法務大臣閣議後記者会見の概要(平成21年12月11日(金))
平成21年12月11日(金)
おはようございます。
私のほうから一つ御報告をさせていただきます。このたび少年矯正を考える有識者会議を発足させることにしました。これは,本年4月に発覚した,広島少年院における一連の不適正処遇事案につきまして,これまで矯正局において全国少年院の在院者,職員等に調査を行うなどして当面の再発防止策を講ずるとともに,少年院等が直面している諸課題について,検討・整理をしてまいりました。私は,広島少年院の事案を,決してあってはならないことと深刻に受け止めています。矯正に対する国民の信頼を回復するためには,少年院及び少年鑑別所の適正な運営のあり方について,今後さらに検討をしていかなければなりません。しかし,その作業に当たっては,法務省の内部職員だけではなくて,広く国民の視点に立って,様々な角度から検討することが必要であると考えまして,本有識者会議を立ち上げることにしました。会議の委員をお願いする方々は,お手元にお配りした資料(※)のとおりです。いずれの皆様も,少年の健全育成に対する深い御理解と,各分野における高い見識をお持ちの方ばかりです。委員となる皆様には,御多忙のところ,本会議の意義を御理解をいただきまして,大変感謝をさせていただいているところです。是非とも,幅広い視点から忌憚のない御意見を頂戴したいと願っています。法務省としては,会議での御論議を踏えて,少年院及び少年鑑別所の運営の一層の適正化,それぞれの施設の機能充実等に真剣に取り組んでいきたいと考えています。
※ 委員をお願いする方々
石附 敦 氏 京都光華女子大学大学院人間関係学研究科長・教授
市川 宏伸 氏 医師・東京都立梅ヶ丘病院院長
岩井 宜子 氏 専修大学法科大学院副院長・教授
影山 秀人 氏 弁護士
川ア 道子 氏 元中央更生保護審査会委員
津富 宏 氏 静岡県立大学国際関係学部准教授
徳地 昭男 氏 元武蔵野学院長
廣瀬 健二 氏 立教大学大学院法務研究科教授
広田 照幸 氏 日本大学文理学部教授
本田 恵子 氏 早稲田大学教育・総合科学学術院教授
毛利 甚八 氏 作家
(五十音順)
【少年矯正を考える有識者会議に関する質疑】
Q:広島の少年院の事件を巡っては,大臣御自身が視察にも行かれて,内部も御覧になったかと思うのですが,会議には,特にどのような点について,議論を期待するという部分などはありますでしょうか。もしあれば教えてください。
A:これは,どのようなこととこちらから申し上げることではなくして,今申し上げましたように,委員の皆様は大変実務経験もあり,あるいは,少年等の問題について深い見識をお持ちの方であり,私も是非ということでお願いをさせていただきましたので,そういう皆様から本当に多角的な,そしていろいろな見識に基づいて問題点等を御議論いただければと思っているところです。
Q:少年院法の改正ということについても,視野には入れていらっしゃるのでしょうか。
A:これも,この御論議を踏まえさせていただいて,必要であれば,適正に対応しなければならないと思っています。
Q:今,大臣がお考えになっている,少年院が抱える課題というか,問題というか,その辺はどのように捉えていらっしゃるのかお聞きしたいのですけれども。
A:これはなかなか難しい問題であろうと思っています。やはりこれは少年院だけではなくて,社会全体,少年たちを取り巻く問題と重なり合っていくのだろうと思っています。そういう中で,少年院は,とかく閉鎖的に完結しやすい,どうしてもそういうところがありますので,できる限り社会のいろいろな風が,あるいは透明性というか,そういうことを心掛けていくことが大事なのではないかと思っています。現在の社会と重なり合って問題というのが存在するのではないかという気がします。そういう意味で今回もできる限りこれまで教育の現場でいろいろと活動なさっておられた,そういう方々にも加わっていただくよう,私も配慮させていただいたところです。
【北朝鮮サッカー女子チームの入国に関する質疑】
