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法務大臣閣議後記者会見の概要

平成22年1月29日(金)

 おはようございます。
 収賄容疑で昨年12月に起訴された東京入国管理局成田空港支局の職員につきまして,1月27日付をもって,懲戒免職の処分といたしました。このような事態に立ち至ったことは誠に遺憾であり,国民の皆様に深くお詫びを申し上げたいと思います。事実関係につきましては,法務省入国管理局等の職員で構成される調査チームに調査させたところ,本件対象職員に違法行為があった以外に,この職員が所属する部署においては,個々の申請案件の審査に当たって,上司を始めとする他の職員によるチェック機能が十分に働いておらず,そうしたことが本件対象職員の違法行為を可能とする状況を作り出していたものと判明しました。こうした調査結果を踏まえまして,上司による決裁の徹底,申請案件への複数の職員の関与,申請受理から決裁に至る審査プロセス全体を対象とする新たな監査の実施を始めとする再発防止策をとるよう指示しました。また,同人の当時の複数の上司について,本件対象職員の日常業務に対する監督を怠ったとして,国家公務員法に基づく懲戒処分又は内規上の監督措置をとることとしました。今回の事件の反省を十分に踏まえ,適法適正な職務執行に対する職員の意識をさらに高めていくほか,再発防止策を全国の入国管理官署において迅速かつ着実に実施することにより,出入国管理行政に対する信頼の回復に努めてまいりたいと考えています。大変申し訳ないことだったと思っています。

