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トップページ > 広報・報道・大臣会見 > 大臣会見等 > 記者会見要旨 > 平成31年・令和元年 記者会見要旨 > 法務大臣閣議後記者会見の概要

法務大臣閣議後記者会見の概要

令和元年10月1日(火)

 今朝の定例閣議におきまして,法務省案件はありませんでした。
 閣議の前に,第33回観光戦略実行推進会議,そして閣議後に,第5回TPP等総合対策本部会合が開催され,私が出席いたしました。
 続きまして,私から1件報告がございます。
 お手元に資料が行き渡っていると思いますが,送還忌避者の実態について,私から公表させていただきます。
 今日は,既に我が国から退去が決定しているにもかかわらず,頑なに送還を忌避している外国人の実態,そしてこの問題の重要性について御理解いただくため,現状を私から国民の皆様に率直にお話しをさせていただくことといたしました。
 近年,訪日外国人旅行者が急増しております。また,本年4月からは,在留資格「特定技能」による外国人材の受入れを開始するなど,日本における出入国在留管理行政は新たな局面を迎えております。
 こうした中で,退去強制令書の発付を受けたにもかかわらず,様々な理由で送還を忌避する者がおり,それらの存在が,迅速な送還に対する大きな障害となっているばかりでなく,収容の長期化の大きな要因となっております。
 出入国在留管理行政にとって最後の砦は退去強制業務です。これが機能不全となれば,日本の出入国在留管理制度の根幹を脅かし,ひいては,日本の社会秩序,そして治安にも影響を与えることにもなりかねません。
 そこで,本日このような形で国民の皆様にお話しする機会を設けさせていただきました。
 また,本年6月には,大村入国管理センターにおいて送還を忌避し,摂食や治療を拒否していたナイジェリア人男性が死亡する事案も発生しております。
 この事案につきましては,出入国在留管理庁が別途調査結果報告書を公表する,そのように報告を受けております。その詳細は,同庁にお尋ねいただければと考えます。
 それでは,お手元にお配りした資料を順に御覧ください。
 まずは1ページ,送還忌避者の実態です。
 令和元年6月末現在,退去強制令書の発付を受け収容中の者は1,147人,収容後の仮放免中の者は2,303人となっております。収容中の1,147人のうち,送還を忌避する者は858人と多数に上っています。
 この数値や,これからお示しする数値は全て速報値でありますので,御留意ください。
 2ページの送還忌避収容者の犯罪状況等について御覧ください。
 送還を忌避する被収容者858人のうち,入管法違反以外の罰則によって有罪判決を受けた者が366人,退去強制処分を複数回受けた者が189人,仮放免中の逃亡等により仮放免が取り消されて再収容された者が152人です。
 これら我が国社会の安全・安心を脅かすおそれのある者の総数は,重複分を除きますと492人に上り,送還忌避者の57パーセントを占めています。
 3ページを御覧ください。
 送還を忌避する被収容者858人のうち,68%,582人は難民認定申請を行ったことがあります。そのうち,複数回の申請に及んだ者が303人,退去強制令書の発付後に初めて難民認定申請を行った者が205人です。
 法律上,難民認定手続中は一律に送還が停止されることとされていますので,これに着目して申請に及んでいる者が,少なからず存在することが考えられます。こうした難民認定制度の濫用的な利用者の存在が,早期送還に大きな支障となっています。
 次のページ,4ページを御覧ください。仮放免中の者の逮捕事案等についてです。
 平成30年1月から令和元年6月末までに,警察等から入管法違反以外の罰則により逮捕された旨通報があった仮放免者は109人に上ります。
 さらに,仮放免中に逃亡して所在不明となり,仮放免が取り消されて手配中の者は,平成26年末の96人から令和元年6月末には332人であり,およそ3.5倍に急増しております。
 次のページを御覧ください。
 こういった仮放免中の者が関与して社会的な耳目を集めた事件をこちらに掲載しております。例えば,名古屋で発生した事例1のイラン人集団暴行死事件,そして事例4,神奈川県における警察官殺人未遂事件といったことがあり,このほかにもこのページに記載した凶悪事件が発生しております。
 6ページ,次のページを御覧ください。
 今,全国の入管収容施設で,仮放免許可を求めて拒食事案が急速に拡大しております。
 これまでに何らかの拒食に及んだ者は,令和元年9月25日現在,198人に上っています。
 このうち,113人は既に拒食を終了しましたが,今なお36人が拒食継続中,19人が仮放免後逃亡して所在不明,17人が仮放免中などとなっております。
 また,本年7月,東日本入国管理センターにおいて拒食者に対する仮放免を許可して以降,拒食事案が,この棒グラフのとおり急増していることがよくお分かりいただけることと存じます。
 一旦仮放免した者であっても,健康状態の回復が認められる場合には,早期に再収容することとしておりますけれども,仮放免中に逃亡してそのまま所在不明となる者も少なくありません。
 拒食の後に仮放免されて逃亡した者の割合は,全ての仮放免を受けた者のうち逃亡した者の割合と比べ非常に高くなっております。もう一度繰り返します。拒食の後に仮放免されて逃亡した者の割合は,全ての仮放免を受けた者のうちで逃亡した者の割合と比べて非常に高くなっております。
 このことから,拒食を思い立った者の中には,そもそも仮放免後の逃亡を当初から企てていた者が相当数存在する可能性を排除できないと考えております。
 今日お配りをした資料の概説は以上です。
 私は,このような状況を踏まえて,まず,就任早々,現行制度の中でも取り得る方策を総動員して,この送還忌避にまつわる問題・課題,この解決,それを出入国在留管理庁に対して指示いたしました。
 さらに,第7次出入国管理政策懇談会の下に「収容・送還に関する専門部会」を設置し,その場においては,現状・課題を踏まえつつ,法の整備を含む具体的な方策について,しっかりと御議論・御検討をしていただく,そう期待をいたしております。
 今後,適正手続にも十分に配慮しながら,送還忌避者の収容・送還問題,この解決を図っていきたい,そう考えています。

