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刑事施設の被収容者の不服審査に関する調査検討会(第269回)議事要旨


 
 日時
 令和元年10月10日(木)15:00

 

 審査件数
検討会付議件数 審査結果
処理案相当 再調査相当 処理案不相当
11件 11件 0件 0件

 

 意見その他
(1)  書籍等の閲覧を禁止された措置の取消しを求める再審査の申請について,「法務省意見相当」(書籍等の閲覧を禁止したことに違法又は不当な点は認められない。)との結論に至ったが,1名の委員から,「審査の申請又は再審査の申請に係る裁決書においては,「申請人の資質及び環境の調査の結果等をも考慮すれば,申請人が本件各書籍等を閲覧することにより,その矯正処遇の適切な実施に支障を生ずるおそれがある」という抽象的な理由付けをするだけに止まらず,申請人のどのような「資質」及びどのような「環境」に照らして「矯正処遇の適切な実施に支障を生ずる」ことになりうるのか,可能な限り具体的に説明すべきである。」との意見が述べられた。
(2)  弁護士宛ての信書の一部を抹消された措置の取消しを求める再審査の申請について,「法務省意見相当」(信書の一部を抹消したことに違法又は不当な点は認められない。)との結論に至ったが,1名の委員から,「受刑者が,外部の者への簡単な伝言を第三者に依頼するような内容の信書を発信することは認められる余地があると解される。したがって,受刑者が第三者を介して外部の者へ意思の伝達を図ることは,法の許す外部交通の形態とは認めがたいと断ずることには,疑問がある。また,一通の信書の発信申請により複数の相手方への意思の伝達を図ったとしても,特定の外部の者への簡単な伝言を第三者に依頼するような内容の信書においては,職員が確認すべき発信の相手方の人数をいたずらに増加させるおそれは少なく,したがって刑事施設の管理運営上の支障を生じさせることにはならないと思われる。」との意見が述べられた。
(3)  紙片を国庫に帰属された処分の取消しを求める再審査の申請について,「法務省意見相当」(紙片を国庫に帰属させる処分をしたことに違法又は不当な点は認められない。)との結論に至ったが,1名の委員から,「国庫帰属処分の前提となった申請人の反則行為は書籍から切り取った紙片29枚を許可なく所持していたというものであるが,申請人の主張によれば,それらの紙片はいずれも閲読を許されていた書籍3冊から切り取ったものだということである。そうだとすれば,そのことに加えて紙片の記載がいずれも料理に関するものと思われることから,申請人が紙片を切り取る際に許可申請をしていれば所持が許可された可能性がある。このような紙片を反則行為組成物として国庫帰属処分とすることについては,紙片の性質,所持していた目的,所持するに至った経緯,所持させることによって想定される具体的弊害,領置とするだけでは不十分である事情などを総合的に考慮・検討し,慎重に判断されることが望まれる。そして上記の諸事情は告知聴聞の機会を十分に与えることによって把握すべきである。」との意見が述べられた。
(4)  工場で,てんかん発作により倒れた際,職員に顔面を16回殴られる違法な有形力の行使を受けたとする法務大臣に対する事実の申告について,「法務省意見相当」(身体に対する違法な有形力の行使は認められない。)との結論に至ったが,1名の委員から,「当該被収容者の病態は複雑で分かりにくく刑務官として処遇に難しさを感じるのは理解できる。しかし,てんかんの持病があることは一連の記録から明らかであり,倒れて意識を失っている可能性がある被収容者の肩をゆするのはまだしも,頬を叩くのは適切な対処とはいえない。持病がある被収容者に対して,詐病であると決めつけるような対応は避けるべきである。」との意見が述べられた。