取調べの可視化に関する質疑

【記者】
 昨日,取調べの可視化の早期実現を求める議員連盟の初会合があり,その場では,今国会に議員立法で提出してもいいのではないか,もうこれ以上勉強会などを開く必要がないのではないかなどの意見が出されていましたが,法務省の検討とは別に,こうした議員の間で今国会の法案提出も含めた可視化実現の動きが広がっていることについては,どのように受け止められていますか。
【大臣】
 その勉強会につきましては,そういうものが開かれたということは報道等を通じて承知をしていますが,それは,それぞれ議員の中で勉強するという御趣旨であろうと思いますので,私の方からコメントをするという立場にはないと思っています。私は,この間申し上げているとおり,取調べの可視化を実現をするということは,大きな職務でもありますし,御約束をさせていただいているということでもありますので,できる限り早く検討作業,問題の整理,あるいは環境整備等も含めて進めさせていただいて,できるだけ早く実現させたいと考えていますので,今行っている勉強会,そして,副大臣の下でのいろいろな検討をこれまでどおり,まずは着実に進めていくということを考えています。
【記者】
 例えば,今国会で法務省の議論とは別に,議員立法の形で法案が提出されても,それは了解するというか,受け止めるというような御趣旨でしょうか。
【大臣】
 まだ,そのような事態であるとは全く聞いていませんし,あるいはそのようなお話をいただいているということでもありませんので,今の段階で何か申し上げることは,いたしかねるということです。
【記者】
 昨日の議員連盟の議論の場では,法務省の可視化に関する勉強会そのものも公開するべきではないかというようなお話もありましたが,現在進められている勉強会の議論の様子を公開するつもりはおありでしょうか。
【大臣】
 それは内部の検討ですので,節目節目で皆様に御報告をすることは当然あると思いますけれども,それぞれ議論の過程について,すべて御報告をするということにはならないかと思っています。
【記者】
 可視化法案については,マニフェストに掲げていたのですが,改めて,可視化の意義というか,必要性について大臣から説明していただけますか。
【大臣】
 この間,足利事件等のいろいろな事件が明るみに出てきたという経過がありましたが,その中で,やはり,取調べについて,より一層透明にすることが必要なのではないかと,それからもう一つは,裁判員制度がスタートして,これまでの裁判の実務を考えますと,取調べ状況について,調書に任意性や信用性があるかというようなことが争点になって,裁判が長期化をするということもしばしば生じていたこともありますので,裁判員制度を考えるときに,そのようなことを避けるためには,調書の任意性や信用性が争われたときに,録音録画がなされていれば,それによって検証をすることが可能になるのではないか,という理由もあり,取調べの録音録画を制度的にきちっと位置付けたらどうだろうかというのが,民主党のマニフェストに掲げるに至った背景だと理解をしています。
【記者】
 今後,マニフェストに掲げられた取調べの可視化を実現した場合に,逆に,このような問題点が出てくるのではないかというものはありますか。
【大臣】
 それを今,ある意味では改めて検討,あるいは勉強しているという状況です。
【記者】
 今,大臣の頭の中で,このようなことが考えられるのではないかということはありますか。
【大臣】
 それは今検討しているさなかです。
【記者】
 可視化法案の国会への提出時期については,いつごろという目途はあるのでしょうか。
【大臣】
 確定的なものはありません。
【記者】
 昨日の議員連盟の会合の件で,次回,法務省から勉強会の状況についてヒアリングをしたいという考えが出ていたのですが,法務省から担当者なりを出されて御説明をされるというお考えはあるのでしょうか。
【大臣】
 そのようなお話は,特にまだ私も聞いていませんので,今,お答えできる状況ではありません。
【記者】
 議員連盟の方では,法務省にすでにお願いをしているというような説明があったのですが。
【大臣】
 そのような御要請は,まだ直接にはいただいてないのではないかと思います。
【記者】
 要請があれば,説明をするのでしょうか。
【大臣】
 今の段階では,どのような要請かも承知しておらず,それは,いろいろな状況を踏まえて考える必要があるのだろうと思います。
【記者】
 民主党が野党時代に法案を提出した時には,大臣も提案者の一人にもなっていました。議員連盟の中では,法案を出した時点で民主党は完成品だと認識しており,それをまた,勉強会をする必要性というのはやはり分からないので,今の政府に,今国会に法案を提出してもらいたいということで議員連盟は運動を進めていくという話があったと思うのですが,改めてそうではなくて,勉強会が必要なのだと,もう少し検討が必要だという理由について改めて伺いたいのですが。
【大臣】
 民主党として提案をするというときには,提案者,賛成者をそろえて提出するものですから,それは当然であろうと思います。民主党提案の法案が不完全なものだとか,あるいは内容がきちっとしたものではないとは決して私も思いません。自分で提案をしてということですが,実際に実施をするという具体的なことを考えると,様々な準備や,あるいは,スタートする時はどこまでの範囲でやるのかだとか,様々な問題を検討し,準備をしておかなければ,執行する側としては責任を果たせないのではないかと思います。中身がおかしいとかということではなくして,いろいろな範囲や,どういう体制で実施するのかというようなことをきちっと精査を尽くしておく必要があると,私は思っています。
【記者】
