法務省

文字の大きさを変更する

拡大する

標準に戻す

色変更・音声読み上げ・ルビ振りを行うアクセシビリティツールを利用するかたはこちら

平成21年 > 法務大臣閣議後記者会見の概要(平成21年3月19日(木))

法務大臣閣議後記者会見の概要(平成21年3月19日(木))

平成21年3月19日(木)

 

おはようございます。

【千葉県内の強盗殺人事件に関する質疑】

Q:先日,千葉地裁の松戸支部で,強盗殺人事件で起訴された被告が,心神喪失という診断を受けたにもかかわらず,治療を受けないまま16年間勾留されているケースが明らかになりました。被告人の人権と再犯のおそれということの間で判断が難しいケースだと思うのですが,この現状をどう受け止められるかということと,それから何らかの対応策を考えられているか教えてください。

A:御指摘の事件につきましては,平成4年10月に逮捕・勾留され,その後,強盗殺人事件で起訴された千葉県内の男性が,刑事裁判における鑑定で,統合失調症による心神喪失との診断をされ,その後現在まで拘留中であると承知しています。お尋ねは,現在公判係属中の具体的な事案に関することであり,法務大臣としてコメントすることは差し控えさせていただきます。なお一般論として申し上げれば,訴訟能力上問題があるとして,公判手続停止決定がなされた被告人につきましては,検察当局において裁判所や弁護人と協力して,随時その病状確認をするなどして,迅速な刑事裁判の実現に向けて適切に対応するものと思っています。

【西松建設の違法献金事件に関する質疑】

Q:西松事件と検察の説明責任の問題について改めて伺います。先週の会見で,現時点では検察が説明する必要はないという認識を示されたかと思うのですが,一方で,昨年,検察長官会同の席では樋渡検事総長自身が,従来の謙抑的な広報というのが国民にとって検察の活動を分かりにくいものにしていると,検察権の行使については従来より踏み込んで説明することは十分に可能だというような発言をされています。今回は総選挙を前にして,最大野党の党首の秘書が逮捕されるという,影響という意味ではたいへん大きな事件だと思うのですが,また,国民の間に検察権の行使についての疑問の声も出ています。捜査の秘密あるいはプライバシーへの配慮というのは必要だと思うのですけれども,現時点で,あるいは起訴の段階で,検察としてきちんと国民に説明する必要があるというお考えは,今の段階でありませんでしょうか。

A:刑事事件における検察の職責というのは,端的に言えば,国家の刑罰権を適正に実現することであって,基本的にはそのための公判遂行を通じて,検察の捜査活動は公になるものと考えています。捜査の結果,判明した具体的な事実関係を公判以外の場で公にした場合には,他人の名誉やプライバシー保護の観点から問題が生ずるのみならず,罪証隠滅活動を招いたり,裁判所に予断を与えたり,更に関係者の協力を得ることが困難になるなど,今後の捜査・公判に重大な支障が生じるおそれがあると考えられます。そのような観点から,刑事訴訟法第47条においても,原則として訴訟に関する書類は公判の開廷前には公にしてはならないと定められているところであって,これまでの検察当局の対応に問題はないと考えています。ただ,一方,検事総長が,検察の活動が国民に正しく理解されることが重要であり,積極的広報が必要である旨を述べておられることも事実でして,検察当局は個別の事案に応じて,捜査や公判への影響の有無,及び,関係者の名誉,プライバシーを考慮して,法令の許す範囲内で,例えば,逮捕した場合には被疑事実の概要を,そして起訴した場合には公訴事実の概要を公表しています。これは検察の活動を国民に理解していただくために行っている活動であることから,それぞれの事実の概要の説明に当たっては,専門用語についてはなるべく平易な言葉で説明するなどの努力をし,事件処理に際しての法律の適用や,刑事手続についても分かりにくいところがあれば,それを分かりやすく説明することなどを心がけるようにしていると承知しています。このような国民に分かりやすい広報活動を積極的に行うことによって,検察の活動が国民に正しく理解されるものと考えていますが,検事総長の発言にもあるとおり,くどいようですが,事件広報に際しては捜査の秘密や関係者のプライバシーを損なってはならないことは当然のことでありまして,私が申し上げたことと検事総長の発言は矛盾しているとは思っていません。

