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刑事施設の被収容者の不服審査に関する調査検討会(第253回)議事要旨


 
 日時
 平成30年9月13日(木)15:00

 

 審査件数
検討会付議件数 審査結果
処理案相当 再調査相当 処理案不相当
8件 8件 0件 0件

 

 意見その他
(1)  作業報奨金の支給額について,作業能力,成果などが考慮されておらず,本来支給されるべき額より少ないなどとして,作業報奨金の支給額に不服があるとする再審査の申請について,「法務省意見相当」(作業報奨金の算出方法及び支給額に不合理な点は認められない。)との結論に至ったが,3名の委員から,「『作業報奨金に関する訓令』の別表1によれば,現在の報奨金計算額の加算の基準となる就業時間1時間当たりの金額(以下『作業報奨金基準額』という。)は,10等工であると7円30銭となっている。懲役受刑者に作業を行わせることは,刑法第12条第2項により刑罰としての懲役刑の本質的要素であるが,同時に,刑事収容施設法第84条により受刑者の改善更生及び円滑な社会復帰を目的とする矯正処遇でもある。したがって,刑務作業は,一般社会における自由な労働とは性格上異なるのであり,また,作業報奨金は,労働の対価としての賃金とは異なる性格を有する。刑事収容施設法施行当時,作業報奨金基準額は,10等工であると5円50銭であり,上記のとおり,引き上げられてはいるものの,社会における最低賃金の額から見ると,現在の作業報奨金基準額は著しく低いものと考える。改善更生意欲をより高いものにするためにも,社会復帰後の生活資金のためにも,更なる作業報奨金基準額の引き上げが強く望まれる。」との意見が述べられた。
(2)  職員から違法な有形力を行使され,違法又は不当に保護室に収容されたとする法務大臣に対する事実の申告について,「法務省意見相当」(身体に対する違法な有形力の行使及び違法又は不当な保護室への収容はない。)との結論に至ったが,1名の委員から,以下のとおり,意見が示された。 「本件は,保護室収容要件である法第79条第1項2号イの「刑務官の制止に従わず,大声又は騒音を発するとき」に該当するかどうかが問題となる案件である。申告人が職員の制止に従わず,大声を発したため非常通報ベルにより数名の職員が駆けつけた際,申告人は急いで横臥して新聞を読むという行動を取っており,その行動は保護室収容を免れるための意図的かつ打算的なものと推測される。かかる状況は,申告人が大声を発した直後であることから,同様の状況が継続していると見ることができる反面,申告人が比較的冷静に打算的な行動を取っていると思われることや保護室収容後も大声を発する等の行為は行っていないことから,上記の保護室収容要件に該当する事態は既に終了しているのではないかとも考えられるところである。 このようなケースについては,行刑の現場の判断を尊重せざるを得ないが,保護室への収容が,刑務官の制止に従わず,大声を発する等の行為をした事に対する制裁的運用とならないよう,収容要件の存否についての慎重な判断が望まれる。」