法務大臣閣議後記者会見の概要(平成21年5月26日(火))
平成21年5月26日(火)
おはようございます。
本日の閣議で,人権教育及び人権啓発の推進に関する法律第8条に基づき,「平成20年度人権教育及び人権啓発施策」,いわゆる人権教育・啓発白書を国会に報告することについて,説明をしました。本報告は,政府が講じた人権教育・啓発に関する施策についての年次報告であり,同法を共管する法務省と文部科学省において,関係各府省庁の意見を踏まえつつ作成したものであります。内容的には,人権一般の普遍的な視点からの取組,「女性」,「子ども」,「障害のある人」,「同和問題」等の個別の人権課題に対する取組,人権にかかわりの深い特定職業従事者に対する研修,人権教育・啓発の総合的かつ効果的な推進体制などを盛り込んでいます。法務省の人権擁護機関としては,引き続き,国民に対する人権啓発活動や,人権侵犯事件の調査・救済活動を通じて,人権侵害による被害の予防・救済に努め,関係行政機関等と連携を図りながら,なお一層の取組強化に努めてまいりたいと考えています。
【北朝鮮での核実験に関する質疑】
Q:北朝鮮が昨日,核実験を行いました。閣僚の一人として受け止めをお願いします。
A:昨日,北朝鮮は核実験を実施した旨を公表し,わが国においても北朝鮮の核実験によるものである可能性のある地震波を探知したところであり,さらに事実関係について確認中でありますが,仮に北朝鮮が核実験を実施したとすれば,わが国の安全に対する重大な脅威であり,北東アジア及び国際社会の平和と安全を著しく害するものとして断じて容認することができないと考えています。係る行為は,国連安保理決議第1718号に明確に違反するとともに,核拡散防止条約の枠組への重大な挑戦でもあります。わが国としては,米国や韓国をはじめとする国際社会と連携して,国連安保理等において迅速に対応するなど,北朝鮮に対して毅然とした対応で臨まなくてはならないと考えています。この機会にあらためて拉致・核・ミサイルといった諸懸案の包括的な解決に向け,具体的な行動をとるよう北朝鮮に強く求める必要があると考えています。
Q:日本独自の制裁を今後強化しようという動きがでてくると思われますけれども,核実験を受けて法務省として何か取組はありますでしょうか。
A:そのことについては,これから他省庁とも連携した上で必要があれば考えたいと思いますが,現時点においては,昨日今日のことですので,具体的に申し上げる段階ではありません。
【党首討論に関する質疑】
Q:麻生総理と鳩山民主党代表による党首討論が明日行われます。今後,数か月以内に行われる衆院選に向けて,有権者に対してアピールする重要な機会だと思いますけれども,大臣はどのような議論を期待しますでしょうか。
A:麻生内閣が発足してちょうど7か月が経過したところですけれども,その間,第一次補正予算,第二次補正予算,21年度本予算,さらに追加の経済対策ということで,切れ目なく現下の経済不況に対する対策に取り組んできたわけでして,その点について,私どもは麻生内閣,政府与党のやってきたことは大筋間違ったことはしていないと思っています。その点につきまして,麻生総理から堂々とアピールをしていただきたいと思います。また一方,鳩山党首には,そういった私どもに対していろいろとこれまで御意見をおっしゃられてきたところですけれども,その御意見を実現するに当たっての財源の問題について,具体的に明らかにしていただきたいと思います。また昨日今日のことですけれども,北朝鮮に対するこの問題の対応ですとか,様々な外交,安全保障問題についても,あまり一元的な御主張というものを聞いた記憶がありませんので,その点についても民主党としてのお考えを明らかにしていただきたいと思います。
【再犯防止施策検討プロジェクトに関する質疑】
Q:先週末,再犯防止のプロジェクトチームの取りまとめの中で,GPSについて今後調査検討するという内容があったかと思うのですが,前科あるいは出所者に対するGPS等の装着ということになると,当然前科あるいは出所した人の人権の問題と社会の安定とか再犯防止の観点と対立するようなところがあると思うのですが,現時点で大臣のお考えというのはどうでしょうか。
A:確かに,非常に微妙な問題をはらんでいると思いますけれども,どういう段階で,そういうことを実施するのかということを含めて,私は十分検討に値する課題であると思っています。
Q:諸外国では性犯罪者などが特に導入されているところもあると思うのですが,その辺について対象とかそういったことについて大臣の中でお考えはありますか。
A:まだ,そこまで具体的に,また各論にわたって考えているわけではありませんので,今は差し控えさせていただきます。
Q:大臣が今,十分に検討に値する課題であると思っているとおっしゃったのですけれども,そうおっしゃる背景には今どういった問題意識とかを感じていらっしゃるからそういうお考えになったのでしょうか。
A:私はやはり再犯防止ということが法務行政の中で最も大きな課題であるといっても過言ではないと受け止めていまして,再犯防止をするについて,保護司の皆さんとか多くの民間の方のほとんどボランティアに頼ることが非常に多く,なかなか国としてできることに限界があるということに問題意識をもっています。そういう方々にもなかなか手に負えないようなケースもあるわけであって,やはりそういうことを放置しておくわけにいきませんので,そういった問題を解決するというか,良い方向に導く一つの手段ではないかと思っています。ただ,先ほど御指摘のあったように,そうはいっても,やはり人権問題にも絡むことですし,社会の治安と,そういう人々であっても人権を有するわけで,そこをどういうふうにして解決していくかということを相当きちんと考えてからのことでないと禍根を残すことになると思っています。
(以 上)