法務大臣閣議後記者会見の概要(平成21年3月3日(火))
平成21年3月3日(火)
おはようございます。
本日の閣議で,総務大臣から「外国人が快適に観光できる環境の整備に関する政策評価」をとりまとめ,国土交通省と法務省に対して,改善の勧告を行った旨の報告があり,この件に関して,私からも発言を行いました。政府としては,平成22年までに訪日外国人旅行者を1,000万人にするという目標を掲げて取り組んでいますが,順調に増加していた訪日者数が平成20年8月以降は,対前年同月比で減少に転じており,今後も世界的な景気後退等が続くようであれば,この目標達成が困難となる可能性があります。政策評価では,ビジット・ジャパン・キャンペーン事業のより戦略的な実施や,国際空港における入国審査待ち時間の更なる短縮化などが必要であるとされています。私からは,法務省は従来から円滑な入国審査の実施に取り組んでいるところですが,今回の政策評価を踏まえ,関係省庁との連携を図りつつ,犯罪者等の入国を水際で阻止する厳格な姿勢を保ちながら,引き続き入国審査官を機動的に配置することなどによりまして,円滑な入国審査を実施して,政府目標の実現に協力していきたい旨を申し上げました。なお,本件については,国土交通大臣からも観光立国に向けた取組みを進めるとの御発言がありましたので,併せて申し添えさせていただきます。
【外国人が快適に観光できる環境の整備に関する政策評価に関する質疑】
Q:具体的に法務省として現時点で考えていらっしゃる取組みというのがありましたら,もう少し教えていただけますか。
A:今申し上げましたように,法務省においては,観光立国を推進する立場から円滑な入国審査に努め,入国審査における審査待ち時間の短縮に取り組んでいるところです。自動化ゲートですとか様々な新たな試みをしていますし,一方,外国人テロリスト,犯罪者や不法滞在を目論む者などの入国を水際で阻止するということも申し上げましたけれども,従来から偽造・変造文書対策を強化するなどして,厳格な入国審査にも努めています。いずれにしましても,法務省としましては,今回とりまとめられた政策評価書の内容を踏まえまして,引き続き入国審査官の機動的また適切な配置などによって厳格な姿勢を保ちながら,円滑な入国審査を実施して目標達成したいと考えています。
【定額給付金に関する質疑】
Q:昨日,麻生首相が定額給付金について受け取るということを明言されました。これまでは,いろいろ発言が変わったということも含めて,野党からは発言のブレを批判する声もあるのですが,この発言についての受け止めと,それから大臣御自身の給付金についての考え方を改めて伺えますでしょうか。
A:私は,前から定額給付金の趣旨を踏まえて適切に対処しますと申し上げてきたところですけれども,そのとおりに受け止めていただければ結構です。総理の御発言については,定額給付金というのは生活支援と,要するに消費喚起と,二つの目的があるわけですけれども,定額給付金の創設当初から関わった総理としては,やはりその時点から比べると重点がちょっと変わってきたと思うのです。やはり経済情勢の変化に伴いまして,重点がちょっと変わってきたということもありますから,そういう意味で,消費喚起という方を重視されて今回の発言につながったと私は受け止めています。いずれにしても,ある時点になって判断するということはかねがねおっしゃっておられたように思いますので,その時期が来たのだろうなと思っています。
Q:定額給付金ですが,趣旨を踏まえて適切に対処するということは受け取ると考えてよろしいでしょうか。
A:受け取って使います。干天の慈雨であります。
Q:使い道というのは,何かお考えですか。
A:そういったことを含めて適切に,いただいてから考えたいと思います。干天の慈雨というのは,懐不如意なところにそういうのをいただいてたいへん嬉しいという意味です。
Q:以前は,公にする必要がないというようなお立場だったと思うのですが。
A:私は,そうは思っていますけれども,党の方針もあり,言ってはいけないことでもないので申し上げました。
【公訴時効制度に関する質疑】
