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こころをつなぐプロジェクトとは

 「こころをつなぐプロジェクト」とは,“社会を明るくする運動”の一環として,本運動のフラッグアーティストである谷村新司さんに,継続的に更生保護の現場に訪問いただき,犯罪や非行からの立ち直りを支えている人,あるいは,実際に立ち直りに取り組んでいる人々と音楽を通して触れ合っていただく企画です。

第一弾 更生保護施設訪問

 本プロジェクトの第一弾は,「社会生活を送りながら,立ち直りに向けて努力している当事者と谷村さんに触れ合っていただきたい」との思いから,谷村新司さんに,京都の更生保護施設「盟親」を訪問していただくこととなりました。
 
寮生と谷村さんとの交流の様子
谷村さんと更生保護施設の寮生らとの交流会を実施
 
 谷村さんには,施設の寮生らと夕食を共にし,彼らの立ち直りに向けた決意を聞いていただきました。谷村さんからの温かい励ましの言葉を受け,寮生たちは立ち直りへの決意を新たにしたようでした。
 
寮生に向けて激励の言葉を述べられる谷村さん
寮生に向けて激励の言葉を述べられる谷村さん

寮生や谷村さんのために,更生保護女性会の皆様が用意してくださった夕食
寮生や谷村さんのために,更生保護女性会の皆様が用意してくださった夕食
 
 夕食の後には,谷村さん,寮生,施設職員,更生保護女性会員らで「いい日旅立ち」を合唱しました。寮生たちは,最初は照れくさそうにしていましたが,谷村さんのリードにより,徐々に声を出して歌っていました。歌のチカラで会場の皆の心が一つになり,会場は温かい空気に包まれました。
 参加した寮生からは,「テレビでしか見られない谷村さんが同じ場所に一緒にいてくれること,また谷村さんのお話を伺って,私もがんばろうと思いました。」「『人は変われる。一緒なら。』という谷村さんの言葉を聞いて,自分は一人ではないんだということを思い,これからの人生を頑張っていこうと思った。」といった感想が聞かれ,谷村さんとの出会いは,寮生たちにとっても貴重な経験となったようです。
 
参加者全員のアーチで谷村さんをお見送り
参加者全員のアーチで谷村さんをお見送り

 

第二弾 社会貢献活動実施場所訪問

 本プロジェクト第二弾では,「地域の方々に支えられながら立ち直りを目指す当事者と,谷村さんに触れ合っていただきたい」との思いから,社会貢献活動を御覧いただくこととなりました。開催地については,谷村さんがライフワークとして取り組まれている被災地支援にも資することから,熊本県で実施することとし,活動場所は,日頃から社会貢献活動の趣旨を深く理解され,積極的に保護観察対象者を受け入れてくださっている特別養護老人ホーム「天寿園」となりました。
 
社会貢献活動や天寿園についての説明を熱心に聞かれる谷村さん
社会貢献活動や天寿園についての説明を熱心に聞かれる谷村さん

 
 当日は,保護観察対象者が介護補助に取り組む様子を谷村さんに御覧いただいた後,谷村さんと,施設利用者,保護観察対象者や保護司を始めとした更生保護関係者との交流会を実施しました。交流会では,「歌のチカラで気持ちを一つにしたい」との谷村さんの呼び掛けにより,その場にいる全員で,童謡「ふるさと」や「いい日旅立ち」を合唱しました。

施設利用者のお話を熱心に傾聴される谷村さん
施設利用者のお話を熱心に傾聴される谷村さん

参加者全員で童謡「ふるさと」「いい日旅立ち」を合唱(谷村さんは一人一人の参加者に寄り添いながら合唱に参加してくださいました。)
参加者全員で童謡「ふるさと」「いい日旅立ち」を合唱
(谷村さんは一人一人の参加者に寄り添いながら合唱に参加してくださいました。)

 
 交流会実施後は,保護観察官・保護司と保護観察対象者による社会貢献活動の振り返りにも,谷村さんに同席いただき,保護観察対象者への激励の言葉をいただきました。
 保護観察対象者からは,「意外な方とお会いでき最高でした。」「利用者の皆さんが元気で歌もとても上手でした。僕も元気に頑張ろうと思います。」といった素直な感想が聞かれ,生き生きと合唱する施設利用者の方々の元気な姿を見ることや,普段接することのできない大スターから,激励の言葉を掛けてもらうことは,彼らにとっても,貴重な経験になったようです。
 
社会貢献活動の振り返りに谷村新司さんが同席
社会貢献活動の振り返りに谷村新司さんが同席
(谷村さんから保護観察対象者への激励の言葉を掛けていただき,終始和やかに進みました。)


 

第三弾 「中澤保護司のカレーの会」訪問

 本プロジェクト第三弾では,「保護司の方が日頃どのような思いで活動されているか知っていただきたい」との思いから,中澤照子保護司(東京・江東区保護司会)が保護観察対象者などを交え定期的に開催している「カレーの会」に参加いただくこととなりました。


