法務大臣閣議後記者会見の概要(平成21年3月10日(火))
平成21年3月10日(火)
おはようございます。
【フィリピン人一家3人の強制退去に関する質疑】
Q:フィリピン人のカルデロンさん一家が在留特別許可を求めている問題で,東京入国管理局が,昨日,父親のみの身柄を収容しました。今回,父親のみということになったわけなのですが,この判断についてはどういう理由からこういう収容になったのでしょうか。
A:この一家に対しては,3人での在留は認められないものの,長女については,適切な監護・養育者の下で学業を続けさせたいとの理由から,特に在留を求めるのであれば在留特別許可をしてもよいとこれまで何度も申し上げてきたとおりです。昨日,一家の両親が東京入国管理局に出頭した際に,係官からその旨と併せて,少なくとも両親の今月中の帰国意思が示されれば,帰国日までの仮放免許可を認める旨を伝えて鋭意説得をしました。しかし,こうした説得は聞き入れられず,あくまでも一家3人で在留を求めるということでありましたので,父親を収容し,母親と長女に対しては3月16日まで仮放免許可しました。父親のみを収容し,母親と長女について仮放免を許可したのは,未成年者である長女への配慮,帰国について関係者等と相談していただく必要があること,そして帰国へ向けての準備をしていただく必要があることなどを総合的に勘案したものです。今週中に一家から昨日の説得に応じた意思が示されることを期待しています。
Q:昨日の代理人の弁護士の会見の中で,国連人権理事会の特別報告官からジュネーブの国連日本代表部の方に何らかの通知がいったようだという発言があったのですが,これについて法務省ではどのような通知があったか把握されていますでしょうか。
A:お尋ねの事例に関しては,国連人権理事会の「移民の人権」及び「教育の権利」の特別報告者から我が国に対しまして追加の情報提供要請がなされたとの一報を受けています。しかし,その内容については,先般の質問と同様に,内容確認や事実確認に関するものです。更に付け加えるならば,カルデロン一家に対する退去強制手続の停止や在留特別許可を求めるものではありません。
Q:在留特別許可を判断する上で,本邦への定着性というのはひとつの重要な要素だと思うのですが,この一家の場合,ノリコさん,長女本人だけでなく,両親についても非常に定着をしているという評価も一方ではあるのですが,大臣は,この定着性,どういうふうな評価なのでしょうか。
A:それは,やはりひとつの観点ではあると思いますけれど,多くの事例があるわけでして,その中にあって公平性だとか,諸々の総合的な判断ですので,私は先ほど申し上げました判断をしたところです。
Q:今回,不法入国という部分を重く捉えていらっしゃると感じるのですが,不法入国か,あるいは正規で入ってきてそのまま居座るケースでは,実態として大きな差がないという意見もあるのですが,その辺りはいかがでしょうか。
A:それについては,私なりの考えがありますけれども,やはりこの今の個別の判断をしている上で,その問題について,今ここで申し上げるのは適切ではないと思います。そういったことも含めて,総合的に今日に至るまでの経緯ですとか,やり方ですとか,総合的に判断した上で,公平性を鑑みて判断したところでして,そういったことももちろんいろいろな考慮の材料にはしています。
【漆間官房副長官の発言に関する質疑】
Q:西松建設の違法献金事件の捜査に絡む問題なのですが,オフレコの懇談で「自民党側は立件できない。」という趣旨の発言をしたとされる政府高官が,漆間官房副長官だったことが明らかになりました。昨日もその関連で質疑があったかと思うのですが,今回の発言内容について,大臣は,これまで検察の公平,不偏不党ということを強調されていますけれども,改めてこの発言内容についてどう受け止めているかお聞かせください。
A:お尋ねの件ですけれども,内閣官房副長官が記者との懇談で一般論として発言されたことについて,法務大臣としてコメントすることは差し控えさせていただきます。今,お話にもありましたとおり,検察当局においては常に法と証拠に基づいて不偏不党かつ厳正公平を旨として,その捜査の対象がどなたであれ,刑事事件として取り上げるべきものがあれば,これを取り上げて適切に対処しているものと承知しています。
Q:漆間官房副長官は,「記憶違いだ。」と,マスコミの記憶と副長官の記憶がずれていることによって,こういう問題が発覚したというようなことでしたが。
A:昨日のやりとりを伺っている範囲では,たしかそういうふうな説明をなさっていたと思います。
Q:その説明を聞いて,腑に落ちるというか納得できるものだとお考えですか。
A:私の個人的な印象はありますけれども,法務大臣としての意見ということになると,差し控えさせていただきたいと思います。
【法務委員会に関する質疑】
Q:今週から法務委員会が始まるのですが,今国会には,外国人に対する新たな在留管理制度を導入する入管法改正案を控えて審議が予定されていると思います。一方で,予算並びに関連法が成立した後の解散を予想する声も出ていまして,波乱含みでもあると思うのですが,今国会に対して,どのような姿勢で臨まれるのか教えてください。
A:法務行政あるいは法務委員会の取り組みは,これは国会情勢とはまったく別物でして,今お話にもありましたとおり,極めて重要な裁判員制度の円滑な導入をはじめとする司法制度改革の推進,安全な日本にふさわしい入国管理の推進,また再犯防止に向けた総合的な取り組みなど様々な課題を抱えているところでして,これらの諸課題に対して,法務委員会の委員の皆様方の御理解と御指導もいただきながら,精一杯誠実に取り組んで参りたいと思っています。
【内閣支持率に関する質疑】
Q:内閣支持率の関係なのですが,結果を見ると若干回復したりとか横ばいだったりとか,見方によっては,底を打ったというような評価もできると思うのですが,その評価と要因について,どうお考えでしょうか。
A:私は,いつも申し上げているように確かに支持率が相対的にいってあまり高くないということは,私どもの内閣に対する評価でもありますので,重く受け止めなければいけないと思っています。ただ,現下の世界同時不況の中では,どの国も,その国の舵取りについて,大変もがき苦しんでいるところでして,日本国のみが円滑にできるわけでもないと思います。この現下の情勢においては,なんとしても経済対策,景気対策,雇用対策を成果をあげることが大事でして,そのためには,予算成立,また関連法案の成立を一日も早くなしとげることが,肝要でありますので,その目標に向けて,支持率は重く受け止めつつも精一杯取り組んでいくというのが,私どもの求められている姿勢だろうと思っています。それが成立して,いろいろ実施に移されて,いろいろな効果が出てくれば,国民の皆様方の御理解もいただけるのではないかと期待しながら,今,毎日取り組んでいるところです。
(以 上)