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平成21年 > 法務大臣閣議後記者会見の概要(平成21年3月13日(金))

法務大臣閣議後記者会見の概要(平成21年3月13日(金))

平成21年3月13日(金)

 

おはようございます。

【フィリピン人一家3人の強制退去に関する質疑】

Q:フィリピン人一家の在留問題についてお尋ねします。一家全員で帰国するか,あるいは,長女だけを残すということにするか,今日が求めていた判断の最終期限になるわけなのですが,まず,改めて方針に変更がないかということと,これまでに一家の方から何らかの態度表明はあったかどうかについて教えてください。

A:方針に変更はございません。一家からの申し出については,私はまだ報告を受けていません。

Q:報告がないということなので,改めて家族の側にどんな対応を期待されるか教えてください。

A:本日,お母さんと子どもさんが東京入国管理局に出頭することになっていますけれども,長女に適切な監督・保護・養育者の下で学業を継続させたいとの申し出がなされた場合には,長女の在留を特別に許可するとの私の意向は十分に伝わっているはずです。この意向も踏まえた上で,賢明な判断がなされることを切に期待したいところであります。

Q:この問題に関連して,昨日,自民党の伊吹元幹事長が派閥の会合で,家族3人いったん国外に退去させた上で再入国を検討すべきではないかというような発言をされたと聞いています。ちょっと法務省の判断と違うような部分もあるかと思うのですが,こうした意見についてはどのように受け止められますか。

A:もう一度お願いします。

Q:ノリコさんも含めて,家族全員をいったん国外に退去させた上で,長女について在留を認めるのかどうか検討すべきではないかというような趣旨の発言があったと聞いているのですが。いったん3人とも国外に退去させた上でということです。

A:私も伊吹先生に直接伺ったわけではないので,正確には存じませんけれども,報道で知る限り,私の見たものでは,両親には一度国外に退去してもらった上でというふうに言われたと報道されたものを私は読んでいますけれども,そういうことであれば,私が示しました方針を概ね支持していただいたものと受け止めています。

Q:在留特別許可を認めない理由の1つとして,他のケースへの影響ということも挙げられたと思うのですが,この一家ほど日本の地域社会に根ざして暮らしている家族は,何千何万といるとはとても思えないですし,むしろ日本の入管当局の厳しさというのは,これまでで十二分に伝わっていると思うのですが,その辺りいかがでしょうか。

A:ケースバイケースで,いろいろな事情を斟酌して判断するものでして,全てを含めて考えた上で出した方針です。

Q:子どもの最善の利益というものをうたった子どもの権利条約,日本も批准していると思うのですが,子どもの権利条約は,国内法である入管法よりも法律上は上位に位置付けられると思うのですが,大臣として,ノリコさんにとっての最善の利益とは何だと思いますか。

A:それは,私どもとしては,家族で一緒に生活していただくということを希望すればというか,まず,原則として,家族揃って国外退去していただくということをお示ししましたけれども,このケースにおいては,大変近場におじさん,おばさん,それも血を分けたおじさん,おばさんが,3人もおられるという特別な事情があります。そういったことも勘案して,中学生になっていることですから,そういった身内の方の御協力もいただければ,今までどおり日本において,もし希望されれば学業を続けて構わないですし,しかも,子どもさんに関しては,在留特別許可を出して,正式に日本にいられるようになるという措置を考えたわけですから,十分に子どもさんの利益というか人権利益を考えた上での判断と私は思っていまして,そういった理念にも十分に適合するものだと思っています。

Q:今日,家族の側があくまで家族3人で残りたいという結論を出したとしても,ノリコさんにとっての最善の利益は変わらないですか。

A:それは,既に申し上げているとおりです。私は,さらに付け加えるならば,日本の治安と社会秩序を守ることに責任がありますから,やはりそれは,情においていろいろ思うところがあっても,そういったことも十分に斟酌した上で,温情ある措置を示したつもりです。

Q:理由の1つに,いつも公平さということを挙げていらっしゃいますけれども,以前,去年1月に在留特別許可が出たケースで,ノリコさんとほぼ同様のケースがあります。中学生の子供で,摘発したときは小学生であると。このケースの場合は,東京高裁で裁判では敗訴しましたけども,裁判長が付言を付けたことによって,在留特別許可が出たと聞いています。裁判官の付言によって,在留特別許可が左右されるのであっては,それは不公平ではないかと思うのですが,いかがでしょうか。

