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平成21年 > 千葉新法務大臣初登庁後記者会見の概要(平成21年9月16日(水))

千葉新法務大臣初登庁後記者会見の概要(平成21年9月16日(水))

平成21年9月16日(水)

【大臣あいさつ】

この度,法務大臣を拝命いたしました千葉景子です。今後ともまた皆さんとできる限りいろいろな形でお目に掛かり,お話もさせていただきたいと思いますので,どうぞよろしくお願いをいたしたいと思います。

【取調べの可視化に関する質疑】

Q:先ほど大臣が官邸の方での会見でも述べておられました,参議院選挙から掲げられた民主党のマニフェストの中にあった捜査過程の全面録画,録音,可視化の問題についてですが,このことについては,捜査機関の方からもまだ反対の声もある問題ですので,例えば今後,大臣が御就任後に,当局側の意見も聞き入れながら,何か再検討していかれるような余地というものがあるのかどうか,またはその実現のためには,これまで民主党の掲げてこられた法案のような内容で通していかれるのか,そうしたことの見通し,それと実現を大体いつごろと考えていらっしゃるかということをまずお願いします。

A:この可視化につきましては,マニフェストで明確に御約束をさせていただいています。国際的に見ましても,これが趨勢という方向にもなっています。ただ,実務的に詰めなければいけないところは,確かにあるかも知れません。しかし基本的にはマニフェストでお示しをした方向で是非進めていきたい。ただ,実現の時期は,これは着実に進めていくということで,どこの国会になるかとか,そういうことは今の段階では申し上げられませんけれども,できるだけそれは約束を果たしていくという姿勢でやっていきたいと思っています。

Q:基本的に取調べの可視化という意味を,全面的な録音録画という意味で使っておられるのかどうか,それをまず確認したいのと,今後の議論の中で例えば対象の事件を限定して,まず段階的に始めるとか,そういったいろいろな選択肢を含めて実現に向けて考えていらっしゃるのかどうか教えてください。

A:基本的には全面的な録音録画とお考えいただければと思っています。

Q:対象事件を限定しますか。

A:そこは最初から,そういうことではなくて,やはり全面的な録音録画ということで,対象事件とかあるいは一部とかというのは逆にまた違った問題を起こすということも私たちもこれまで懸念をしてきたということもありますので,そこは実際にはなかなかどうなのかなという気はあります。ただ,何しろこの御約束した事をやはり進めていくということをしなければなりません。これが皆様の御期待だと思いますので,そこはどういう問題点があるのか,そういうことは決して聞く耳を持たないということではありませんけれども,基本的には全面的な録音録画ということが,私ははっきりしてよろしいと思っています。

Q:録音録画は対象事件を絞らないというお話でしたけれども,例えば現在特捜部がやっているような事件というものについてもこれは録音録画の対象になるとお考えという理解でよろしいのでしょうか。

A:基本的にはそれで結構です。

Q:今の可視化の議論の中で,取調べの機能を損なうという批判があって,それについて,司法取引とか,もう少し広い傍受を認めるとか,それを代替するような捜査手段というのが必要ではないかと,これも併せて議論すべきではないかという考えがあると思うのですが,これについては,併せて議論していくべき問題なのか,それともそれはそれで,可視化をまず進めていきたいという考えなのか,その点いかがでしょうか。

A:私は基本的にはそれは併せてということではなくて,可視化を進めていくということを基本にしたいと思っています。捜査手法としていろいろなことがあるということは私も承知していますので,それはまた,その問題として議論をすること自体は,決して否定されるものではないと思っています。

【死刑制度に関する質疑】

Q:やはりこれも先ほどの官邸の方の会見で出ていましたけれども,死刑制度については大臣は反対の立場であるということをこれまで国会の追及の場などでもおっしゃられてきました。改めて法相となられて,今後その死刑執行について先ほど慎重に考えていきたいというお答えでしたが,これは例えば,モラトリアムの導入とか,御自身の任期の間は執行にはサインしないということですとか,その慎重にというのはどういったことを含めてのお答えだったのか,もう少し詳しくお願いできますか。

