法務大臣閣議後記者会見の概要(平成21年12月25日(金))
平成21年12月25日(金)
おはようございます。
【鳩山首相の偽装献金事件に関する質疑】
Q:鳩山首相の偽装献金事件について伺いたいと思います。昨日,鳩山首相の秘書二人が起訴されました。額の大きさとともに,首相の秘書が起訴されるのは前代未聞と言ってもいいと思いますが,昨日会見を開いた鳩山首相は,辞任する考えは今のところはない,ただ今後国民の声が大きくなれば,それを尊重したいともおっしゃっていますが,首相の政治的責任について,大臣はどのようにお考えでしょうか。
A:昨日,事件の処理がなされたことは私も承知をしていますし,総理が衆議院議員という立場で会見をされたということも承知をしています。告発を受けていたということを前提に議員としての判断で会見を開かれたと,そしてその考え方を述べられたということですので,私はそのようなものだと受け止めています。それ以上,私からのコメントを申し上げることはありません。
Q:首相を辞める必要はないという考え方には大臣もそうだということでよろしいのでしょうか。
A:それは,総理の御判断といいますか,考え方ということであろうかというふうに思っていますし,あとは,今後のいろいろな国民的な御判断ということになっていくのではないかと思います。
Q:野党時代に,鳩山首相は,秘書の罪は政治家が罰を受けるべきだという趣旨の発言をされていて,そのことに関しても昨日随分追及されていたと思うのですが,そうした発言との矛盾があるのではないかという見方もあるのですが,それについてはいかがでしょうか。
A:それは,鳩山総理が御説明といいますか,会見で質疑に答えられたということに尽きるのではないかと思います。私は,基本的に,個別の問題に限らず言えば,やはり秘書の責任は議員の責任でもあるということは,一般論としては言えるのだと思います。
Q:この事件の,鳩山内閣への影響,それから来年は参院選もありますが,選挙への影響ということについては,大臣はどのようにお考えでしょうか。
A:これからこの政権が一体としてどのように国民の皆様の期待に応えて,マニフェストを中心に,あるいはこれからの緊急の政治課題についてきちっと対応していくという姿勢を持っていくかによって,どのように評価をいただくかということであろうと思っています。
Q:総理が野党時代に,自民党の議員の事件に関して,秘書の事件は政治家の責任であるということで,議員バッジを外すのが筋であるというような御主張をされたと思いますが,それが自分の事件になったらそのとおりにしないということは,たとえ政権が交代したとはいえ,かなり国民の政治不信を招くというか,増大させるのではないかと思います。そのあたりの,政治に対する信頼という点で大臣はどのように考えていらっしゃいますか。
A:先ほども申し上げたとおりですが,確かに一般的な考え方で言えば,私もやはり秘書等の問題については政治家も責任があるとは考えます。昨日それについては,総理も自らいろいろな御説明をされ,今後また国民の皆様からのいろいろな御意見というものを踏まえて,政権の運営をされていくということであろうと思っています。
Q:総理の事件の関係で,元秘書が起訴されそうだということは,前々から報道を通じて御存知であったとは思うのですが,指揮権発動について検討されたかどうか,その点について教えていただけますか。
A:個別の問題でもありますし,私も元々申し上げておりますように,一般的には指揮権という問題はありますが,捜査について不当な介入は私はするつもりはないということでお話をしています。今回について,個別ということですので,私が申し上げる立場にないと思っています。
【夫婦別姓に関する質疑】
Q:夫婦別姓について,民法改正の法案については,大臣は早ければ来年の通常国会にも提出したいということを以前おっしゃっていたと思います。その考えに,まずお変わりがないかどうか,あるいは来年以降の段取りについて何か考えていることがあれば教えてください。
A:まったく変わっていません。ぜひ早期に実現をすべく対応をしていきたいと思っています。
Q:その場合には,13年前の答申で出た内容,他にも,嫡出でない子の相続差別の問題など,全部ワンパッケージになっていたかと思うのですが,それを合わせて改正案として提出したいという御意向ということでよろしいでしょうか。
A:基本的な考え方は,そのとおりです。
Q:現在の準備状況といいますか,就任当初からずっと実現させたいということをおっしゃっていましたが,実現に向けて今どのような段階にあるのかということが見えないものですから,多少具体的に説明していただけないでしょうか。
A:法制審議会での答申は遥か前に出していただいているものですから,法案の内容や,その整備や準備は,いつでもというところまで整っていると申し上げて良いと思います。あとは,準備万端整っているので,皆様の御理解も得たうえで,できるだけ早く御提案をさせていただくことができればと思っています。
Q:閣内では,他の大臣や総理などには,夫婦別姓についての具体的な話はしているのでしょうか。
A:いろいろ,折々,節目節目に話をさせていただいています。
【死刑の問題に関する質疑】
Q:死刑の問題について,改めて伺いたいと思います。今年を振り返りますと,前政権時代の7月の末に執行があってから,その後政権交代があり,今まで執行がない状態が続いていることになると思います。大臣は就任以降,大変難しい問題で,人の命にも関わることでもあって,一方でその職責の重大さということも受け止めているということで,国民的な議論を起こしたいという趣旨の御発言をされていましたが,就任から3か月ちょっと経って,今のところまだそのお考えを示されていないと思います。来年以降,国民的議論ということについてどのように進めていかれる御意向であるのか,教えていただければと思います。
