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第60回“社会を明るくする運動”作文コンテスト法務大臣賞受賞作品

平成22年1月25日
法務省

小学生の部

佐藤 みと  「力」

「おはようございます。」

 「みとちゃん、おはよう。今日はプールの授業があるとね。」

 私のプールバッグに気づいて聞いてくれます。

 「はい。五時間目です。」

 これは私の家族との会話ではありません。隣のおじいさんとの会話です。そんな会話で私の通学は始まります。

 おじいさんは、私が学校へ行こうと玄関を出るといつも家の前の道で待ってくれています。そして、公園の先の友達との待ち合わせの場所まで一緒に歩いていって、そこで見送ってくれます。

 「いってきます!」

 「はい。気をつけていかなよ。」

 元気に手を振ってあいさつをして別れます。

 友達と出会ってしばらく歩いていくと、今度は同じ町内の一人のおばさんが横断歩道に立っていて、私たちを渡らせてくれます。この横断歩道は、車の通りが多いのに信号がないために危険なので、おばさんは毎朝立ってくれているのです。これは私が一年生のときから続いています。また、町内会の人たちは子どもたちの下校時間に合わせて交代でパトロールをしてくれています。

 私の両親は共働きなので私はカギっ子ですが、あまりさみしくありません。学校へ行くときも、帰るときも送ってくれて出迎えてくれる人がいるからです。

 「おかえり。今日は遅かったねぇ。みとちゃんがもう帰って来る頃やと思うて芋焼いてるよ。」

と、かきね越しに声をかけてくれるのは裏の家のおばさんです。

晴れの日も、雨の日も毎朝私を送ってくれる隣のおじいさんや、通学路に立ってくれているおばさんのおかげで、通学の途中で悪い人に声をかけられたことも怖い目にあったこともありません。一人で留守番をしていても怖くありません。裏にはおばさんがいるし、隣にはおじいさんがいる。安心して留守番ができます。

私が地域の人から守ってもらっているように、今度は自分にできることをやってみたいと私は思うようになりました。そこで、下校の時や夏休みのラジオ体操の帰りに一人で帰っている下級生を見つけたら、家の近くまで送っていくようにしました。また、小さな一年生が大きな道を渡ろうとしている時には渡るのを手伝うようにしています。よその町内会の人や、知らない人とすれ違うときでも大きな声であいさつをし、下級生のお手本になるようにしています。私はこれらのことを友達と一緒にやっています。初めは少し恥ずかしい気持ちもあったけれど、だんだんとそんな気持ちは消えていきました。こういうことをすると、なんだか楽しいような、うれしいような、とにかくいい気持ちになれます。

私の住んでいる所は、新しい住宅地です。今も次々に家が建っています。みんな引っ越してきて新しく知り合いになった人たちばかりなのに仲良しです。お互いに声をかけ、仲良くしようとしているからますます仲良くなるのだと思います。一人一人の声かけがきずなを深めているのです。もう、みんなが家族みたいです。隣のおじいさんは私のおじいちゃん。そんな気がします。私はこのまちが大好きです。

しかし、近ごろではニュースでたくさんの恐ろしい事件を見聞きします。その中には身近に住んでいる人たちに無関心なために、犯罪を防ぐことができないこともあるようです。これは私の住んでいるまちからは想像ができないことです。

私は考えていく中で、気づいたことがあります。それは、私たちには「力」があるということです。世の中全体が私の住むまちのように、みんながみんなに目配りをするようになればそんな事件も減るはずです。これは「目の力」です。みんなで声かけをしてきずなを深めれば、犯罪の起こるすきをなくすことができると思います。これは「声の力」です。この「目の力」と「声の力」を一人一人が持って、みんながその力を発揮していくことが大切です。地域全体が一つの家族のようになってお互いを見守る。「目の力」、「声の力」でそんな社会をみんなで作っていきたい。私はそう思います。そして、それが私たちの社会を明るくしていくことだと私は信じています。

 

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