A:これはお話をさせていただいたとおりです。私も死刑制度について,この間いろいろな議論をさせていただいてまいりましたし,思いとしてはそういう方向が本当に作られていけば良いなと,これは,私の個人の気持ちです。ただ法務大臣,それから今の制度ということを考えますときには,死刑制度というものが存在をし,そして,それに基づいて法の適用をしていくということになっているわけです。ただやはり一人一人の命ということに関わることですので,それについて,制度の趣旨,それから大臣としての職務,それを考えつつ,できるだけ慎重に対処していきたいということです。こういうことが,やはりいろいろな皆さんがやった方が良いのか,やらない方が良いのかみたいな状況に今あると思うのです。裁判員制度の中でも,もしそういう判決を出さなければいけないというときに,本当にどうしたら良いのだろうかと,大変悩んでおられるという国民の皆さんもいらっしゃるわけですので,良い意味で,皆の真剣な議論をしていくと,こういうものを作っていけたらとは念願しています。

Q:それは例えば,その世論調査を実施していくとかそういったことも含めてですか。

A:それはいろいろあると思いますけれども,例えば国会の方にお願いをして,何かそういう議論の場を作っていただくという,そういうことです。そうしようとか,しろとかいうことではありませんけれども,世論調査とかあるいは国会の場での議論とかいろいろな議論の場があろうかと思います。

【事務次官会見に関する質疑】

Q:先ほどの官邸の会見では出なかったと思いますが,こちらでは元々普段から事務次官会見は開かれていなかったのですけれども,これらを一応しないという方針を民主党の新政権の方では打ち出されています。これについて各記者が通常政策的なことを当局の方からブリーフィングを受けたりということがあるわけでして,大臣としてはその制限と言いますか,どこまで大臣として説明し,そのほか政策的なことは例えば担当課に任せられるとか,その線引きはどのようになさるかお聞かせいただけますか。

A:これは基本的な政策面はできる限りやはり政治家が責任をもって汗をかいていこうというのが今回の政権ですので,できる限りそれは私どもの手で,それから皆さんにお伝えをする,考え方をお示しをするということをさせていただきたいと思います。これから例えば副大臣等も選任させていただくということになろうかと思いますので,そういう意味では私たちはチームでということを申し上げていますので,副大臣や政務官,こういうことも含めまして,やはりそういうところで政策面,これについては皆さんにお示しをするという姿勢でいきたいと思います。ただそれについての例えばいろいろな細かい問題をブリーフをさせていただくとか,そういうことを全然なくするというわけにはいきませんので,そこは大きな方針に基づいて,今こういう状況になっていますとか,今回の議論はこんなでしたとか,そういうブリーフなどは事務方の皆さんにも当然お手伝いをいただくということになろうかなと思います。

【民法成年年齢引き下げに関する質疑】

Q:民法の成人年齢18歳引き下げの問題ですけれども,民主党も政策集の方で前向きな方針を出されています。法制審議会の方でも部会の方で条件付で18歳に下げていくという最終報告が出ていますけれども,この問題についてどのように取り組まれるお考えでしょうか。

A:基本的に私どももこれまで,それからマニフェスト政策集などで,その方向にあります。それから法制審議会などでも議論をいただいているということもありますので,これはできるだけ今後議論を詰めていくと言うのでしょうか,そういう方向で取り組んでいきたいと思います。ただ,課題が何しろたくさんありますものですから,これもあれもとなかなかいかない部分は,できるだけ一つ一つ優先順位なりを設けながらやっていきたいなと思っています。

【夫婦別姓に関する質疑】

Q:確か大臣は以前夫婦別姓を認める民法改正の法案を出されたことがあったと思います。

A:出し続けています。

Q:その点に関してはいかがでしょうか。

A:これは,いろいろな御意見があることも確かですけれども,実はこれは元々法制審議会が1996年に答申を出しておられて,ある意味では法務省の中でも理解が相当ある問題ではないかなとは思っています。むしろこれまでの政権側の方でいささかブレーキを踏んでいたというところもあるのだと思いますので,これはどの時期という,なかなか明日からというかどうかは別としましても,この法制審議会で出されている答申をできるだけ活かす方向で,そしてこれもいろいろな家族関係の問題はたくさん山積をしていますし,それから国際的な批判の部分もありますので,そういうことをできるだけ解消していく方向,そしてやはり誰にとっても,生きやすい,そういう制度を実現していければと私も願って頑張っていきたいと思っています。

