法務大臣閣議後記者会見の概要(平成21年12月15日(火))
平成21年12月15日(火)
まず今日は冒頭に,皆さんに一点御報告をさせていただきます。本日の閣議におきまして,我が国とEUとの間の刑事共助協定の署名が承認されました。本日署名が行われる予定です。本協定の下では,我が国とEU加盟国との間で,共助の実施が協定上の義務となり,また,外交ルートを通じることなく条約に定める中央当局間で直接連絡を行うこととなることから,一方の国から請求する共助が,相手国において一層確実かつ迅速に行われるようになることが期待できるものです。犯罪の国際化が進む中,刑事司法分野における国際協力を推進し,国際社会の中での犯罪対策を強化することが極めて重要となっていますし,本協定の締結は,刑事司法の分野で,さらに緊密な協力関係を構築する上で,非常に有意義なものであると考えています。本条約の署名の閣議決定に至ったことを,大変よかったと思っているところです。
【団体規制法に関する質疑】
Q:団体規制法について,今年の末で見直しの時期を迎えているわけですが,本日の政策会議で,見直しをしないで延長する方向だということで説明があったと聞いています。改めて,方針とそこに至った理由について聞かせてください。
A:これにつきましては,この間,公安調査庁で,様々な検討を進めてきました。また,外部の様々な有識者,関係者の方からの御意見も頂戴をして,検討をしてきたところです。今の状況は,関係自治体からも大変強い要請があります。それから,オウムの実情を考えますと,まだまだ危険な実情があるという認識の下で,今後この団体規制法を引き続き存続をしながら,より一層厳格に対応していくこと,これが今回の結論ですので,これからも,きちっと監視を続けて,対処をしていくことになろうかと思います。
Q:施設の周辺住民は,団体規制法の存続はもちろんですが,更なる罰則や強化も求めていたと思います。今回の見直しではそのような強化については触れられていないようですが,その背景や理由についてはいかがでしょうか。
A:周辺住民の皆さんや自治体などからも,大変強い御要請をいただいていますので,十分にこのことを念頭におき,この団体規制法を存続しつつ,運用を更に厳格にするということが取り得る一番良い方向であろうという結論ですので,この運用をもって,きちっと厳しく対処していくということです。
【天皇陛下と習近平中国国家副主席との会見に関する質疑】
Q:習近平中国国家副主席と天皇陛下との会見に関連して,いわゆる1か月ルールを破って申込みがあり,それを官邸,首相からの意向で,実現させたということについて批判が出ているのですが,これについて大臣の御見解はいかがでしょうか。
A:私も,このいきさつ等は詳細に承知をしているわけではありません。30日のルールとは,法的な規定ということではなく,これまでも,陛下の健康等を配慮をしながら,それぞれの部署で対応をされてきたと思っていますので,それにのっとりながらの,今回の対応なのだろうと思います。今後も,そのような基本的なスタンスに立ちながら,適切に対応できたら良いのではないかと感じています。
Q:今回の鳩山内閣の対応には,特に問題がなかったという御認識でしょうか。
A:御健康等を考えつつ,それぞれが対応されているということであろうと思っています。
Q:宮内庁長官が,政治利用だと発言したことに対して,小沢幹事長が,政府の一部局の人間が,内閣の方針に反するならば,辞表を出した後に言うべきだと,強く批判しています。大臣としてはどのように宮内庁長官の発言を受け止めますか。
A:それぞれの立場・任務等で,発言をされたり,あるいは,それにいろいろと指摘をされたり,詳細どのような発言だったかというのを,私も全部は承知をしていませんので,それぞれの自分の立場という中で御発言されたものではないだろうかと思っています。
Q:政治利用かどうかということについての大臣のお考えはどうなのでしょうか。
A:これは必ずしも,どのようなことが政治利用だとか,なかなか断定するようなことはできない問題だと思います。どのようなことが政治利用で,どのようなことが政治利用ではないということがこの間議論をされて基準が決まっている,ということでもありませんので,一般論として,政治利用はあってはならないということはあろうと思いますが,どのようなことが,ということはなかなか難しい問題であろうと思っています。
Q:小沢幹事長は会見の中で,天皇陛下は習近平中国国家副主席と会うと言うだろうという趣旨の発言をされています。政府にも影響力のある与党の幹事長が,天皇陛下の御意思というものを推測をして,それを公にし,それを元に行動していくということに関しては,逸脱した部分があるとはお考えにはならないでしょうか。
A:全体の中からどのような趣旨で発言があったのかということは,私も十分には分かりませんので,今コメントをさせていただくということは,ちょっと難しいと思います。
【在日ビルマ人に関する質疑】
Q:昨日,難民とは認められなかったが,在留特別許可が認められた在日のビルマ人の人たちが,在留資格,特定活動ということで認可を受けているのですが,生活保護が受けられなかったり,本国から家族を呼び寄せることが非常に難しいということで,改めて定住者として認めてもらうために,37人の方が集団申請をしました。これについて大臣の対応や,方針などがありましたら教えてください。
A:この皆さんについては,難民認定ということではありませんでしたが,今御指摘がありましたように,特定活動ということで在留資格を認めていると承知しています。今般,定住者に変更する申請があったことは,私も承知をしていますが,個別のそれぞれの状況もおありだと思いますので,今後それぞれ申請の内容,個別の皆さんの事情等を勘案しながら,検討・審査をしていく方向で行くものだと考えていますし,私もそのようにすることが必要だと思っています。