Q:拉致担当の中井大臣の発言を巡って伺いたいのですけれども,先日,中井大臣が,来年の2月に東京で開かれるサッカー大会の関係で,北朝鮮の女子チームが入国するのには反対だという考えを表明されたかと思います。拉致問題に関連して,国として制裁措置をとっているということからして,入国を認めるべきではないのではないかというお考えだと思うのですが,法務省にも,働きかけをしたいということまでおっしゃっているようですけれども,これについて法務省としてどのような対応をされるのでしょうか。
A:まだ直接に,この入国の申請といいましょうか,申し出があったわけではありませんので,お答えをする段階ではないかと思いますけれども,今御指摘がありましたように,制裁措置,これがとられておりますので,基本的には入国が認められない,そういうことになろうかと思います。ただこれはサッカーというスポーツということもあり,政府全体として,適切に対処をしていくべき問題であろうと思っています。
Q:スポーツと政治というのはオリンピックなんかでも問題となり,これを結びつけて考えることに批判的な見方もあると思うのですが,政治とスポーツという難しい問題でありますけれども,大臣はその点についてどのようにお考えでしょうか。
A:一般的に言えば,政治とスポーツを結びつけてはならないという御意見があることは承知をしていますが,やはりこれは,直接に拉致問題等の制裁という,これもきちっと対処しなければいけない,そういうこととも一方では関わっているわけですので,外交等々の観点も含めて,政府としてきちっと対応するという事が肝要なのではないかと思っています。
【裁判員制度に関する質疑】
Q:裁判員制度が今年始まって,法曹関係者へ取材していると,2月,3月というのは,かなり集中するのではないかというふうに言われているのですが,初めてのことなので,こういうふうに集中するということに対して,大臣としてどのようにお考えなのか,異動の時期などもありますし,ペース自体がやや遅いのではという声もあって,その辺についてどのようにお考えかお聞かせいただけますでしょうか。
A:特に恣意的に集中するということではなかろうと思います。いろいろな準備,手続き等々を踏まえながら,そしてその時期とか,そういうことも併せながら集中をしていくということが出てくるということですので,集中してはいけないということもなかなか言えないと思います。ただそういうことは,どういう時期でも考えられることだと思いますので,その進行に適切に対応できるような環境は,できる限り整えて配慮していかなければいけないと思います。やはり裁判員の皆様が係わるわけですので,そのために負担が増えたり,時間が普通よりも過分にかかったり,そういうことになってもこれは裁判員の皆様への負担が大変大きくなったりしますので,こういうことも当然ありうるのだということを念頭において,更なる環境整備に努めていくということは必要なんだと思っています。
【今年の漢字に関する質疑】
Q:メディアが朝から報道していると思うのですけれども,今年一年を漢字一文字で法務大臣として示すとすると,どういう字になるのかなということをお伺いできればと思うのですが。
A:今年はやはり率直に言って政権交代がありましたので,交代の「代」ということかなという感じもします。私自身なかなかボキャブラリーというか,漢字能力がどこまであるか分かりませんが,大きく変革があった一年であったと思います。
【来年度予算に関する質疑】
Q:来年度の予算編成に向けて,最後,佳境の作業になると思うのですが,法務省としてこれからどういう方針でというか,概算要求出していますけれども,これから財務当局とやりとりがあると思うのですが,どういう方針で,最後予算の詰めの作業をやっていくおつもりかお聞かせ下さい。
A:なかなか法務省予算は規模も大きくありません。それから人件費等がかなりの部分を占めるということになりますけれども,やはり,常々申し上げていますように,一人一人の安心と安全,それから人権,こういうものをきちっと守れるような体制を作っていくのが任務ですので,それに齟齬がないようにしていきたいと思っています。ただその一方で指摘をいただいているようなところはできるだけ精査をして,無駄のないように,そして必要なところにきちっと予算が手当てできるように,そのような観点で作成をしていきたいと思っています。
(以 上)