法務大臣閣議後記者会見の概要(平成21年7月28日(火))
平成21年7月28日(火)
おはようございます。本日,ティン・デェトン,山地悠紀夫,前上博の3名の死刑を執行いたしました。この3名に関する犯罪事実の内容等について,それぞれ概略を申し上げますと,まずティン・デェトンについては,同居人5名から疎まれ,暴行を受けるなどしたことに対する報復として,同居人5名を殺害するとともに,金品を奪うことを企て,サバイバルナイフで同居人5名の胸部,腹部,背部などを多数回,または数回突き刺すなどして3名を殺害し,2名に重症を負わせるなどした強盗殺人,強盗殺人未遂等事件です。山地悠紀夫については,被害者方マンション居室に侵入し,被害者2名に対し,ぺティナイフで胸部,顔面等を突き刺すなどし,その間強いて姦淫し,失血死させて殺害した上,金品を奪い,犯跡を隠蔽するため,カーペットにライターで点火して放火するなどした強盗殺人,強盗強姦,非現住建造物等放火等事件です。前上博については,自殺サイトに投稿していた被害者3名に対して,一緒に自殺をするかのように装って誘い出し,その鼻腔等をふさぐなどして苦悶させた挙句,失神させることを繰り返した上,更にその鼻腔及び口をふさぐなどして窒息死させて殺害するなどした殺人,死体遺棄等事件です。このように,いずれの事件を見ても,実に身勝手な理由から,被害者の尊い人命を奪った誠に残忍な事案であり,それぞれの被害者や遺族の方々にとって,無念この上ない事件だと思います。以上のような事実を踏まえ,慎重な検討を加えた上で,死刑の執行を命令した次第です。
【死刑執行に関する質疑】
Q:死刑が執行された3人の死刑囚の判決確定から執行までの期間について,それぞれ教えてください。
A:ティン・デェトンは確定から約3年後であります。山地悠紀夫は確定から約2年1か月後,前上博は確定から約2年後であります。
Q:これで未執行の死刑確定者は何人になりますか。
A:101人です。
Q:前回の死刑執行から半年ぶりだと思うのですが,裁判員裁判の開始を来週に控えて,この時期の死刑執行ということについては,大臣はどのようにお考えですか。
A:個々の死刑執行の判断に関わる事柄についてお答えすることは差し控えさせていただきますが,一般論として申し上げれば,死刑執行に際しては,司法の判断を尊重しつつ,関係記録を十分に精査いたしまして,刑の執行停止,再審,非常上告の事由,あるいは恩赦を相当とする情状の有無等を慎重に検討し,これらの事由等がないと認めた場合に,初めて死刑執行命令を発することとしているところであって,執行と執行との間隔とか,それからいろいろな客観情勢との関係等において,時期などは全く意識をしていません。
Q:国会が解散して政治的な空白時期に当たるような時期に執行することに見えるのですが,このことについて,なぜこの時期にという疑問が出てくるとは思うのですが,これについてはいかがでしょうか。
A:解散しても申すまでもなく私は現時点において法務大臣でございまして,どういう状況であろうとも,法務大臣としての職責を粛々と果たしたということです。
Q:今,死刑確定者が101人ということでしたが,差し支えなければこの中で再審請求中,恩赦出願中の人数を教えていただけますか。
A:昨日までに法務省で把握していますのは,再審請求中の者が63名,恩赦出願中の者が16名と承知しています。
Q:ティンという死刑囚は外国籍だと思うのですけれども,外国籍の死刑囚に対する死刑の執行というのは,これはいつ以来というのは分かりますか。
A:外国籍の者に死刑を執行したことがあるかという御質問ですか。
Q:あるとは思うのですけれども,いつ以来の執行になるかというのが分かりましたらお願いします。
A:執行された者の氏名等を公表することといたしました平成19年12月以降についてお答えしますと,そのような例はありません。それ以前の執行につきましては,お答えを差し控えさせていただきます。
Q:時期は全く意識されていないということなのですけれども,鳩山元法務大臣在任以降,ほぼ2か月,あるいは長くても3か月ぐらいのペースで粛々と続けてこられたと思うのですが,その間隔からすると半年というのは,かなり間が空いているように見えるのですけれども,何か特段の事情がこの間おありになったということでしょうか。
A:個々の死刑執行の判断に関わる事柄についてはお答えを差し控えさせていただきますけれども,かねて申し上げているとおり,執行と執行との間隔といったことは全く念頭にありません。
Q:先ほど恩赦とか再審請求がないことなどを確認してとおっしゃられましたでしょうか。今回の3人は再審請求などがなかったということでよろしいのでしょうか。
A:刑の執行停止,再審,非常上告の事由がないということを申し上げました。
Q:非常上告の事由がないと。
A:事由あるいは恩赦を相当とする情状の有無等を慎重に検討いたしまして,これらの事由等がないと認めた場合に初めて死刑執行命令を発することとしているところであるということを申し上げました。
Q:つまり現在請求していたかというお答えではないということですか。
A:そういうことは申し上げていません。
Q:その点はお答えいただけないのでしょうか。
A:死刑が執行された者による再審請求や恩赦の出願の事実云々等については,法務大臣である私から具体的にお答えすることは差し控えさせていただきます。
(以 上)