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平成21年 > 法務大臣閣議後記者会見の概要(平成21年7月17日(金))

法務大臣閣議後記者会見の概要(平成21年7月17日(金))

平成21年7月17日(金)

 

おはようございます。

法務省においては,公訴時効制度の見直しを求める国民の声を受けまして,本年1月から,私以下佐藤剛男副大臣や早川忠孝政務官,刑事局長などで構成する省内勉強会を発足させました。実務的にはその下に早川政務官を座長とするワーキンググループを設置し,殺人等の凶悪・重大な犯罪の公訴時効の在り方等について頻繁に会合を開催し,精力的な検討を行ってきました。本年4月に中間的な取りまとめを公表しましたが,その後も夏ころを目途に一定の結論を得るべく,検討を継続してきたところです。この問題の検討に当たっては,現在の公訴時効制度の在り方に対する国民の皆様の意識の有り様やその変化を十分に踏まえる必要があると考えました。そこで,4月以降の検討においては,この問題に関する基本的な論点等について,意見募集手続を行って国民の皆様から御意見を募るとともに,被害者団体や学者,警察庁や日本弁護士連合会等,関連の様々な組織からも幅広く御意見をいただくなどして,公訴時効制度の見直しの当否や見直すこととする場合の具体的な方策の在り方について調査検討を進めてまいりました。こうして様々な御意見を参考に検討いたしました結果,相当と考えられる一定の方向性が得られましたので,検討結果を取りまとめて公表させていただく次第です。その内容は以下のとおりです。

まず第一に人の生命という最も重要な個人的法益を奪った殺人罪などの重大な生命侵害犯については,その刑事責任の追及に期限を設けるべきでなく,事案の真相をできる限り明らかにすべきであるという現在の国民の意識を踏まえるなどすると,その中で特に法定刑の重い罪の公訴時効を廃止し,それ以外の罪についても公訴時効期間を延長する方向で見直すのが相当である。もっとも,廃止・延長の対象犯罪の範囲,延長する場合の具体的年数などの方策の詳細や,廃止する場合に捜査を行うにつき時間的制限がなくなることにより生ずる問題への対応等については更に検討が必要である。

第二に刑の時効についても公訴時効の見直しの内容に整合するよう見直すことが相当である。

第三に上記見直し策を現に時効が進行中の事件に対して適用することは憲法上許されるのではないかと考えられるが,その当否を含め更に慎重に検討する必要がある。

基本的な方向性は以上のとおりです。なお,この取りまとめは法務省のホームページにも掲載することとしています。また,公訴時効勉強会で行った意見募集の結果についても,最終取りまとめと併せて公表させていただくこととしました。これについても,法務省のホームページに掲載することとしています。

【公訴時効の勉強会の取りまとめに関する質疑】

Q:今お話がありました公訴時効勉強会の取りまとめでは,重大な生命侵害犯について,公訴時効の一部廃止,一部延長という方向性を打ち出しました。刑事政策の大転換にもなると思われますが,その取りまとめを終えて大臣の今のお気持ちをお聞かせ下さい。

A:本年1月から,私以下佐藤副大臣,早川政務官,刑事局長などで構成する省内勉強会を発足させたわけですけれども,この勉強会が約半年間の集中した検討の結果,こういった結論に立ち至ることができたわけでして,夏ごろを目途にとお約束しましたけれども,どうやらこういう一定の方向性を出せたことに,私なりに大変感慨深いものがあります。

Q:大臣が当初の会見では,結論が先にありきではないということをおっしゃっていたのですが,こういった内容の方向性になったことについてはいかがでしょうか。

A:もちろんそういった予断をもって臨んできたわけではなくて,様々な関係者,または一般の国民の皆様方からの御意見を伺い極めて客観的に,理性的に論理的に検討を積み上げてきまして,虚心坦懐取り組んできた結果でありまして,私も当初からこういう結論に立ち至るということを予想していたわけではありません。

Q:取りまとめを拝見すると,国民の正義観念といったものを非常に重視しておられるように感じるんですが,この半年に渡る検討の中で特に配慮された部分といいますかその点はいかがでしょうか。