Q:週末に,殺人事件の被害者遺族の方たちが時効の撤廃を求める会を結成されました。改めて国に対して時効の撤廃などを働きかけるということなのですが,法務省でも今これについての勉強会が続いているかと思いますけれども,改めて遺族の訴えをどう受け止めて,今後の政策に反映させるつもりでいらっしゃるか教えてください。
A:そういう声が高まってきているということを受け止めまして,また,科学技術の進歩等々も勘案して,法務省でも省内の公訴時効についての勉強会を始めたわけですけれども,折りしも,先週,殺人事件の被害者遺族の方々を中心にした「宙の会」という団体を作られたということを承知しています。公訴時効制度については被害者の方々を中心として,殺人等の凶悪重大な犯罪について見直しを求める声が既に多く寄せられているところでして,この「宙の会」が,報道されたような御要望を示されたことについて,この勉強会における検討等の中で参考にさせていただきたいと考えています。
Q:勉強会についてなのですが,当初3月末までに報告をまとめる予定ということだったと思います。その予定については変わりませんでしょうか。それから報告については,どんな形で公表されるつもりでいらっしゃいますか。
A:今言われましたとおり,本年度末に何らかのアウトプットが出せるように鋭意努力しているところです。ただ,どういう形のアウトプットを出すかということについては,それも含めてこれから検討していきたいと考えています。
【フィリピン人一家3人の強制退去に関する質疑】
Q:先週の話になるのですが,フィリピン人の一家が,在留特別許可を求めていた問題で,3月9日までに全員帰国するか,あるいは長女について,改めて在留特別許可の申請をするかということで,態度を表明しなければ,仮放免の再延長はしないということが伝えられたという話だったと思います。これについて,代理人の弁護士の方から,国連の人権理事会から対応を求められている現状があるので,この判断を待ってからでもいいのではないかという声もあったのですが,この点についてどうお考えでしょうか。
A:今の件ですけれども,国連人権理事会の移民の人権特別報告者及び教育の権利特別報告者より,わが国に対し,情報提供要請がなされたということは承知しています。本件要請に対する回答については,現在関係省庁間で協議中でありまして,政府としては早急に回答を作成し,国連に提出したいと考えています。なお,本件要請は,カルデロン一家に対する退去強制手続き等に係る事実確認等に関する情報提供を内容とするものでありまして,退去強制手続きの停止や在留特別許可を求めるものではないわけでして,今申し上げている退去に向けてのこちらからの措置の内容が変更されることはありません。
【岡山県の弁護士費用の不正請求に関する質疑】
Q:先週,法テラスで会見された話なのですけれども,岡山県の弁護士費用の不正請求の件で,3年契約しないという一番重い処分が出たというお話だったのですけれども,これに関する受け止めと,改善策として,あのときはあまり具体的にはおっしゃらなかったのですが,今後,接見したときの証明などをもらっておかなければいけないと考えているというようなお話がちょっと出たのですが,今後の対策について,もうちょっとこうすべきではないかとお考えのことがあれば。
A:これは,もちろん弁護士による国選弁護報酬の過大請求というのはあってはならないことであって,たいへん遺憾なことだと思います。ただ,あくまでも,主体は法テラスですので,今後このような事案が二度と発生しないよう,法テラスにおいて実効性の高い再発防止策が講じられると思いますけれども,法務省としてもそのために最大限の協力をしていきたいと考えています。
【衆議院解散に関する質疑】
Q:与党内から解散の時期とか選挙の時期を巡って,古賀さんですとか石破さんが,こういった時期がいいのではないかといったような発言をされていますが,こういった発言に対する受け止めと,こういった発言が出ることについては,どのようにお考えですか。
A:それぞれたいへん練達の皆様ですから,いろいろな考えの下におっしゃっているのだと思いますけれども,私としては,解散というのは,優れて総理の専権事項ですので,私からあれこれ申し上げるつもりはまったくありません。
(以 上)