと思います。
 また,外国人技能実習制度の話で,先日週刊誌の報道で厚生労働政務官が示談金を受け取っていたという報道がありました。それでその方は辞職されて,実際に金銭の受け取りがあったかどうかということは把握はされているのでしょうか。

【大臣】
 共同親権をはじめとする家族法制の問題ですが,御指摘の離婚後の親権の在り方であるとか,離婚後の親子関係の在り方といったところで総合的に検討していくのだろうと考えています。そして,共同親権の親権の中身についても,いろいろな法制で,「何が親が決められるのか」というものがあろうかと思いますので,そこについて調査をしているところです。
 私の手元には最終的な結論というか,調査結果はまだ上がってきていません。というのは,やはり,それぞれの諸外国について精査し,その上できちんと上げるよう言っているためです。ただ,いずれにしてもそういった諸外国の海外法律事情をしっかりと把握した上で,様々な対応を考えていくことは大事なことであろうと思いますので,今後そういったものがまとまって,あるいは,そういったものに応じてどういった対応をするのかが決まり次第,御報告ができることがあると思います。
 また,2点目の御質問の問題ですが,これは,個々の政治家が自らの行動についての説明責任を負うと私は考えています。そのため,それについて私から述べるところは差し控えさせていただきますが,一方で,入管行政においては,法令に基づいて適正に行っていると私は承知しています。
(以上)
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