刑事施設の被収容者の不服審査に関する調査検討会(第265回)議事要旨
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日時 令和元年6月20日(木)15:00 |
2 | 審査件数 |
検討会付議件数 | 審査結果 | ||
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処理案相当 | 再調査相当 | 処理案不相当 | |
8件 | 8件 | 0件 | 0件 |
3 | 意見その他 |
職員から力一杯押し倒される暴行を受けた後,違法又は不当に保護室に収容されたとする法務大臣に対する事実の申告について,「法務省意見相当」(身体に対する違法な有形力の行使及び違法又は不当な保護室への収容はない。)との結論に至ったが,1名の委員から,「本事案の被収容者が少なくとも健康な精神状態でないことは画面から容易に察知できる。事実,本件の前日にも保護室収容されているし,後日精神科医の診察により「退行期精神病」との診断が下されている。本事案において,担当刑務官は口頭の指示に従わなかったとの理由で単独で開錠し指導を試みているが,双方の声が大きくなっていき,被収容者はますます興奮を募らせ,最終的には刑務官が柔道の投げ技のごときものにより制圧せざるをえない結末に至っている。刑務官が細かく指導をしようとすること自体は評価されるべきものであろうが,被収容者の精神状態を踏まえれば果たして妥当であったのか,徒に無用な軋轢を生み強制力の行使に至らざるを得なくなったのではないかという疑義を抱かざるをえない。被収容者の精神状態に応じた処遇を行うという意識が徹底されていれば,今回のような経過は避けられた可能性があるのではないか。また,本被収容者は入所時に分類より精神科診察を行うことが望ましいことが提案されているにもかかわらず,精神科受診にかなりの時間を要している。矯正医療における医師不足という事情を勘案しても,やや時間がかかりすぎている印象がある。被収容者の精神状態の評価はきわめて重要な事柄であり,施設としても優先順位を高めて対応すべきであると思料される。」との意見が述べられた。 |