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法務大臣臨時記者会見の概要(平成21年9月16日(水))

平成21年9月16日(水)

 

おはようございます。

【退任を迎えての質疑】

Q:これが最後ということですので,法務大臣に御就任から今日までの御自身のいろいろななされた御仕事を振り返って,総括していただければと思います。

A:昨年の9月24日に就任いたしまして,私は,法務行政についてはこれまでほとんど未経験だったものですから,自分としては,自分のこれまでのコモンセンスとそれから論理的な思考と想像力といったことを基礎にして取り組みたいと申し上げまして,仕事を始めました。だいたいその線についてやってきたつもりですけれども,思い返すと言いますか,印象に残っていますことは,法律としては,国籍法と改正入管法を成立させていただいたことがやはり心に残っています。国籍法の成立によって,最高裁の違憲状態が解消できたということ,それから入管法につきましては,およそ60年ぶりの改正であって,これに併せて在留特別許可のガイドラインの見直しなども行いました。こうしたことによって,日本の治安の向上に資したと私は思っています。それから,総理大臣から与えられたやはり一番大きな課題でありました裁判員制度の円滑なスタートということですけれども,5月21日に裁判員制度が始まりましたが,それが近づくにつれ,だんだん逆制動と言うか,心配やら批判も高まってきました。私なりに丁寧に誠心誠意お答えしてきたつもりです。おかげさまで順調にスタートして,先ごろ第1号の裁判,またそれに引き続く裁判が行われまして,今までのところ,裁判員の皆様方の大変な御協力もいただきながら,円滑な裁判が行われているということを見届けることができまして,大変うれしく思っています。これが引き続き,国民の皆様方に御理解いただき,日本の社会にしっかりと根付いていくように願ってやみません。それから各種矯正施設を随分多く見学いたしました。これも初めての体験でしたけれども,そこで働く皆さんの仕事の大変さ,御労苦のようなものを肌で感じることができました。いろいろと問題がなしとは言いませんけれども,やはりその人たちが使命感と誇りを持ってこれからも働けるように,法務省においても努力してもらいたいと思いますし,また国民の皆様方の御理解もいただければ幸いだと思っています。それからいろいろな事件も多く,その都度いろいろな反応もあり,自分なりに誠心誠意対応してきたつもりですけれども,そういった様々な事件もあったということも大変印象的でありました。なお,割と最近,公訴時効の見直しについての勉強会を年初から進めてまいりまして,一定の方向性を打ち出すことができました。それについても,まだまだ詰めることがありますけれども,後任の法務大臣の下で,このテーマについても適切に取り計らっていただけますように念願をしているところです。なお,心残りの点と言えば,着任して法務行政の存外一番大きな課題というのは,再犯防止ではないかと思いました。これについても,矯正からあるいは更生保護といったその一連の流れの中で,何がしか前進させることができればと思いましたけれども,十分その目的を達することができませんでした。これは1年でできることでもないと思いますから,是非これから法務省において,この問題が一番大きな問題であるという認識を持ってもらいまして,着実に再犯防止に資するような取組をしていただくことを願っています。ここにいらっしゃるマスコミの皆さんにも折に触れて,いろいろと啓発していただき,また問題点を指摘していただき,いろいろな意味で御世話になりましたことを心から感謝を申し上げたいと思います。ありがとうございました。

Q:これからの引継ですけれども,これまでの自民党の中での大臣同士の引継に比べて,今回民主党からいらっしゃるということで,例えば引継のやり方ですとか,従来よりもこの辺を念入りにやらなければいけないですとか,何かこのように引継のやり方について考えておられることはございますでしょうか。

A:私は特に,法務行政というのは別に政権交代があっても,本質的に変わる要素というのはないと思います。いろいろな個別の点については考え方の違いもあると思いますけれども,ベクトルの方向についてはそんなに変わらないと思いますから,特段,政権交代に伴う引継だからといって特別なことは考えていません。

