法務大臣閣議後記者会見の概要
平成22年2月16日(火)
選択的夫婦別姓等の法案に関する質疑
【記者】
昨日の予算委員会で,選択的夫婦別姓の法案について,亀井大臣が反対の立場を改めて表明しました。亀井大臣の発言は,閣議の前の基本政策閣僚委員会で国民新党が合意しなければ,法案は閣議決定できないという趣旨の発言でしたが,どのように理解を求めていくお考えでしょうか。
【大臣】
予算委員会の場で御発言をされたということで,亀井大臣の御発言は,大変重いものだと思います。ただ,法案の内容について,細かい御理解をいただいているかということは必ずしも定かではありません。亀井大臣としての,家族に対するお考えということもあろうかと思いますが,これからさらに,中身等も十分に御説明をしながら,内閣としてきちっとしたまとめをしていただくことができるように,私の方からも努力をしていきたいと思っています。
【記者】
昨日の議論では,氏が別々になることで,家族の絆を懸念する意見が出ました。大臣は,氏が別々になることが,家族の絆に影響を与えるとお考えでしょうか。
【大臣】
私は,家族の絆というのは大変大事なことだと思いますが,氏が同一であるか,あるいは異なるかによって左右されるものではないと思っています。
【記者】
この間ずっと大臣が,できるだけ早く国会提出を目指したいとおっしゃっていながら,亀井大臣が何度か反対である旨の発言を,地方の演説会等でされていると思うのですが,残念ながらその後状況があまり変わっていないように見えます。官房長官も,今後議論を慎重に対応するということを表明された中で,大臣として,これまでどのように働きかけられて,この状況をどう打開していくか,もう少し伺えればと思います。
【大臣】
亀井大臣にいろいろな機会でお話を申し上げるなど,問題の提起はさせていただいてきているということです。具体的な中身云々というよりは,いろいろな御趣旨もあろうかとは思いますが,これからも引き続いて,内閣として,政府として,きちっと方向付けをしていくことができるように,最終的に詰めをしていきたいと思っています。
【記者】
具体的にはどのようなことを論拠として説得に当たろうとお考えでしょうか。
【大臣】
なかなか論拠というのは難しいといいますか,議論が多少すれ違うところがあるのかもしれません。家族の絆は氏によって変わるか,というような議論ですと,なかなか検証しようもありませんし,それぞれの御説みたいな形になってしまいますので,議論としてちょっと噛み合いにくい部分もあろうと思います。何をもって説明を更にしていくかというのは,いろいろ難しい部分はありますが,やはり求められている今の状況や,それから決して夫婦別姓は強制をするものではなく,それぞれの選択肢を提供するという問題でもありますので,そのようなことなどもできるだけ分かっていただくように更に説明し,そのようなものだということを御理解いただけるようにしていきたいと思っています。また,この間,必ずしも違憲の判決が出ているわけではありませんが,司法の場でもかなり指摘もされている,あるいは国際的にも指摘をいただいているということもありますので,その情勢をもう少し御理解いただける材料も,改めてきちっと申し上げなければいけないとは思います。
性同一性障害の親のもとに生まれた子に関する質疑
【記者】
昨日,性同一性障害と診断されて,性別を変更した男性が大臣を訪れまして,子どもを嫡出子として認めるように要請されました。今後どのように対応していくお考えでしょうか。
【大臣】
この問題は,私も大変心を痛めている問題の一つです。今,政務三役の下で,どのような解決の方向が見出せるのか検討させていただいているところですが,これは率直に言って,性同一性障害の方だけの問題ではないと整理されると私は認識しています。基本的には,生殖補助医療などの在り方を今後どのようにきちっと整理をしていくかという問題があろうかと思いますし,それに基づいて,親族関係,親子関係をどのように定めていくかという,大きな基本的な問題が根本にはあると私は理解をしています。ただ,そうは言いましても,何とか救済といいますか,子どものためにも対応を取る必要もあろうかと思いますので,ここは基本的な根本的な問題の整理をできるだけ進めていただくと同時に,何か解決の方法がないものかどうか,今検討させていただいているという状況です。できるだけ早く道を見つけ出していきたいと思っています。
【記者】
いつまでに解決したいという時期の目途はありますか。
【大臣】
このケースのみならず,関連するようなケースもあるわけですので,いつまでということまで今,確定的な時期をお示しをできるという状況にはありません。
【記者】
以前の話では,生来の男性であれば嫡出子としての届出は認められるのに,この男性の場合認められないということで,そこが問題だというような話だったと思うのですが,性同一性障害の方だけの問題ではなくて,生殖医療の問題があるという御認識に至ったということで,今一度,この問題のどこが問題で,どのような救済策が妥当とお考えか伺いたいのですけれども。
【大臣】
性同一性障害ということとは別に,いわゆる生殖補助医療を利用して誕生された場合の手続きについては,性同一性障害をお持ちでない方の場合でも,一定のルールがあり,直ちに嫡出子という形になるというわけではありませんので,その意味では共通した問題なのだろうと思います。ただ,そのようなことも含めて,お子さんの戸籍がそのために作られなかったり,あるいはお子さんに何らかの不利益が生じるようなことはできるだけ早く解消をする必要があろうと思いますので,そのことを十分に念頭に置きながら,しかし,どのような対応を取ることができるのか,性同一性障害をお持ちの方でないところにも係わりを持つことでもありますので,それも併せて念頭において考えなければならないと思っています。
【記者】
直ちに嫡出子とされるわけではないというのは,第三者から提供を受けた精子を用いて出生した子供を夫婦が届け出る場合,それが明らかである場合は,やはり嫡出子とは認められていない現状のことをおっしゃっているのでしょうか。
【大臣】
そうです。
消費税に関する質疑
【記者】
菅財務大臣が,来月から税制の抜本改革に向けた本格的な議論を始めたいということを表明されていて,その一方で総理は,この4年間は消費税率を上げないという話をして,閣内でいろいろな意見が出ています。大臣御自身は,消費税の引き上げに向けた考え方について,どのように思われているのか,引き上げの時期についてどのようにお考えになっているのか,その2点についてお願いします。
【大臣】
閣内でいろいろな意見が出ているといいますが,きちっと統一されていると私は認識をしています。この内閣の下では消費税は上げないということは御約束をしていることですが,この間に全く議論をしてはいけない,あるいはしないということを,必ずしも申し上げているということではありません。税制の議論をすることになれば,そこだけ除いておくということにはなかなかならない,全体のどのような構造でどのようなバランスでという議論は当然出てくるのだろうと思います。ただ,この政府としては,与えられた任期の中では消費税は上げませんということはもちろんだと思っています。
公務員制度改革に関する質疑
【記者】
今,閣内で公務員制度改革について検討されているのだと思います。事務次官から部長級まで一つのバスケットに入れて,その中で転任という形で運用していくという案でまとまりつつあると思うのですが,一部ではやる気を削ぐのではないかという指摘もあります。今の制度改革について大臣のお考えを聞かせていただけますでしょうか。
【大臣】
政府全体として人材を十分に活かして,働いていただくということを考えた時に,そのような基本的な考え方に基づいて進めるというのは,私は必要なことだと思っています。