法務大臣閣議後記者会見の概要(平成21年3月6日(金))
平成21年3月6日(金)
おはようございます。
本日の閣議において「出入国管理及び難民認定法及び日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法の一部を改正する等の法律案」が決定されました。本改正法案は,外国人の公正な在留管理を行うため,法務大臣が必要な情報を継続的に把握する制度を構築するとともに,適法に在留する外国人の利便性を向上させるための措置を行うことを目的とするものです。今後は,国会において御審議いただき,速やかに成立することを期待しております。
【民主党小沢代表の秘書が逮捕された件に関する質疑】
Q:民主党の小沢代表の秘書が,東京地検特捜部に逮捕された事件を受けまして,総選挙が近づく中で最大野党の党首に捜査が及んだということで,民主党の方から政府与党の陰謀だとか,国策捜査だというような批判が出ているわけなのですが,法務・検察批判にもつながるものだと思うのですけれども,こうした発言についてどう受け止められますでしょうか。
A:検察当局は,常に法と証拠に則って,厳正公平かつ不偏不党を旨に,対象がどなたであれ刑事事件として取り上げるべきものがあれば取り上げて対処していると思っています。したがって,検察当局がこれからも適切に対処すると信じていまして,全くそういった謗りを受けるところは一点もないと明白に申し上げます。
Q:衆議院選挙を控える中での逮捕ということで,捜査当局は,事件の概要について,もっと説明すべきではないかという声がありますが,捜査当局の説明の仕方について,どうお考えですか。
A:今まさに捜査中の事案ですから,私からコメントするのは差し控えたいと思います。そうは言っても,一般論というか私の個人的なことで言えば,政局とか衆議院選挙とかいうことで,要するに,もうちょっと説明してくださいということであれば,そういうこともあるのかもしれませんが,時期は,その判断と決定的な因果関係があるものだと私は思いません。
Q:もう少し説明したほうがいいというようなお考えはありますか。
A:それは検察当局において,適切に対処してくれればいいと思っています。私からとやかく申し上げるつもりはありません。
【フィリピン人一家3人の強制退去に関する質疑】
Q:埼玉県のフィリピン人一家のカルデロンさん親子の仮放免の期限が週明けの3月9日に迫っていると思うのですが,これまで一家全員での在留は認めないけれども,長女については勉強を続けたいということであれば,監護者がいれば在留を認めるという方針を示されていると思うのですが,こうした判断について変更はございませんか。
A:まったく変更はございません。特に申し添えるならば,基本的には家族そろって国外退去していただくというのが方針ですけれども,この事例については,特に日本で子どもさんが学業を続けたいという強い希望をお持ちであるという事情などを斟酌し,加えまして,すぐ近場におじさん,おばさんが3人おられるのです。多くの支援者もおられることですから,そういった適切な監護というか保護あるいは養育の環境を作っていただけるならば,その子どもさんに限っては在留特別許可を出してもいいということも申し上げています。
Q:親子を引き離すことについては,人道的な面,人権を考えて批判もあるわけなのですが,その点についてはどうお考えですか。
A:それはこちらが引き離すわけではなくて,こちらは3人揃って帰国していただくということを申し上げているのであって,御当人が特に望むならば,かつ,身寄りの方もあることですから,そういった方の保護あるいは養育の環境を整えていただけるならば,残っていただいても構わないということで,それは御本人の選択です。ですから,こちらが引き離すということは全くするつもりはございませんし,それからまた更に付け加えるならば,お子さんについては,これで正式な在留資格が得られますので,これから先,そのあとは,自由に日本を出たり入ったりしていただくことができるようになります。ですから,フィリピンに帰って,お父さん,お母さんに会いたければいつでも帰れますし,それから,もちろん再入国許可を得ていただかなければいけませんけれど,いつでも帰れるし,また,御両親も本来であればこういった格好で退去していただきますから,5年間は再入国できないわけですけれども,それはもうちょっと柔軟に,例えば1年くらい経てば,あるいはそれを待たずしても,一時的に子どもさんに会いたいということで入国されるということであれば,上陸特別許可を出すこともやぶさかでないと思っています。
Q:家族を引き離すということについて,過去にオーストラリアのケースで,国連の規約人権委員会から家族を引き離すことは,自由人権規約に違反するのだという勧告がなされています。これは,単に出入国管理法違反だけでは,定着している家族を引き離す理由には足りないのだという理由だそうなんですが,今回の入国管理局の決定は,国際ルールに違反しているということになりませんか。
A:繰り返し申し上げますけれど,こちらは,家族を引き離す気持ちはまったくありません。ルールに則って,家族揃って国外退去してくださいということを申し上げていますので,それに違反するという批判は,全然当たらないと思います。ただ,要するに御本人が,特に日本に在住して学業を続けたいということであれば,そういったおじさん,おばさんが近くにいるのですから,そういった方々に面倒を看てもらって,日本に子どもさんだけ残りたいというのであれば,在留特別許可を出しましょうと。私共としては,随分と事情を斟酌した判断であると思っています。こちらが,全然引き離すつもりはありませんから。
Q:地元の蕨市の市議会も全会一致で家族3人で認めるべきだという意見書を出していますがいかがでしょうか。
A:それは,私が判断することですから。
【袴田死刑確定者に関する質疑】
Q:冤罪を訴えている袴田事件の関係なのですが,今週,東京家裁で,袴田死刑確定囚の姉に保佐人の資格を与えるという判断が出たかと思うのですが,死刑確定囚の判断能力が十分ではないということを裁判所が認めたような形になっていると思うのですけれども,一方で,刑事訴訟法で心神喪失者については,死刑の執行を停止することができるという規定もあるかと思うのですが,今後どのような対応をされますでしょうか。
A:あまり個別の事案に言及するのは避けたいと思いますけれども,私共としては,心神喪失の状態に立ち至っているとは受け止めていません。
(以 上)