法務大臣閣議後記者会見の概要
平成22年2月5日(金)
私の方から,二点御報告をさせていただきます。
まず,犯罪捜査のための通信傍受に関する法律第29条に基づき,平成21年中の通信傍受の実施状況等についての国会への報告案を閣議決定しました。本日,国会に報告がなされることになります。この報告の内容は,平成21年中に,7事件につき傍受を実施した結果,合計33人の逮捕に至ったというものです。通信傍受は,相応の効果を挙げていまして,捜査当局においては,今後も,通信傍受を有効適切に活用していく方針だと承知しています。
次に,このたび,法務省と文部科学省が共同して,「法曹養成制度に関する検討ワーキングチーム」を設置しました。現在の法曹養成制度については,様々な問題点が指摘されていまして,私は,法務大臣として,早急に問題点の検証を行い,法曹養成プロセスの改善を図ることが必要不可欠ではないかと考えていました。このような問題意識を文部科学大臣にもお伝えしたところ,快く御賛同いただいて,このワーキングチームの設置に至りました。ワーキングチームは,法科大学院を中核としつつ,法科大学院における教育と司法試験及び司法修習生の修習とを有機的に連携させた新たな法曹養成制度の問題点を検証し,これに対する改善方策の選択肢について整理をするということを目的にしています。ワーキングチームの主宰は,法曹養成制度の担当省である法務省,そして文部科学省両省の副大臣が担当することになっています。委員としては,両省の担当者のほか,法曹三者である裁判所,検察庁,日本弁護士連合会の推薦者,また法科大学院関係者にも御参加いただくことになっています。ワーキングチームでは,必要な検討を行って,本年半ばを目途に,一定のとりまとめを行うことを予定しています。ワーキングチームを主宰する法務・文部科学両副大臣には,是非リーダーシップを発揮して,精力的に検討を進めてもらいたいと期待しています。
法曹養成制度の検討に関する質疑
【記者】
法曹養成制度についてですが,法曹人口や,司法試験の年間合格者数などを将来どのくらいにすべきかということも検討課題に挙がるのでしょうか。
【大臣】
どのような問題があるのか,あるいは今後検討すべき課題は何かという論点を整理をしてもらうということが,まずこのチームの大きな目的ですので,そのような論点整理等をこの間,ワーキングチームでやっていただきたいと思っています。
【記者】
法曹人口の将来像についても,どのような問題点があるのかというのがあれば,今後その課題には挙っていくと思われますか。
【大臣】
ワーキングチームで,問題点の整理をしていただくかということになりますが,その後その問題点について,どのような形で議論を進めていくか,どのような場を使って検討するかということも,ワーキングチームで検討いただければと思っています。
【記者】
本年半ばにとりまとめというのは,夏頃を目途にということでよろしいですか。
【大臣】
そうですね。その頃までにできるだけ早く論点整理をしていただくということを期待しています。
【記者】
ワーキングチームでこれから問題点を整理していくということですが,今の大臣の意識の中で,どのような問題点があるとお考えでしょうか。
【大臣】
法科大学院を中心にした法曹養成制度を作りましたが,法科大学院の教育の在り方,あるいは司法試験の在り方などについて御指摘をいただいていたり,あるいは大変御心配をいただいているなど,課題はいろいろありますので,そのようなことも念頭に置きながら論点を整理していただけるものだと思っています。
政治資金規正法違反事件等に関する質疑
【記者】
民主党の小沢幹事長の資金管理団体を巡る事件で,石川知裕衆議院議員が起訴されました。大臣は前回の会見で,刑事責任を問われることは重いことだと発言されましたが,石川議員は離党や議員辞職をして責任を取るべきだとお考えでしょうか。
【大臣】
それは,御本人がお考えになることであろうと思います。私からコメントをさせていただくということは差し控えたいと思っています。
【記者】
石川議員らが起訴された一方で,小沢幹事長は不起訴となりましたが,この刑事処分の扱いの差についてはどのようにお考えでしょうか。
【大臣】
個別の捜査の内容については,申し上げることは差し控えますが,あくまでも検察が法と証拠に基づいて,立件すべきものは立件し,そして,そうでないものはそうでないということで,捜査を行ったということだと理解をしています。
【記者】