A:先ほどの冒頭の発言でも申し上げたように,この問題を検討するに当たっては,この制度に関する国民の皆様の意識の有り様やその変化を十分に踏まえる必要があるということは勿論第一の基準でして,取りまとめに当たっては,公訴時効制度の趣旨との関係などで,一筋縄ではいかない問題があるということも申すまでもありません。そこで,被害者団体から寄せられる御意見に真摯に耳を傾け,また,国民の皆様一般から御意見を募る一方で,公訴時効制度の見直しに慎重な立場の御意見や,制度を担う関係機関の意見,更には刑事法学者の理論的見地からの御意見など,考えられる限りの幅広い御意見を聴かせていただいて,その結果を私どもなりに虚心坦懐に論点整理してこの結論に立ち至ったものです。

Q:今後の法改正に至るまでの実現への道筋とかスケジュールなのですが,今のところ今後それも含めて検討するということになっているようですが,大臣としてはそこら辺のスケジュール的なもの,実現へ向けての道筋についてはどのようにお考えでしょうか。

A:ここまで方向性を打ち出すことができたので,心情的にはなるべく早めに法制審議会にお諮りするところに漕ぎ着けてもらいたいと思いますけれども,なおそれに至るまでに詰めなければならないことがあるというのも事実ですので,そちらの作業を精力的に進めて,いついつとは申し上げられませんけれど,なるべく早めに法制審議会にお諮りしたいと思っています。

Q:廃止・延長という方向性は出ていると思うのですけれども,具体的な罪名とか,あるいは遡及適用するかどうかということ,それからあと交通事故の被害者団体からもかなり精力的に意見は聞かれたと思うのですが,その方達が読むとやはり自分たちがどうなるかよく分からないという点もだいぶ残ってるように感じるのですけれども,もう少し中間報告の段階でもその遡及をどうするかとか,罪名をどうするかとか,課題に挙がってたと思うのですが,もう少し詰まった段階で結果を出すという考え方もあると思ったのですけれども,敢えてこの時点で結果を出したというのは,どういう考えからですか。

A:今,御指摘の点は,まさに今後詰めなければいけない重要な論点だと思うのですけれども,それはもちろん法制審議会の議論にお任せしなければいけない部分もあると思いますし,あるいはその手前で法務省においてもう少し詰めなければいけない点もあると思います。そういったことを含めて,これから更に検討を続けるということですけれども,こういう方向性が打ち出せたというのが,やはり一つの結論だと思いますので,多少生煮えではありますけれども,この時点で発表させていただきました。

Q:重大・凶悪事件の時効の廃止という一つの方向性についてですけれども,これはそのやはり国民とか,被害者団体とか,強い廃止・撤廃を求める声があるということに法務省勉強会としては,かなり配慮したというふうな受け止め方をしてよろしいのでしょうか。

A:それは,もちろん一つの重要な要素ですけれども,海外の状況も調べましたし,それから時代背景というか様々な捜査手法の変化みたいなこともありますので,やはり現時点において,それに相応しい制度の在り方というのを考える必要があると思ったのが,そもそもの提起です。

Q:勉強会が始まったときも,やはり国民なり被害者なりといった,そういった感情が非常に多いということが,きっかけにあったと思うのですが,最終的にもやはりその被害者遺族,それから国民の時効の廃止を求める声というのが非常に大きかったというようなことが報告書にも,いろいろな点で触れられていますが,大臣自身は,この点については,どのような思いを持っていらっしゃいますか。

A:今,申し上げたように,非常に大きなファクターではありますけれども,もちろんそれだけではなくて,様々な観点からの総合的な検討の結果です。

Q:今回の結果に対して,大臣自身,どのような意義があるとお考えですか。

A:私はやはり,今の再三の御質問に出ている,被害者の方々に対する,制度面からの対応ということもありますし,例えば,証拠がだんだん薄まるということも,様々な科学技術の進歩とかそういったことも踏まえますと,何十年前と随分様変わりしたこともありますから,そういう意味でそういった時代背景を反映した制度の改善になっていると思っています。

Q:先ほど,今回,撤廃の方向を打ち出したことについて,一つの要因として,DNA鑑定ですとか,長いこと証拠が残せるというか,捜査のやり方も変わってきたということが挙げられたと思います。ヒアリングなどで日弁連からの御意見も多分聞かれていると思うのですが,日弁連側からすると,被告の無罪を立証できるような,アリバイを証明できるような書面とかが,時間が経った後の裁判だとどんどんなくなってしまってというような反対の御意見もあったかと思われます。この点に関しては,多分ヒアリングで出ていたと思うのですが,どのようにお考えですか。