 

谷村さんと中澤保護司
 谷村さんは,カレーを味わいながら,調理などを手伝った更生保護関係者,食材を提供した地域の方々,このカレーを食べて立ち直った元保護観察対象者らと交流され,最後には,全員で「いい日旅立ち」を合唱しました。 中澤保護司は,「サプライズゲストの登場で,参加した皆さんがいつも以上に活き活きとしていた。相手が喜んでくれることが,私の喜びであり,保護司を続ける原動力です。」と述べられました。谷村さんは,「こうやって大勢で食べることはなによりも幸せなこと」「保護司の皆さんは熱意や想いだけで行動している。そういう方が日本全国にたくさんいることを一人でも多くの人に知ってもらいたい」と温かいメッセージを送られ,参加者それぞれが,活動への想いを強くした様子でした。
 

地域の方々もカレー作りに協力してくださいました
 

参加者に声を掛けられる谷村さん
 

参加者全員で「いい日旅立ち」を合唱

第四弾 更生保護施設における「シルバーリング作り」訪問

 本プロジェクト第四弾では,「更生に向けて努力する当事者や,それを様々な形で支えている人たちと触れ合っていただきたい」との思いから,谷村新司さんに,東京都八王子市にある更生保護施設「紫翠苑」を訪問いただくこととなりました。紫翠苑では,東京藝術大学や更生保護ボランティアであるBBS会員や更生保護女性会員の協力を得て,定期的に「シルバーリング作り」を実施しており,今回は谷村さんにも体験していただきました。


講師を務める東京藝術大学教員(左)の指導のもと,谷村さんもリング作りに挑戦されました

 

参加者に声を掛けられました

 はじめに,シルバーリング作りの様子を見学された谷村さんは,リング作りに取り組む苑生に声をかけ,各自が考案したリングのデザインについて尋ねるなど,興味津々といった様子でした。
 その後,昼食会の会場へ移動し,苑生や東京藝術大学の皆さん,BBS会員や,紫翠苑の皆さん,そして調理などを手伝った更生保護女性会の皆さんと昼食を共にしました。昼食会では,谷村さんに対して,苑生から様々な質問がなされるなど,和やかな雰囲気の中行われました。
 最後は,全員で「いい日旅立ち」を合唱し,歌い終わった後は,感極まって泣き出す苑生の姿もありました。
 今回のプロジェクトに参加されて,谷村さんは,「社会に出ようとしている人たちもだが,施設で働く人たちの悩みを聞くこともあって,頭が下がる。そういう方々が支えていると思うと,身が引き締まる思いです。」とのコメントをされました。


紫翠苑の職員や更生保護女性会の皆さんが昼食会の準備をしてくださいました


参加者全員で「いい日旅立ち」を合唱


拍手で見送られ,会場を後にしました

第五弾 「小中高生の居場所@南千住」訪問

 本プロジェクト第五弾では,「誰もが安心して過ごせるような明るい社会づくりを目指す更生保護ボランティアの方々と触れあっていただきたい」との思いから,谷村新司さんに,東京都荒川区にある「小中高生の居場所@南千住」を訪問いただくこととなりました。
 「小中高生の居場所」では,荒川区の保護司会,更生保護女性会といった更生保護ボランティアと,民生・児童委員や地元の商店街連合会といった地域の方々が一体となって,様々な事情から家庭で夕食をとることが難しい子どもたちのために,夕食を提供し,団らんができる居場所作り活動を行っています。

保護司と触れあう谷村さん
 この日は,約20名の子どもたちがこの居場所を訪れていました。谷村さんは,子どもたちの「いただきます!」をきっかけに,子どもたちやスタッフの保護司らと夕食をともにしました。谷村さんは,子どもたちに優しく声をかけたり,保護司から普段の活動の様子について説明を受けると,ねぎらいの言葉をかけられていました。

この日のメニュー(スタッフが自宅や店舗で作ったもの)
 食事のあとは,谷村さんから歌のプレゼントとして,全員で「いい日旅立ち」を合唱しました。谷村さんが,「皆さん(スタッフ)の思いへの答えが,子どもたちの明るい声になっているのではないか。」とお話しされると,涙ぐむ保護司の姿もありました。
 また,谷村さんは,「子どもは未来。大人は今,何ができるかを考えなくてはいけない。」「こういう活動をしている大人がいるから,子どもたちの笑顔がある。」とお話しされ,保護司を始めとした更生保護ボランティアや地域のボランティアの皆さんにねぎらいの言葉をかけられました。
 今回のプロジェクトでは,子どもたちの笑顔や地域の未来のために活動をしている,保護司を始めとした更生保護ボランティアの皆さんの姿を谷村さんやマスメディアの方に知っていただくことができ,大変有意義なものとなりました。

  • 谷村さんの言葉に熱心に耳を傾ける子どもたち


  • 谷村さんから熱いメッセージをいただきました