A:就任以来3か月余り,100日になりました。この間に課題も大変たくさんありましたので,この間で着手をするというところまでには至っていません。今いろいろなところで改めて死刑の問題等含めて,いろいろな議論がされていると私も承知をしています。その意味では,大変それは歓迎すべきことだと思っていますし,他の課題と一定の方向付けが見えてくるという時期でもありますので,新しいいろいろな課題について,皆様方に今年はこのようにしたい,このようなことを是非更に取り組んでいくということを御報告をしたり,あるいはお示しをすることができたらと考えています。
Q:現時点で,特別に何か諮問機関なようなものを設けるとか,議論の何か枠組みになるような,仕組みについて具体的なお考えというのはないのでしょうか。
A:今まだ申し上げるような段階にはありません。
【来年の法務行政の抱負に関する質疑】
Q:来年1年,法務行政にとってはどのような年にしたいかという抱負をお願いします。
A:今年は,3か月100日余りの中でマニフェストで掲げ,そして冒頭お話をさせていただいてきた3本の大きな課題について,議論などをスタートさせることはできたと思っています。ただ,それ以外に重要な課題がいくつかあることを頭に置いていますので,この3本の重要な問題と,改めて論議をスタートしていかなければならないという課題もあろうかと思いますので,是非皆様の御期待に応え得るような,充実した,また政策議論のできる1年にしていけたらと思っています。
【年末年始の法務大臣の予定に関する質疑】
Q:年末年始ですが,大臣は今年はどのように過ごされる御予定でしょうか。
A:多少の,充電といいましょうか,いろいろな頭の整理もさせていただき,また今申し上げましたような新たな取り組むべき課題もありますので,それに向けて頭を少しめぐらせて,過ごしたいと思っています。
【法教育に関する質疑】
Q:法教育についてですが,来年には学会も設立されたり,京都で自治体として本格的に法教育の導入が決まったということで,かなり動きもあるのではないかと思いますが,法教育の今後の展開について,来年以降のお考えをお聞かせいただけますか。
A:京都で,法教育についてこれから積極的に進めていくという取り組みがスタートされるということは,承知していまして,大変私は歓迎すべき対応であろうと受け止めています。裁判員制度等,あるいは社会の中で一人一人が犯罪被害を受けたり,いろいろな意味で犯罪に加わったりということがないような社会を作っていく意味では,法教育がこれから積極的に展開されなければいけないと思います。法務省でも,まだまだスタートしたばかりですが進めさせていただいています。是非このようなことが,いろいろな形で自治体を含めて全国で展開されるということができれば,非常に嬉しいことだと思っています。必要あれば積極的に協力などはしていきたいと思っています。
【北朝鮮女子サッカーチームの入国に関する質疑】
Q:北朝鮮の女子サッカーチームの入国問題ですが,今日午前中,関係副大臣の会議が開かれまして,まだ結論は出ていないということだったのですが,今の話合いの状況と,大臣の考え方を改めて聞かせていただければと思います。
A:話合いの状況は,今副大臣等の下で,それぞれ検討していただいていることですが,制裁という問題がありますので,それに係わるということであれば,基本的には,それを尊重すべきと私は思いますが,スポーツという観点もあり,これは今議論をいただいていますように,政府全体として適切な対応を見出していくということが大事なのだろうと思っています。
【長期非正規滞在者の特別在留許可に関する質疑】
Q:今週の火曜日12月22日のことですが,長期非正規滞在の外国人家族の在留特別許可の支援をしている市民団体から,法務大臣あてに要請があったと思います。今年の夏から収容や再収容が相次いでいる長期非正規滞在者の家族のことや,難民認定申請者の仮放免や,あるいは在留特別許可に係わるガイドラインの見直しを求めるということだったと思います。この団体にかかわらず,この間収容がかなり厳しく続いていたり,ガイドラインも制度の透明化に過ぎないと法務省もずっと言っていて,なかなか基準化されていませんが,それに対していろいろな団体が申入れをしていると思います。今申入れをしている団体だけではなくて,非正規滞在者は約14万人いると思われるところ,諸外国ですとアムネスティという形がとられると思うのですが,今回ガイドラインの公表ということを踏まえて,積極的要素,例えば20年を過ぎてとか,子供が学校に上がっているとか,そのようなことを基準に一定の在留特別許可の付与ということは今後考えていく御予定というのはないのでしょうか。
A:これまでいろいろな個別の事情を考慮して在留特別許可などを出しているところ,その基準といいますか,それをガイドラインで透明化,ある意味では明確にさせたということでもあり,この間このガイドライン,それから個別の事情等を考慮しながら,在留特別許可等の審査をしているという実情です。これを,これからもやはりきちっとまずは進めていくということが大事だろうと思っています。数が増えている等の話があることも承知をしていますが,これは結果的にそうなっているという部分もありますので,決して特別に取扱が後退をしたとか,特別な取扱をすることとなったということとは私も承知をしていません。ただ,皆様にできうる限り,対応といいますか,なぜそのような結果になったのかということが分かるような情報の提供などはより一層していかなければいけないのではないかということで,それらも整理をさせていただいています。
Q:ガイドラインを,一定の基準であるとは法務省の方も入国管理局の方も言っていないわけですが,一定の基準として積極的要素を追加するという方向では考えていらっしゃらないのでしょうか。
A:基準といいますか,これまでの検討するうえでの,考慮すべき要素だということで,今,皆様にお示しをしているということです。それをきちっと,考慮すべき要素をこれからも厳格にできるだけ尊重して判断を出していくということが,今必要だと私は思っています。
(以 上)