法務大臣閣議後記者会見の概要(平成21年1月16日(金))
平成21年1月16日(金)
おはようございます。
年始の会見でも申し上げましたが,公訴時効制度については,現在,被害者の方々を中心として,殺人等の凶悪・重大な犯罪について見直しを求める声が寄せられています。そこで,この点に関する様々な御意見を参考にしながら,殺人等の凶悪・重大な犯罪に関する公訴時効制度の在り方等について検討をしてまいりたいと考えています。具体的には,省内において勉強会を開催して検討していきたいと考えているところです。この勉強会については,私以下,副大臣及び政務官に加え,刑事局長,官房審議官などで構成し,月1回程度開催するとともに,政務官を座長とするワーキンググループを開催して精力的に検討を進めてまいりたいと思います。この勉強会において,公訴時効制度の趣旨等の基本的な理解や,公訴時効に関する事件の実情等を踏まえて,公訴時効制度の在り方について,様々な観点から検討を加えていく予定にしています。
【来年度予算案の税制改正関連法案の附則に関する質疑】
Q:来年度予算案の税制改正関連法案の附則に消費税の増税方針を明記するかどうかということをめぐって,自民党内で選挙にマイナスになるということで慎重論が出ているのですが,大臣御自身はこれは盛り込むべきだとお考えでしょうか。
A:私は,既に自民党,更に与党内で意思決定がなされているところで,閣議決定もされていますので,中期プログラムに沿って,附則に明記するべきだと考えています。
Q:中には造反を示唆するような議員もいるのですが,党内融和よりも優先すべき課題だとお考えでしょうか。
A:私は,そう考えるということです。最終的には総理が御判断することですから,それ以上申し上げませんけれども,私個人としては,強く思っています。
【児童ポルノ規制に関する質疑】
Q:児童ポルノ規制をめぐって,先日,日本ユニセフ協会の大使を務めるアグネス・チャンさんらが,与野党の政調会長とか各代表に向かって早期の法改正を要請しました。しかし,現実には与野党対立のあおりで,法案修正の協議というか法改正の動きがストップしたままなのですが,この現状について,大臣いかがでしょうか。
A:私も誠に憂慮すべき事柄であると思っています。先般の予算委員会においても,松あきら議員からも御質問を受けまして,答弁を申し上げましたけれども,そういった事態を踏まえて,この問題解決のため,早急に対処するために,とにかく国会で十分な御議論をいただくことが,まず望まれるわけですけれども,そこで出た結論に沿って,法務省としても積極的に協力していきたいと考えているところです。
Q:持っているだけという単純所持について禁止することは,自民党内での立法過程の段階で慎重論があったのですが,大臣御自身は単純所持を禁ずることについてのお考えはいかがでしょうか。
A:大事な問題ですので,私の立場で,ここで個人的な意見を申し述べるのは差し控えたいと思いますけれども,やはりその辺が一番の論点だと思いますので,しっかりとした議論をしていただいて,禍根を残さないように,しかも現状が改善されるような方向の結論が出ればいいと望んでいます。
【鴻池内閣官房副長官の女性問題に関する質疑】
Q:鴻池内閣官房副長官に対する女性問題が週刊誌に報じられました。カードキーを貸与していたことが報道であり,野党の一部では辞任すべきだという意見があったのですが,大臣御自身はどういった責任をとるべきだとお考えでしょうか。
A:それは,昨日,御本人が記者会見をされて,総理のお考えも示されて,官房長官から御沙汰もありましたので,私としては,それ以上,私の立場で申し上げることはありません。
【不法滞在の両親の子どもの処遇に関する質疑】
Q:不法滞在で,両親が国外退去を命じられている子どもの問題で,多くのケースが一家全員で国外退去,もしくは子どもだけ残りなさいという二択を迫られていて,実際,13歳の子どもが1人で日本に残ることが現実的に可能であると思われるでしょうか。大臣のお考えをお聞かせいただいてよろしいでしょうか。
