法務大臣閣議後記者会見の概要(平成21年12月17日(木))
平成21年12月17日(木)
おはようございます。
【布川事件等に関する質疑】
Q:42年前の強盗殺人事件で無期懲役が確定した布川事件について,今週最高裁判所が再審の決定をしましたが,足利事件でも再審が決まるなど,それに続く再審で無罪が出る可能性が出てきたということになります。それについて大臣の受け止めはいかがでしょうか。
A:再審決定がされたということは私も承知をしていますし,これから再審公判でどのような結論が出るのか,私も重く受け止めながら注視をしていきたいと思っています。いろいろな形で御意見があるものが,もう一度再審という形で審査されるということについては,大変重要なことだと思っています。
【取調べの可視化等に関する質疑】
Q:布川事件では,改めて虚偽の自白ということが問題となっているかと思います。大臣も,可視化については,マニフェストに掲げたとおり着実にするという立場で,これまで発言をされてこられていますが,改めて,可視化の実現に向けたスケジュール,あるいは段取り,それから方向性について,今の時点で一歩踏み込んで話していただけることがあればお願いしたいのですが。
A:これまでお話をしているとおり,私としましても,御約束をしているこの可視化について,着実に進めていくということを念頭に置きつつ,勉強会,そしてワーキングチームで今精力的に議論を整理をしていただいているという状況です。今回の布川事件で,改めて再審を決定されるということなどを考えますと,議論をできるだけスピードアップをするということはあっても,遅くなっていくことがあってはならないと考えていますので,今行っている議論をより一層精力的に進めていただこうと思っています。
Q:法案提出の時期については,やはりまだということでしょうか。
A:今は,確定的に申し上げる段階ではありませんが,いずれにしても,早くということはあっても,遅くなってはいけない,より一層そのような認識を強めているところです。
Q:そもそも,勉強会の議論はいつまでにという目途がほとんど出ていないでスタートしたと思うのですが,法案提出の時期まで詰めないまでも,少なくても勉強会として,ある一定の考えのまとめの時期について,改めていつくらいまでというお考えはお持ちなのでしょうか。
A:どこまでという期限を正確に決めているわけではありません。例えば,可視化をしなければいけないというのは,検察の取調べもありましょうし,警察の取調べもありましょうし,あるいは他の捜査の権限を持っているところの問題もありますので,その問題も含めて,いろいろな状況を把握しなければいけません。そのような意味では,いつまでということはありませんが,法務省としての一定の整理はできるだけ早くできればと思っています。今,ワーキングチームでいろいろな整理や,細かい具体化にあたっての課題となる問題などについて,整理をしていただいているという状況ですので,その推移を見ながら,一定のところでは,いつまでにきちっと方向付けをしようということを申し上げるときはあると思います。
Q:ある程度,どのくらいまでというのがないと,議論が遅れているのか,早まっているのかすらよく分からないのではないかと思うのですが。
A:御指摘のことは,私も言われて当然だという気持ちがします。その意味で,一定のところでまた方向性を,あるいはいつ法案をまとめるということを申し上げるときができるだけ早く来ると良いと思っています。
Q:同じく今回の問題点の一つとして,代用監獄が無理な取調べを招いている面があるのではないかという指摘も出ています。これは随分前から,国連からも改善するようにと勧告を受けているところですが,法務大臣として今の現状について,改善すべきことや,今後このようにしたいということがありましたらお願いします。
A:これは,本当に長年の議論です。その中で,法曹三者等の間で一定の方向は一回作られていると認識しています。ただ,これは決してそれで終わった議論ではないと思いますし,また改めていろいろな立場で御議論がまた進んでいくのではないかと思います。私もしっかり多くの皆様の議論や,あるいは御意見を今後とも受け止めていきたいと思っています。
Q:今後すぐに何らかの見直しについて,着手したり,あるいは検討を指示したりするお考えはありますか。
A:今直ちにということはまだ考えていませんが,改めてそのような意見が出てくるのではないかと思いますし,そのようなことについてはしっかり受け止めて考えていきたいと思います。
【法制審議会刑事法(公訴時効関係)部会に関する質疑】
Q:公訴時効を巡っての法制審議会について伺います。日弁連から,今の審議のあり方について,大臣に対して改善を求める要請が出たと聞いております。来年の通常国会に提出することを想定したスケジュールも組まれていて,メンバーの人選にも偏りがあるということで,ちょっと審議のあり方を見直してほしいという内容だったと思うのですが,大臣はこの審議のあり方について,適切だとお考えになりますでしょうか。
A:御意見を頂戴したことは事実ですし,その御意見の中にいろいろとこの公訴時効についての論点や御指摘が含まれていることも十分わかっています。ただこの議論は,今法制審議会にお願いして,一定のところで結論をいただきたいということですので,それをいつまでと申し上げてるということではありません。一方では,何とか考え直してほしいという意見があることも事実ですので,法制審議会の中で,日弁連から御指摘をいただいている論点も含めて,今大変精力的な議論をしていただいていると承知していますので,その御議論,方向性や結論,あるいはいつになるかはわかりませんが,それを踏まえて対応をしていきたいと思っています。
Q:特段,今のあり方が問題があるから改めるべきだとか,そのようなお考えはないということでしょうか。
