法務大臣閣議後記者会見の概要
平成22年2月26日(金)
難民認定者数等について,簡単に御報告させていただきます。平成21年に難民認定申請を行った者は,1388人であり,過去最高となった平成20年に比べると若干減少していますが,高い水準で推移しています。平成21年に難民として認定した者は30人,難民として認定しなかったものの,人道的な理由を配慮して特に在留を認めた者は,過去最高の501人であり,両者を合わせて531人となりました。法務省としましては,難民認定制度の運用に当たって,適正かつ迅速に行うために,UNHCR等との連携をより一層強化し,出身国情報や国際情勢に関する基礎資料の入手等にも努力をして,これらのことを踏まえ,申請者の個々の事情を考慮して,今後とも適正に判断を行ってまいりたいと思っています。今後,第三国定住等の問題もありますので,国際社会の中で貢献を果たすことができるように努力をしてまいりたいと思います。
公訴時効見直しに関する質疑
【記者】
法制審議会から公訴時効見直しの答申内容が出ましたが,それについての受け止めをお願いします。
【大臣】
ゼロベースから是非いろいろな角度で御審議をいただきたいということでお願いをして諮問し,答申をいただきました。結論について重く受け止めて,これから立案作業を進めていきたいと思っています。
【記者】
過去の事件の公訴時効を廃止や延長することについて,憲法上問題があるという指摘も出ていますが,大臣はこれについてどのようにお考えでしょうか。
【大臣】
そのような御意見や御指摘があることは承知をしています。ただ,遡及といいましても,例えば,行為時になかった処罰規定を設けるということではありません。今,公訴時効が進んでいるものを延長する,あるいは廃止をしていくということですので,直接憲法違反ということに当たらないのではないかと思っています。また,逃げ得を許すとか,あるいはそれまでずっと潜んでいて,公訴時効が完成して処罰を免れたというのは,本当に公平公正なのかというところもありますので,そのあたりも考えていきますと,憲法の趣旨には反しないと思っています。
【記者】
時効の廃止・延長について,過去の事件に適用するということは,2004年の改正の時には見送っているのですが,前回見送って今回は認めることになった,この5,6年でどのような情勢の変化があったから今回認めるのかというそのあたりの理由はいかがでしょうか。
【大臣】
前回のときに見送られたという経緯は,私は必ずしも定かではありませんが,行為の時になかった処罰規定を,処罰をする時に新たに設けようという趣旨ではありませんし,それから,社会の中でもいろいろな不公平感,あるいは逃げ得を許さないという声もあり,法制審議会の中でそのようなことも踏まえて結論を出していただいたものだと思いますので,そこは改めて重く受け止めながら立案をしていきたいということです。
【記者】
時効の適用の範囲ですが,人が亡くなった事件に限るという範囲についても今後まだ議論の余地があるのか,それはまた今後考えていかれることなのか,いかがでしょうか。
【大臣】
法制審議会の結論は,やはり多角的に御議論いただきたいということでお願いをしての答申ですから重く受け止めつつ,ただ最終的な立案は政務三役が責任を持って行うということですので,重く受け止めつつ問題点がないようにきちっと立案をしていきたいということです。
選択的夫婦別姓に関する質疑
【記者】
選択的夫婦別姓の民法改正案について,いつぐらいまでに国会に提出したいとお考えでしょうか。
【大臣】
今,最終的な合意を図れるよう努力をしているところですので,いずれにしても,この国会に御提案できるような時期でまとめられるようにしていきたいと思います。
ハーグ条約に関する質疑
【記者】
昨日,官邸で鳩山総理と岡田外相とハーグ条約についてお話されたと伺っていますが,総理からもできるだけ早くということで指示をされたということですが,法務省として今後どのように進めていくというお考えでしょうか。
【大臣】
これは,国際的な関心も大変強いということで,できるだけ早くいろいろな論点の整理をして,取り組むようにというお話でした。昨日,今の状況を意見交換させていただいたということですが,まだまだ条約の趣旨といいますか,条約がどのようなものを各国に求めているのかということが必ずしもはっきりとしないという状況でもあります。これは外務省で行っていただくことになるのでしょうが,条約の趣旨などを十分に調査をし,それに基づいて論点の整理を行い,そして,この条約は多くの省庁にも関わりを持つのではないかと思いますので,法務省としても当然のことながら協力をしていきたいと思っています。
【記者】
中央当局についてなのですが,外務省,法務省が中心に進めるということになると,法務省が中央当局を担うということで進めていかれるのでしょうか。
【大臣】
その条約が求めている中央当局がどのような役割を果たすかということも,まだ正確にわかっていませんし,いろいろな各省庁にも関連する,またがっていく体制を作る必要があるのだろうと思いますので,そこが明確にならないことには,どこがというのはなかなか見えないのではないかと思います。法務省で協力できることは,司法の援助などなのかと思ったりはしますが,ここはこれから,条約の趣旨や中央当局の果たす役割がどこまでなのかということ,条約が求めることをきちっと調査をしてからの議論になるのではないかと思います。