A:あくまでも一般論としてお答え申し上げたいと思います。すなわち,個別の事案をイメージされているかもしれませんが,それについては,コメントを差し控えますけれども,未だ監督とか保護,あるいは養育を必要とする未成年の子であっても,親以外の適切な監督者あるいは保護者による監督,保護,養育の下で学業を継続したいという申し出がある場合には,そうした事情を含めて,個々の様々な事情を総合的に勘案して,条件が整えば,在留特別許可の許否判断を,それにしても慎重に行うことになると思っています。
【公訴時効制度の勉強会に関する質疑】
Q:勉強会についてなのですが,具体的にはいつから始めるのかということと,それからいつまでにどういう形の結論なり,方向性を出すかということを考えていらっしゃいますか。
A:いつから始めるかというのは,まだ具体的に決めていませんけれども,そんなに先のことではなくて,それからいつまでにというのは,年度内にということを目標にしています。ただ,そこで出るアウトプットというのが,要するに公訴時効制度についての在り方の論点の洗い出しということを目標にしていますから,そういう意味でのアウトプットの期限は,一応,年度末をメドにしています。
Q:そうすると,最終的な形としては,論点を洗い出した報告書のようなものを作られるというイメージですか。
A:アプリオリに結論ありきで取り組むわけではありませんし,これは,やはり総合的な判断が必要ですので,勉強会で論点を洗い出して,その上でまた,その後の取り運びを考えたいと思っています。
Q:そうすると,今回の最終的な3月末の段階では,方向性については,何か打ち出されるお考えはあるのですか。
A:方向性を打ち出すかどうかについても,その時点で,検討の結果を踏まえて,考えたいと思っています。
Q:勉強会が月1回程度の開催があって,それからワーキンググループもあるということなのですが,その関係と,そのワーキンググループのケースというのは,どういう場合がありますか。
A:勉強会を月1回程度開催するというのは,言わば,親委員会のようなイメージで,私を先頭に,関係者が,副大臣,政務官も入った組織体を考えていまして,ワーキンググループについては,早川政務官を座長として,これは,適宜必要に応じて,もうちょっと細かいインターバルで開催してもらって,検討を進めてもらいたいと思っています。
Q:この公訴時効に対しての問題意識として,大臣としては,一番大きなところは,どういうところに注目されているのですか。
A:それは,やはり被害者の心情,そういうこともあります。それからやはり,随分,科学技術も進歩しましたので,いろいろな捜査,あるいは証拠等についても,何十年前とは随分違ってきていると思うのです。やはり現時点において,そういった制度をもう一度,再検討してみることが必要であるということが,そもそもの問題意識であります。
Q:結論ありきではないということですけれども,場合によっては,これをたたき台として,法制審議会にかけるということもあり得るのでしょうか。
A:可能性としては,あり得ると思いますけれども,それを法制審議会にかけるという前提でやるわけではないということを申し上げています。
【北九州自立更生促進センターに関する質疑】
Q:北九州の自立更生促進センターが,1月9日に開所工事ということがあったのですけれども,一部で反対があるということですけれども,開所の見通しについてお聞かせ願います。
A:お尋ねの北九州自立更生促進センターですけれども,地元の自治会等からの理解が得られたものですから,昨年11月に着工することを予定していました。しかしながら,御指摘のように,地元の一部の事業者団体から地域の安全面に関する不安を理由とする反対の意見表明がありました。そこで,着工を延期した上で,要望をさらにお聞きをしまして,安全策を策定して,当方から説明を行ったところ,概ねの理解が得られたと受け止めまして,本年1月9日に着工したところです。今後も地元の方々と,継続的に安全策等について協議することで,引き続き地元の御理解を得られるように努めてまいりたいと思っています。
Q:開所の時期はいつ頃ですか。
A:地元との関係もありますが,5月より手前は無理ということです。
(以 上)