「特定技能」が開始して半年が経過したことに関する質疑について

【記者】
 本日10月1日で,新たな外国人受入制度「特定技能」開始からちょうど半年となります。改めて,現在の受入れ数への所感と,今後さらに受入れ人数を増やすためにお考えになっている施策を教えてください。

【大臣】
 9月27日現在で,申請等を行っている方は,2,242人,そのうちで特定技能の許可を受けた方は376人です。これは6月末の数(20人)と比較しますとおよそ20倍近くまで増加しております。
 さらに,各分野の試験合格者も2,323人となっております。
 このように,いずれの数も伸びてきており,特定技能の資格を有する外国人の数は,今後とも着実に増加していく見込みだと考えております。
 先だっての合同取材でも述べましたけれども,いわば小さく産んで,そして大きく育てていくということで,着実に制度の周知,あるいは運用,また,特定技能制度の運用の改善を不断に,ずっと行っていく必要があると。そして,日本で是非活躍をしたいという意欲のある外国人の方々に,積極的にこの制度を利用していただくように,これから法務省として力を尽くしてまいりたい,そう考えております。
 また,14分野に関わる所管の官庁の皆さんとも,しっかりと連携を密にしながら,法務省に与えられた総合調整の役割を果たしていく,そう考えています。

送還忌避者に関する質疑について

【記者】
 冒頭に発表いただいた送還忌避者の現状についてですが,大臣のお考えとして今回いろいろデータを発表していただきましたが,観点としては犯罪防止であるとか治安維持などであると思います。その辺りの思いといいますか,意義をお願いいたします。

【大臣】
 まず,送還忌避者の問題につきましては,今年6月の関係閣僚会議で決定されました「外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策の充実について」の中にも明記されておりました。安倍政権としても重大な課題であると,そう認識しております。そして,そういった今のこの問題を取り巻く実態・実情について,是非,国民の皆様に知っていただきたい,そして御理解いただきたい,そういう思いで自分自身が発表するということを決意いたしました。
 就任早々,関係の部局から,この送還忌避者についての問題,あるいは実態について報告を受け,私自身,正直言いまして驚いた部分があります。そういったことについて,先ほど御質問のありました「特定技能」制度もしっかりとこれから運用して,改善して,そして拡大しなければならない。また,過去最高水準の訪日外国人観光客,そういった数も記録しております。そういう大きな文脈の中で,日本社会の中で,今日現在も,残念なことですけれども,所在不明の方々がいると,そういった実態について,是非,国民の皆様にしっかりと知っていただく,そしてその上で,でき得る政策手段,現行の制度でも執り得る手段があります。それについては最大限,運用として実施をしていく,これは既に指示をいたしました。また,先ほど述べました専門部会におきましても,実態を踏まえながら,法整備を含めた様々な対応策,これを作り上げていくということ,これらを是非知っていただきたいという思いで,今日は発表をさせていただきました。

大村入国管理センター被収容者が死亡したことに関する質疑について

【記者】
 大村入管センターでの死亡事案の内部調査結果についてです。調査結果によると,死因は飢餓死であるとか,センターの対応に問題はなかったというような結論になっていたかと思いますが,調査結果の内容についての大臣の受け止めと,再発防止策について大臣のお考えを改めてお願いします。

【大臣】
 まず,今回の事案が発生したということは,大変重く受け止めております。その上で,一部には今回の公表まで時間がかかったのではないかという御指摘もあるようですけれども,できるだけ事実関係を,可能な限り慎重に,そして丁寧に解明をし,そして同時に,再発防止策も併せて報告をしなくてはいけないということで,特に,大村センターの対応におきまして,専門的な知見を有する第三者的な立場の医師からも聞き取りをどうしても行う必要があり,その日程調整などで一定の時間が必要だったと承知をいたしております。再発防止ということでありますけれども,これも既に入管庁から公表する再発防止の報告書,この再発防止策を着実に実施するように私から指示をいたしました。例えば,拒食者の健康状態の変化,特に生命への危険の兆候などに関する知見の組織的な蓄積及び共有,それから,被収容者に対する周知・説得,あるいは心理的な相談,カウンセリングなどを積極的に実施するとともに,必要に応じて精神科の診察を行う。特に,常勤医師の継続的な確保のための取組といった強制的な治療に関わる体制の整備については,入国管理官署だけでなく,矯正局を含めて,全省を挙げて実施をするということについても指示をいたしました。
 また現場では,常勤のお医者様がなかなか確保できないという深刻な状態が現に存在をいたしておりますので,明日,日本医師会の横倉義武会長にお会いすることにしておりますので,医療界からも,こういった常勤医師の確保について,是非とも御支援,そして御協力を頂戴したいという御相談を自分自身からさせていただくことにしております。
(以上)
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