Q:起訴の時点で説明するというのは,従来からもある程度されていたかと思うのですが,今回について言えば,検察が政治的に意図を持っているのではないかという意見が逮捕以来ずっとくすぶり続けているわけですけれども,改めてその時点で,従来よりも踏み込んで説明することが可能だということであれば,もう少し分かりやすく今回の事件について説明する可能性が求められるということでよろしいのでしょうか。

A:それは既に適宜適切に説明がなされていると私は思っています。それと要するに,検察としては,繰り返し申し上げれば,法と証拠に則って刑事事件として取り上げるべきものがあれば,対象がどなたであれ,いつであれ,これを取り上げて適切に対処しているものと思っていますので,あとはやはり捜査なり公判活動を通じて,検察のしていることがまさに公になってくると考えています。

Q:これもちょっと先週の話で恐縮ですが,民主党の鳩山幹事長が今回の事件に関連して,民主党が取調べの全過程を録画録音する可視化法案の成立を目指していることが影響しているのではないかという趣旨の発言をされています。法務省としても,全過程の可視化には反対だと思うのですけれども,法務・検察当局による民主党つぶしだというような意見ともとれるわけなのですが,これについてどう受け止めますか。

A:それは再々申し上げているように,そういった思惑とか政治的意図に基づいて検察が事に当たることは決してないと私は確信して疑いません。

Q:今のお話に絡んでなのですけど,国会でも民主党側から説明責任を果たすようにという声が出ているのですが,大臣がこれまでしてきた答弁で,そういった疑問・質問に十分答えておられるという認識をお持ちでしょうか。

A:私は,もうとにかくあらゆる場面に誠実に対応しているつもりであって,なお何かあれば,私が法務・検察の最高責任者として責任を持って答弁してまいりたいと思います。

【闇サイト殺人の判決に関する質疑】

Q:昨日,闇サイト殺人の判決があって,裁判員制度を控えて死刑事案については非常に国民の関心も高いと思うのですが,個別と言ってしまうとあれなのですが,そういった死刑事案についての大臣の思いは何かございますでしょうか。

A:まさにおっしゃるとおり,昨日の判決については個別の事件でございますので,その判決内容について法務大臣として所感を述べることは差し控えさせていただきたいと思います。5月21日に裁判員裁判,裁判員制度がいよいよ始まるということで,そういった問題が今,非常にクローズアップされてきているところですけれども,これはこれまでの様々な模擬裁判等あるいは広報活動を通じた努力がなされているところでございまして,特に裁判所において,適切な運用がなされていくと思っています。

【企業献金に関する質疑】

Q:小沢代表が,企業,団体献金の廃止ということを発言されたと思うのですが,大臣は政治家としてどうお考えになりますか。

A:それも1つの御見識だと思いますけれども,個人的に申し上げれば,なぜこの時期にそういうことをあえておっしゃられたかということに若干の思いがあります。

Q:若干の思いというのを,もう少し具体的にお願いします。

A:つまり,むしろ今,私どもに問われているのは,法律や制度の問題というよりも,それに違反しているか,していないかということが肝心であって,むしろそういうことに関して自らをどう律していくか,天地神明にかけておかしくない政治家としての対処をどうやっていくかということが,むしろ先に問われることであって,何かあったからすぐ法制度が問題だというところに短絡するということについては,私は個人的には疑問を感じているところです。

Q:麻生総理は今の企業献金の在り方に問題はないと,企業献金は悪ではないといった考え方を示されていますが,大臣御自身としてはどのようなお考えですか。

A:私も基本的には総理と同じ考えです。

 

(以 上)

ページトップへ