【福島刑務所における事案に関する質疑】
Q:福島刑務所の看守部長が,男性受刑者に性的な行為をしたということで,特別公務員暴行陵虐罪で逮捕されましたが,それについての受け止めをお願いできますか。
A:これは大変遺憾です。このようなことは,本当にあってはならない当たり前のことであり,私も厳しく受け止めています。まだ,捜査中ですので,それをきちっと捜査をしていただいて,そして,その内容も含めて,厳しく対処をしていきたいと思っています。このようなことが度重なるようなことがあってはなりませんので,再発を防止するための対策を,早急に検討するようにと指示をしているところです。
【普天間基地移設に関する質疑】
Q:普天間基地の移設の関係で,結論を先延ばしするということで政府の方針が決定しましたが,このことについてアメリカとの関係が悪くなるのではないかという声が野党からも挙がっています。先送りするという決定について,大臣としてどのように受け止めていらっしゃるでしょうか。
A:先送りと評価するのかどうかというのはあろうかと思いますが,できる限り,それぞれ納得できる方向を見いだしていくということが大事だろうと思います。日米関係は当然大切な,大変重要なことでもあり,それについては十分に日米間で話をしながら,お互いに事態を打開していくということができるのではないかと思っています。
Q:普天間基地の移設の件がなかなか決着しない理由として,沖縄に基地の過重な負担がかかってしまって,集中しているという事が一つあると思います。沖縄以外の本土の方も負担を分担すべきではないかと,大阪府知事も関西国際空港の件でいろいろ発言されています。大臣の地元の神奈川でも米軍施設とかいろいろおありだと思いますが,沖縄の負担軽減といいますか,負担の分散の有り様,そのことを大臣はどのようにお考えでしょうか。
A:確かに沖縄に負担が集中しているということは私もそうだろうと思います。それを沖縄の皆様もこれまで大変忍んできたところもあると思います。一方で,米軍の展開について日米間でこの間いろいろ協議をしてきたということもありますので,直ちに皆で他の地域で,日本のどこでも良いからその負担を分かち合いましょうと,なかなかそのような問題に直結するものでもないと思っています。そのような意味ではできるだけ,沖縄の皆さんの負担ということを,本当に心に止めつつ,良い解決の方向をなんとかできるだけ早く見いだしていくということが必要だろうと思っています。
【国債発行額に関する質疑】
Q:今日の閣議で,予算の方針として国債の発行額を44兆円以内に抑えるということがありました。マニフェスト実現のための予算が膨らんで,特別会計などに切り込まないと44兆円以内に抑えられないのではないかということがありますが,44兆円以内に抑えるという予算の基本方針について大臣はどのように考えていらっしゃるでしょうか。
A:なかなか厳しいところもあろうと思いますが,これから負担を後につけ回すようなことになってもいけませんし,これまでの事業仕分けや,あるいは特別会計への切り込みなど,そのようなことをできるだけ併せて財源を見いだしていくようなこともしながら,できる限り負担をそこから更に大きく膨らませていくということは避ける必要があるのではないかと思いますので,この基本を私も念頭において策定に対応していきたいと思います。
【個人通報制度及び国内人権救済機関に関する質疑】
Q:12月10日が世界人権の日ということで,国内人権救済を求める声とか,個人通報制度に批准するといったようなことで,いろいろなシンポジウムがあったり,国連大学前で難民が集まったりなど,いろいろな動きがありました。大臣も個人通報制度と国内人権救済機関のことについては,就任の記者会見でもお話をされていたわけですが,今後どのように具体的な取り組みをされていくかと,国内の人権状況の兼ね合いも含めて,今後の見通しなどありましたらお話を伺いたいのですが。
A:個人通報制度につきましては,今も外務省と法務省,それから関係省庁も含めまして,ある意味ではこの間続いてきたいろいろな勉強の取りまとめといいますか,整理の段階になってきていると思います。それをきちっと整理をしながら,できるだけ早く実現に向けた方向性を作っていけたらと思っていますので,今,いつまでと断定はできませんが,そう遠からず,方向性を出せるよう私も努力をしているところです。それから国内人権救済機関等につきましては,これも省内で,これまでのいろいろな取り組み,あるいは,この間案なども出されたりしていますので,そのようなことももう一度精査をしたり,あるいはどのような形で設けることができるのかということも含めて,かなり熱心に勉強をしていますので,これもどこかできちっと形を整えて提起をさせていただくことができたらと思っています。これも,いつまでとは断言まではできませんが,いつまでもずっとやらないということはありません。
Q:国内の今の人権状況について,どのような効果が一番あると大臣はお考えでしょうか。
A:これはいずれにしても,そのようなシステムや体制を作ることによって,いろいろな関係,これは全部に関わるわけですが,人権というものに何か判断するとき,あるいは施策をするときにやはり配慮をするという機能でしょうか,そのようなことが私は大きいのではないかと思っています。個人通報制度ができたから次々と個人通報を行うということではなくして,できるだけそのようなことがないようにとか,そのためにはこのような配慮が必要だということを常に念頭に置くような,そういった効果あるいは機能が私は期待できるのではないかと思っています。
(以 上)