 新しい捜査手法の検討が警察庁の方でも始まるということなのですが,そのようなことが理由となって,その検討が終わるまでは取調べの可視化を導入できないというのは,議論として非常におかしいのではないかという意見も昨日出ていたのですが,その点に関して大臣はどうお考えでしょうか。
【大臣】
 私は,基本的には新しい捜査手法というようなものについては,問題は別であろうと思っています。ただ,やはり警察の捜査ということもありますので,その体制の整備は当然していただかなければならない問題ですので,新しい捜査手法等とは別の問題ですが,当然のことながら警察の準備,あるいは体制も合わせて整えながら進めていかなければならないだろうと思っています。
【記者】
 中井大臣がかつて,取調べの可視化と新しい捜査手法についてはワンセットで考えるべきだというような御発言をされていたと思うのですが,大臣はそのような御認識ではないということですか。
【大臣】
 中井大臣の御趣旨は,必ずしもワンセットということではなくして,そのような問題も一方であるのではないかという御発言だったと私は受け止めています。今,中井大臣の下でも取調べの録音録画に向けた,様々な検討をしていただいていると思いますので,両者ができるだけきちっとした体制を整えて,スタートする方向にできたらよいのではないかと思います。
【記者】
 民主党の法案では,基本的に全ての犯罪を対象に,取調べの可視化をするということでした。今のお話では,取調べの可視化をする範囲を検討しているということでしたが,可視化をスタートする時点で,例えば裁判員裁判対象事件だけを可視化するとか,全ての犯罪を対象にスタートするということには決してこだわらないということでしょうか。
【大臣】
 私は基本的に,スタートの考え方は全ての録音録画と申し上げているわけです。ただ,政策を具体化するに当たって,いろいろな段階を踏むのか,最初から全て録音録画するのか,そのような問題も,今,整理をしているところですので,財政の問題もあるでしょうし,そこをいろいろと検討させていただいているということです。基本的な考え方は,全ての捜査について,取調べについて録音録画するというところからスタートしているということは変わることではありません。
【記者】
 全ての取調べの全過程を可視化するということですか。
【大臣】
 全過程です。
【記者】
 そこからスタートするというのが基本にあるわけですか。
【大臣】
 そうです。基本的な議論のスタートとしてはですね。
【記者】
 導入する時点では,まず一部の事件からということもありうるということですか。
【大臣】
 一部の事件からなのか,あるいは全てなのか,あるいはどのような場合なのか,いろいろなことがあると思いますので,そこを今,整理をしたり,議論をさせていただいたりしているということです。
【記者】
 勉強会が今,進んでいると思うのですが,いつ法案を提出するのかということまではなかなか難しいにしても,少なくても,勉強会は最低でもこれくらいはやらないと,先が見えないというのはどれくらいの期間なのでしょうか。どんなに短くても,あとこのくらいは検討しないと,3か月はしないと,半年はしないと,1年はしないと,先に進めないというイメージはあるのでしょうか。
【大臣】
 そんなに3年も4年もなどと言っている場合ではありませんので,それは,少なくともできるだけ早い時期に取りまとめ,あるいは,整理をしたいと思っています。その意味では,一定のところまでに精力的に論点を整理するということであろうと思います。例えば明日,明後日でまとまるということではありませんが,かといって,2年も3年もかけているかといえば,そういうことはできないと思っています。
【記者】
 例えば,今年は参議院議員選挙があるわけですが,選挙の前までにある程度形ができて,示すようなことができるくらいのおつもりでやっていらっしゃるのでしょうか。
【大臣】
 それは,またそのような段階までできれば一つの節目でお示しをするということはできるのではないかと思いますが,まだ,そこまで確たる状況にはありません。
【記者】
 勉強会の件で先ほど大臣は,取調べの可視化と新しい捜査手法ということとは,また別の問題ではないかとお考えになっているというお話だったのですが,今,法務省で行われている勉強会の方では,そのような大臣の御意向を反映して,勉強会では新しい捜査手法の検討の方には踏み込まない,踏み込む必要がないというのが今のお考えなのでしょうか。
【大臣】
 勉強会は,いろいろな場面を考えながら,具体的な検討をするわけです。それは,このような捜査手法もあるだろうとか,国際的なことを全く勉強しないかと言えば,そうでもありませんので,いろいろな勉強の過程で,そういうことも全くないというものではないと思います。政策を検討するときには,いろいろな,多角的な周辺事情などを含めて議論をし,勉強をするということであろうと思います。
【記者】
 いろいろなことを勉強会でされるのでしょうけれども,例えば,今まで勉強会の中でこのようなことについて検討して,どのような意見が出たというようなことで,例えばというものがあれば教えていただきたいのですが。
【大臣】
 今まだ,例えばと言って申し上げられるところにあるわけではありませんし,何か個別のことだけ取り上げて御報告をさせていただくということは避けたいと思います。一定の議論なり,あるいは整理をできた,あるいは節目でこのような問題があった,そういうことがあれば,また,皆様にも御報告をさせていただくこともあろうかと思います。
【記者】
 可視化法案を提出する時期について,一定の整理がついた時にお示ししたいということなのですが,それは今国会もまったく排除はしていないという御認識でよろしいでしょうか。
【大臣】
 いろいろな幅は当然あるだろうと思います。ただ,今の段階では,まだ十分に御提供するというところまでまとまった段階ではありません。