【指揮権発動に関する質疑】

Q:先ほど官邸で指揮権発動の件についてお伺いしました。その中で大臣は検察の暴走をチェックするという点から指揮権についても踏まえて対処すべきと考えているとおっしゃられたのですけれども,この発言の真意について確認させていただきたいと思います。一般論でおっしゃったと思うのですけれども,今後例えば,政権中枢に捜査が及ぶようなことがあった場合に,これは場合によっては指揮権を発動するということも選択肢の中に入るというお考えでおっしゃられたのか,その点について確認をさせていただきたいと思っています。

A:それは一般論としては指揮権というのはあるわけですので,一般論としては絶対ないということはないと思います。ただ,どういうときにというのはこれはもう個別の事ですから,ここでは,やるとかやらないとかとお答えをすることはできません。

Q:検察の暴走とおっしゃったのですけれども,暴走というのはどういう定義付けをしていらっしゃるのでしょうか。一般論ということで,個別のこういう形でやるかどうかはわからないということなのですが,まず定義について教えてください。

A:定義と言うか,要するに,検察というのが一つの行政的な行為でもあります。それに対して民意と言うのでしょうか,やはり行政に対して,いきすぎだったりすれば民意がチェックをする,それを法務大臣の指揮権ということであらわしているものだと私は理解をしています。

Q:これまでの法務大臣は,指揮権を発動するということについて慎重な立場をとられてきたのではないかと思うのんですが,そうすると大臣のお考えとしては,それよりは一歩踏み込んだととらえて良いのでしょうか。

A:どうでしょうか。指揮権の制度の趣旨というのが私はそういうものだと思っていますので,これまでよりも指揮権の発動に積極的だということでは必ずしもないと思います。当然,慎重に考えるべきものでもあります。

Q:今,民意というお話があったのですが,民意とは何かというのはとても難しい問題だとは思うのですけれども,具体的に何をもってどういう場合であれば指揮権が考えられるというイメージでおっしゃったのかということを,具体的に言っていただければと思います。

A:これはなかなか具体的にこういう場合とかということは申し上げるのは正直難しいなと思います。また,指揮権という問題が,片方で検察という,片方で民意を受けた政治,大臣という,選ばれた者,民意を受けた者がそこでチェック機能を果たすと,私は,こういう構造だと認識をしていますので,なかなかどんな基準かというのは,これはやはり個別で慎重に考えるということになろうと思います。

Q:検察の暴走という御言葉があったのですけれども,何か思い当たるような事件というのはありますか。

A:別に特にありません。

Q:小沢幹事長の秘書が逮捕起訴された問題については,それは検察の暴走だという認識のものではないですか。

A:別に特にそういうことを申し上げたつもりではありません。

【公訴時効に関する質疑】

Q:時効制度については,これまでに法務省の中では,殺人事件に関しては,廃止も含めた議論がなされてきて検討されてきているのですけれども,民主党の政策集の中では若干慎重な意見が載っていましたが,大臣としてはどういった方向性で時効制度について考えていこうと思っていらっしゃいますか。

A:これは,いずれにしても,まだ十分に議論が煮詰まっていない部分があると思います。私もこの間議論をさせていただいてきて,廃止というのは,やはり今度はいわゆる防御権を侵害するという危惧もなくはないなという気もします。ただ,絶対そういう考え方がとれないかというと私も言い切れるものではありません。そういう意味で,この間,時効を検察官の要求で中断をするというような考え方もあり得るのではないかと,こういうことで議論してきました。これからそこは是非やはり今のままでなかなか良いというわけにはいかないのかなと,いろいろな被害者の皆さんの訴えもありますし,それをどういう形で生かしていくか,そして,しかも防御権を侵害したり,あるいはまたこれでえん罪を生み出すようなことはあってはならないわけですので,その辺りを十分勘案しながら,もう少し議論を深めていくことが必要なのかなと,今,そういう考えを持っています。

(以 上)

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