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平成21年 > 法務大臣閣議後記者会見の概要(平成21年4月10日(金))

法務大臣閣議後記者会見の概要(平成21年4月10日(金))

平成21年4月10日(金)

 

おはようございます。

【小沢民主党党首秘書の政治資金規制法違反事件に関する質疑】

Q:小沢民主党党首の秘書の政治資金規制法違反事件について,検察の説明責任ということが,国会内でも一般の方の間でも議論を呼んだわけですが,これまでずっと検察当局も,それから大臣も,飽くまで公判で明らかにすべきことであるとして,具体的な説明を避けてこられたわけですが,これは,刑事訴訟法第47条の公判前に訴訟資料の公開を原則的に禁じた規定に基づく御判断だと受け止めております。一方で,この刑事訴訟法第47条は,飽くまで証拠の内容について明らかにすることを禁じた規則であって,検察の意図とか問題意識であるとか,事件そのものの社会的な意味付けとか,そういったことの説明を一切封じるものではないという意見もあります。改めて,検察力の行使に伴う説明の在り方について,現状で望ましいといえるのかどうか,お考えをお聞かせ願います。

A:繰り返しになりますけれども,刑事事件における検察の職責は飽くまでも,国家の刑罰権を適正に実現することであって,基本的には公開の法廷における主張や立証を通じて,検察の捜査活動やその内容が公にされるべきものであると考えています。捜査の結果,判明した具体的な事実関係を公判以外の場で公にした場合には,他人の名誉やプライバシーの保護の観点から問題があるのみならず,罪証隠滅活動を招いたり,裁判所に予断を与えたり,また関係者の協力を得ることが困難になるなど,その後の捜査・公判に重大な支障が生じるおそれがあると思われます。逆に申しますと,こういう弊害なくして説明するには,自ずから,規律というか,抑制が働くべきだという考え方です。お話にあったように,刑事訴訟法第47条においても原則として,訴訟に関する書類は,公判の開廷前には公にしてはならないと定めるところであって,これまでの検察当局の対応に問題はないと考えていますし,また,今後も,同様の対応で問題ないというか,同様の対応を堅持すべきだと考えています。

Q:昨年9月,樋渡検事総長が,「これまでの検察の事件広報について非常に謙抑的であって,国民にとって検察の活動を分かりにくくしてきた側面も否定できない。今後,裁判員裁判も始まる中で,なぜ検察権の行使をしたか,例えば起訴,不起訴処分の理由など,そういったところの検察権の行使を巡って,従来より踏み込んで,丁寧に説明することは十分可能ではないか。」という訓示を行っているところなのですけれども,一見して,一つの行政組織の中で,公判までは何も言わないという姿勢と,積極的に広報するという相反するような考え方があるようにも見えてしまうのですが,その辺をどのようにお考えなのか,あるいは,大臣と検事総長との間でこれまで,事件広報などについて議論,意見交換などがあったのかも含めて,御説明をお願いできますか。

A:検察当局においては,検察の活動を国民に正しく理解していただくために,あるいは社会に無用の誤解を与えないようにするために,個別の事案に応じて逮捕した場合,あるいは起訴した場合などに,逮捕あるいは起訴したこと,また被疑事実,公訴事実の概要,さらにその意味内容,こういったことを次席検事などの幹部検察官が記者発表をしたりすることがあるものと承知しています。また,それらを正しく理解していただくために,一般の方にも分かるような,分かりやすい説明が求められていることも申すまでもありません。御指摘の検事総長の発言は,昨年9月及び本年2月の検察長官会同における検事総長の発言のことであろうと思いますけれども,その中で検事総長は,一方で事件広報に際し,捜査の秘密や関係者のプライバシーは厳にこれは守らなければならないとも述べておられます。こういったことを併せ加味して考えますと,検事総長の御発言と私が申し上げていることは全く同じことを,あちら側とこちら側から言ってることでありまして,何ら齟齬はないと思っています。従って,この件について,私と検事総長で特に議論や意見交換をしたことは,一切ありません。

【民主党の支持率に関する質疑】

Q:捜査の説明責任とは別にして,事件の結果,民主党の支持率が大きく下がったということで,事件の与えた影響はすごく大きかったと思うのですが,事件の影響については,どのようにお考えですか。

A:私はかねてから申し上げているように,政治状況と支持率とは必ずしも直接的な相関関係があるとは思っていません。従って,それで一喜一憂すべきものでもないと思いますし,今までも申し上げてきたとおり,第一次補正予算,第二次補正予算,さらに来年度の本予算,関連法案をとにかく早期に成立させることが目下の最大の課題であると申し上げていまして,それが,どうやらこうやら初期の工程表どおりにできたことが支持率の上昇につながったと基本的には思っています。もちろん,いろいろなそういった現象があるとは思いますけれども,これは,別に今始まったことではなくて,今までの経緯の中でのことですので,それでもって,上がったり下がったりというものではないと思っています。

Q:直接的な事件の影響による結果ではないということですか。

A:私は,そう思っています。

【裁判員制度に関する質疑】

Q:法務委員会で裁判員制度を巡って,随分,衆議院・参議院と議論を交わされたと思うのですが,その中で特に,昨日の参考人の方も口々におっしゃっていたと思うのですが,広報の在り方について,あまり簡単だとか,誰でもできるとか,そういう面での広報が目に付いて,本当はすごく大変だけれども,意義のある制度だと,これが民主主義の発展に資するのだというような観点からの広報が不足してるのではないかという指摘が随分あったかと思うのですが,制度の広報の在り方について,大臣は,どのようにお考えでしょうか。

A:確かに,そういった側面があったということは否定できないと思います。というのは,何しろ初めてのことですので,やはり,いろいろな心配事や不安があるので,そういったことはありませんというか,そういうことにいささか軸足を置いた広報が多かったかと思います。必ずしも,よくよく見ていただけるとそうではないのですが,全体の印象として,そうだったということはあると思います。やはり,いろいろな場面でも御指摘がありますけれども,裁判員制度が,国民のそういった司法への参加ということが,どういう意義があるかということで,もう少し積極的な意義のアピールということも,やはり並行してしなければならないと思っています。また,それについては,5月21日に起訴された事件から裁判員制度が適用されるわけですけれども,実際にそれが始まるのは,7月とか8月の初めとかそういったことになると思われますので,残された期間,やはり,そういった面にも重点を置いたPRをさらに積極的に展開していかなければいけないことを改めて感じています。

Q:参考人の一人の方が,今まだこの制度直前になっても国民に不安が残っているのは,これまでに模擬裁判を重ねてきたけれども,模擬裁判員の声というのが,結局あまり届いていなかったからというのも原因の一つではないかとおっしゃっていましたが,裁判所に聞くべき話かもしれませんが,大臣もこれまで600回重ねてきた模擬裁判の模擬裁判員の声が,もう少し,こうして届けるべきだったのではないかとか,その辺についてお考えというのは何かございますか。

A:そういった面もあるのかもしれませんけれども,そういったことも含めて,守秘義務をちゃんとした範囲内で裁判員の方々の感想を聞くとか,そういったことも,例の3年後の見直しの検討の場では積み重ねていかなければならないと思っています。

(以 上)

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