公訴時効の改正に関する質疑

【記者】 
 公訴時効の件なんですが,改正案はいつごろを目途になど,具体的なものはありますか。
【大臣】
 これは今,法制審議会でまだまだ議論をしていただいているという状況ではありますが,できる限り,今国会にも御提案できるように,私は,まとめられていければと思っています。
【記者】
 これまでの政策会議での副大臣の発言などを伺っていると,法制審議会の答申が出たとしても,それをそのとおりに受け入れるかどうか分からないと,最後は,政治判断だということもおっしゃっています。元々,民主党も,選挙の前には公訴時効については,停止,中断という形のものをと,おっしゃっていたと思いますし,大臣も諮問されるときは,白紙で多角的に検討してほしいということだったと思うのですが,結果を見ると,今のところの方向性は,前政権時代の方向性とそう変わらないのかなと見えるのですが,そういった方針が出た場合に,大臣は,どういう方向性で臨まれるのか,専門家の意見を尊重されるという方向なのか,あるいはこれまでの民主党の議論を改めて検討するというお考えなのか,その点はいかがでしょうか。
【大臣】
 私も諮問をさせていただくときに,いろいろな意見,これまで研究会等で御議論いただいてきたもの,あるいは民主党などが提供させていただいたもの,さまざまなものも総合的に,ゼロベースから議論いただきたいということでお願いをしています。その意味では,そこで,どのような結論が答申として出されるか分かりませんが,そのようなことを前提にして御議論いただいたということですので,そこで出てきた答申は,重いものだと思っています。

死刑制度に関する質疑

【記者】
 前回の死刑執行からちょうど半年になるのですが,大臣は就任以来,国民的議論を踏まえてということを強調されていましたが,現時点で,国民的議論を起こすために何か考えていらっしゃることがあれば,お聞かせください。
【大臣】
 私も重大な問題だと,重要な課題だと思いますし,それから私の立場ということもわきまえているつもりです。どのような形だということをいろいろと思い巡らせていますので,御議論をいただける場,あるいはそのようなことが何とかできればと今,考えているところです。それと私の権限といいますか,それとは別な問題ですけれども,やはり重要な重い問題なので,できるだけ国民の中でいろいろな議論が展開されればよいのではないかと思っていますので,そのような場を何とか作ることができたら,あるいは皆様にそのような機運を出していただけたらとは思っています。

閣僚の不適切発言に関する質疑

【記者】
 予算委員会の中で閣僚から不適切な発言があったということで,昨日,閣僚懇談会があって,平野官房長官が謝罪したりということもありましたが,そのような指摘をされることになったことについて,大臣の受け止めをお聞かせいただけますでしょうか。
【大臣】
 国会の白熱したいろいろな議論の下ですから,いろいろな対応といいますか,そのようなことが出てくるということはあるのかなと思います。ただ,多少ものが聞き取れないとか,そういう事態もありましたので,これは国会の方で環境をもうちょっと整えるようにという御指摘をいただいたということですので,それをきちっと受け止めて,政策の議論がきちっと進むように私も受けて止めていきたいと思っています。

第二次補正予算及び来年度本予算に関する質疑

【記者】
 昨日,第二次補正予算が通過しまして,いよいよ来年度本予算の審議になるわけですが,通過したことについての受け止め,それと来年度本予算をどのような形で議論していきたいかということについて,考えをお聞かせください。
【大臣】
 このような大変でまだまだ厳しい経済状況でもありますし,この第二次補正予算がきちっと可決できたということは,大変よかったと思っています。これからの来年度本予算ですが,この第二次補正予算と来年度本予算とが,ある意味ではできるだけ切れ目なく実施できることが今の経済等にとっても大変重要なことだと思いますし,来年度本予算によって,これから先の,将来に向けた一定の方向性というものを皆様に御理解をいただくことができれば,今の落ち込んでいるというところに,少し元気を出すことができるのではないかと思います。その意味では,第二次補正予算に引き続いて来年度本予算の方もできるだけ中身の良い議論を尽くしていただきながら,できるだけ早く可決をいただけるよう努力をしていきたいと思っています。
(以上)
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