A:これは,あの例,この例というように,比較してどうこうということを申し上げませんけれども,これは優れて法務大臣の裁量に任されていることですから,私の判断において,公平性ということも1つの要素として考えて,総合的に考えて出した結論です。

【西松建設の違法献金事件に関する質疑】

Q:西松建設の違法献金事件の関連で伺います。総選挙を控えた今の時期に,最大野党の党首の秘書が逮捕されるという事態になったわけなのですが,こうした大きな政治的な影響のあるケースでは,起訴の前であっても検察当局が一定程度国民に説明すべきではないかと,まだ説明が足りないのではないかという指摘が出ていますが,その点について大臣のお考えはいかがでしょうか。

A:今の件につきましては,刑事事件における検察の職責は,端的に言えば,国家の刑罰権を適正に実現することであって,基本的に,そのための公判遂行を通じて検察の捜査活動は公になるものと思います。捜査の結果判明した具体的な事実関係を公判以外の場で公にした場合には,他人の名誉やプライバシーの保護の観点から問題が生ずるのみならず,罪証隠滅活動を招いたり,また,裁判所に予断を与えたり,更に関係者の協力を得ることが困難になるなど,今後の捜査公判に重大な支障が生じる恐れがあると思います。そのような観点から,刑事訴訟法第47条においても,原則として,訴訟に関する書類は公判の開廷前には公にしてはならないと定められているところでありますし,これまでの検察当局の対応に問題はないと私は考えています。

Q:現時点での説明の必要はないといったお考えでしょうか。

A:そういった要望に応じての説明は必要ないと考えています。

Q:民主党の一部から,国会で検事総長の証人喚問をすべきだという意見が出ているようなのですが,これについてはどうお考えになりますか。

A:検察権の行使に関する国政調査権の行使に対しましては,検察に関して一般的な指揮監督権を有し,具体的事件についても随時報告を受ける立場にある法務大臣が全責任を負うべきであると考えています。また,検察権は,憲法上その独立が保障されている司法権と密接な関係にあって,その司法の独立を保障するために,司法権に準じて検察の独立性の保障が要請されていまして,事件の捜査処理,公訴維持その他の検察官の活動に関して,検察官を証人等として国会に出頭させることは,検察官の独立性や公正性の保持の観点から,各種の悪影響を招来し,ひいては司法権の独立を脅かすおそれもないとはいえないと考えます。したがいまして,法務省としては,従来から検察官を国会に出頭させないことについて,国会の御理解をいただいているところでして,今後とも国政調査を行う上で,事実関係等を確認する必要な事項があれば,私や法務当局において責任をもって対応をさせていただきたいと考えています。

Q:先ほど大臣がおっしゃったことは,今の検察庁の当局の基本方針と十分に理解しているのですけれども,つまり,捜査に関わることは公判で明らかになるのであって,それ以外の場で意見なり述べることが非常に支障が大きいということの基本原則は,非常に理解できると思って,それが方針だと理解しているのですけれども,民主党の方は,検察のリークがあるとか,それから政府高官の発言が伝えられることによって,検察が公正な捜査をしているのかどうかということについて,いろいろな意見が出ている中で,公判そのものに関わる,捜査そのものに関わる資料を国会に出せということではなく,なぜこのような捜査をしているのかということについての国民の理解を得るため,説明をするためという,大原則とは別になんらかの説明を,よりどこかの場でする必要があるとは,大臣はお考えではないということなのでしょうか。

A:私は,検察に全幅の信頼をおいていまして,現状において指揮権を行使するつもりも全くありません。しかも,先ほど申し上げましたように途中経過において,いろいろな説明をするということは,かえって今後の捜査に支障を来たすこと,あるいは公判活動に支障を来たすこともあると思いますから,今,検察において,きちんとした適正な捜査活動をし,また,することを期待をしているところでして,やはりそこのところは,検察の独立性ということについては,十分な尊重をしなければいけないと,私の立場でも思っています。重ねて申し上げますけれども,事実関係等確認する必要があるとすれば,私や法務当局において責任を持って御答弁をさせていただきたいと思います。

 

(以 上)

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