A:私はごく適切な形で諮問させていただき,御議論もしていただいていると認識していますので,それを進めていくということに尽きると思います。
【北朝鮮サッカーチームの入国問題に関する質疑】
Q:次に,北朝鮮のサッカーチームの入国問題について伺います。昨日官邸で,関係省庁の副大臣の会合が開かれたと聞いていますが,この会合で決まった内容と,それから今後さらに政府としてどのように進めていくのか,大臣の御承知の範囲で教えてください。
A:この間,申し上げましたように,一定の制裁措置がありますので,それはきちっと踏まえるとして,政府全体としての方向を出されることによって,私もそれに伴った法務省としての対応を取っていきたいと思います。
Q:昨日の会合自体では,どのようなことが話し合われて,どの程度のことが決まったのでしょうか。
A:そこは私も,報告を受けていませんので,つぶさにはわかりませんが,いろいろな御意見があったと伺っています。政府として方向性を出すということになると思います。
【民主党のマニフェストに関する質疑】
Q:昨日,民主党から政府の方へ党要望があり,その中で暫定税率を存続させて,子ども手当には所得制限を設けるという,マニフェストの内容とは異なる内容の要望があったのですが,そのことに関して大臣の受け止めをお願いします。
A:基本的に,内閣としてマニフェストを基本として政策を実現するのが責任だと私は今でも思います。いただいた御要望は御承知のとおり,様々なものを党で一括して取りまとめるという仕組みになりました。今回の要望というのはそういう中に何千もあったということですので,そのいわば多様な意見を取りまとめたものを届けていただいたのではないかと受け止めております。その意見を十分念頭に置きながら,ただやはり約束をしたこと自体は大切にして,最終的な方向を,判断を内閣として出さなければいけないのだろうと思っています。
Q:党の方は,これが国民の声なのだと言っているわけですが,そこと選挙の時に約束したということとでなかなか難しい判断かと思うのですが,それについて大臣はどのようにお考えでしょうか。
A:国民の声が多様にあるということを,むしろ示し,取りまとめて届けていただいたということだと思いますので,大変重いことだと思います。それを受け止めつつ,最終的な政府としての責任のある方向性を出さなければいけないことだと思います。
Q:大臣自身は,暫定税率と子ども手当の所得制限について,どのようにお考えでしょうか。
A:私はこれまでも,マニフェストで御約束したものを政府が着実に実現していくということを基本的な考え方として持っていましたが,それは一遍に実現していくのか,あるいは段階を踏んで実現していくのかなど,それは全体の判断としてあろうかとは思いますが,基本的には私もマニフェストの精神をできるだけ貫いていくということが大事なのではないかと思います。
Q:仮に,暫定税率や子ども手当の所得制限について党の要望を全面的に受け入れた場合に,これはマニフェストに違反していると思われますでしょうか。
A:結論が出ているわけではありませんし,仮に,ということには,なかなかお答えにくいと思います。これからそのような意見も踏まえながら,最終的なとりまとめということになろうかと思いますので,今はそれをきちっと,私も議論があるのであれば参加をしつつ,方向付けをしていかなければいけないと思っている段階です。
Q:小沢幹事長が要望を持ってくる際に,本当に政治主導が成り立っているのか疑問であるという御発言をされてまして,この間,税や予算の大きな枠組みがなかなか決まらないことに対しての苦言を呈されているのだと思うのですが,大臣は小沢幹事長の指摘に関してどのようにお感じになるでしょうか。
A:どのような趣旨で指摘をされたのか,私はその場にも居りませんので,理解をなかなかできない状況です。政治主導についてどういうところをもって御指摘になったのか,私も報道などで聞いただけでは良く分かりません。
【死刑制度に関する質疑】
Q:死刑制度についてお伺いします。大臣就任以来,国民的議論を起こしたいとおっしゃっていましたけれども,就任以来3か月以上になり,現時点で国民的な議論を起こすような具体的方策について考えていらっしゃることがあれば教えていただけますか。
A:頭の中をいろいろと整理をしているという状況ですので,皆様にお伝えをすることができる段階になれば,また報告をさせていただきたいと思っています。
【最高裁判所の量刑データベースの入力ミスに関する質疑】
Q:最高裁の量刑データベースの入力が間違えていて,裁判員裁判をやり直さなければならない事態が発生したのですが,その事態について何か受け止めなどありましたらお願いします。
A:それについて事実関係はまだ把握していませんので,軽々に申し上げることではないと思っています。
【就任後3か月を経ての感想に関する質疑】
Q:御就任から3か月が過ぎたところですが,当初,可視化のことですとか3つの柱を立てられて今日までこられたと思うのですが,3か月を振り返って,改めてどのような御感想をお持ちかお聞きしたいのですけれども。
A:新しい政権で,これまでとは違った構造転換をしていこうという中で仕事をさせていただいてまいりましたので,半分模索をしながら,そして予算の見直しを含めて,もう3か月かというくらい大変忙しい3か月だったと思います。模索をしながら,頭をぶつけぶつけ進んできたような,そんな感じがします。その中で,3本の大きな課題について,皆様から,見えてこない,進んでいかないという御意見があるかもしれませんが,ひとつひとつ種まきをさせていただいたり,あるいは議論を前へかなり進めることができているのではないかと思っています。これは大きな課題でもあり,なかなか数か月で100点満点ということには当然ならないものだと考えていますが,これまでどおりに着実に更に前進をすることができればと思っています。
(以 上)