Q:後任の大臣が民主党からこられますが,何かアドバイスと言いますか,期待をされることというのはどういうことがあるでしょうか。

A:それは今申し上げたことの中に全部含まれていると思います。

Q:一年間の在任ということで,その間のお仕事を通じて,法務省という役所の仕事について,国民にもっと理解してほしいことですとか,あるいは,そのために法務省がこれからどうアピールしていかなければいけないかということについては,どのようにお感じになりましたか。

A:それは,非常に重要な御指摘だと思います。やはり,法務省は割と専門家集団と言うか,そういう意味では,確かに一般の社会から若干乖離したところがあるかなというのは感じますけれども,それがやはり大きな意味で言うと司法制度改革の一環で,裁判員制度なども導入されて,司法が国民の皆様にとって身近になったということに平仄を揃えて,法務省の仕事内容についても国民の皆様により理解していただける環境が整いつつあると思うのです。たまたま私がそういう時期に法務大臣になったというのは,言わば法務についての素人が大臣になったというのは,そこの通訳と言うか,そういった使命もあるのかなと思って,この一年間努めてまいりました。やはり,いろいろな司法全体について,裁判員制度のスタートに合わせて,新聞などジャーナリズムでも取り上げられて,そういったことによって,私は国民の皆様方の法務省についての理解も随分進んだのではないかと受け止めています。

Q:今後のことを考えますと,法務行政,その新しい政権が取調べの可視化,録音録画について,積極的な方向性を出しているというところもあって,今後,いろいろ議論されていくと思うのですが,議論に当たって,この一年体験したことから,どの点を留意してほしいか,見ていってほしいかと,その辺りについてどうお考えでしょうか。

A:それもかねがね申し上げてきたように,取調べの可視化ということを頭ごなしに否定するものではありませんけれども,やはり取調べの重要性が,日本では諸外国に比べ非常に高い,地位が高いというようなこともありまして,そういう中で,やはり諸外国では認められてる司法取引だとか免責だとかあるいは幅広い通信傍受だとか,そういったことがなかなか認められない中で,可視化,全面録音録画だけを進めるということには私は疑問を持っています。それで,そういうことを進めるとすれば,やはり全体の様々な手段と併せた総合的な検討が必要ではないかと思っています。ですから方向性については,別に検討していただくのは異を唱えませんけれども,やはり総合的なそういう様々な手段も併せて検討していただくことを望んでいます。

Q:今度,民主党の大臣がいらっしゃることで,死刑制度も民主党の中にはいろいろなお考えの方がいらっしゃると伺います。今度,いらっしゃると報道されつつある,大臣となられるかもしれない千葉さんですが,アムネスティの議員連盟にいらっしゃることで,死刑制度については,お考えとしては,もしかしたら慎重なお考えの方かもしれません。大臣は,一年間やってごらんになられて,大変重い御仕事ではあったと思うのですが,死刑制度について改めてお感じになられたことですとか,今後,こうあるべきだとか思っていらっしゃるところがございましたら,教えていただけますか。

A:私はもともと法の求めるところに従って,自らの職責を果たすということが当然だと思っていますので,そういった方針の下に取り組んできました。ただそれは別に党派に限らず,いろいろなお考えの方があるわけでありまして,それぞれの方がどういうお考えを持つかということについて,私が云々するつもりはありません。しかも,このあいだ裁判員制度が始まったときに申し上げたように,ただそうは言っても日本の国民に死刑制度の賛否を問うと,7,8割の方が賛成するという状況もあるわけでして,やはりこういったことについても無視するわけにはいかないと思うのです。ですからちょうど裁判員裁判が始まって,国民の皆様方が死刑の求刑を場合によってはしなければならないという立場になるわけですから,これを機会に,やはり死刑制度についても,国民的な議論が起こるということは私は歓迎すべきことだと思っています。ただ,法務大臣としての職責は,自身は法の求めるところに従って対処するのが筋であると思って努めてまいりました。

(以 上)

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