政治的判断ということは別にして,証拠が十分であったか,不十分であったかということで純粋に判断したということでよろしいでしょうか。
【大臣】
当然そういうことだと,私は理解しています。
【記者】
小沢幹事長自身は刑事責任を問われなかったのですが,秘書や元秘書の3人が起訴されました。小沢幹事長は,秘書の監督者でもありますが,政治的,道義的責任は残るとお考えでしょうか。
【大臣】
私からコメントをする立場ではないと思います。これも,それぞれの立場で判断をするものではないでしょうか。
参議院議員選挙に関する質疑
【記者】
小沢幹事長は,今後も幹事長職を続投すると先日発言していましたが,そうなると民主党は小沢幹事長の下で次の参議院議員選挙を戦う可能性が高いということになります。大臣は選挙に臨まれる御立場として,小沢幹事長の下で選挙を戦うことに関してはどのようにお考えでしょうか。
【大臣】
どのような形にしろ,一生懸命頑張るだけです。
【記者】
疑惑が指摘されていて,秘書が起訴された幹事長の下で参議院議員選挙を戦うことについて,候補者の一人としてどのようにお考えでしょうか。
【大臣】
私自身のことですから,自ら一生懸命頑張るというしかありません。
【記者】
秘書が起訴された幹事長が,民主党の選挙の指揮を執るということが適正かどうかということについてはいかがですか。
【大臣】
適正,不適正という判断を,私がすべきものではないと思います。
【記者】
民主党員なのに,なぜ判断すべきではないのですか。
【大臣】
私の今の大臣としての立場からしますと,それについてコメントをすることで,具体的な捜査に様々な不当な影響をもたらすようなことになってもいけませんので,コメントは差し控えさせていただきたいと思います。
政治資金規正法改正に関する質疑
【記者】
今国会で,政治資金規正法の改正についても論議になってくると思うのですが,もともと民主党は,企業団体献金の廃止をマニフェストで掲げています。この企業団体献金以外にも,会計責任者が法を犯した場合には罰則を強化した方が良いのではないかという意見も出されたり,いろいろ改正のポイントがあると思うのですが,大臣御自身としては法改正についてどのようにあるべきかというお考えはありますか。
【大臣】
私もまだ論点を整理し尽くしているということではありませんので,細かな確たることは申し上げられませんが,基本的にやはり企業団体献金の禁止という方向でこの間も議論してきましたので,そのような方向で議論が進んでいくということは,私も前向きに受け止めていきたいと思っています。
【記者】
議員本人の罰則強化,つまり会計責任者が政治資金規正法違反をした場合に,今は選任と監督の両方に責任がないと監督責任が問われないのですが,それをもう少しハードルを下げたり,あるいは議員本人の罰則を強化する必要があるのではないかという点については,どのようにお考えになっていますか。
【大臣】
そのような御議論や御意見があることも承知していますので,今後いろいろな議論の中で方向性を定めていくことが求められるのではないかと思います。私もまだ,こうあるべきという結論を持ち合わせているということではありません。
【記者】
その点については,大臣としてはまだ白紙といいますか,どちらということでもないということですか。
【大臣】
そうですね。ただ,議論の一つの課題ではあろうかと思っています。
個所付けの疑惑に関する質疑
【記者】
個所付けを事前に民主党関係者に伝えたということで,自民党を中心に野党から反発が出ていますが,そのような疑惑が政府の中に持たれているということについての受け止めをお願いします。
【大臣】
事実関係が全くわかりませんので,コメントをできる状況にはありません。普通は,財政法に基づいて適切に行われるものであろうと思っていますし,そのように進めているのではないかと思います。
検察の報道対応等に関する質疑
【記者】
検察の説明責任についてですが,火曜日の会見で大臣は,検察庁が記者会見に記者クラブ非加盟社の参加を認めていない点について,法務大臣から何か言うことではないとのお考えを示されました。今回,起訴,不起訴など,その捜査に結論が出た段階で,記者クラブ非加盟社にも記者会見を開放する必要があったのではないかと思うのですが,その点については大臣のお考えに,変わりはないでしょうか。
【大臣】
そうですね。検察の方で適切な対応をとっているものと思っていますし,必要な記者会見なりを,この間も実施していると私は理解しています。