A:日弁連からの御意見も十分受け止めておりますけれども,そういったことも含めて,総合的に勘案したものでありますので,それもいずれ法制審議会において,また改めて深く広い議論がなされるだろうと思っています。

Q:先ほどの質問に出ましたけれども,夏くらいにまとめるというお話だったのですけれども,若干早まったのかなという印象を受けるのですけれども,このタイミングで発表するということは,今の国会の情勢とか,解散とかそういった政治情勢がなんらか影響しているということなのでしょうか。

A:今日のタイムスケジュールは,この様な情勢となる前から決まっていました。ですから,要するに政治情勢でバックデートして今日にしたということは一切ございません。

【自民党の両院議員総会及び衆議院の解散に関する質疑】

Q:自民党の関係でお伺いします。一部から要求がありました両院議員総会開催が必要な署名に満たずということで見送られました。今回の両院議員総会開催をめぐる動きと今後の流れについて大臣はどのように御覧になっておられますか。

A:両院議員総会をめぐる動きというのは,いろいろな思いの方が混在していたと思うのです。私は,地方選挙の結果を踏まえて自分たちなりの意見を言いたい,あるいは党執行部,総裁をはじめとする執行部の所感を聞きたい,総括を聞きたい,こういう方が大方であったのではないかと思います。中には,それと違った思惑の方もいらして,まあそういうことでもってうまく進んできたわけですけれども,私も前者については個人的には理解ができます。しかしながら,昨年9月24日に麻生総理・総裁が誕生して麻生内閣が発足しましたけれども,それはやはり前総理大臣,元総理大臣が2代続けて心ならずも途中降板するという極めて変則的な事態を踏まえて,ある意味で火中の栗を拾う役割でもって誕生した麻生総理大臣でして,しかも時あたかもアメリカ発の金融危機に端を発する世界同時不況に世界中が覆われた中で,麻生総理大臣としては政局よりも政策ということを優先して本当に一意専心して取り組んでこられたわけです。結果として先のサミットでも,おそらく世界の金融システムの崩壊がどうやらかろうじて防げて今日あるのは,日本並びに麻生総理大臣の貢献が大きかったというのは世界中の衆目の一致するところだと思います。そういうことで,私は確かに反省すべき点もあったとは思いますけれども,今日の状況下において麻生総理大臣の果たしてきた役割というのは内外問わず極めて大きく,かつ有意義なものであったと思いますので,やはりここは一致して党内挙げて麻生総理大臣を支え,またその下で選挙戦を戦うというのは当然のことであろうと思っています。そういう意味において,やはり説明の機会とかそういう事を設けることは結構なことですけれども,それ以外の思惑でもって,ああいう動きをなさった方には非常に違和感を感じているものです。

Q:念のために確認なんですが,今のお話を踏まえさせていただいて解散詔書へはいかなるタイミングでも署名されるというお考えは変わりないということでよいのでしょうか。

A:当然のことです。

Q:自民党内の両院議員総会の混乱についてですが,この総選挙をまさに控えてる時期に,解散の日も決まってる中でこういった混乱が起きたということは,選挙を戦う上で自民党にとって非常にマイナスなのではないかというふうに見られるんですけれども,大臣はその辺どう見ていらっしゃるのかというのと今後どうしていくべきかということについて,お考えをお聞かせください。

A:確かに混乱といえば混乱ですけれども,あくまでも我が党は自由で民主的な党ですから,いろいろな言論を封殺するというようなことは,あまりしないということで,いろいろな御意見があったわけですけれども,私は通俗的ですけれども,雨降って地固まるというか,これを経て麻生総理・総裁の下でまさに気持ちを一つにして,逆に選挙戦を臨める契機になったのではないかと思っています。

【西松建設の違法献金事件の判決に関する質疑】

Q:今日10時から西松建設の違法献金事件の判決がありまして,詳細はまだなのですが,国沢元社長に対して,禁固1年4月執行猶予3年の有罪判決が出ておりまして,小沢さんの資金管理団体に実態のない政治団体がらみで500万円の寄付をしたとか,あと二階さんの代表の政治団体に340万円を支払ったというような事が認定されているわけですけれども,これについて受け止めをお願いします。

A:今おっしゃられたとおり,今日の10時から東京地方裁判所において,御指摘のような判決が言い渡されたということは,承知していますけれども,個別の事件における裁判所の判決内容について,法務大臣として所感を述べることは差し控えたいと思います。

(以 上)

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