法務大臣閣議後記者会見の概要(平成21年8月11日(火))
平成21年8月11日(火)
おはようございます。先週,裁判員が参加する第1号事件の判決が言い渡され,昨日からは,第2号事件の公判が開始されています。裁判員制度については,裁判員法において,施行から3年経過後に,施行状況についての検討を行い,必要に応じ,この制度が司法制度の基盤としての役割を十全に果たせるよう所要の措置を講ずるものとされています。法務省としては,この検討に当たって,法曹三者はもとより,広く国民の皆様の声を伺って反映したいと考えており,具体的な進め方について検討を行ってきたところですが,この度,省内に「裁判員制度に関する検討会」を設置することといたしました。この検討会は,法務省において裁判員制度の施行状況についての検討作業等を行うに当たり,事務当局と密接に意見交換を重ねていただき,その作業に必要な協力をお願いするものです。委員は,法曹三者,研究者のほか,有識者を含む11名の方々にお願いをいたしました。法務省としては,芽生えたばかりの裁判員制度を大きく育て,我が国にしっかりと根付かせることができるよう,引き続き努めてまいりたいと考えています。国民の皆様方におかれましても,裁判員制度への御理解と御協力を賜りますよう,よろしくお願い申し上げます。
【裁判員制度に関する質疑】
Q:第2号事件も始まっていますが,今後検討会でどういう議論を期待されますか。
A:これから検討していただくわけですので,現段階で議論の方向性が決まっているわけではありません。検討会の委員の方々には,裁判員制度がよりよく機能するよう,その施行状況を踏まえた忌憚のない御意見を賜りまして,活発な御議論を重ねていただければと期待しています。
Q:先週,第1号事件の判決が出まして,第2号事件が始まっている中で,改めて大臣は今,裁判員制度が始まったことについてどのように見ていらっしゃるか,感想をどのようにお持ちかということと,それから繰り返しになりますが,検討会にどういった議論を期待されるかということについてお聞かせください。
A:まず8月3日に最初の裁判が行われまして,大変つつがなく取り運ばれたということについては,喜ばしく思っています。特に裁判員の方々がそれぞれ立派にそれぞれの務めを果たしてくださり,かつ大変達成感を持って,意義深いことであったというスタンスでの所見を述べられたことについては,心から敬意を表しているところです。こうしたことを一つの踏み台として,またこれから2番目,それに続く裁判員裁判が順調に行われて,いずれしっかり日本の社会に根付いていくと,司法の世界に根付いていくということを期待しています。
Q:現段階で検討会でも課題になりそうなことなど,何か問題とか意識はお持ちですか。
A:予断を持って検討会を始めていただくというのは,あまり適当ではないと思いますから,それは検討会のメンバーの方々において,忌憚のない議論を交わしていただいて,きちんとした結論を出していただけると信じています。つまり,私の方からあれこれと希望を言ったり注文を付けたりする筋合いのものではないと思います。
Q:検討会はいつごろ設置の見込みなのでしょうか。
A:第1回の会合の日程は未定ですけれども,委員の皆様方の御予定を伺いましてなるべく早く会合を開いていただきたいと考えています。
【靖国神社参拝に関する質疑】
Q:今週15日の終戦記念日が近づいていますが,終戦記念日あるいはその前後に靖国神社を参拝されるお考えがあるかどうかお伺いしたいと思います。
A:基本的に,追悼だとか祈願だとか,あるいは崇敬だとか,そういったことは心の問題であって,形の問題ではないと思っています。したがって,そういった思いを捧げるに当たって,別にどこの場所において,そういう気持ちを捧げてもそれは届くものだと私は思っています。
Q:ということは,15日前後には参拝される御予定はないということでよろしいのでしょうか。
A:必ずしも足を運ばなければいけないと思っているわけではありません。
Q:8月15日の前後に足を運ばれるということはないと理解してよろしいですか。
A:8月15日にはおそらく参拝しないと思います。
Q:既に参拝されたということもないのですか。
A:現時点ではまだしていません。
【広島少年院に関する質疑】
Q:先週末に広島少年院の方で,4人の教官のうち2人については新たに追加で刑事告発があって,今後それが追起訴されて捜査が終了するという見通しになっているのだと思うのですが,改めて再発防止策として考えられていることはどのようなものがあるのかということについて,広島の方で詰められたみたいではあるのですが,改めてお伺いできますか。
A:広島少年院不適正処遇事案に係る再発防止対策については,矯正局において検討を進めているところですけれども,8月4日付けで「少年院在院者の苦情の申出に関する訓令」を発出いたしまして,9月1日から施行することといたしました。これは,在院者が,法務大臣に対しては書面で,矯正局や矯正管区から監査に赴く監査官に対しては口頭または書面で,自己が受けた処遇に関する苦情の申出ができる制度であります。申出を記載した書面を在院者自身に封かんさせるなど,申出の内容を少年院の職員に秘密にすることができる措置をとることとしています。これによりまして,在院者の不服を上級官庁が直接に把握することが可能となりまして,これを契機とした少年院への指導・監督の充実・強化を図ることを目的としています。
Q:先ほど訓令を発出されたということですが,少年院法を改正するというお考えはないということなのでしょうか。
A:先ほど申し上げた制度については,本事案の重大性に鑑みまして,即応性を重視して創設したものでありますけれども,今後そうした制度の運用状況を踏まえつつ,少年院法の改正の要否につきましても継続して検討を進めさせたいと考えています。
【足利事件に関する質疑】
Q:今朝,一部の報道で足利事件の菅家さんの件で,足利事件以外の幼児が殺害されている事件2件についての取調べで録音が行われていたというような報道もあったのですけれども,これについて把握をされておられるようでしたら,どういう理由で,どういう意図で録音されておられたのかという辺りをお伺いできますか。
A:私も御指摘のような報道がなされていることは承知していますが,個別の事件の具体的な証拠関係については,法務大臣としてコメントすることは差し控えたいと思います。いずれにいたしましても,足利事件の捜査公判の問題点については,最高検察庁に設置された検証チームにおいて検証を進めているところであって,その中で様々な観点から十分な検討がなされるものと思っています。
【薬物乱用に関する質疑】
Q:芸能界の薬物汚染が広がっていますが,大臣はどのようにお考えですか。
A:芸能界にかかわらず看過できないことですので,今朝の閣議でも非常に大きなテーマとして取り上げられましたけれども,しっかりとして,そういったことを防止できるような啓発またはそれぞれの方に自覚を持っていただく努力をしなければいけないと思っています。
【駿河湾を震源とする地震に関する質疑】
Q:地震に関してはあまり法務省は関係ないかと思いますが,特に対応と,刑務所とか拘置所の状況はいかがでしょうか。
A:特に現時点では問題となるような支障が生じているわけではありません。一部の所管施設において断水したり,備品が落下したり,エレベーターが止まったりと,こういったことはありましたけれども,当省の業務継続に大きな影響はないということです。これから何かあれば,即時に対応できるようにしたいと思っています。
(以 上)